次世代を担う若手の育成に
コミュニケーションは欠かせない。
(マネジメント研修 導入事例)

製薬企業 N社

国際的な業界再編と競争が激化する製薬業界において世界に飛躍する製薬企業を目指すN社。

その原動力となる新薬開発を推し進めるために研究開発部門の管理職に、中間管理職研修を導入した理由を、人事部のM氏に伺いました。

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中間管理職研修を導入した理由は?

製薬業界は知識集約産業として科学技術の進歩と共にあります。

近年、バイオテクノロジーやナノテクノロジーの発展、 ヒトゲノム情報の完全解読など目覚しい科学技術の進展があり、 新薬開発の新しい領域に入ったと言えるでしょう。
逆に言えば、新薬開発こそが製薬メーカーの生命線であり、その研究開発に携わる社員達の独創性や技術力、 さらに新薬開発の難易度の高まりから、従来のコツコツひとりで研究するというよりは、 プロジェクトチームによる組織的な開発力も求められてきました。

そこで、組織を統括するのに欠かせないマネジメントスキルを研究開発部門の管理職に習得してもらうよう、中間管理職研修を導入することにしました。

研修に期待したことは何ですか?

営業の社員と違い研究開発スタッフは日頃のコミュニケーションが不足になりがちです。

コミュニケーションの不足は、組織間の連携、 例えば営業がお客様からヒアリングしてきた新薬に関するニーズを聞き逃したり、 部下のマネジメント不足につながります。

実際、事前に行ったマネジメントに関するサーベイからは、 あきらかにコミュニケーション不足の結果が出ていました。

このサーベイは上司・部下の二方向から行ったのですが、経営層からの情報を部下に提供していなかったり、 得意分野の部下は面倒をみるが、分からない分野の部下とはあまり接点を持たなかったりという様な状況でした。
もし、部下との情報のキャッチボールができていないとすれば、将来の新薬開発にかかわる若手研究スタッフの育成が 出来ていないという重大な課題が発生しているわけです。

そこで管理職というのは組織間の横軸、上司と部下をつなぐ縦軸の重要な結節点であることを認識してもらい、 その上で部下のやる気を引き出すコミュニケーション力を身に付けてもらうことを期待しました。

期待した内容が研修にありましたか?

研究職の社員は、自分一人で仕事をしてしまう傾向があるのですが、周りとの協働の重要性、 マネジメントの難しさを体感・理解してもらうために、目隠しを利用したプログラムを用意してもらいました。

これは目視できるリーダーの声の指示に従い、目隠しをしたメンバーが動いて与えられたミッションを遂行する内容だったのですが、 散発的な指示を繰り返してメンバーを迷わせたリーダーは、最初に目的やゴールイメージを伝えることの大切さに気付き、 また別のリーダーは、特定のメンバーの動きに固執するあまり10分以上も放置してしまったメンバーの表情から、 どのような時に部下のモチベーションが下がってしまうのかに気付いたようです。

この気付きをマネジメントの4機能「情報提供/情報収集/判断行動/動機形成」として、体系的に落とし込んでもらったので、 部下のやる気を促すコミュニケーションノウハウを習得できたようです。

受講者からの感想は?

今までの悪かった点を洗い出したところ、受講した4グループから出てきた問題点が全て同じでした。

また、研修後に行ったアンケートでも、 「自分が今まで行ってきたマネジメントは、マネジメントとは言えない」という声がありました。
これらの感想は、自分のマネジメントを客観的に評価する視点を持ったということですから、大きな前進だと思います。

課題を認識したことで、意識的にコミュニケーションを図るようになったという声もありました。

受講後、どのような変化がありましたか?

ある受講者は、コミュニケーションの量と質を向上させるべく、定例ミーティングの回数を増やし、 会議進行の中にマネジメントの4機能に添ったポイントを取り入れているようです。

また他の受講者は管理職がコミュニケーションの結節点であることを認識し、 積極的に他部門との交流を図っているようです。
組織の縦軸と横軸がきちんとコミュニケーションを取れるようになったことで、 問題点を改善していこうとする気持ちが上下左右に伝わり、よい循環が生まれています。今後の成果が楽しみですね。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。
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