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OFF JT とは?OJTとの違いと研修方法を解説

人的資本の重要性が高まっている現在、人材育成は人事担当者や経営者にとって、企業の発展に大きく影響する重要な課題です。

人材開発の領域において広く支持され続けている形式でOFF JTであり、すでに多くの企業において様々な工夫を凝らし実施されています。今回はその人と企業の成長を支援するOFF JTについてご紹介します。


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目次[非表示]

  1. 1.OFF JTとは?
  2. 2.OFF JTの必要性
  3. 3.OJTとの違い・使い分け
  4. 4.OFF JTの効果的な研修運用方法
  5. 5.OFF JTの活用事例
  6. 6.記事まとめ


OFF JTとは?

■OFF JTとは?

OFF JTとは、職場から離れた場所で実施する外部研修や集合研修のことをいいます。 職場から離れてトレーニングを行うことから、「off-the-job training」の略称としてOFF JTと呼ばれています。

職場での実践的なスキル習得を目指すOJTと異なり、業務から完全に切り離して、職場とは異なる場を設けて行うため、 外部指導者や外部研修を導入して行うパターンがほとんどです。

令和元年に実施された、厚生労働省の「能力開発基本調査」によると、教育訓練費用(OFF JT費用や自己啓発支援費用)を支出した企業は57.5%(前回56.1%)となっています。

また、OFF JTを正社員に対して実施した事業所は75.1%、正社員以外に対して実施した事業所は39.5%となっており、依然として育成の手法として重要視されていることがわかります。

■OFF JTのメリット・デメリット

OFF JTのメリットとしては、下記のようなことが挙げられます。

①理論的で体系的な知識の習得がしやすい

OFF JTは基本的にプロフェッショナルの外部講師を呼んで実施します。

日常の仕事の中では業務の習熟度を高めていくことはできますが、 一般的な知識や体系的な情報のインプット、また棚卸しの機会としては 一度実務を離れた場で、現場で接している実務が企業にとってどのような意味があるのか等を体系立てて習得できるOFF JTが最適です。

②参加者同士での交流ができる

OFF JTは定期的な実施により、同期や同じ職階の人間が顔を合わせる場ともなります。

事業所が全国に展開していることでコミュニケーションがとりにくいという状況や、また昨今はコロナ禍での在宅勤務の奨励など、なかなか横での交流機会が不足している企業も少なくありません。

研修などで定期的な情報交換をしたり親交を深めることができ、企業の一体感醸成や 新たな関係性から付加価値が生まれることも期待できます。

③関係性に依存しない

例えば、性格的にあわない上司に教わることになった新入社員が、モチベーションが上がらずに、早期で退職するようなケースは起こりうることです。

しかしOFF JTの場合、外部の講師はプロフェッショナルです。従業員の性格や資質にかかわらず、再現性を持って高い教育効果を期待することができます。

また、デメリットとしては下記のようなことが挙げられます。

①外部講師や研修などの費用が発生する

OFF JTは基本的に外部講師を呼んで実施するため、 外部講師を招く費用や研修のために必要な交通費などがかかります。

②通常業務との兼ね合いが難しい

OFF JTは、メリットの裏返しでもありますが通常業務から離れて 実施するため、研修参加中は業務を行うことができません。 学び・気づきの場に集中できるよう、参加者の周囲への告知などの 工夫・配慮が必要です。

③効果が測りにくい

OFF JTは目的によっては日常業務や専門領域に直結しない 内容であることが多く、長期的な育成・成長を見越している一方で 短期的な効果が見えにくいこともあります。

OFF JTの必要性

なぜOFF JTが必要なのでしょうか?最近は「OJTをもっと活用し、現場で必要な知識や技術だけ学んでいけばいいのでは」という意見もあります。

しかしこれはやや早計かつリスクもあります。なぜなら、通常の業務を行いながらの 指導は時として十分に指導ができないことがあったり、上司や指導者により支援の差が生まれてしまうことがあるためです。

OFF JTで基礎をつくっておけば、より現場での自立的な行動につながり、学んだことを少なからず活かして乗り越えることができると考えられます。 結果として、OJTも効率的かつ効果的に機能させることが出来ます。

OJTとの違い・使い分け

OJTとは、On-The-Job-Trainingの略称で、実務を通じて業務を教えるといった育成を指します。 上司や先輩が実践的に業務を進めながら部下や新入社員に教えていくという方法です。

