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インターンシップの内容事例とポイントを1day~長期まで種類別に徹底解説

 「企業」と「従業員」の関係性は、お互いに「選びー選ばれる」ような「相互選択関係」です。そのような考え方が前提となっている採用活動において、近年では、経団連による就活ルールの廃止や就職活動のオンライン化など、周囲の環境は刻々と変化しています。その中で、インターンシップで学生との早期の接触や動機形成を図る企業も多く見受けられます。しかし、「インターンシップを実施しているが採用に繋がらない」「どのような内容が求められているかわからない」といった声もよく耳にします。そこで、本記事では、近年のインターンシップの動向や内容事例などをご紹介します。

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現在のインターンシップの動向

採用スケジュールの変化によって、インターンシップの形式にも変化が起こっており、参加状況や内容についても年々変化があります。まずは、現在のインターンシップ全体の動向を確認しておきましょう。

近年の採用スケジュールの変化

近年は新卒採用のスケジュールに変化が起こっており、それによりインターンシップの期間や内容についても変化が生じています。採用の広報の開始時期について見てみると、2013年卒〜2015年卒までは12月開始、2016年卒以降はその年度終わりである3月開始へと後ろ倒しになってきました。

この結果、2016年卒からは大幅にインターンシップの期間が増えたことで、夏と冬のインターンシップに分けて開催する企業が多くなりました。

学生のインターンシップの参加状況

インターンシップに参加する学生は、全体の8割〜9割程度であると言われており、ほとんどの学生は何らかのインターンシップに参加しているということが分かります。学生にとって、就職活動の中でインターンシップに参加することは当たり前のこととなっており、インターンシップを実施しないことは、それだけでも学生との接触機会や興味喚起の機会を逃してしまっていると言えるでしょう。

また、インターンシップに最も参加する時期ですが、「夏」「冬」のインターンシップと呼ばれているだけあり、8月と2月が参加人数がピークとなります。夏休みのタイミングや本格的に就職活動が始まるタイミングで、参加する学生が増えていることが分かります。

直近の2023年卒は、80%以上の学生がインターンシップに参加していることが言われており、今後も多くの学生がインターンシップを通した企業理解や業務体験を期待していくと考えられます。

参考文献:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/knowhow/a-contents-newgrad-internship-jirei-190716/

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インターンシップの内容と期間

インターンシップの内容は、一般的にインターンシップの実施期間に合わせて考えられます。インターンシップは、数時間程度で終了する「会社説明会」のような形式から、1日で職場体験、業務理解を実施する1Dayインターンシップ、数週間や数ヶ月の長い期間を要する長期インターンシップといったものがあります。

学生からの満足度が高いインターンシップとはどのようなものか

学生はインターンシップを通して特定の企業の理解を深めると共に、視野を広げることも求めています。インターンシップを通して、就職活動で役に立つ観点や社会人としての物事の考え方などを提供することで、より学生の満足度は高まると言えるでしょう。

そのため、一般的には期間を長く設定して、自社の理解を深めるだけではなく、学生本人のキャリアイメージを具体的なものにすることができると、インターンシップに対する満足度は高まります。また、近年ではオンラインによるインターンシップの実施が広がっていますが、対面で直接社員とコミュニケーションを取ることができる形式が満足度が高まる傾向があります。

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インターンシップの種類

インターンシップには、主に短期・中期・長期のものがあります。それぞれどのような内容になるかを確認しておきましょう。


■短期(1Dayインターンシップ)

短期型のインターンシップは、1Dayインターンシップとも呼ばれており、多くの場合は1日程度の実施期間を設定しています。

1Dayインターンシップでは1日の中で、企業の説明やグループワーク・グループディスカッションといったワーク形式でのプログラムなどを実施します。また、ワークがない場合でも、セミナー形式の企業説明や先輩社員、OBとの交流会、社内の見学など様々な種類のインターンシップが開催されています。

主にその時点で大学3年生/大学院1年生といった、翌年に就職活動を行う学生を対象に開催されており、学生の母集団形成を目的として実施する企業が多いでしょう。学生にとっても、短期間であるため参加のハードルが低く、多くの学生が1Dayインターンシップに参加しています。


中期(数週間程度のインターンシップ)

中期のインターンシップは、数日間〜数週間程度の実施期間を設定しています。中期インターンシップは1Dayインターンシップと比較して、難易度の高いグループワーク・グループディスカッションや業務体験といった実践的な内容を実施することが多いでしょう。実践的な内容によって、学生は企業や業務をより深く理解できるため、志望度を高めることが期待できます。

