catch-img

離職証明書とは?書き方と添付書類まで徹底解説

 離職証明書(雇用保険被保険者離職証明書)は、退職した従業員が失業手当(雇用保険の基本手当)を受給する際に必要になる離職票を交付してもらうための書類であり、会社がハローワークに提出するものです。今回は、離職証明書と離職票の違いや離職証明書が必要な場合と不要な場合、また離職証明書の書き方や添付書類などについて解説していきます。

▼【リンクアンドモチベーションのサービス特徴】が分かる資料はこちら

目次[非表示]

  1. 1.離職証明書とは?
  2. 2.離職証明書の提出が必要なケース
  3. 3.離職証明書を提出する必要がないケース
  4. 4.離職証明書の書き方と添付書類
  5. 5.雇用保険被保険者資格喪失届とは?
  6. 6.まとめ
  7. 7.離職証明書に関するよくある質問


離職証明書とは?

 離職証明書(雇用保険被保険者離職証明書)とは、退職した従業員が失業手当(雇用保険の基本手当)を受給する際に必要になる離職票を交付してもらうための書類であり、会社がハローワークに提出する書類です。離職証明書は3枚複写で、1枚目が会社の控え、2枚目がハローワーク用、3枚目が退職した従業員に交付される「離職票2」になっています。似たような書面に「離職票」と「退職証明書」があり、混同されやすいため、それぞれの定義と違いについて以下に説明していきます。

離職票とは?

 離職証明書と混同しやすい書類の1つ目として、「離職票」があります。離職票(雇用保険被保険者離職票)は、退職した従業員が失業手当を受給する際に必要になる書類です。離職票には「離職票1」と「離職票2」の2種類があり、失業手当を受給する際は両方が必要になります。

離職証明書と離職票の違いとは?

 従業員が退職する際、会社はハローワークに離職証明書と雇用保険被保険者資格喪失届を提出します。そうすると、ハローワークから離職票1と離職証明書の複写になっている離職票2が交付されます。会社はハローワークから2つの離職票を受け取ったら、それを退職した従業員に送付するという流れになります。

 「離職票を交付してもらうためにハローワークに提出する書類が離職証明書である」と理解しておくと、離職証明書と離職票の違いが分かりやすいでしょう。なお、離職票1には失業手当が給付される金融機関や口座番号が記されており、離職票2には在職中の賃金の支払状況や離職理由が記されています。

離職票の発行の流れ

(1)会社がハローワークに離職証明書と雇用保険被保険者資格喪失届を提出する

 離職票を発行してもらうためには、ハローワークに離職証明書と雇用保険被保険者資格喪失届を提出する必要があります。

(2)ハローワークが会社に離職票を交付する

 ハローワークは、会社から提出された書類を確認し、問題がなければ離職票1と離職票2を会社に交付します。

(3)会社から退職した従業員へ離職票を送付する

 会社はハローワークから交付された2種類の離職票を退職した従業員に送付します。

(4)退職した従業員が失業手当の受給手続きをおこなう

 退職した従業員は2種類の離職票をハローワークに提出して、失業手当の受給手続きをおこないます。

退職証明書とは?

 離職証明書と混同しやすい書類の2つ目として、「退職証明書」があります。退職証明書とは、従業員が退職したことを証明する書類のことです。

離職証明書と退職証明書の違いとは?

 上述のとおり、離職証明書は会社からハローワークに提出する公的文書ですが、退職証明書は私文書であり、会社として発行する義務はありません。ただ、転職先への退職証明として用いられることがあるため、退職する従業員から希望があった場合に発行するのが一般的です。


離職証明書の提出が必要なケース

 従業員が退職する場合、被保険者でなくなった日の翌日(退職日の翌々日)から10日以内にハローワークに離職証明書と雇用保険被保険者資格喪失届を提出する必要があります。ただし、離職証明書に関しては、提出が必要な場合と不要な場合があります。離職証明書の提出が必要になるのは、以下の2つのケースです。

退職する従業員から離職票の交付を請求された場合

 離職証明書の3枚目に当たる離職票2は、失業手当を受給する際に必要になります。離職票がなければ失業手当を受給できないため、失業手当を受給しようとする人は会社に離職票の交付を請求します。この場合、会社は離職証明書をハローワークに提出しなければいけません。

59歳以上の従業員が退職する場合

 定年または継続雇用制度によって契約満了した従業員が退職する際は、離職証明書の提出が義務付けられています。60歳以上64歳までの従業員が高年齢雇用継続給付を受給する場合、離職票2など賃金の支払い状況が分かる書類が必要になります。そのため、退職日に59歳以上である従業員に関しては、本人が離職票の交付を希望しない場合でも、会社は離職証明書をハローワークに提出しなければいけません。


離職証明書を提出する必要がないケース

 従業員が退職する場合でも、以下のケースでは会社は離職証明書を提出する必要はありません。

退職する従業員が離職票の交付を請求しない場合

 退職後、次の転職先が決まっている人は失業手当を受給することができません。失業手当を受給しないということは離職票2も不要なので、会社はハローワークに離職証明書を提出する必要はありません。

