知り合い、共感を紡ぎあげることが
明日へのシナジーへとつながる。

NTTデータ ライフサポート事業本部

異なる4つのビジネスユニットを統合し、新たな価値の提供を めざすNTTデータの「ライフサポート事業本部」。

シナジー創出に向けた課題は、お互いを知り、理念を共有すること。 同事業本部にとって大きな転機となった「社員フォーラム」について、 人事担当者の皆様に話をうかがいました。

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「かたちだけ」でシナジーは生まれない

―「ライフサポート事業本部」誕生の経緯についてお聞かせください。

谷口氏:昨年7月、パブリック&フィナンシャルカンパニーの組織機構の一部を再編し、 保険・医療ビジネス事業本部と第二公共システム事業本部の2つの本部が合併し、 4つのビジネスユニット(BU)と3つの本部直轄組織からなる「ライフサポート事業本部」が誕生しました。

NTTデータが誇る保険・医療ノウハウを集約し、シナジーを創出することで、 今後さらに成長が見込まれるマーケットに対して、より一層の高付加価値を提供することを目指しています。

しかし、「一緒になりました」「かたちだけできました」といっても、 すぐにシナジーを発揮できるわけではありません。 4つのBUは担当する顧客も民間から公共まで様々ですし、生い立ちも違えば、 システムの特性も違うわけです。それぞれのBUはどこに強みがあるのか、 弱みがあるとすれば、どこなのか。

そしてそれぞれのお客様がどんな悩みをもっているのか。 まずはお互いの特性や仕事を知り合う必要がある、と考えたのです。

再編の意味を伝え知り合うためのきっかけをつくる

―異なるBUが集まったことで、社員の皆様も戸惑いがあったのではないでしょうか。

谷口氏:「一緒になること」について戸惑いはありませんでした。 社員たちもシナジーを起こさなくてはいけないという「大きな目的」は理解していましたから。しかし、具体的にどういったアクションを起こせばいいかまでは、なかなか踏み込めない様子でした。 そこで必要なのが“きっかけ”なんです。

私たちが考えたのは、「シナジーの土壌創り」。
知り合うだけでなく、そこから互いに情報を発信していける関係づくりをしたかったのです。

山原氏:私自身も事業本部を何度か変わった経験がありますが、大きな枠組みが変わっただけで 日々の仕事に変化がなかったり、周りの反応も名刺が少し変わるくらいに感じていることが多かったと思います。

組織再編の意味が現場の社員まで、伝わりきらない背景もありました。 そのため、まずは知り合うきっかけづくり、関係づくり。 そこが大事なのは間違いないですが、本部がこの組織改変に“どれだけ本気か”を伝える必要もありました。

「ライフサポート事業本部」本来の目的を発信して、 社員が主体的に「何ができるか」を考え、行動できる素地をつくりたかったんです。

1200人を動かす“プロの技”

―リンクアンドモチベーションの提案を採用した決め手は何だったのでしょうか。

谷口氏:「ライフサポート事業本部」は1200人を超す大所帯ですから、言葉だけで理解を促すことは非常に難しいと思っていました。 そんな状況の中、リンクアンドモチベーションからは、その大きな組織を動かし、 メッセージを訴求する強いパワーを生み出すことのできる企画提案をしていただけました。 「これならば!」と思いましたね。 後は豊富なノウハウですよね。

―どんなところに、ノウハウを実感されましたか。

谷口氏:とにかく「ストーリー設計」がすごいんです。 導入のムービーで引き込み、互いの仕事の意味を理解し、ディスカッションして未来を考え、 最終的に普段の自分の仕事に落とし込んでいくといったように、目的達成へのプロセスが明確に描かれている。

「ノウハウ、持っているな」と感心させられたものです。 まさに、プロフェッショナルの仕事だったと思います。

―どのような点で、プロを感じたのでしょうか。

谷口氏:基本的に私たちの要望を大事にしてくれて無理も聞いてもらいました。 しかし彼らにもプロとして譲れないという部分もあり、最終的に顧客のためになるかどうかバランスを見て 結果を出してくれたところですね。我々もプロのSEだから、通じる部分があると思います。

今回の「社員フォーラム」でも、我々からすると「えっ? そんなこと必要なの?」というプロセスもありました。

しかし、彼らは「必要不可欠」と言い切るわけです。 熱意をもって、懇切丁寧に説明してもらったので納得しましたが、イベント当日に実際に見てみるまでは半信半疑でした(笑)。