企業によっては、先輩社員をメンターや相談役として設定し、プロジェクト形式でプレゼンテーションを学生に行ってもらうこともあります。その場合には、社員とのコミュニケーションが増えるため、相互理解も進みやすくなります。

一方で、長い期間でインターンシップに参加する必要があるため、開催時期によっては学生が参加しにくくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。


長期(1ヶ月以上のインターンシップ)

長期のインターンシップでは、1ヶ月以上インターンシップが実施されます。場合によっては1年通して実施される場合があり、時給や日給といった給与が支払われることが多いでしょう。インターンシップに参加する学生は、社員と同様の業務を行う場合が多いため、「実践型インターンシップ」とも呼ばれています。

長期インターンシップは、業務を通して社員とのコミュニケーションや企業の理解を深めていくことになるため、組織風土や会社の価値観と自分の相性を確かめることができます。また、実際の業務を入社後に続けていくことができるかといった判断をすることができるため、マッチした場合にはスムーズに入社までの意思を固めることができるでしょう。

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インターンシップはどのように企画設計をすると良いのか

インターンシップを企画する際には、「ターゲット」と「メッセージ」を明確にすることが大切です。ターゲットとメッセージが曖昧な場合には、学生がせっかくインターンシップに参加したとしても「結局この会社の良いところは何だったんだろう」といった印象を学生に与えることになります。

ターゲットとしては、大学名や文系・理系といったことだけではなく、どのような性格や指向性があるかや、どのような職種に興味があるのかといったことなどに対して仮説を立てるようにします。また、メッセージを考える際には「理念」「仕事内容」「組織風土」「制度・待遇」といった要素を全て伝えようとするのではなく、「また次のことが知りたい」と思うようにメッセージを絞ることがポイントです。


種類別にみたインターンシップの内容設計のポイント

ここまで、インターンシップの種類や設計の際のポイントについてご紹介してきました。更に、短期・中期・長期のそれぞれでインターンシップ設計の際のポイントをご紹介します。


短期(1Dayインターンシップ)

1Dayインターンシップでは、限られた時間の中で会社の情報と共に、会社として大切にしている価値観や業務の面白さを感じてもらう必要があります。プログラムが盛りだくさんになるため、内容を調整しないと時間が足りなくなってしまうため、内容の洗練に注力しましょう。

1Dayインターンシップで実施される内容には、主に以下のようなものがあります。

■業界理解セミナー
■企業説明会
■職場見学会
■仕事体験
■グループワーク・グループディスカッション

これらのプログラムの中で、今回のインターンシップで対象とするターゲットが求めていることや、自社が伝えたいメッセージなどの観点に沿っているものを選んでみると考えやすくなります。

中期(数週間程度のインターンシップ)

中期のインターンシップでは、1Dayインターンシップと比べて時間があるため、より実践的な内容を盛り込みやすくなります。一方で、しっかりと全体のプログラムを設計しておかないと、場合によっては中だるみのような状態になり、学生の満足度の低下につながることがあるため注意が必要です。

中期のインターンシップを考える際には、その期間で学生にどのような状態になって欲しいのかをより明確にしておくことが大切です。数週間後の状態だけではなく、3日、1週間といった区切りごとに学生の理想状態や想定できる状態を考えておきましょう。

プログラムの考え方としては、主にチームビルディング→自社の価値観理解→プロジェクトや課題への取り組み→中間フィードバック→プレゼンテーションの準備→最終評価といった流れを、内容や期間に沿って組み替えていくと良いでしょう。

長期(1ヶ月以上のインターンシップ)

長期のインターンシップでは、基本的に就業形式でのインターンシップを行います。長期のインターンシップを実施する際には、実際に職場で業務を行うことになるため、現場での受け入れ体制を整えておくことが大切です。受け入れ体制が不十分な場合には、学生に対する十分な関わりやサポートができないことで志望度やパフォーマンスが低下するだけではなく、現場の社員もストレスを感じることになってしまいます。

受け入れ体制の整え方として、以下のようなポイントに気をつけておくと良いでしょう。

■社員とのコミュニケーション機会を設ける
■メンター制度の採用を検討する
■学生の研修やフォローの機会を設ける
■定期的な振り返り機会を設ける

【種類別】インターンシップ内容の成功事例3選

では、実際に成功しているインターンシップはどのようなものがあるのでしょうか。インターンシップの種類ごとに、成功している事例を確認しておきましょう。


短期(1Dayインターンシップ)