死亡による退職の場合

 従業員の死亡による退職の場合、離職票は必要ないため、会社はハローワークに離職証明書を提出する必要はありません。


離職証明書の書き方と添付書類

 離職証明書は3枚複写になっていますが、記載事項のほとんどは3枚とも共通しています。ハローワークのWebサイトにある離職票2の記入例を参考に離職証明書を作成するのが良いでしょう。

離職票2(雇用保険被保険者離職票2)

>> 離職票2(雇用保険被保険者離職票2)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/info_1_e7_01.pdf

離職証明書の記載項目

 離職証明書に記載する項目と概要は以下の通りです。



項目               
概要
①:被保険者番号      
雇用保険被保険者番号を記載します。
②:事業者番号
自社の事業所番号を記載します。
③:離職者氏名
退職した従業員の氏名を記載します。
④:離職年月日
雇用保険被保険者資格喪失届に記載した
離職年月日と同じ日付を記載します。
⑤:事業所の名称・所在地・電話番号                            
自社の名称・所在地・電話番号を記載します。
⑥:離職者の住所または居所
退職した従業員の退職時点の住所を記載します。
⑦:離職理由             
離職証明書の用紙に記載されている離職理由から該当するものを選んで○を付けます。さらに、用紙下部の「具体的事情記載欄」に退職の具体的な理由や経緯を記載します。
⑧:被保険者期間算定対象期間             
退職した従業員が「一般被保険者・高年齢被保険者」として離職した場合はA欄に、「短期雇用特例被保険者」として離職した場合はB欄に被保険者期間算定対象期間を記載します。
⑨:⑧の期間における賃金支払基礎日数
⑧の期間の賃金支払の基礎となった日数を記載します。

⑩:賃金支払対象期間

賃金支払対象期間(賃金締切日の翌日から次の賃金締切日まで)を記載します。
⑪:⑩の基礎日数     
⑩の期間において、賃金支払いの基礎となる日数を記載します。
⑫:賃金額
賃金が月給・週給など一定期間で定められている場合は、時間外手当なども含め、その期間のすべての賃金をA欄に記載します。賃金が、労働日数や時間、出来高などによって定められている場合はB欄に記載したうえで、通勤手当などの手当が支給されていればA欄に記載します。
⑬:備考                 
未払い賃金の有無やその参考額などを記載します。
⑭:賃金に関する特記事項
毎月支払われている賃金以外に、3ヶ月以内の期間ごとに支払われる特別の賃金があれば、その賃金の支払日、名称、支給額を記載します。


離職証明書の「離職理由」について


 離職証明書の離職理由の欄には、倒産や定年、労働契約期間満了や解雇、労働者の判断などの離職理由が記されています。このなかから該当する離職理由を一つ選択したうえで、用紙下部にある「具体的事情記載欄」に具体的な理由を記載します。

 失業手当の給付時期や給付額、給付日数は、離職理由によって変わってきます。倒産・解雇などによって再就職の準備をする時間的余裕がないまま退職した「特定受給資格者」や、期間の定めのある労働契約を更新されなかったなど、やむを得ず退職した「特定理由離職者」に該当すれば、一般的な離職理由の場合より長い期間にわたって失業手当の給付を受けることができます。

特定受給資格者と特定理由離職者

 失業手当は、職を失った人が次の仕事を見つけるまで、収入のない状態で生活していかなければならない場合に備えて設けられている制度です。特に、倒産や解雇などの事情や、やむを得ない理由によって離職せざるをえなくなった人は、失業手当による保護の必要性が高いと言えます。

 このような事情で離職することになった人は、「特定受給資格者」や「特定理由離職者」と呼ばれます。特定受給資格者とは、倒産や解雇などの理由によって再就職の準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされた人のことを言います。また、特定理由離職者とは、特定受給資格者以外の人であり、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことや、その他やむを得ない理由によって離職した人のことを言います。特定受給資格者や特定理由離職者に該当すると、失業手当においてより手厚い保護を受けることができます。

 特定受給資格者や特定理由離職者の詳細な範囲などは、ハローワークのWebサイトにてご確認ください。

>> ハローワークインターネットサービス|特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_range.html

離職証明書の添付書類など


離職証明書を提出する際は、以下のような添付書類が必要になります。

離職の日以前の賃金支払状況などを確認できる資料

 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿など、離職までの賃金や支払い期間を確認できる書類を添付書類として提出します。

離職理由を確認できる資料

 離職証明書の⑦欄に記載した離職理由を証明できる書類を添付書類として提出します。以下は一例ですが、離職理由によって添付書類が変わってくるので注意が必要です。


離職理由
添付書類
倒産手続の開始、手形取引停止による離職
裁判所において倒産手続の申立てを受理したことを証明する書類など
事業所の廃止または事業活動停止後事業再開の見込みがないことによる離職
解散の議決がなされた場合には、その議決が行われた議事録(写)など
定年による離職
就業規則など
労働契約期間満了による離職
労働契約書、雇入通知書、契約更新の通知書、タイムカードなど
早期退職優遇制度、選択定年制度などによる離職
制度の内容が分かる資料