※参考:OJTとは?メリットや歴史的背景、指導方法のコツを解説

■OJTとOFF JTの違い

OJT(On-The-Job-Training)とよく比較されるものとして、OFFJTがあります。 OFF JTとはOff-the-Job-Trainingの略称です。

OJTは、先述した通り「上司や先輩が実務を進めながら実践的に部下や新入社員に教える」といった育成方法を指しますが、一方、OFFJTとは「実務と離れ、座学等で知識を身につけさせる」育成方法を指します。

大きな違いとしては、「実務の場にいるか否か」です。 OJTは実務の場にいながら実践的に育成するのに対し、OFF JTは実務から離れて研修を行い育成をします。

OFF JTの研修の具体例としては、新入社員であれば 「ビジネスマナー研修」、管理職レイヤーであれば「マネジメントスキル研修」等が あります。最近では「グローバル人材開発研修」のようなものを実施している企業も あります。

■OJTとの使い分け

OFF JTのメリット・デメリットを踏まえ、 目的やテーマに応じて適切にOFF JTやそれ以外の方法を選択することが重要です。 主にOFF JTを活用するテーマ、シーンとしては下記のような時があげられます。

▶︎共通で伝えたいベースとしての考え方、基本行動を育成したいとき

OJTでは基本的に具体的な業務に必要な専門知識・技術の向上につながる指導が多くなりますが、 「社会人として」「その役職として」「⚪︎⚪︎会社の社員として」共通で必要不可欠な、土台となる考え方やスタンスがあります。そのようなとき、部署に関わらず集合して実施できるOFF JTは有効です。

▶︎指導や学習効果のバラツキを最小化したいとき

OFF JTは少数の講師が受講者をまとめて指導するため、教育研修の質や内容に差が出にくくなります。

OJTで指導した場合は、各部署でそれぞれ指導者がいる状態となるため、 いわゆる直属上司やOJTトレーナーの指導スキルや職場の育成体制によって 習得知識や技術、成長角度に大きな差が生じます。

▶︎社員の理念や価値観を統一したいとき

会社の方針やビジョンなどを共有して社員の理念や価値観を統一したい際には、部署間を越えた共有の場が必要となるため、OFF JTが有効です。

OFF JTの効果的な研修運用方法

会社として投資をするからには、効果的な取り組み方をしたい。 一方で、OFF JTが十分に機能している、と言い切れる経営者や人事の方は多くはないのではないでしょうか。

OFF JTがうまくいかない理由については、 下記のようなことが考えられます。

■OFF JTが上手く行かない理由

①人材の育成方法に課題があるケース

OFF JTは、「共通で伝えたいベースとしての考え方、基本行動を育成したいとき」等に活用することが多いため、前提として単なる知識付与だけではなく「認識が変わること」「行動が変わること」をゴールに置く必要があります。

一方で、多くの研修では知識のインプットや講義形式での一方的な内容にとどまり、結果として「研修効果は何だったのか?」という問いが生まれたり「本当に意味がある研修だったのか」となりがちです。

参加者の行動が変わり、参加者本人にとっても人事・経営や会社にとっても 意味があるOFF JTを行うためには、いかにして認識・行動が変わるかを目的にした手法や内容の選択を行うことが重要です。

②そもそも人材育成に対する考え方や仕組みに課題があるケース

「この研修は何を得るためのものなのか」「どこに向かっているのか」といった、そもそもの育成体系や研修の目的・目標が曖昧な状態では人材育成はうまくいきません。

下記の図のように、望ましい育成体系を構築するためには、経営理念・事業戦略から ブレイクダウンした上で、組織・人材に対する基本的な考え方(目指す組織像や人材像)を策定し、人事ポリシーから一貫して落とし込まれた育成体系になっているか、整理してみることも有効です。


※人事ポリシーの図


※参考:育成・教育体系構築コンサルティング 考え方やおさえておきたいポイントについて解説

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新入社員早期育成に必要な3つのポイントとは?


