新卒採用・育成をゼロからスタート
育成プログラム設計の成功で新卒が活躍できる会社に

三菱地所・サイモン株式会社

総務人事部長 兵藤 祐子 氏
総務人事部 マネジャー 長谷川 享子 氏
事業内容 日本国内におけるプレミアム・アウトレットの開発・所有・運営

企業規模

180名(2023年4月時点)
導入サービス

■ 内定者:内定者研修

■ 1年目:新入社員ビジネススタンス開発研修、職場エントリープログラム、新入社員・トレーナー 関係性強化ワークショップ(システム・コーチング)、新入社員向けサーベイフィードバック研修

■ 2年目:セルフモチベーションコントロール研修(対自分力開発研修)、ロジカルシンキング研修(対課題力開発研修)、新入社員向けサーベイフィードバック研修

■ 3年目:キャリア開発研修、説得力向上研修(対人力開発研修)、若手向けサーベイフィードバック研修

■ 先輩社員(メンター・トレーナー):異文化コミュニケーション研修(※新入社員受け入れ開始年のみ)、トレーナー研修、メンター研修、新入社員・トレーナー 関係性強化ワークショップ(システム・コーチング)、トレーナー振り返り研修

■ 管理職:管理職向けサーベイフィードバック研修

■ その他:新卒採用新規立ち上げコンサルティング・RPO(戦略・コンテンツ設計、実行支援)、職場サーベイフィードバックプログラム

課題

  • 当社事業の継続・発展を考えたとき、若い世代の感覚が不可欠であり、新卒社員を受け入れて循環させていく組織をつくる必要があった。

  • 過去に新卒社員を受け入れた実績がなく、育成のノウハウ・体制がなかったことから、新卒採用に対する社内からの不安の声が大きかった。

効果

  • 新卒社員は研修を受講するたびに気付きを得て、それを消化しながら、業務で直面する壁やギャップにうまく対処している。

  • 研修を受講した新卒社員が期待を大きく超える活躍をしたことで周囲の評価が変わり、新卒社員の採用・育成が会社に好影響を与えそうだという期待が生まれた。

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「プレミアム・アウトレット」10施設を展開する商業デベロッパー

「事業および部署の概要」

兵藤氏:当社は、全国に10拠点ある「プレミアム・アウトレット」の開発・所有・運営をしている会社です。そのなかで、私たち総務人事部は文字どおり、人事領域と総務領域の両方をカバーしています。人事領域に関しては、採用や育成、労務、給与なども含め、いわゆる企業人事全般に対応しています。

20代の社員がおらず、若い世代の感覚が不足していた

「新卒採用を始めた背景」

長谷川氏:当社は設立以来、新卒採用をしていなかったのですが、2019年から新卒の受け入れを開始しています。その背景にあったのが、社員の平均年齢の上昇です。当社事業の継続・発展を考えたとき、今後も継続的に若い世代の感覚が必要になるだろうと考えていましたが、当時は20代の社員がほとんどいませんでした。会社の持続的な成長という意味でも、毎年若手が入ってきて循環していく組織をつくっていく必要があると考えたのが一番の理由です。

ただ、当時は社内から反対の声もありました。当社は長らく、JOB型の即戦力人材の中途採用をおこなってきました。ですから当然、入社後の育成期間もほとんどありませんでした。少人数で効率的な事業推進を行っていることが強みということもあり、「新卒採用をしても育成できないのではないか」という見方をする人が大半です。役員からも「社会人経験のない新卒を採用して、活躍させることができるのだろうか」といった不安の声が挙がってくる状況でした。ですが、私たちが覚悟を決めて、周囲を説得し、新卒採用に踏み切ったという経緯があります。

新卒を受け入れる仕組みや風土がないなかでのスタート

「新人育成の課題と研修導入の背景」

兵藤氏:新卒採用を始めたとき、事業部門からは「ゴールデンウィークまでは配属は控えてほしい」という要望がありました。ゴールデンウィークはアウトレットの繁忙期なので、忙しい時期に新卒社員がいても面倒を見る余裕はないという懸念があったのだと思います。ですから、「5月中旬までに、総務人事部で社会人の基礎固めをしてほしい」というのが最初のオーダーでした。新卒社員を受け入れる仕組みも風土もなかった会社なので、まずは、最初の1ヶ月半で何をしていくかを考えるところからのスタートでした。

また、受入れ社員側の不安が大きかった故に、「仮に早期退職をされても仕方ないと思ってほしい」「人事が責任を持ってほしい」という声もありました。「きちんと育てて配属しますから、安心してください」と言い切って説得したのを覚えています。当時から世間的にも「新卒社員は3年で3割が辞める」と言われていましたし、1年を持たずに退職者が出る可能性も十分にありましたが、「配属後もしっかりフォローしていきますから、まずは受け入れてください」とお願いしました。