でも、参加者の様子を見てハッキリわかりました。 「ああ、こういうことか!」と。

社員が主役の「映画」で「一体感」を醸成

―「社員フォーラム」のイベント内容についての感想をお聞かせください。

山原氏:全編を通した完成度がすごかったですね。 全体のプロセスを見ると一つひとつの意味が際立ってくるんですよ。 ここまで感動的な場があったのか、と驚きました。 フォーラムが終了した後は、まるで、一本の映画を見たような気分でした。

谷口氏:もともと知らない人が集まっているのに、昼食時間には、テーブルが盛り上がっていたよね。 距離の縮まり方がすごいなと。本当に驚きました。

山原氏:そうですね。 時間が経つに連れて、みんなが楽しみながら考えたり、ディスカッションしているのが伝わってくるんです。 変化を目の当たりにできることが、本当に楽しかったですね。 自分たちが主役のイベントだけに、社員も多いに盛り上がっていました。

従二氏:今回のフォーラムには、いろいろなBUからたくさんの人が集まりましたが、年齢や階層もバラバラ。

顔を合わせた瞬間は、緊張感があって、ピリピリしていたんです。 正直、大丈夫かな……と不安でしたが、最初の「自己紹介」で一気に安心できました。

“テレビ番組”みたいな手法で自己紹介をするのですが、参加者を見事にアイスブレイクさせたんです。 見せ方を工夫して場の一体感をつくってくれたことが印象的でした。

共通体験が未来に向けた後押しになる

―「社員フォーラム」で、どのような成果が得られましたか。

谷口氏:あくまで、最終目的はビジネスでシナジーを発揮すること。 だから、本当にいいきっかけになったなと。

大きなポイントは、お互いへの理解を深め、共通体験を得られたことです。 「国民のために考えるとはどういうことか」というキーワードをもとに、考え話し合う。 「社員フォーラム」での出会い・体験がベースとなって、ワーキンググループの立ち上げ・組織再編もやりやすくなったと思います。

山原氏:実際に、社員が自発的に「BUの強み発信」を行うといったアクションもありましたよね。 研修後のアンケートにも「本部が本気であることがわかった」という声が寄せられています。 理念を実現していこうとする強い気持ちが伝わったことも大きかったです。

同じ夢を描き第一歩を踏み出す

―今後のビジョンをお聞かせください。

谷口氏:共通の未来を描くことが出発点。 これからの課題はどう「ビジネスの実現」に結びつけていくかにあります。 当然、私たちのミッションは具体的なアクションをサポートすること。

みんなでビジネスを考えていくうえで、事業本部内の組織再編をどうするか、 プロジェクトチームをどうするか、必要なノウハウはどこに隠れていて、それをどのように共有していくか。 ここからは現実の課題と向き合わなければいけません。

一方、もうひとつのミッションとして、この機会を継続していくことが挙げられます。 「もう済んだ」と放置してしまっては、結局、また元に戻ってしまうかもしれませんから。

山原氏:社員からも、今後もやってほしいという意見が多かったですよ。 ビジネスユニットをまたがり、みんなで本部の未来を考えるイベントなんてありませんでしたから。

我々企画部の取り組みについて認識している人も少なかったように思います。 これからは現実的な課題に取り組むことになりますが、そこでみんなが集まる機会があってもいいですね。

―最後に、イベントを総括していただけますか。

谷口氏:「期待感」をふくらませるもの、だった気がします。 「この本部は面白いぞ」「みんなで手をつなげばすごいことができる」といったポジティブな気持ちを抱くことができました。

そういった感情があって、はじめて、シナジーは起きる。手ごたえを確信しています。

山原氏:今回の第一歩は、みんなが認識できる「一体感」が生まれたことが、とても大きい。 それが一番のねらいでもありましたから。 プレートをあげて発表したり、自由闊達に話し合ったり。 みんなが参加できる仕組みがよかったですね。

従二氏:「視野を広げる場」にもなりました。 我々は目の前の仕事に追われて視野が狭くなりがちです。 自分の、会社の、社会の未来を創造する。 そして、豊かに変わる生活に、私たちがどう関わることができるのかを考えていく。 大きな視点で仕事と向き合うことができました。

谷口氏:そもそも、NTTデータという会社が持つ「夢」は、そこにあるんです。 社員はみんな、そういう想いを胸に入社してきたはず。 忘れてしまった大切なものを再発見できた。 そんなすてきな場だったと思います。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。
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