■OFF JTの効果を高める研修方法

では、「OFF JTがうまくいかない理由」も踏まえながら、 効果的にOFF JTを行っていくために重要なポイントを見ていきましょう。

実際に参加者に変化を及ぼしていく際に重要なことが、 クルト・レヴィンが唱えている「態度変容の3ステップ」を押さえることです。 人間には「現状維持バイアス」というものがあり、一般的に変化を積極的には受け入れません。 「参加者の認識・行動が変わる」ことを実現するためには、 頭ごなしのアプローチや表面的なアプローチではなく、

  • 変化に対する懸念払拭や興味喚起を行い、共感を得る(Unfreeze)
  • 変化する方向性の明確化(Change)
  • 変化し切るための仕組みづくりや具体的なアクションの決定(Refreeze)

のステップを踏む必要があります。

各ステップでの有効な観点を下記に示します。 「これをしろ」と単に変化を要請するのではなく、 ポイントを押さえ、課題解決に向けて望ましい変化を促していきましょう。


※参考:人材開発・人材育成とは?必要なスキルや効果的な手法を解説
※参考:OJTとOff-JTとは?違いとそれぞれのメリットとデメリット。OJTをうまく回すためには | 人事のキホン2

OFF JTの活用事例

最後に、OFF JTの活用事例をご紹介します。

■実施企業

通信インフラ企業

■テーマ

新入社員研修

■対象者

新入社員

■課題

  • 事業理念の実現のため、お客さまが抱えている問題や願望を把握し、自社の サービスによっていかに解決していくのかを考える力を養ってもらう必要がある

  • 事業モデルが大きく変わる転換期であり、特に求められる「課題解決力」を早急に身につけさせることが必要である
    ​​​​​​​
  • 一方、若手社員の「言われたことしかやらない」「自分の興味関心がある領域しかやらない」「失敗するのが 怖い」といったマインド面の課題を現場から指摘 されていたこともあり、入社後なるべく早いタイミングで学生から社会人への意識改革を促し、ビジネスで求められる基本的所作の実践を強化したい

■実施先選定のポイント

①新入社員に求める「お客さま志向の観点」「自ら動く主体性」といったビジネスパーソン像に最も早く近づけると思えるカリキュラム内容だったこと

・・・今までの新入社員研修とは違った厳しさの中で、お客さま志向が大切であることの気づきを促すことができること、そしてPlan-Do-Check-Actionというサイクルを実践的に習得できる 研修内容だったこと

②大規模開催であっても態度変容を促す研修の均一化を図ることができたこと
・・・新入社員が陥りやすい状態からめざすべき状 態に一足飛びに変えることは非常に難しく、頭ごなしに研修を進めても逆に新入社員が心を閉じてしまうケースがある。

そこでまずは陥りやすい 受け身的な状態や自己基準になっている現状に気づかせること、そしてそこからめざすべき方向に導き、最後に自ら変わるための背中を押すというステップが重要。

■実施内容

  • 研修全体を通して、受け身的な状態から主体性をもったビジネスパーソンへと態度変容を促すことができる『Unfreeze』『Change』『Refreeze』という態度変容の3つのステップをベースとしたLM独自の 技術と統一化されたストーリーを盛り込みました。

  • さらに対象となる新入社員が400名をこえ、 15クラスに分けて同時に開催するという大規模な研修になるため、クラスごとにばらつきが出ないよう多数の講師のクオリティを均一化しました。

  • 緻密に計算して再現された実践的でリアルな環境において、顧客役スタッフから 時には厳しく指摘を受けながら行ってもらうことで「分かることとできることは違う」ことを実感していただきました。

■効果

  • 例え仮想的な「顧客役」に対してであっても、いざ実践してみると「できない」社員が続出、今まで自分が分かっているつもりだったこと、せっかく学んだ観点をとても低い基準でしか行えていないことに強烈に気づくことができました。

  • 研修後も新入社員が 提出する日報のフォーマットや書き方マニュアル の整備といった研修以外のサポートも支援することで、研修で得た大きな気づきを日々の内省によって深め、学んだ観点をよりいっそう定着させることができました。


※参考:リンクアンドモチベーション 事例一覧(人材開発)

記事まとめ

本コラムではOJTとOFF-JTの違い・メリット/デメリット等に触れながら、効果的にOFF JTを行う方法についてご説明しました。

本質的な人材育成を実現するためには、OFF-JTのみならずOJTをバランス良く組み合わせることや、そもそも一貫性のある育成体系を構築することが不可欠ですが、「効果的に実施できている」という企業はまだ少数です。

ぜひ「本当に効果のある」「本当に意識や行動が変わる」OFF JTの実践に向けて、本コラムが参考となれば幸いです。

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神門 美紀
神門 美紀

【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。 大手・リーディングカンパニー向けの営業コンサルティングに従事。 育成・組織開発を中心に、企業価値向上に向けた 「ダイバーシティ推進」「理念策定・浸透」「制度改定」の実績等。 小売サービス業、インフラ企業、IT企業様など数多くの業界のお客様を支援。 営業をしている。

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