「アルフレッサのマネジメントスタンダード」
を作る、数年かけた管理職育成計画

アルフレッサ株式会社

人材開発部長 田島 嘉保 氏
人材開発部人材開発グループ長 長谷部 俊輔 氏
人材開発部 人材開発グループ 丸山 竜介 氏
事業内容 2004年10月に福神株式会社、株式会社アズウェル、株式会社大正堂の3社により設立。医療用医薬品、医療機器、医療用検査試薬、介護用品、健康食品、一般用医薬品等の卸売販売を行う。
企業規模 6,156人(2021年3月31日現在)
担当コンサルタント 株式会社リンクアンドモチベーション 平林 幸治
導入サービス

管理職育成におけるマインド醸成・スキル向上のための研修
・課長向けマネジメントスキル研修
・支店長向けマネジメントスキル研修
・支店長向けサーベイフィードバック研修
・新入社員育成におけるコミュニケーションスキル研修
・新入社員向けビジネススタンス研修

背景

  • 市場環境の変化を受け、競争優位性が価格ではなく「人財」に移り変わる中、「アルフレッサのマネジメントスタンダードを作りたい」という意思のもと、管理職育成に着手。リンクアンドモチベーションの管理職育成研修の、座学だけでなく体験から理解できる「エデュテインメントプログラム」に魅力を感じ、導入。
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数年かけて「アルフレッサのマネジメントスタンダード」を作る

「人材開発に取り組む背景」

アルフレッサ 田島氏
:弊社アルフレッサ株式会社は、東証プライム市場上場企業であるアルフレッサホールディングス株式会社の事業会社という立ち位置で、医療用医薬品、医療機器等の卸売販売を行っています。

我々の業界は同業他社も含めて、メーカーから同じ金額で同じ商品を仕入れ、お客様に販売しなければなりません。したがって、価格における付加価値が付けにくいという側面があります。

価格ではない部分で取引先に選んでいただくためには、やはり「人」が重要になってきます。そこで、人がどんな価値を取引先に対して提供できるのかという観点で、より人材育成に注力しなければいけない、という認識が社内で作られ始めました。

アルフレッサグループでは、人材育成方針というものをグループ全体として立てています。また、弊社でも当時の社長であり現会長の増永から、「人材育成に今まで以上に注力していく」という方針が打ち出されました。

その方針に基づき、人事部の中にあった人材開発グループを2016年に社長直轄の人材開発部として独立させました。
 

リンクアンドモチベーション 平林:ありがとうございます。御社は、人に注力するという観点だけでなく利益率向上についても、中期経営計画書や研修の中で強調されていると感じます。

アルフレッサ 田島氏:我々は企業理念として、「すべての人に、いきいきとした生活を創造しお届けします」と掲げていますが、利益は社会に提供する価値への評価であり、どれだけ社会に貢献できたか判断するための尺度という考え方を持っています。

従って、その利益が減っているということは、当然社会に提供している価値が目減りしているということだと、研修時に発信しています。

人材が成長し、社会に提供できる価値が高くなれば、その分利益もついてくるという認識なので、企業理念の下であれば、既存の仕組みや提供しているサービスにとらわれる必要はないと思っています。

そのため、既存のものにこだわらず、新しいものにもチャレンジしていくためのマインドを養ってもらうために、マネジメントの研修に力を入れています。

メンバーの「やらされ感」を払拭できる管理職を

「目指す管理職育成の在り方」

リンクアンドモチベーション 平林
:御社の人材開発の特徴の一つとして、中期経営計画単位でテーマを決めていらっしゃるというところがあると思います。

多くの会社では、年に1回の研修企画で完結することが多い中で、御社は2019年から2021年の3年間の計画だけでなく、2022年から2024年の3年間も含め、複数年単位で育成施策を考えていると存じます。これは御社の中ではスタンダードだったのでしょうか?

アルフレッサ 田島氏:当然本社の中では、長期スパンで考えている部署もあります。しかし、正直私の部署にその考え方はあまり無かったように思います。それこそ、単年単位・単年完結で企画を考えていた状態です。

そこからリンクアンドモチベーションさんとやり取りする中で、「こういったあるべき姿になってもらいたい。そのためには、こういった取り組み必要だよね。」と部内でもディスカッションするようになりました。

簡単に言うと、トップダウンだけじゃなくてボトムアップも臨機応変に使いこなせるマネージャーを育てていきたい、というところです。

市場環境・社会環境が変化している中で、新たに始めなければいけない業務があるのに、既存の業務もあって、現場はかなり忙しくなっています。

そういった状況だと、仕事にやらされ感が出てきたり、とにかく目の前の仕事をこなすだけになったりしてしまいます。そうなると仕事に対して喜びを見出せないですし、社会に価値を提供しているんだという実感も見出せません。

