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人材開発・人材育成とは?必要なスキルや効果的な手法を解説




企業において、人材育成/人材開発というのは重要なテーマの1つです。しかし昨今、社会経済の変化や、価値観の多様化の中で、従業員の動機形成や、成長促進に悩む企業が多くあります。

本記事では、そもそも人材育成/人材開発は何かを説明し、直近の課題を明確にした上で効果的なアプローチを解説します。各階層で求められるスキルや事例にも触れますので、ぜひ、人材育成/人材開発のポイントを押さえ、事業成果や組織成長に繋げていきましょう。


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人材育成とは

人材開発と人材育成は、同義で用いられることもありますが、対象と目的に異なる部分があります。人材育成の対象は、主に新入社員・若手社員・管理職といった切り口で設定します。

目的としては、不足しているスキルを新たに身に付けさせ、個々の業務推進力を強化させることです。スキルとしては、コミュニケーションスキル/ロジカルシンキング等のビジネスパーソンに共通して必要とされるものから、業界/部署/職務等によって変化する専門スキルが該当します。

階層に応じたスキル習得を促すことも重要です。

新卒社員においては、オフィスソフト(PowerPoint/Excel/Word等)やコミュニケーション(報告/連絡/相談)、タイムマネジメント等に関する、社会人としての基礎スキルを研修等で習得します。

その後、配属された部署で求められる専門的なスキル(人事部であれば労務管理、営業部ならプレゼンスキル等)をOJTで身につけていきます。

管理職となればマネジメントスキルや評価者スキルが必要になり、異動にようる職種変更や、新規プロジェクトへのアサインも増え、そのような場合には新たな専門スキルを習得しなければなりません。

このように、人材育成の対象は階層や職種、職務といった切り口で検討されるのが一般的で、 目的は具体的なスキル習得であることが分かります。

人材開発とは

一方で人材開発は、全社員を対象にします。社員のスキルや能力を発掘し、パフォーマンスを最大化させることで、個人だけではなく組織全体の力を高めていくことが目的となります。

人材開発を行うにあたって、まずはそれぞれの社員が持つ課題や特性を把握しなければなりません。百人百様の目的や目標に対して、最大公約数となる施策を提供する取組みであるためです。

例えば、ジョブ・クラフティングのように仕事に対する認知や行動を変化させていくことで、働きがいを高めたり自身のキャリア開発につなげたりする手法があります。人事部からこういった学びの機会を設けることが人材開発の施策と言えるでしょう。

また、より包括的な視点であるタレントマネジメントの一環として捉えることで、施策ごとの相乗効果が期待できます。

ワーク・エンゲージメントを高める取り組みや、こころの知能指数と呼ばれるEQ理論を活用した取り組みなども人材開発に位置付けられます。このように、人材開発の目的は人材育成の目的よりも抽象度が高くなります。

ただ、“能力やスキルを最大化させる”と言われても、イメージしづらいように、人材開発で焦点を当てるものは可視化することが難しく、だからこそ、人事部が主体的に取り組まなければならないのです。


人材開発と組織開発の違い

■組織開発とは

組織開発とは、「人」そのものではなく、人と人の間に生まれる「関係性」や「相互作用」といったものが対象にします。

人材そのものの知識や技術が向上しただけでは、組織全体の動力の底上げにつながるとは限りません。より広い視野で組織をシステムとして捉えることで、人間同士の関係、グループ、そしてグループ同士の関係といったまとまりが見えてきます。 しかし、近年は人材開発でも組織を対象として取り扱う傾向が増えており、両者の分類が明確ではなくなってきているのです。

■人材開発における効果的な考え方

⼈間は「完全合理的な経済⼈」ではなく「限定合理的な感情⼈」です。⼈間の振る舞いは、限られた場⾯では合理的ですが、決して完全ではなく、⼈間の判断や⾏動には、経済的利得だけではなく、感情的な側⾯が大きく影響しています。

育成機会の提供においても、このような「⼈間観」を前提にしながら、従業員が意欲的に取り組めるようにすることが効果の最大化に繋がります。やらされるのではなく、やりたいと思い、その意識がしっかりと行動に反映されるような機会を提供しましょう。
(※詳しい設計方法は後述します。)

人材育成、人材開発における直近課題


■事業環境の変化による育てるべき人材の変化

現代は、VUCAの時代と言われています。

Volatility(変動)
Uncertainty(不確実)
Complexity(複雑)
Ambiguity(曖昧)

つまり、それまでの「あまり変化がなくて、確実に先を見通せて、単純で、明快な物事が多い」時代にとって代わり、「変化が激しく、先も見通せず、複雑で、捉えきれない物事が多い」時代といえます。

そこでは、それまでの「素直に戦略や業務を徹底遂行する均質的な人材」ではなく「変化を楽しみ、自考自動する多様な人材」を増やしていくことが求められます。

■労働市場の変化によるキャリアマネジメントの重要性の高まり

終身雇用の崩壊に伴い、企業と個人の関係性に変化が生じています。それまでは「相互拘束関係の時代」といわれ、 一度獲得した人材には手間暇をかける必要がありませんでした。

しかし今は「相互選択関係の時代」となり、一度獲得した人材もリテンションし続ける必要があります。また、新型コロナ禍によって、人々のキャリア意識も変化し、会社に依存することへの危機感や、個人としての能力開発への意欲も一層高まりました。

