マネジメント起点の組織風土改革
(経営理念コンサルティング 導入事例)

コニカミノルタ株式会社

これからの時代に求められる「新しい価値の創造」

この不変の企業理念を原点として、社会にとって有益かつ 環境親和性の高い商品やサービスを提供しているコニカミノルタグループ。 同社にはどのような課題があり、どのような研修を実施することで、その課題を解決したのか。

また、その研修を通してどのような成果が得られ、現在、どのように組織風土が変化しているのか。 コニカミノルタホールディングス株式会社人事部 人事企画グループ課長の佐竹氏にお話しいただきました。

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管理職研修導入までの組織の課題

2007年1月に社内で「組織活性度調査」を行った結果、 「組織力がうまく発揮されていない」という課題が表面化しました。

具体的には「上司と部下のコミュニケーション」や「チャレンジ精神」の不足、 「この仕事ばかりやっていていいのだろうかという不安」が従業員の中にあり、 それらはコニカミノルタが最終的に目指す「働きがいのある会社」をつくる上で疎外要因であり、 組織力がうまく発揮されていない原因だと判明したのです。

さらには以前より、自分で考えて行動できる人・チャレンジできる人を育てるには 管理職による強いマネジメントが必要であると感じていました。 しかし現場では、残念ながら管理職から部下へのコミュニケーションが一方通行であったり、 経営トップのメッセージを彼ら自身の言葉で語れていないという状態でしたね。

当時は業績が順調に伸びていたこともあり、これらの課題をあまり大きく取り上げていませんでした。 しかし経営側には「いずれターニングポイントが訪れる」という認識があり、 「状況が変わってから取り掛かるのでは遅い」という危機感を管理職へ早めに伝えていきたいという思いもあったのです。

リンクアンドモチベーションに提案いただいた内容は、 当社がチャレンジ精神を持った人材を育成していく上で現在の管理職に伝えるべき内容が 十分に盛り込まれていたため、全管理職向けの研修をお願いすることになりました。

プロアクティブリーダー研修の内容

研修名にはこだわりましたね。 当時社長だった太田が「業績は伸びているが、社員のやり方や態度を見るとまだまだリアクティブ(受け身的)である。当社が変わっていくためにはプロアクティブ(積極的)にならないといけない」というメッセージを出しており、私たちも同じように感じていたので「プロアクティブリーダー研修」としました。

研修は全2日間の日程で、1日目が「サーベイフィードバック」、 2日目が「部下のモチベーションマネジメントのためのスキル研修」という流れでした。 私たち人事でもよくサーベイを使った研修を取り入れていますが、 満足度のみに関するサーベイを実施すると、上司が高い数値を付けた場合、 受け取った部下は「満足度が高くてよかった」と安心しがちです。

しかしリンクアンドモチベーションのサーベイは重要度と満足度が出てくるので、 「満足度が重要度の数値よりも高いことが大事だ」ということが理解しやすく、非常にいいツールだと思います。

サーベイを行うとその結果ばかりに意識がいってしまうため、 1日目のサーベイフィードバックでは本質的なところを導き出してもらうよう、 グループコーディネーターのファリシリテートの仕方には随分こだわりを持ってお願いしました。

2日目のモチベーションマネジメントをするためのスキルについては、 研修を受けたあとの管理職が「どうやって部下のやる気を引き出すか」をより意識するようになっています。

なお、今回のようにこれほど大きな規模で管理職を対象にした研修は初めてで、 異なる事業会社の管理職同士が久しぶりに接点を持つ機会になったのもよかったですね。

プロアクティブリーダー研修の成果

私たちとしても力を入れた研修だったので 「管理職のより強いマネジメント実現に向けて、この研修で得たことを社内でもブラッシュアップしていきたい」 と思っていました。

そこで2008年4月に全世界統一の行動スローガン「simply BOLD(大胆な発想と勇気ある挑戦)」 が制定され社員一丸となって会社を盛り立てていこうという時に、 「管理職の皆さんは、自分の組織で“simply BOLD”とはどういうものなのかを考えてください」 というメッセージを送り、「マネジメント起点の組織風土改革」としたのです。

その結果、管理職それぞれが研修で学んだことを切り口として自分を変え、 目指すべき風土・方向に向けて会社を変えていこうと意識し始めたことが成果ですね。

なぜ行動スローガンが必要だったのか、
なぜ「simply BOLD」なのか

「simply BOLD」という行動スローガンができた背景には、さまざまな思いがあります。 2007年にフォト事業から情報機器事業へ移行しましたが、従業員の中に方向感を見失っている部分がありました。

そこで「コニカミノルタがもともと持っていた『ナンバー1を目指そう』 『どこにもない技術をつくろう』という気持ち・原点に返ってやるべきではないか」という思いから、 行動のベースとなるようなスローガンをつくろうということになったのです。

コニカとミノルタが統合した時から掲げている“新しい価値の創造”という経営理念を、 全従業員が改めて自覚できるように、また、当社の売り上げの7割以上が海外だということもあり、 「メッセージはグローバルで共通のone wordにしよう」と、「simply BOLD」という言葉に決まりました。

行動スローガン「simply BOLD」の浸透・今後の目指す姿

「simply BOLD」の浸透を図るため、 「1年目:認知の年」⇒「2年目:理解から実践の年」⇒「3年目:習慣化の年」 という3年計画に取り組んでおり、現在は3年目となります。

この間、各事業会社の推進委員を中心に「simply BOLD」の浸透活動を行っています。

具体的には個人の宣言をまとめた宣言集(小冊子)の作成・配布、組織で挑戦した応募事例を 全員参加の投票で選ぶsimply Bold Awardなどです。

さまざまな浸透施策を実施してみると、 日本人よりも外国人のほうがこういった取り組みに馴染みやすいことに気づきました。

日本人は「この取り組みは何だろう」と考えこんでしまったり、 「この取り組みを通じて何を目指しているのだろうか」など、 施策に対する意義の理解にバラつきも見られます。

「simply BOLD」の浸透度合を活性度診断や広報のブランド意識調査で調べていますが、 言葉の意味はかなり浸透しているものの、「実践しているか」や「人に勧めたいか」などの 深い共感についての数値は、日本ではまだ低いのが現状です。

「simply BOLD」という文言は経営方針の風土改革でも謳っており、 今後もマネジメント起点でどのようにしたら「やはり“simply BOLD”は大切だ」と 社員自らが感じるような組織風土にできるのかを一生懸命考えていきたいと思います。

リンクアンドモチベーションの印象

リンクアンドモチベーションの研修はプランニングの仕方がうまく、人事部としても参加者としても新鮮でした。

きちんとベースを持った上で「メッセージは何か」「伝えるべきことは何か」 「ならばこのコンテンツがいいのではないですか」と当社の実情にあった提案をしていただいたので、 とてもいい研修ができたという印象です。

リンクアンドモチベーションには、研修をお願いしたというだけではなく、 研修を創り上げていく中で「組織風土を変革するためには社員が変わることが何より重要である」など、 多くのことを学ばせていただいたと思っています。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。
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