このメンバーの「やらされ感」を何とか払拭したいと思っています。だからこそ管理職には、手元の数字ももちろん大事ですが、それだけではなく、「何のために仕事をやっているのか?」「この仕事はどんな価値を提供しているのか?」など、「われわれがやっている仕事は、こんなに社会にとって大切な仕事だよね」という意味・意義も、メンバーにしっかり示してもらいたいです。

仕事の意味・意義を示すことによって、メンバーも視座が上がるでしょうし、やりがいを感じられれば、受け身的な仕事の仕方から、主体的・自発的に活動したり、考えたりできるようになると思います。

そういう、仕事の意味・意義を示せる上司・マネージャーになってもらい、それを「アルフレッサのマネジメントのスタンダート」にしていきたいと思っています。

ただ、一足飛びにそこまで行くわけではありません。単年の施策でこのような管理職の育成を実現することは難しい、だとしたらファーストステップ、セカンドステップ、サードステップと段階を踏んだほうが良いという結論に達しました。

リンクアンドモチベーション 平林:事業環境・組織環境を実現していく上で、どうあるべきなのかという議論が御社の中で基点となり、中長期の視点で考えるきっかけになったのですね。

アルフレッサ 田島氏:そうですね。弊社はもともとトップダウンの傾向が強い風土なのですが、管理職にはメンバーのいろんなアイデアを吸い上げてもらいたいですし、仕事の楽しみや喜びもちゃんと伝えて、組織成果の最大化を図れるようにしてほしいと思っています。

リンクアンドモチベーションの「エデュテインメントプログラム」に感じた、「体験から理解する」ことの魅力

「リンクアンドモチベーションに感じる価値」

アルフレッサ 田島氏
:2年半前に赴任してきた際、課長職に対して実施しているリンクアンドモチベーションさんの研修を初めて拝見しました。

実際に事務局として見させていただいて、かなりワークが多く、体感できるものが多い研修だったので、これはすごくいいなと思いました。

当時は昇格者だけに1年に1回実施していたのですが、これは管理職になるタイミングで全員実施したほうが良いと感じました。予算を増やし、まずは課長に対して研修を実施し、その後、上の職掌にまで広げていきました。

リンクアンドモチベーション 平林:実際に事務局としてご覧いただいた研修手法は、弊社ではエデュテインメントプログラムと呼んでいます。エンターテイメントとエデュケーションを合わせた造語ですが、体感しながら学ぶことを重視しています。ここがご評価をいただいたポイントだったということですね。

アルフレッサ 田島氏:そうですね。御社の体感ワークを通した学びは、五感として理解できますよね。インパクトが強く、頭で理解するというより体で理解できるので、座学より学びを今後に活かしやすいと思っています。

それだけでなく、研修を作り込む過程では、リンクアンドモチベーションさんは他社よりも我々の話をしっかり聞いてくれると感じています。話を聞いていただいたあとに、「そうであれば、リンクアンドモチベーションとしてこういうものが提供できますよ」と提案してくださる。なので、他社と比べて一緒に研修を作っていっているという感覚が強いですね。

アルフレッサ 長谷部氏:研修後にフィードバックした点については即時に反映していただいたり、研修参加者の様子で気になることがあればすぐに共有していただけるなど、とても助かっています。田島の言ったように、「一緒に作り上げている」という印象を非常に強く感じています。

アルフレッサ 丸山氏:参加者からも、「今までの座学の研修はつまらなかったけど、最近変わった」といった声を聞くようになりました。以前のアンケート内容と比べても、「気付きが多かった」という意見が増えました。

アルフレッサ 長谷部氏:実際、アンケートだけではなく、直接「仲間うちで研修をやっていて楽しいと話していたよ」と私たちに伝えてくれるんです。それを聞いたときは企画している側としてすごく嬉しかったですね。

また、先日私も参加者として研修を受けさせていただきましたが、とても楽しく、学びがありました。内省の時間や、自分の現場での出来事を考えさせられるワークになっていますし、それをグループワークで共有できるところが、非常に効果的だと私自身も実感しました。

アルフレッサ 田島氏:リンクアンドモチベーションさんの研修を入れて以来、研修で双方向のディスカッションをする人が増えました。一方的にシャワーのように情報が降ってくるのではなくて、双方で話をするという雰囲気に変わったのかなと思います。

