3年間のオンボーディングで
新入社員の立ち上がり方が明らかに変わった

アサヒ飲料株式会社

アサヒグループジャパン株式会社 Peope&Culture本部 タレント開発部 Talent Acquisitionチーム Senior Manager 森 裕佳子 氏
アサヒ飲料株式会社 人事総務部 人材開発グループ プロデューサー 三上 大輔 氏
※所属は2024年8月時点のものです
事業内容 各種飲料水の製造、販売、
自動販売機のオペレート、その他関連業務

企業規模

2,430名(2024年4月現在)
導入サービス

新入社員オンボーディングプログラム
■ 内定者:内定者向け志醸成プログラム
■ 1年目:職場エントリープログラム
■ 2年目:セルフモチベーションコントロール研修
■ 3年目:若手社員向けサーベイフィードバック研修

課題

  • 採用段階では優秀だと評価されていた人も、なかなか現場で力を発揮できなかったり、不満を持って辞めてしまったりしていた。

  • 入社前の思い描いていた理想と現実とのギャップに悩む新入社員が多かった。

  •  新入社員に「何となく会社にいる」のではなく「自分で選んでこの会社にいる」という意識を持ってもらいたかった。

効果

  • 成長意欲が旺盛で主体的な新入社員が増え、手挙げ制で参加する社内の育成プログラムには、以前の倍以上の社員が手を挙げるようになった。

  • 現場の上長から、配属された新入社員に関する不満の声が出なくなった。

  • 若手社員の陥りがちな状況や感情の変化を踏まえた上で設計された研修を実施できた。

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100年続くブランドを3つ持つ、日本で唯一の飲料会社

「事業および部署の概要」

三上氏:アサヒ飲料は、清涼飲料をメインとした総合飲料メーカーで、「三ツ矢」「ウィルキンソン」「カルピス®」という100年続くブランドを3つ持つ日本で唯一の飲料会社です。社会との約束として「100年のワクワクと笑顔を。」 を掲げ、単に飲料を提供するだけでなく、未来に「ワクワクと笑顔」をつなげていく活動を大切にしています。

森氏:人事総務部には「人材開発グループ」、「人事企画グループ」、「人事プロジェクトグループ」、「総務法務グループ」、「秘書室」の5グループがあり、加えて東西にエリアの人事総務部 があります。私は現在、別のグループ企業に所属していますが、元々は人材開発グループに所属していました。人事企画グループが組織視点で制度設計を考えるグループであるのに対し、人材開発グループは個人視点で制度設計を考えるという役割分担になっています。主な業務範囲としては、採用から育成、アセスメントまで幅広く担っています。

三上氏:私も人材開発グループで、新卒採用や中途採用、障がい者雇用やアセスメントなどを手がけるとともに、新入社員からエグゼクティブクラスの方まで、育成と名の付くものはすべて担当しています。

内定者研修から3年目研修までのオンボーディングプログラム

「導入している研修内容」

森氏:内定者から3年目の社員までを対象に、「新入社員オンボーディングプログラム」を導入しています。

内定者に関しては、面接の際に志望動機を聞いていますが、内定を得た後に改めて本心に向き合っていただきたいと考えています。ですから、内定者研修(内定者向け志醸成プログラム)では、内定式のときに「アサヒ飲料に入るんだ」という意志を一人ひとりが言語化することを大きなテーマとしています。志望動機ではなく、入社動機を自分でしっかり語ることで、自分と会社と接続をするための研修ですね。

入社後は、5月に1年目の研修(職場エントリープログラム)を実施します。その段階では配属部署が分かっているため、研修は「自分がやりたかったことと配属先での仕事が接続されている状態」にすることを目的としています。

三上氏:2年目になると、新入社員は様々なギャップに直面するようになります。現場配属に際しては、広い視野で高い目標を立て、一人ひとりに「Will」を表明してもらいますが、現場に出て1年くらい経つと、どうしても「Will」がぼんやりして「Must」で手一杯になってしまいます。また、自分を先輩と比べたり、成長の早い同期と比べたりして、「全然成長していない……」と悩んでしまう新入社員も少なくありません。

新入社員と呼ばれる期間が終わるタイミングで一度立ち止まり、1年目を振り返るのが2年目の研修(セルフモチベーションコントロール研修)の大きなテーマです。自分を振り返り、「私は成長しているんだ」と自己承認してもらいます。その気持ちを携えて、再び走り出してもらうことを目的とした研修です。