既存の研修を当てはめるのではなく、柔軟にカスタマイズしてくれる

「リンクアンドモチベーションを選んだ理由」

兵藤氏:以前から、リンクアンドモチベーションさんには採用領域でお世話になっていたので、具体的な研修内容をはじめ、育成戦略やストーリーの設計も相談させていただきました。採用や育成に関する思いをお伝えしたうえで、ゼロベースで一緒に育成プログラムを組み立てていきました。柔軟に研修を設計していただけることが、リンクさんを選んだポイントになったと思います。

長谷川氏:今ある研修プログラムを当てはめるのではなく、それを私たちに合わせてどのようにカスタマイズしてもらえるのかということを重視していました。他社では既存の研修をそのまま当てはめるような提案も多かったなかで、要望に柔軟に対応してもらえそうだという期待を持てたのがリンクアンドモチベーションさんでした。

スタンス研修に始まり、3年間で10回の研修を実施

「導入している研修内容」

兵藤氏:新卒採用を始めるにあたり、「10年でどこに出しても活躍できる人材を育てる」という目標を掲げました。そのため、まずは最初の3年で一人前になってもらおうと、3年計画で育成プログラムを組んでいます。

長谷川氏:新卒入社してからの3年間で10回の研修を実施しています。内定者時代におこなう内定者研修も含めると合計で11回になります。
 

▼ 新入社員育成のイメージ

兵藤氏:1年目はスタンス研修から始まり、2年目以降はポータブルスキルを開発する研修が中心になります。毎年1回、他者評価サーベイを実施したうえで「サーベイフィードバック研修」を設けているのは特徴的なところだと思います。

サーベイフィードバック研修は、360度サーベイを使って、自分が見ている自分と周囲から見えている自分をすり合わせる研修です。この研修を通して、自分の成長課題について長期視点と短期視点の両方から考え、日頃仕事を進めてほしいという狙いがあります。

弊社は4年目に異動があり、そこでキャリアや仕事が変わることになるので、最初の3年間で、何かしら「やり遂げた」という自信を持って次に進んでもらいたいと思っています。

新卒社員を受け入れる先輩社員や管理職向けにも研修をおこなっています。そもそも、人を育てる風土がない会社でしたし、入ってくる人も自分たちとは10歳以上離れているということで、トレーナーやメンターとなる受入れ社員側にも戸惑いがありました。

10歳以上のジェネレーションギャップがある新卒とコミュニケーションを図り、育成していくのは簡単なことではないので、受入れ社員側の育成も必要だと考えました。ですから、新卒採用を始めた初年度は「トレーナー研修」「メンター研修」に加えて、ほぼ全ての社員を対象に「異文化コミュニケーション研修」も実施しました。

異文化コミュニケーション研修は、主に国籍が異なる社員同士が働く組織を対象にした研修です。ただ、私たちにとって初めて受け入れる新卒社員は、外国籍社員と同じくらい「異文化」な存在だと捉えていましたので、異文化コミュニケーション研修も導入することにしました。

研修が新卒の成長を促し、周囲の評価をガラリと変えた

「研修の成果」

兵藤氏:新卒採用2年目になると、様々な職場から「うちでも受け入れたい」という声をもらうようになりました。3年目になると、「新卒をどんどん入れてほしい」という気運が生まれてきました。当初は、反対が大きかった新卒採用ですが、今は「新卒社員に入ってもらって良かった」という評価になっています。

社内の評価が大きく変わったのは、新卒1期生の頑張りがすべてだと思っています。研修を受けながら私たちの期待にしっかり応えてくれ、現場で力を発揮してくれました。受け入れた現場側からしても、想定していた以上に戦力になると、嬉しい誤算だったのではないでしょうか。

2期生以降は、1期生を育成したノウハウを活かしてスムーズに進めることができました。1期生が3年間の育成プログラムを終えたときは、これを基本的なプログラムとして続けていけば今後の育成は大丈夫そうだという手応えがありました。

長谷川氏:当初、「3年目でこのくらいのレベル」というイメージがあったのですが、1年目でそのレベルに達してしまっているくらい、1期生はすごく成長を遂げてくれましたね。

兵藤氏:仕事をしていると思いどおりにいかないこともありますが、壁やギャップに直面したとき、「どのように考えていけばいいのか?」ということが、研修を通して整理されているように感じます。研修を受講するたびに気付きを得て、それを消化しながら、うまく壁やギャップに対処していっているように見えますね。