アルフレッサ 丸山氏:研修の仕立てももちろんですが、リンクアンドモチベーションさんは本当に色々な経験をされている講師の方をアサインしてくださいます。

やはり社内だけの意見では価値観が固まってしまうところもあるかもしれないので、医療業界だけではなく、その他の色々な経験から具体例も交えて話をしてもらえることがとてもありがたいです。
アルフレッサ 長谷部氏:確かに参加者から「ご自身の経験からくる話なので、業界以外の例えもわかりやすく、とってもスッと入ってきました」という声が多くありました。

アルフレッサ 田島氏:普段は業界の中での話で終わってしまうんですよね。だからこそ、講師陣が経験豊富で、外部の視点を入れてくれることに価値を感じます。

「マネジメントスタンダード」の共通言語化には一定の成果 今後の課題は研修参加後のフォローをどう進めていくか

「現状と今後の課題」

リンクアンドモチベーション 平林
:「アルフレッサのマネジメントスタンダードを作っていく」という目標に対して、ご進捗、ご実感をお伺いさせてください。

アルフレッサ 田島氏:進捗状況でいうと、課長たちに関しては、3年間で全員に受けていただく形なので、ファーストステップの研修進捗度合いは3分の2というところです。

受講対象者が多く、まだ受けてない方もいらっしゃるのと、研修を受けてから時間が立ってしまって、そのあとのフォローは課題だと思っています。今度は、研修を受けていただいたあとのフォロー、定着、維持の向上にも力を入れていくつもりです。

グループ長・センター長・支店長に関しては、上司から見たマネジメントの強みや課題、逆に部下から見たマネジメントの強み・弱みの把握というセカンドステップに入ってきているので、比較的順調に進んでいます。

現場でも課長たちとマネジメントや研修について話すようになっており、2019年から2021年の3年間で目指している「マネジメントにおける共通言語の組み込み」に対しては、一定の成果が出ていると考えています。

「リンクアンドモチベーションへの期待」

リンクアンドモチベーション 平林:最後に、今後弊社へ期待したいことや、皆さまが実現していきたいことをお伺いさせてください。

アルフレッサ 田島氏:先ほどもお話ししましたが、最終的には、現場で「アルフレッサのマネジメントのスタンダード」を定着させ、無意識でも使える状態まで持っていきたいと思っています。そこに向けてリンクアンドモチベーションさんとは色々なディスカッションをして、人材育成の知見や手段を教えていただけるとありがたいです。

アルフレッサ 長谷部氏:研修内容も、「マネジメントスタンダード」の定着に向けてより作り込んでいきたいと思っています。「他の会社さんでは、こういうことをやっていますよ」など事例を共有いただいて弊社には何が最適かいろいろとご相談にのっていただければありがたいです。

アルフレッサ 丸山氏:業界もまだまだ変わっていくと思いますし、人材育成を強化するために社内で見えているものと、まだ見えてないものがあると思っています。専門家であるリンクアンドモチベーションさんから客観的なアドバイスをいただき、今後も一緒に研修を作っていきたいです。今後のサポートも引き続き期待をしています。

全てのステークホルダーに感謝されるような仕事に溢れる会社へ

「今後実現したい管理職の姿」

アルフレッサ 田島氏
:今後は「質の高い情報」など、どれくらい付加価値を提供できるかがキーになってきます。

例えば、地域の方や医師からの生の声という情報を得られることは、卸の強みです。その情報を元にメーカーさんや医療機関さんにフィードバックすることで、フィーをいただくという仕組みもできつつあります。

それだけでなく、市場環境の変化という側面でも情報は重要です。今までは複数の卸会社に自社の医薬品を売ってもらっていたメーカーさんも「物流だけにとどまらず患者さんの投与計画等まで、一元管理ができる会社に絞り自社の医薬品を任せましょう」という流れになっています。情報提供を含めて、付加価値をどれほど提供できるかが、事業成長の要になるんです。

だからこそ、目の前の仕事が「何のためにあるのか」「どんな価値に繋がっているのか」など、「私たちの仕事は、社会にとって大切な仕事である」という意味・意義を、メンバーに対してしっかり示せる管理職はとても重要です。

意味・意義を示すことで、受け身的な仕事の仕方から、主体的・自発的な情報提供や活動が増えていくはずですし、そうすれば今お伝えしたような付加価値に繋がり、事業成長にヒットしていくでしょう。

そうやって、事業成長に繋げながら、社員だけでなくメーカー、医師、地域の方など、関わる方全員から真に感謝されるような仕事が溢れる、そんな未来を描ける管理職を育成していきたいと思っています。

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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