■業種
不動産会社

■ターゲット
自分らしく挑戦することを重視する学生

■メッセージ
ボトムアップな風土の中で、徹底的なお客様起点の開発を行う会社である

■概要
実際のプロジェクトを題材としたケーススタディを通して、自社の業務を体感する。

■ポイント
ターゲットとする学生が競合他社との違いを頭で理解するだけでなく、体験として心で理解することを意図したインターンシップです。日々の業務を通して現れる「利用者起点」を体感できるシーンを抽出し追体験させるとともに、ボトムアップな風土を感じられるように、現場社員からのフィードバックを「上から目線(アドバイザー)」としてではなく「同じ目線(協働者)」で行うことで、ボトムアップな風土を実感できるものとしています。


中期(数週間程度のインターンシップ)

■業種
メーカー

■ターゲット
業界や職種に興味がある学生

■メッセージ
社会人は自分で責任を持ってお客様に仕事を納める立場である

■概要
実務に近い形式で、実際の通信システムを設計する。設計だけではなく、納品をするプロセスまで体験して、自分達で製品を最後まで届ける体験をする

■ポイント
ある程度の業務体験として、仕事の一例に触れるインターンシップが多い中、実際に納品をするプロセスまで自分達の力で実行してもらうインターンシップです。実際に仕事をする中では、中途半端に業務に関わるのではなく、最後まで責任を持つことが必要であることを伝えています。加えて、社員が適宜フォローをすることで、仕事に対するプライドを感じることができるため、具体的な理想像が学生の中に生まれやすいのが特徴です。


長期(1ヶ月以上のインターンシップ)

■業種
メーカー

■ターゲット
より実践的な業務を自分で行いたい意欲がある学生

■メッセージ
難しい内容に対して挑戦を続け、やりがいを感じることができる会社である

■概要
新入社員と同様に、集合研修を実施して実際の業務のポイントや会社としての考え方を学ぶ。実際の職場で実務体験を行い、OJTの形式で仕事を進めていく。最終的に、仕事で感じたことや課題に対するプレゼンテーションを行い、担当社員からフィードバックを行う。

■ポイント
実際の社員と同じような業務を行うインターンシップです。最初に会社としての考え方などを伝えつつ、業務の中でそれを体現することの大切さを感じてもらいます。難しい内容に対しても、チームや社員と協力することで、仕事のやりがいを感じることができる環境であることを感じやすくなります。

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まとめ

多くの学生が、就職活動の中でインターンシップに参加しています。インターンシップを実施することで、学生は企業や業界に対する理解を深めると共に、企業は母集団を形成しつつ、より近い距離で自社の魅力を学生に伝えることができます。インターンシップには短期・中期・長期の種類があり、それぞれで実施される内容は異なります。自社が対象としているターゲット学生の指向性や、自社が伝えたいメッセージに応じて、効果的なインターンシップの設計・実施を目指しましょう。


インターンシップに関するよくある質問

Q1:インターンシップとは何か?

A1:インターンシップとは、企業が自社の説明や業務の体験などを提供する採用活動の1つです。インターンシップを実施することで、学生は業界や企業に対する理解を深めることができると共に、自身のキャリアイメージを具体的なものにする材料を得ることができます。

また、企業側は、早期に学生と接触をすることで、学生の母集団を作ることができますし、学生に対して、伝えたいメッセージを届け、動機づけすることができます。

Q2:1dayインターンシップとは?

A2:短期型のインターンシップは、1Dayインターンシップとも呼ばれており、多くの場合は1日程度の実施期間を設定しています。

1Dayインターンシップでは1日の中で、企業の説明やグループワーク・グループディスカッションといったワーク形式でのプログラムなどを実施します。また、ワークがない場合でも、セミナー形式の企業説明や先輩社員、OBとの交流会、社内の見学など様々な種類のインターンシップが開催されています。

短期間であるため参加のハードルが低く、多くの学生が1Dayインターンシップに参加しています。

Q3:インターンシップの「成功」とは?

A3:「成功」の定義は、いろいろと考えられますが、多くの会社では「次回以降のイベントへの接続率が向上すること」や「企業全体/仕事内容/組織風土に対する学生の認識変化が起こったこと」と考えられています。

「インターンシップを実施した」だけで終わらせず、インターンシップ後の行動変化に繋がっているか、が1つポイントとなると考えられます。

Q4:学生がインターンシップに参加するメリットとは?

A4:インターンシップに参加することで、学生はその企業全体に対する理解を深めることができます。具体的には、実際の業務やそれを題材としたワークを行うことで、入社後の具体的な業務のイメージが湧き、仕事内容に対する興味関心度合いも高まります。

また、インターンシップの中でメンターである社員との会話や座談会を通して、自分の中でのキャリアイメージを膨らませることができる場合もあります。

LM編集部
LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。

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