インターンシップ設計方法
~陥りがちな失敗例やポイントについて~



近年、新卒採用市場が急速に変化する中、学生へ自社の魅力を訴求する手段としてインターンシップを実施する企業が急増しています。 しかし、新たなインターンシップを実施したとしても、自社の魅力を訴求する企画・設計が適切になされていなければ採用成功に結びつきません。
インターンシップ企画・設計の方法と、陥りがちな失敗例をご紹介します。


▼【採用戦略のポイント】が分かる資料はこちら 採用戦略の教科書



近年の学生のインターンシップ参加状況

インターンシップの変遷

これまで新卒採用市場におけるインターンシップの位置づけは、経団連による倫理憲章に伴い、変化してきました。
15採用までは5日間以上のインターンシップのみ認められるため現場配属型形式が主流。その後、選考時期の後ろ倒しや19採用での1dayインターンシップ解禁の変化を経て、新卒採用のブランディング施策としてインターンシップは重要な位置づけになっていきました。同時に、各社が1dayインターンシップを実施したことや売り手市場の加速も影響し、インターンシップ市場はまさに「群雄割拠の時代」になっています。

環境変化が起きた際のインターンシップ市場の特徴

では、インターンシップ市場は今後どう変化していくでしょうか。2020年のコロナウイルスの影響によって新卒採用市場において大きな環境変化が起こっている中で、インターンシップ市場への影響は以下のような点が考えられます。

①インターンシップ市場(特に夏)は更に活発化
インターンシップ市場の動きは主に学生の動きに伴い変化します。商品市場や労働市場に大きな変化が起こる際には学生の中の不安感が増大し、「早く就職活動を終えたい」という意向が強く働くため、活動の早期化が起こります。22採用では3年生の4月から就職活動を始めている学生も増えています。

②オンラインインターンシップの加速化
オンラインでのセミナーが増える中、インターンシップをオンライン化していきます。その中で、オンラインで一方的に話す説明会のような形式では動機形成が難しい、これまで社員と会うことで訴求できていた魅力が伝えづらい、といった課題もでてきます。一方で、オンラインの特性を活かしたプログラムを企画する企業も増えてきており、学生からも「オンラインイベントのクオリティが低い企業は時代遅れ感を感じて志望度が下がる」という声もあがっています。

学生がインターンシップに参加する目的

環境変化が起きた際の「選ばれる学生」の動き方

企業が採用人数を絞る際に起こるのは、選ばれる・選ばれないの「二極化」です。買い手市場へ移行したとしても、あくまで全体傾向として見た方がよいでしょう。
では「選ばれる学生」にとってインターンシップとはどのような位置づけになるでしょうか。学生へのインタビューの結果、夏季インターンシップを中心とした夏の時期の情報収集によって業界を絞り、そこから企業選定を進めていくことが分かりました。インターンシップを通じて業界や企業を選ぶ主な軸は「事業の成長性」や「仕事で得られる成長」といったコメントが多く事業や仕事内容の魅力を感じられるかどうかが重要になります。
秋以降は絞った中での企業選定を進めるため、夏季~秋季のインターンシップ時期に事業や仕事についての魅力を伝え、惹きつけることができるかが重要です。

一般的なインターンシップ・企画設計とは

インターンシップと一括りに言ってもその手法は様々です。座学でのレクチャー、社員が登壇しての座談会、具体的な業務を体感できるケーススタディ、新規事業を立案するプランニング、現場受け入れ型の職場体験など多岐に渡ります。企業はこれらの手法を用いながら、自社の未来を創る人材の共感を得るために自社の魅力を訴求しています。

インターンシップのパターン



インターンシップのパターンは形式としては様々なものがあり、また上記に加えて日数や参加者数によっても変化します。しかし、インターンシップが乱立されている時代において手法で差別化することは困難であり、伝えるべきメッセージが伝わるインターンシップであることが最も重要です。伝えたいことが不明瞭なままインターンシップ企画・設計をしてしまうと、以下のような失敗をしてしまう可能性があります。

インターンシップ企画・設計で陥りがちな失敗例

①(メッセージがなく)自社の魅力が伝わらない:勉強になっただけで終わり、離脱する
参加学生のメリットを考え、プログラムを通して学びがあり勉強になるインターンを実施したとしても、「学びになって、勉強になった」ということと「学びがあり、チャレンジしてみたい企業だと思った」ということには雲泥の差があります。インターンシップを通して、自社のオンリーワンな魅力を伝え、就職先としての選択肢に入ることが非常に重要です。

②(ストーリーがなく)学生の印象に残らない:1wayで印象に残らず離脱する
アメリカ国立訓練研究所の研究によると、学習方法と平均学習定着率の関係は「学習ピラミッドモデル」で表すことができます。学習ピラミッドモデルは多数のモデルが描かれていますが、通常、次のように表示されています。



インターンシップにおいては短時間で自社の魅力を伝えることができるかが勝負ですが、講義や視聴覚でのインプットでは定着率が低く、印象や記憶に残らない可能性があります。インターンシップの中で伝えたいメッセージをどう「体験」を通じて訴求するのかが重要です。

③(メッセージはあるが)学生のニーズとマッチしない:満足度が高いがつながらない
自社の伝えたいメッセージがアンケートでもかかれていて、伝わっている。ものの、選考への接続がはかれていないというパターンもあります。
その場合は、メッセージが独りよがりになり、学生にとって魅力的なものかどうかという視点や他社との違いが分からない、ということが起こっていることが多いです。伝えるべきメッセージに自社・学生・競合の3Cの視点が入っているか点検が必要です。

インターンシップ企画・設計の流れ

採用目的・ターゲットの摺り合わせ

まずは、なぜインターンシップを実施するのかという目的を摺りあわせます。最終的には自社にとっての採用成功を実現することがゴールになりますが、採用活動全体における当該インターンシップの位置づけ及び、そのインターンシップを通して実現するべきことを明確化します。

インターンシップ全体企画・設計作成

「求める人材の特徴」「自社の魅力」「競合企業の魅力」を踏まえて、インターンシップを通じて、どのようなメッセージを、どのような流れで伝えるのかという、大枠の設計を行います。

インターンシップ詳細資料作成

プレゼンテーションスライド、ワーク資料、イベントタイムスケジュールなど、インターンシップの実施において必要となる資料の作成を行います。

運営資料作成

運営協力社員の方などにイベントの趣旨や、実際にご協力いただきたいポイントを共有するための運営資料の作成を行います。

インターンシップ本番実施

インターンシップ本番初回に同席させていただき、実際のメッセージの訴求度合いを確認させていただき、必要な場合はブラッシュアップをさせていただきます。

導入事例

大手不動産

オンライン型 街づくり体感インターンシップ
社員フィードバックをしながら街のコンセプト立案や物件の企画、販売計画を立案する

大手SIer

フィールドワーク型 プロジェクト体感インターンシップ
街の情報を実際にフィールドワークをしながら集め、ITを用いて街を活性化する企画を立案する

大手金融

仕事体感インターンシップ
見えづらいBtoBの仕事を実施のプロジェクトをケースワーク化することで追体験する

大手メディア

事業体感インターンシップ
事業展開の歴史を経営ボードゲームを用いて追体験する