コミュニケーションはモチベーションにつながる。(部下育成研修 導入事例)

総合酒類メーカーN社

ワインのリーディングカンパニーとして特徴ある商品を開発・提供するN社。

ブームを経て日常生活への定着が進んでいるワイン市場に対し、 さらなる事業推進の要として基幹職に求めていること、そしてリンカーン研修を導入した理由を人事部のY氏に伺いました。

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導入した背景は何でしょうか?

弊社は、昨年創立70周年を向かえ、ここを一つの節目とし事業戦略を見直すことにしました。 そもそも私たちの事業の中心である酒類は、既に成熟した市場でして、 そのため拡販するにも営業努力や新商品の開発がすぐに成果に結びつくわけではありません。

しかし、各個人のベクトルを束ね、価値観を共有し、事業展開のスピードを上げることが、目標達成に繋がると考えます。 そのような力強い組織創りが出来るか否かは組織の要である基幹職のマネジメント力にかかっています。 組織のトップと部下をつなぎ、各部署や他カンパニーとも連携することが多い基幹職が、 その職分と能力を発揮することで事業を推進することができるからです。

そこでマネジメント層を対象にした中間管理職研修を導入することにしました。

中間管理職研修に期待していたことは何でしょうか?

新たな事業戦略に先立ち、2003年7月から一般職の人事制度を、年功的な仕組みから成果主義に切り替えました。 導入から1年ほど経つと評価する側もされる側も制度運用をきちんと理解できるようになったのですが、 そこで生まれた課題が評価に対するマネジメント
例えば営業ですと売上の数字など成果は分かり易いのですが、反面外勤で不在になるために会話が不足になりがちです。

また、研究部門や生産ラインの現場では、日常業務は密に行われているのですが、 逆に成果が数字としては見えにくいために評価がしづらいという現状があります。 そのため、評価面談などでも表面的なやり取りをしたり、 失敗や弱点を指摘するような評価になっていたのですが、これでは部下のやる気がそがれてしまいます。

結果を出せなかったことにシビアに対応しつつ、 頑張っている姿勢を伸ばせるマネジメント方法を学んで欲しいと思いました。

そのマネジメントに必要なものは何でしょうか?

評価者、つまり基幹職には、失敗を責めるだけではなく、それを糧に成長させる指導力が必要です。
しかし、弊社の基幹職には年功序列的にキャリアが上がってしまうのに慣れていたせいもあり、 「育成」するという視点が欠如しているようでした。

育成するためには、単に成果を出したとかコストを削減したという評価だけではなく、 目指して欲しいビジョンを掲げなければなりませんが、そのために欠かせないのが、 部下から情報を収集し、それをもとに的確な判断を伝えるコミュニケーション力。 その点、コミュニケーションを通して部下のモチベーションを高めるマネジメントが学べる中間管理職研修は、 まさに求めていた内容でした。

研修のどのような点が良かったでしょうか?

研修では、基幹職は、組織における上下左右あらゆるコミュニケーションの「結節点」であるということと、 必要とされる4機能「情報提供」「情報収集」「判断行動」「支援行動」を 体感型でかつ体系的に学ぶことができるのです。 その上で、4機能に照らし合わせて受講者の上司と部下から事前にサーベイを行い、 それを本人に返却するという流れになっています。

各受講者は、4機能に照らし合わせて「強み」と「弱み」を細かく把握できるのですが、 普段から部下や上司から率直な意見を聞く機会がなかったこともあり、 自分自身に対する本音を聞けたことが大変刺激になったようです。 また、弊社の基幹職には、「判断行動」(評価や行動の基準を示すこと)の機能が弱い傾向が出ていたように思います。 目標管理評価制度の導入で、判断の基準をしっかりと示すことをしていかなければならないことが良く分かりました。

研修後に変化はありましたか?

研修後、受講者は「コミュニケーションはモチベーションにつながる」という意識を持ちながら マネジメントをしているようです。 弱点であった「判断行動」に注意しながら部下と会話をするため、互いに心地良い緊張感が生まれてきたようですね。 また、その効果を受講者同士で情報交換をするほど各基幹職には研修内容が浸透したようです。

今後、モチベーションを引き出すコミュニケーションが増えることで組織の結束力が高まり、 必ず事業目標を達成できると信じています。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。
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