採用活動においては、まず最初に御社が求める人物の要件を定める必要があります。採用コンサルティングにおいてよく行われるアドバイスではありますが、 具体的には何をすることでしょうか。
よくある「人材要件を定めるプロセス」は、現在活躍している社員に対して、適性検査結果(定量分析)と、インタビュー(定性分析)を行って抽出するというもの。ただ、果たして「イマ」現場で活躍している社員が保有している要件は、外部環境の変化が激しいビジネス環境において今後も必要だと言えるのでしょうか。5年前、10年前に求められた要件は、今も同じでしょうか。
上記の方法が、決して間違いという訳ではないのですが、採用は、未来の自社で働く人を採用するという「未来適合行為」であり、「イマ」だけに着目するのは当然ながらリスクがあります。
よって、本来求める人物像設計よりも優先すべきは、採用する彼らの「役割定義」を決めることです。外部環境の変化や事業・組織の課題から 採用する彼らに「何をして欲しいか」、「何を期待しているか」を明確化することが、採用する人物の要件を定める第一歩になります。
そして、その役割を果たすために、「志向・価値観」「能力」の要件を定める必要があります。
自社にとって必要な人材の要件を定める上で、陥ってしまうことの一つに、 「求める人材のスーパーマン化」があります。様々な分析方法を通じて抽出された要件を全て評価しようとするものです。
中途採用であったとしても、厳密な即戦力人材は存在しない事の方が多いです。各社には各社のビジネスの方法があり、その中で養われていくスキルが多く存在するからです。
しかしながら多くの場合、「採用時に持っておいて欲しい要件」「育成で身につく要件」を分けずに人物像を設計していることが多く、あれもこれもと集めた結果、このスーパーマン化現象が起きてしまいます。面接においては評価すべき項目が多くなりすぎ、全てを見切ることが出来なくて、面接時の評価にブレが生じるということに繋がってしまいます。
要件を定める際には、
これらを分けて設計することが求められます。
正しく要件を決めたとしても、定めた要件に対して選考手法が正しくないことも多々あります。選考時の手法には、「間接判断」「直接判断」の2つが存在します。
多くの企業で取り入れられている個人面接ですが、 応募者が頑張ってきた経験を聞きながら、間接的にその人材が自社に求める要件を 保有しているかを判断している手法です。
ただ、一方で、新卒採用などではよくあることですが、サークルや団体の副代表が大量発生する例のように、応募者も一定面接の練習をしているケースが大半で、過去の経験を聞くだけでは、判断が難しいことが多いです。
応募者の指向性など、間接的に聞くことでしか判断がしにくい要件もありますが、 自社にとって採用時の優先順位の高い能力要件については、直接判断手法で見極めることがミスマッチ防止に繋がります。いわゆる足切りとしてのグループディスカッションやグループワーク選考ではなく、本質的に見極めたい項目に合致した選考手法を選択することも大切です。
もう一つのよくある落とし穴は、「精緻なマニュアルを作成したら絶対に評価がすり合う」という前提を置きすぎているということです。選考官一人ひとりがそれぞれ異なる価値観を持っています。同じ映画を見ても、同じ食事を食べても、評価が人それぞれバラけるのと同じく、同じ応募者から同じ内容を聞いても、評価は異なります。
当然ながら、学生も一人ひとり経験が異なるため、事前に応募者の回答内容を全て想定しきることが不可能である以上、評価がすり合うというのは絶対に不可能だと考えるのが自然です。
もちろん、選考の要件、選考の手法、ステップを決定し、マニュアル等にまとめ、共有することは大切なのですが、大切なのは、その「違い」を認識させることです。 選考官自身が持つ基準と人事としての基準が相対的にどれだけ違うのか、そのモノサシを全体で共有することを目的とした共有機会が必要だと考えています。
■リンクアンドモチベーションの研修の特徴は?
弊社では2001年より、企業に対するコンサルティングで培った ノウハウやセオリーを定式化し、教育研修を開発しています。 実際の職場での活用・実践を前提とした内容に加え、 体感型ゲームやグループワークなどを中心とした “楽しみ”ながら“学ぶ” 体感型の「エデュテインメントプログラム」 となっていることが特徴です。 また、弊社の基幹技術である モチベーションエンジニアリングを用いることで 単なる知識提供や意識変革ではなく、 参加者の「行動変革」を実現する研修となっています。
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