3年目の研修(若手社員向けサーベイフィードバック研修)は、ロケットに点火して、さらに加速させるイメージの研修です。2年目までの研修は、グループになってそれぞれの価値観を共有し、お互いの成長を認め合うようなプログラムがありますが、3年目は360度サーベイを活用して、より「個」にフォーカスした研修をおこないます。具体的には、個人の360度サーベイ結果を踏まえて、4~5名のグループに1人グループコーディネーターが入り、コーチングをしてもらいます。一人一人じっくり向き合いながら、各々が目指す姿の基準を更に引き上げてもらっています。自ら掲げて、自らブーストする、突き抜けた成長のイメージを自ら意識できるような仕掛けになっています。 

新入社員は、3年目くらいまでに一皮むけるような経験をすることが非常に重要だと考えています。言い方を変えるなら、「点がつながって線になった」と感じられるような経験をすることです。こうした経験をした人と、していない人の差は大きいというのが、これまで多くの新入社員を見てきたなかでの実感です。ですから、3年目の研修プログラムは、点が線になるような経験を意図的に提供することを主眼に置いて設計しています。

「自分で選んでこの会社にいるんだ」という意識で
働いてもらいたい

「新人育成の課題と研修導入の背景」

森氏:採用段階で優秀だと評価されて入社した人も、なかなか現場で力を発揮できなかったり、不満を持って辞めてしまったりする場合があります。こうした傾向がコロナ禍になって顕著になったため、人事として「どのようにサポートするべきか」という問題意識を持っていました。

研修に関しては、以前は何かとつまずきがちな1年目、2年目社員のレジリエンス(困難を乗り越え回復する力)を育む研修をしていましたが、問題は新入社員だけに起因するものではないという反省もありました。

また、入社前の期待値と現実とのギャップに悩む新入社員が多かったことも人事の課題だと認識していました。会社が発するメッセージと現実に隔たりがあるのは、新入社員からしたら理不尽なことです。採用段階から自社のことを正しく伝え、理解・共感を得たうえで入社してもらうのが一番です。そのため、一貫して正しいメッセージを発信し続け、イメージとのギャップをなくしていく必要がありました。

新入社員がモヤモヤを抱えたまま「何となく会社にいる」のではなく、「自分で選んでこの会社にいるんだ」という意識で働いてもらいたいということは、常々考えていたことです。

自社にフィットする研修を、私たち以上に考えて提案してくれる

「リンクアンドモチベーションを選んだ理由」

森氏:リンクアンドモチベーションさんは、研修のパッケージを売りにくるのではなく、私たちの課題を一緒に解決しようと考えてくれる会社です。有りものの研修をあてがうのではなく、御社が持っているスキームをカスタマイズして、当社に合った研修をご提案いただけました。この会社なら、一緒に課題に向き合って伴走してくれるだろうと感じたことが、リンクアンドモチベーションさんに決めた一番のポイントでした。

三上氏:私たちが無理を言っても、リンクアンドモチベーションさんは真摯に応えようとしてくれます。当然、御社には御社の都合があるはずですが、いつも当社を優先し、私たちにはどのような研修がフィットするのかということを、私たち以上に考えて提案してくれます。このような姿勢が、リンクアンドモチベーションさんを選んだ決め手になったと思います。

感情の動きまで考えて研修を設計できるのは大きな価値

「リンクアンドモチベーションの研修の成果と価値」

森氏:最初に内定者研修を受けた世代がちょうど3年目研修を終えましたが、「立ち上がり方が違うな」ということを実感しています。もちろん、本人たちが必死に頑張っていることもありますが、以前とは目に見えて表情が違っています。

三上氏:当社には、手挙げ制で参加できる長期の育成プログラムがあります。3年目を迎えると手を挙げられるようになるのですが、挙手する人数が大幅に増えました。今年3年目を迎えた 社員が40人弱いますが、半分くらいの社員は手を挙げています。以前はどの世代も5~6人、多くても10人程度でした。

これだけ多くの手が挙がったのは、私が人事になってから初めてのことで、採用広報段階から一貫したメッセージで繋げてきた、オンボーディングプログラムの分かりやすい効果だと感じています。これまでの新入社員と比べても、成長意欲が旺盛で、主体的な姿勢を見せてくれています。

