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ビジョンとは?
経営におけるビジョンマネジメントのポイント


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ビジョンとは

ビジネスパーソンであれば「あなたの会社のビジョンは何ですか?」「このプロジェクトのビジョンは?」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

しかし、ビジョンの意味を適切に理解している人は多くないと思います。 本記事では、まずビジョンとは何かを明らかにしてから、ビジョンを組織に浸透させるためのマネジメント手法について説明します。

ビジョンの一般的な意味合い

ビジョンの意味を理解するには、ユダヤ系ドイツ人の経営学者のピーター F. ドラッカーが提唱しているように、ミッション・ビジョン・バリューのそれぞれを理解する必要があります。ドラッカーはミッション・ビジョン・バリューを下記のように説明しています。

ミッション:企業の目的や企業の果たすべき使命のことで、不変的なものを示します。

ドラッカーは、組織のリーダーが初めに行うことはミッションの定義であると提唱しています。ミッションの定義が曖昧であると、組織は実行力を失います。

逆に、ミッションを正確に理解することができれば組織に実行力が生まれ、何にどう貢献すべきか考え仕事に取り組めるということです。

ビジョン:事業を通じて成し遂げたいことや将来の目指したい像を示します。

これは時代背景によっては変わりうるもので、ミッションとは違い可変的なものになります。つまり、ビジョンはミッションを達成するための中長期的な目標とも言えます。

バリュー:企業に所属するメンバーにとっての価値感や判断基準のことです。

それらが明確になることで、メンバーはビジョンに向かうことができます。ゆえにミッションの実現にも繋がっていきます。

メンバーからは、ミッションやビジョンよりも、より日常の業務の中で理解しやすい具体的な内容であることが大切です。

このように、ミッション、ビジョン、バリューは繋がっており、組織を成立させる大切な要素なのです。
(※参考:リンクアンドモチベーション「ミッション・ビジョン・バリューとは?事例や浸透させる方法」

なぜビジョンが必要なのか

その例として、マッキンゼー出身のジェームズ・C・コリンズとスタンフォード大教授ジェリー・I・ポラスの名著『ビジョナリーカンパニー』でも、企業が生存する法則が8つあると明示されています。

(1)大量のものを試し、うまくいったものを残す:多くの失敗から学び、成功している
(2)試行錯誤の末に素晴らしいアイデアが生まれている:素晴らしいアイデアが元々あったわけではなく、
   試行錯誤をした末に突出したアイデアが生み出されている
(3)基本理念を維持し、進歩を促す:ビジョナリーカンパニーは利益の最大化だけではなく、同時に組織理念も追求している
(4)社運を賭けた大胆な目標:大胆な目標を描き、従業員のやる気を引き出している
(5)カルトのような文化:価値観が合うものは最高の職場になっている
(6)製品ではなく企業そのものが最高の作品:経営者にとって最高の作品とは、自社製品のことではなく、
   素晴らしい製品を生み出し続けることのできる会社そのものである
(7)カリスマ経営者ではなく生え抜きの経営者:属人的なカリスマ経営ではなく、優秀な経営者を育て続けることが大切である
(8)決して満足しない:慢心は業績衰退を表す。常に向上心を持ち改善をし続けている

これらを要約すると、 成功している企業は、1人のカリスマ経営者がいるから発展したわけではなく、理念の浸透や組織文化の醸成があったからこそ、時代の変化を乗り越え発展していったということです。 どんなに目先の利益があったとしても、どんなに素晴らしい1人の経営者がいたとしても、理念の浸透や組織の文化醸成をしていなければ、企業は衰退していってしまうのです。

ビジョンを掲げる意味とは

”生物の進化”と”企業の発展”には実は共通点があります。生まれたての生物や小さな生物は、殻によって体が守られており、殻以上に成長することはありません。生物は進化するにつれて、背骨ができ、その背骨に沿って体が成長していきます。

企業でいうと、社長が直接的に収益を創造している企業は、社長が直接マネジメントする範囲以上に企業が成長することはありません。 企業が成長していくにつれて、背骨(=ミッション・ビジョン・バリュー)が必要になり、 それらがあることによって、社長と同じ判断のできる社員が育つ組織を作ることができるのです。

逆に、そういった背骨(=ミッション・ビジョン・バリュー)がなく、社長の指示で全て動かしている企業の場合は、 仕事の質や納期を保つために社長が現場まで直接手を入れてしまっていたり、判断の多くを社長にゆだねているため、スピードやクオリティの低下に繋がります。

ミッション・ビジョン・バリューがあることによって、現場主導で全社員が会社として大切にしていることを理解し、仕事のスピード・クオリティを維持・向上できている状態を実現できます。

ビジョンを企業経営に活かすポイント

さて、ここまでビジョンの重要性や効果について説明しましたが、ここからは実際に企業経営におけるビジョンの活かし方について解説します。

アメリカの経営学者チェスター・バーナードによると組織の成立要素は「共通の目的」「協働意思」「コミュニケーション」の3つがあると言われています。 それぞれ企業経営においてどのような意味を持っているのか説明します。