解雇・重責解雇による李承

解雇予告通知書、退職証明書、就業規則など
希望退職の募集または退職勧奨による離職
希望退職の募集に応じた場合には、希望退職募集要綱(写)、離職者の応募の事実が分かる資料など
労働条件に係る重大な問題による離職
労働契約書、就業規則、賃金規定、賃金低下に関する通知書など
就業環境に係る重大な問題による離職
特定個人を対象とする配置転換、給与体系等の変更の嫌がらせがあった場合には、配置転換の辞令(写)、労働契約書、就業規則、賃金台帳など
労働者の個人的な事情による離職(一身上の都合、転職希望など)
退職願(写)など、その内容が確認できる資料

印鑑

ハローワークに持ち込んで提出する場合は、担当者の印鑑を持参します。


雇用保険被保険者資格喪失届とは?

 雇用保険被保険者資格喪失届は、雇用保険の被保険者が事業所を退職したことを届け出るための書類であり、退職した従業員が失業手当を受給するためにもハローワークに提出する必要があります。

 会社は、正社員・契約社員・パート・アルバイトなど雇用形態にかかわらず、一定の要件を満たす従業員を雇用保険に加入させなければいけません。新たに従業員を雇い入れ、雇用保険に加入させる場合は雇用保険被保険者資格取得届を提出し、雇用保険に加入している従業員が退職する場合は雇用保険被保険者資格喪失届を提出することになります。

 なお、雇用保険被保険者資格喪失届の提出が必要になるのは、従業員が退職したときだけではありません。以下のような理由で従業員が雇用保険から脱退する場合は、雇用保険被保険者資格喪失届の提出が必要になります。

・従業員の週の所定労働時間が20時間未満となった場合(臨時的・一時的な場合を除く)

・従業員が他の事業所へ出向になった場合

・従業員が会社の役員になった場合

・従業員が死亡した場合 など

雇用保険被保険者資格喪失届の添付書類

 雇用保険法施行規則第7条では、「雇用保険被保険者資格喪失届に労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳その他の当該適用事業に係る被保険者でなくなったことの事実及びその事実のあった年月日を証明することができる書類を添えてその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない」と規定しています。通常、雇用保険被保険者資格喪失届を提出する際は、以下の添付書類が必要になります。

・出勤簿

・退職辞令発令書類

・労働者名簿

・賃金台帳

・離職証明書(離職票が不要のときは提出しなくてよい)

・離職理由が確認できる書類

など

雇用保険被保険者資格取得届については、以下の記事で詳しく解説しています。

>> 雇用保険被保険者資格取得届とは?書き方や記入例、提出先も解説!

https://solution.lmi.ne.jp/column/c275


まとめ

 離職証明書の作成や離職票の交付は、退職する従業員に関する最後の手続きとも言えるものです。ここで不備やトラブルがあると、従業員はネガティブなイメージを持って退職することになり、それが会社の評判を下げることにもつながりかねません。

人材の流動化が激しい昨今において、企業と従業員相互選択関係にあるため、転職や起業で退職する従業員は一定数存在すると言えます。退職は組織の新陳代謝の一部と捉え、円満な形で退職する従業員を送り出せるように離職証明書や離職票の手続きはすみやかに、かつミスのないように進められるようにしていきましょう。


離職証明書に関するよくある質問

Q:離職証明書の提出期限は?

 離職証明書、および雇用保険被保険者資格喪失届は、従業員が被保険者でなくなった日の翌日(退職日の翌々日)から10日以内にハローワークに提出しなければいけません。ハローワークで手続きが完了すると、10日以内に離職票2と新たに発行された離職票1が交付されます。退職する従業員から「離職票はいつもらえる?」と質問されるケースもあると思います。その場合は、離職証明書と雇用保険被保険者資格喪失届をハローワークに提出した日から10日後~2週間後の日付を目安に伝えておけば問題ないでしょう。

Q:離職証明書を提出しないとどうなる?

 会社が離職証明書を提出しなかったり、離職票を交付しなかったりした場合は、雇用保険法施行規則第7条に違反することとなり、6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科される可能性があります。退職する従業員は失業手当受給の手続きを進めることができず、多大な迷惑をかけることになってしまうため、離職証明書の提出が必要な場合はすみやかに対応するようにしましょう。

Q:離職証明書はどこで入手する?

 離職証明書は3枚複写になっているため、Webサイトからダウンロードすることができません。そのため、ハローワークの窓口で書類を入手することになります。なお、「e-Gov電子申請」によって提出する場合は、書類を入手する必要はありません。

>> e-Gov電子申請はこちら
https://shinsei.e-gov.go.jp/


LM編集部
LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。

新着記事

この記事を読んだ人は、こんな記事にも興味を持っています

あなたの組織にも、課題はありませんか?

各種サービス資料が無料ダウンロードできます

3分でわかる管理職研修サイクル

3分でわかる管理職研修サイクル

サービスご紹介資料

3分でわかるモチベーションクラウド

3分でわかるモチベーションクラウド
ページトップへ戻る