自立を促し“やる気”を持続させる。

総合シンクタンク Y社

長年、金融・資本市場で培った経験を活かし、世界最高水準のリサーチ機能とシステム機能を融合させた 精度の高い情報サービスをリアルタイムに提供し続けるY社。

新たな分野の開拓にも挑戦し続けるY社の人材育成戦略の一貫として、メンバーシップ研修を導入した理由を人事部のK氏に伺いました。

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新入社員を対象に研修を導入した理由は?

仕事というものは、自分で想像している内容と、実際の内容との間にズレを生じることがあります。 社会人としての経験が長ければ、差異を理解・納得し、頭を切り替えるなどして取り組むことができますが、 経験が不足していると自分のビジョンや夢、やりたいこととの乖離感からモチベーションを下げてしまう可能性があります。

そこで、メンバーシップ研修を新入社員対象に本配属前に実施しました。 自分で想像している仕事内容と、配属後の現場に差異があっても、常に初志を忘れず 自身のキャリアプランを描きながら“やる気”を持ち続けてもらうことがねらいでした。

研修は“やる気”を持続させるには最適でしたか?

はい、最適だったと思います。 人材要件フレームは、実務に即したテクニカルスキルの他に、スタンスとポータブルスキルというものがあります。 入社後の新入社員の成長には、この3つのポイントが大きく関与し、 特にスタンスとポータブルスキルを開発できれば成長曲線の角度を大きく維持できます。 “やる気”という心構えができていれば当然高い角度で、社会人の第一歩を踏み出すことができます。

そして実務研修やOJTを通して蓄積するテクニカルスキルと相乗効果で活かすのがポータブルスキル。 こちらは折衝能力やコミュニケーション能力など、 業界や職種の枠を越えて通用する能力(持ち運び可能なスキル)なのですが、 テクニカルスキルの土台となるスキルですから、このスキルを高めることで、 成長曲線を高い角度で伸ばし続けることができると思います。

スタンスに関しては、既にリンクアンドモチベーションの新入社員導入研修を実施していましたので、 さらなる自立促進、自分のポータブルスキルにおける強み・弱みの理解、 そして今後の目標設定に主眼を置いたメンバーシップ研修を導入しました。

メンバーシップ研修に特に期待した内容は?

弊社は、リサーチ機能とシステム機能を融合させ、 お客様に付加価値の高いソリューションを提供する総合シンクタンクです。 プロジェクトチーム単位で仕事を進めるケースが多く、そのため私たちが最も注力しているスキルは「共創力」。

この「共に創りだす」という能力は、単に協調性だけを指すものではありません。 まず個人が、全力で取り組む姿勢やプロ意識、自己責任というスタンスを持ちながら「やらされている」のではなく、 自ら「やっている」というモチベーションを高める能力と、その個人のパフォーマンスを、 チームで発揮することで倍加させる能力も含まれます。

また、「共創力」というスキルには、王道がありません。 個人の性格や過去の経験の中で、自らが独自にあみだすものだと考えております。 コロンブス研修には、各新入社員が、「自分流」のポータブルスキルに“気付き”、 自分自身で開発する道筋を立ててもらうことを期待しました。

内容は各新入社員ごとに有効でしたか?

研修の中の「自分史」を振り返るというプログラムが、各自のスキル開発に有効だと感じました。 このプログラムは、自分自身の20年、15年間という人生を振り返ってみて、様々なシーンで何を感じ、 どう考えたかをまとめ、そこで得た強みや弱みをまとめる内容なのですが、 この自己分析をグループワークで行い、その「自分史」に対して他人と相互に意見を出し合うところまで行います。

歴史を紐解きながら自己分析をしつつ、他人から「強み」を否定されたり、 別の「強み」を気付かされたりと、客観的なフィルターを通すことで、かなり深い分析ができたようですね。 講義形式ではなく、エデュテインメント型という研修スタイルが、“自分”を教わるのではなく、 自発的に気付かせたようで、各自が本気で取り組めた要因だったと思います。

導入の目的は達成しましたか?

各自、自分という人間を分析し、因子分解して出てきたエッセンスの中から、 自分流のポータブルスキルの認識と開発の糸口を見つけたようです。 研修の最後にあった「自分にキャッチコピーを付ける」というのが、 「これからもやり続けます」という宣言にもなり、責任感も生まれていましたね。

実際に「入社する前に抱いていた“やりたいこと”を再認識した」「初志に戻ることができた」などという感想をもらいました。 彼らの持続的な成長を期待しています。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。
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