職場で話を聞くと、やはり世代の違いによる感覚の違いは大きく、一緒に働いていると、「彼ら・彼女らの感性にはかなわない」と感心することも少なくないようです。SNS運用や集客企画などの業務を中心に、自分たちにはない力を発揮していると言います。このように新卒が活躍することで、評価が上がってきて、既存社員の間で「この会社には新卒の感覚が必要だ」という認識が広がっていったように思います。

長谷川氏:新卒社員はトレーナーやメンターにも良い影響を与えています。業務を教えることで、先輩社員もあらためて業務を見直す機会になりますし、新卒を見て、「自分たちももっと新しいことにチャレンジしていかなければいけない」といった刺激を受けることも多いようです。10歳以上、上の世代から見ると、新卒が持っているエネルギーはすごいものがあります。そのエネルギーに触発されて、職場全体に活気が生まれたという話もよく耳にしますね。

3年間で育成プログラムを描いているから、段階的に成長を実現できる

「成果に繋がったポイント」

長谷川氏:3年計画で育成プログラムを組んだのがポイントだったと思います。やはり、一度の研修では学んだことが浸透せず、次の研修のときには忘れていることもたくさんありました。ですが、一度学んだことを、たとえば「スイッチ&フォーカス(※)」など共通言語を使って毎回の研修で振り返っていきます。スイッチ&フォーカスを日常で使えるようにするのは簡単ではないと思いますが、3年通して、毎回の研修で振り返りをするため、徐々にスキルとして定着していくのだと思います。

※視界、時間軸、リスク、チャンス、ゴールという5つの観点から思考を切り替え、モチベーションアップを図る技術

毎年1回、サーベイフィードバック研修をおこなっているのも、新卒社員の成長につながっていると感じています。周囲の自分に対する認識や期待が明らかになるので、新卒にとってはタフな研修だと思います。結果を見て落ち込むこともあるようですが、想定していたよりもしっかりと受け止め、「自分の弱みを知ったからこそ改善していける」というように、ポジティブに捉えてくれています。

3年間の育成プログラムを終えると、それ以降は、周囲の声を聞く機会は少なくなっていくはずです。それを考えると、最初の3年で自己評価と他者評価をすり合わせる経験ができるのは有意義なことだと思います。

会社に深く入り込み、採用から育成まで併走してくれる

「リンクアンドモチベーションの価値」

兵藤氏:リンクアンドモチベーションさんは、私たちのチームの一員として併走してくれる会社です。そこがいちばんの魅力です。

当社の新卒採用人数は、例年7~8名と少ないのですが、一人ひとりの事情や課題などを担当の方や講師の方にお伝えしながら、研修プログラムをカスタマイズしていただきました。一人ひとりの背景やパーソナリティーを理解したうえで、当社の要望に沿ったアレンジをして、その時々に最適な研修に仕上げていただけるのは非常にありがたいことです。

新卒採用から育成まで一気通貫で見ていただいていますので、採用チームと育成チームの連携も抜群です。「今年の新卒はこういうタイプが多いから、研修ではこういうアプローチをしていこう」というように、研修をよりブラッシュアップすることができます。

長谷川氏:リンクアンドモチベーションさんは、私たちと同じくらい当社社員のことをよく知っていただいているのではないでしょうか。管理職研修にも携わっていただいていますので、たとえば、「ある新卒社員が上司との関係性で悩んでいます」と言ったときに、「あの方ですね」と、すぐに上司の顔まで思い浮かぶのは、他社ではあり得ないことだと思います。

当社の内情も深く理解していただいており、その時々の組織課題に対して包括的な提案をいただけます。研修だけを単発で提供する会社ではなく、一緒に組織を育ててくれる会社なので、本当に頼りになります。

「キャリアのスタートがここで良かった」と思ってもらえる会社へ

「新人研修にかける思いと今後の展望」

兵藤氏:新卒社員の人数が増えてきて会社の年齢構成も変わってきましたし、今後は新卒研修を受けてきた世代がトレーナーとして育成する側に回っていきます。そのなかで、研修プログラムや育成手法を変えていかなければいけないところも出てくるはずです。そこは、リンクさんの知見を借りながら柔軟に修正していきたいと思っています。

新卒社員を「10年でどこに出しても恥ずかしくない人材に育てる」という目標は、当初から変わっていません。数年後、10年目を迎える新卒メンバーが、どの会社から見ても「欲しい」と言われるような人材に成長していくことをすごく楽しみにしています。

彼ら・彼女らと長く関わっていける関係性が理想です。最近は「アルムナイ採用」をする企業も増えているようですが、一度離れても戻ってくる社員がいてもいいのかなと思っていますし、「戻ってきたい」と思える会社でなければいけません。少なくとも、新卒社員がキャリアの節目に立ったとき、スタートが「三菱地所・サイモンで良かったな」と思ってもらえるような会社にしていきたいですね。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。
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