ネットワーク社会における新たなライフスタイル、ワークスタイル、ビジネスモデルを提案し続けるN社。
ブロードバンド時代をリードするプロフェッショナル人財の育成を目指し、SE職候補の新入社員を対象に研修を導入した背景を、人事部のOさんに伺いました。
弊社では、“Professional & Collaboration”というワークスタイルを掲げています。
“Professional”とは、「やる気に 満ち溢れ、お客様の成功の追求に生き甲斐を感じられる人」。
また、“Collaboration”とは、「社員同士そして社員とお客様、社員とビジネスパートナー様が、目標を共有し、行動の 同期化を図り、価値創造を行うこと」を指しています。
また「3人よれば文殊の知恵」という言葉があるように、チームパフォーマンスを最大化できる人財であることも プロフェッショナルの条件です。 今年度の新人社員SE職研修では、当社のビジョン実現の立役者となる、将来のプロフェッショナル人財の 基礎作りを目指しています。
プロフェッショナルとしてのステージに立つ前の新人社員に対し、まずは社会人としての自律を促し、チームメンバーの 一員として、共通の目標達成のために、自らを臆さずOPENにすることや、自分とは違う相手と本気で向きあうことの難しさを、改めて体感できる機会を演出できないかとご相談し、今回新入社員研修を導入することに決めました。
プロ意識を醸成するには高いモチベーションが欠かせません。
また、1人のやる気だけでは、チーム全体の高いパフォーマンスにはつながりません。 新入社員には、先ず自らの考えをOPENにする勇気をもつこと、そしてある目的を共有したチームのメンバーとして、 責任をもって行動することから生まれる、かけがえのない“何か”を体得して欲しいと期待していました。
そのためには、まず一人ひとりが「自分」という情報を本音で発信し、さらに「他人」の情報を真摯に受信するという 深いコミュニケーションが必要です。 新入社員とはいえ、20歳を越えた大人ですから、相手と本気で向き合う前に、その場を上手に取り繕う術は備えています。 だから非日常の環境につれて行きたかったのです。
斑尾高原では、「大自然」のパワーが、そこにいる人の心の鎧を脱がせるというか、素直な自分に返してくれる作用が あったのではないかと感じています。 そして頭で考えるだけでなく、体を動かしながら五感をフルに活用して、仲間とともに、様々な思いを重ねることが、 想像した以上に、仲間の大切さを心に焼き付ける結果になったと思います。
まさにアウトドアの利点や効果を活かした研修内容でした。 まず、チームとしての存在を認識させるために不明瞭な情報しか手元にない中でチームとして行動する「GPSウォーク」 というプログラムがあったのですが、意見がぶつかり合うことでチーム内に葛藤が生まれ、逆に仲間を強く意識できたようです。 リーダー役を務める新入社員もいれば、それに従う人や反対する人もでてくる。
おぼろげに各自の役割が出てきたことで、自分たちは「チームで行動している」という認識ができたようですね。 また、チームの信頼関係を構築するプログラムとなったのが、「クライミングウォール」。 直角の壁を登るのですが、その命綱をチームの他の人たちに託すわけです。 困難なミッションを達成するために、チームのメンバーを心底信頼する気持ちが芽生えたようです。
研修の最後に夜の森林の中で、ランタンの灯を囲みながら研修を振り返るプログラムがありました。 しんと静まり返った静寂の中で、チーム内で本音を語り合ったようです。 研修を通して認識した自分の「強み」や「弱み」を正直に語り、それに対して他のメンバーの共感を得たり、違う意見を 受け入れることで、個々の中に新たな自信が生まれたり、励まされたりしたようです。
研修前は、おとなしかった人が積極的に語り始めたり、お調子者で、ムードメーカーだけど、実は本音を言えずに 無難にその場を取り繕うことが多かった者が本気でチームの大切さを話し始め、それにチーム全員が耳を傾けるなど、 とても密度の濃いコミュニケーションがとれたようです。 その結果、チームの結束力が高まり、各自のモチベーションも向上したようですね。
通常の研修のように答えを教えてもらう、ないしは見つける内容ではなく、自分たちで答えを創るタイプの研修でしたから、 とても楽しかったという感想がありました。
自分がどう思われているかという他者を通した自己理解と本音のコミュニケーションによって自分自身と向き合えたことは、 どの新入社員にとっても貴重な体験となったようです。
全員が「元気」になって帰ってきました。 彼らも9月からいよいよ現場にでて仕事をするわけですが、この研修で学んだ「本気の大切さ」がベースとなり、 活気あるチームが生まれると期待しています。