①共通の目的

企業経営において共通の目的とは、「ビジョン、戦略、行動指針」にあたります。ポイントは「社会や業界で差別化を図れるようなオンリーワン性の追求」です。

例えば、アサヒビールの理念は「最高品質と心をこもった行動を通じて、お客様の満足を追求し、世界の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献すること」というものです。 「最高品質」というワードからわかるように、量(大量生産)から質へのこだわりへ事業戦略をシフトさせています。

かつては大量生産を求める時代でしたが、アサヒビールは品質を追求するという差別化を図ってきました。 このように、会社が独自で掲げるビジョンが、共通の目的のポイントです。

また、経済産業省から発表されている『持続的企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書~人材版伊藤レポート~』 でも、以下のように提起されています。

『持続的な企業価値の向上が重視される中、自社が何のために存在しているのか、社会における存在意義を問い直し、改めて定義・明確する ことが必要となる。 こうした企業理念や存在意義の明確化は、自社の競争優位性を明確化することにつながり、経営戦略のコアを特定する上でも重要である。
特に新型コロナウイルス感染症への対応で、今後もリモートワーク が定着化していく中で、従業員一人一人が孤立することなく、 企業理念、存在意義(パーパス)を軸に価値観を共有し、企業と同じ方向を向 いて業務に従事できるよう取り組むべきである。』

企業理念や存在意義の明確化は、リモートワークが定着しつつある現在においてより重要性が増しているといえるでしょう。

②協働意思

協働意思とは、共通の目的に対する従業員のモチベーションです。 では従業員のモチベーションを高めるポイントは何でしょうか。 それは、共通の目的に対する「共感者の採用」と「共感を高める育成機会の創出」です。

まずは、企業のビジョンに共感していてそれを実現したいと思う人を採用することが大切です。 しかし、入社して時間が経つと共感度合いが下がる従業員もいるため、適した育成機会を提供し、共感度合いを高め続けることが大切です。

③コミュニケーション

そして、「共通の目的」の達成に向けて「協働意思」を高めるための手段が「コミュニケーション」です。 これまでの例で言い換えると、企業の「ビジョン」の実現に向けて、「従業員のモチベーションが高く」なるようにする手段です。

重要なのは、ただコミュニケーションの量を増やすのではなく、共通の目的の達成に向けた課題を踏まえて設計されたコミュニケーション施策を実行することが大切です。 点と点で繋がりの無いバラバラな施策を乱立させるのではなく、ビジョンの体現に向けて施策同士繋がりを意識した体系化が重要です。

これら共通の目的、協働意思、コミュニケーションの3つの要素をバラバラに強化するのではなく、 「食い違っていないか?」「部署によってバラついていないか?」など、それぞれの繋がりを考えることで企業運営がスムーズに進んでいきます。




ビジョンを組織に浸透させるマネジメントのポイント

さて、ここまでビジョンとはそもそも何なのか、ビジョンを掲げる意味やビジョンを企業経営に活かすポイントを話してきましたが、 ここからビジョンの浸透方法について具体的に話していきたいと思います。

ビジョンを浸透させるポイント

弊社では、ビジョンの浸透とは「組織に属する人々がビジョンを理解し、ビジョンを元に行動している」状態のことだと定義しています。 それを踏まえた上で浸透のポイントを説明していきます。 ビジョンの浸透で一番な大切なポイントは、「管理職の結節点機能の強化」にあります。

「結節点」とは「経営と現場」「自部署と他部署」の間をコミュニケーションによってつなぎ、ビジョンの現場における実現度合いを高める役割です。 「結節点」を更に砕くと、マネジメントには4つのステップに整理できます。ビジョンマネジメント、戦略マネジメント、PDCAマネジメント、メンバーマネジメントです。




図の右上、ビジョンマネジメントとは、現場にビジョンを提示するマネジメントです。なぜ自社で働いているのか、この部署の存在意義は何かを現場に伝えていきます。

次に2ステップ目についてです。図の左上の戦略マネジメントとは、競合企業や業界動向などを捉え中長期的な戦略を描き、現場の業務の流れを最適化することです。ビジョンから逆算し、戦略に落とすことが大切です。

3ステップ目は、図の左下PDCAマネジメントにあたります。日々の業務達成に向けた修正行動のことを指します。 そもそもの目標を策定したり、それを達成できなかった時の問題解決がPDCAマネジメントにあたります。ビジョンに紐づく戦略に対して、高い頻度で軌道修正し続けることがポイントです。

4ステップ目は、メンバーマネジメントです。メンバーマネジメントとは、従業員の意欲向上と能力向上のためのマネジメントです。現場のPDCAを回すだけでは、成果創出の最大化はできません。従業員のモチベーションや能力の向上にアプローチすることで、よりPDCAが加速し成果創出に繋がっていくのです。

これら4つ全てのマネジメントを繋げることで、ビジョンが戦略に繋がり、日々の軌道修正に繋がり、メンバーの具体的な行動に繋がります。このようにステップを砕くことがビジョンを浸透させるためのポイントです。


まとめ

ビジョンとは企業の背骨のようなものであり、企業存続に必要不可欠なものです。会社の存在意義や目的を明確にすることが、リモートワークが定着しつつある現在、より重要になっていくるでしょう。

しかし、ビジョンを提示するだけでは組織内に浸透させられません。経営と現場を繋ぐ「結節点」が4つのステップのマネジメントを行い、メンバーの具体的な行動に繋げていくことが重要です。





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