つまり企業としては、従業員のキャリアマネジメントという観点なくして、優秀な人材を確保し続ける事はできないのです。








■社会的制約の増大によるマネジメント難易度の高まり

コロナ禍により多様な働き方が促進されました。リモートワークが一般化され社員が見えない環境でマネジメント難易度が上がっています。

今、企業に対しては様々な物事への対応が迫られ、複雑化しています。

例えば、ワークライフバランスやハラスメント、情報セキュリティ、コンプライアンス等々…。そういった一種の社会的な制約に対して、現場の理解も高めながら対応し、生産性を高く保つには、組織風土が重要となります。

人材育成でよくある失敗例

人材育成で起こりがちなこととして、研修等の機会提供の場では素晴らしい気づきを得るものの、いざ現場に戻ると学びが活かされず、行動も長続きせず、結局効果が出ない…というものです。

知識提供だけでなく、意識変革にも留まらず、行動変革を実現し、成果に繋がるような研修を実施し、その後の支援をしていくことが重要です。

人材開発、人材育成で効果的なアプローチ

人材開発や人材育成において重要なことが、 「診断」と「変革」のステップを踏み、そのサイクルを回すことです。
しばしば「See→Plan→Do→Check&Action」サイクルといわれることもありますが、

①診断:現状把握をし、課題特定をした上で、適切な改善計画を立てる
②変革:改善計画を確実に実行し、適宜確認および軌道修正を行う

これらを繰り返すことが重要です。

■「診断」フェーズのポイント:現状を見える化する

課題を特定し、適切な改善計画を立てるためには、網羅的な現状把握が大前提となります。その際、現状を可視化/数値化できることが望ましく、ダイエットで言うと体重、学力で言うと偏差値を思い浮かべると分かりやすいです。

現状を客観的に、相対的に捉えられる”モノサシ”を置き、課題を特定しましょう。

■「変革」フェーズのポイント:適切な変革ステップを踏む

実際に組織や従業員に変化を及ぼしていく際に重要なことが、クルト・レヴィンが唱えた「態度変容の3ステップ」を押さえることです。人間には「現状維持バイアス」というものがあり、一般的に変化を積極的には受け入れません。

そこでまず、変化に対する懸念払拭や興味喚起を行い、共感を得ます(Unfreeze)
その上で、変化させたい方向性を明示します(Change)
最後に、変化し切るための仕組みづくりを行なうのです(Refreeze)

各ステップでの有効な観点を下記に示します。「これをしろ」と単に変化を要請するのではなく、ポイントを押さえ、課題解決に向けて望ましい変化を促していきましょう。









各階層で求められるスキル

■人材育成の要件フレーム

人材育成をしていく際には、大前提として「スタンス」「ポータブルスキル」から育成を施すことが重要です。スタンスとは、仕事に向き合う姿勢や組織内での役割認識などであり、ポータブルスキルとは、業界/職種/地域(文化)を超えて普遍的に求めらるスキルです。

これらが十分に高まって初めて、テクニカルスキルがより一層磨かれ、絶大な効果を発揮していきます。





■新入社員/若手層のスタンス開発

そのため、新入社員や若手の育成においては、スタンス開発に焦点を当てることが重要です。

例えば、リンクアンドモチベーションでは、 新入社員研修に対し「STAR」の観点で整理した4つのスタンスを重点的に呼びかけています。

・Say:報連相を怠らず、常に発信し続けよう!
・Target:目的のない仕事はない、常に目的と優先順位を考えよう!
・Action:立ち止まっている暇はない、悩む前にまずは一歩を踏み出そう!
・Roleplay:仕事は1人ではできない、顧客・上司・同僚など相手の立場に立とう!

当たり前のように思える上記スタンスについて、実践ワークを通して 「意外とできないことを自覚」させ、「スタンス体現の基準を理解」させます。 その後、長期の目標設定と、短期的な行動プランを立て、定期的な振り返りを実施します。


■中堅社員層のリーダーシップ

リーダーシップとは、天性の資質や肩書によって発揮できるもの(役割的)ではなく、置かれた場面に向き合って、自ら率先して行動した人物が発揮するもの(行動的)です。

多くのメンバーは「みんなが賛成するなら自分も賛成する」と考える中、そのような心理を踏まえて 「①流れを創り出すこと」、「②流れを止めないこと」が重要です。

企業としては、中継社員にあたる従業員らに、リーダーとしての自覚、および望ましい考え方や行動の理解、そしてその体現に向けて、適切な機会を提供することが求められます。




■管理職層のマネジメントスキル

管理職には、「ビジョンマネジメント」「戦略マネジメント」「PDCAマネジメント」「メンバーマネジメント」という、4つのマネジメントを行なうことが求められます。

これらは、下記のように連環しており、各象限同士のリンクを意識して設計することが肝要です。企業としては、それぞれのマネジメントのポイントを押さえ、企業成長を促進していけるよう、管理職への適切な機会提供が重要です。




人材開発の成功事例

ある大手消費財メーカーの事例をご紹介します。

その会社ではまず、内外の環境変化、および自社の目指す未来像をふまえ、 人材開発による変化の方向性を言語化しました。




そして、上記を砕いていく形で、成長支援強化のテーマを定めます。








また、特に管理職の育成に関しては、長期的にPDCAをしっかりと回し続けるための研修を導入し、確実な成長をサポートしました。





これらの取組みによって、決して強制的ではなく、従業員の意志や主体性に寄り添う形での支援をしながら、組織力強化、および望ましい組織風土の醸成を成し遂げ、業績向上を実現していきました。


記事まとめ

人材育成・人材開発とは、一朝一夕でできるものではありません。現状を的確に捉え、目指す方向性に照らして課題を特定した上で、従業員を巻き込んで、効果的な支援を設計/実行し続けることが重要です。

しかしその先にある組織成長は、確実な競合優位性となり、企業の発展に大きく貢献するでしょう。





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