森氏:現場の上長から、新入社員に関する不満もほとんど聞かなくなりました。人事へ不満の声が届かなくなったのも、オンボーディングプログラムのおかげだと感じています。

三上氏:リンクアンドモチベーションさんの研修は、「研修っぽくないところ」が良いところです。一人ひとりの社員と向き合い、良質なフィードバックを通して内省を促してくれるプログラムだと思います。研修を受けているというより、コーチングを受けている感覚に近いものがあるのかもしれません。

森氏:御社は社名に「モチベーション」と入っているように、受講者の感情の動きまで考えて研修を設計してくれます。これは、リンクアンドモチベーションさんの研修の大きな価値ではないでしょうか。インプットして終わりではなく、いかに気付きやきっかけを与え、どのように気持ちを変えていくかというところまで計算された研修です。

気持ちが落ちている人を上げるのも上手いですし、気持ちが高い人にさらに火をつけるのも巧みです。モチベーションの動きまで踏まえて研修を設計できるのは御社ならではですし、人事として非常にありがたく感じています。

研修プログラムは毎年同じものではなく、手を加えていただいています。その年の新入社員の状況や特徴を見極めて、研修をチューニングしていただける点も御社の研修の魅力だと思います。

「仕事が楽しい」と言える社員を増やしたい

「新人研修にかける思い」

森氏:研修を受けた新入社員に最も期待することは「自律」 です。3年目くらいまでに、他責にせず、自分で考え、自分で動ける状態になっていてほしいと思います。

その後、20代後半になったら、プロフェッショナルの意識を備えてほしいと思っています。自分の担当や、自分のアウトプットにプライドを持ってほしいんです。アウトプットに対するプライドがあれば、人に聞くことも恥ずかしくないはずです。逆に、「怒られたくない」「指摘されたくない」という方向に向かってしまう人は、プロフェッショナルにはなれません。

20代後半にプロフェッショナルになるためには、3年目までに土台を固めておくことが重要であり、そのための新入社員研修だと位置付けています。

三上氏:先日、ある若手社員と面談をしたとき、「仕事は楽しいですか?」と聞いたら、「仕事に楽しさは求めていません」と言われてしまいました。そのとき、「仕事の本質に触れたことがないんだな」と、残念な気持ちになりました。

私は、仕事の本質は楽しいものだと思っています。自分の努力で誰かが喜んでくれたり、他の人に貢献できたりしたときは、本当に楽しいものです。ただ、仕事を楽しむためには、ビジネスの力を身に付けなければいけません。実力が不足していると、いつまで経っても仕事に楽しさを感じられないでしょう。ですから、新入社員には、仕事を楽しめる領域までビジネスの力を高めてほしいなと思っています。

ビジネスの力の高め方は人それぞれであり、得意な分野で高めていけば良いと思います。仕事を楽しめる領域まで、得意分野を昇華させることが大切です。それができれば、どの部署に行っても、どんな領域の仕事を任されても戦えるはずです。ですので、「仕事が楽しい」と言える社員を増やしていきたいなと思います。

森氏:仕事の楽しさは、一度味わうと病みつきになると思っています。それを早い時期に知ってもらいたいですね。「言われたことはちゃんとやりました」というような、小さく正解を探すような働き方では仕事の楽しさは味わえません。新入社員には、いつも「フルスイング」できるようになってもらいたいと思っています。
 

中堅になる頃、もう一度ジャンプできるような踏み台を

「今後に向けて」

森氏:現在のオンボーディングプログラムを導入するとき、「3年目までやる必要はあるのか?」「やり過ぎではないのか?」という意見もありました。ですが、当時はコロナ直撃の2020年入社の新入社員だったので、「手厚くフォローしてあげたい」という一心で導入を決断したという背景があります。

ただ、入社3年目以降は自分の足で歩き、自分で自分の成長を促してほしいなと思います。手挙げ制の研修も様々用意しているので、自分で自分に必要なものを見つけて、どんどん手を挙げてほしいですね。

三上氏:今、当社は新入社員のオンボーディングプログラムに力を入れていますが、中堅層にも課題があります。これは、「粘土化し、固着しているモチベーションをどのように盛り上げていくのか?」という課題です。中堅層の社員は、絶対にどこかにくすぶっている情熱があるはずなので、そこにもう一度、点火できるような取り組みをしていきたいと思っています。

3年目研修まで終えた若手社員が中堅になる頃、沈んでしまうことは避けなければいけません。そこで、もう一度ジャンプできるような踏み台を用意するのが私たちの仕事です。大きくジャンプできる踏み台を用意して、その先の40代、50代へとつなげていけたら良いですね。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。
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