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2024卒採用の就活スケジュールを徹底解説!インターンや本選考はいつから始まる?

 2024卒採用とは、2024年(令和5年)3月の大卒者(院卒者)を対象とした採用活動のことです。2024卒採用で初めて採用担当を任された方など、「いつ、何から始めたらいいのか分からない・・・」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、2024卒採用における就活スケジュールや時期別の学生・企業の動き、また2024卒の学生が重視することや、インターンシップ開催の目的や注意点などについて解説していきます。

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2024卒の就活スケジュール

2024卒採用の担当者様は、まず2024卒の就活スケジュールを大まかに把握しておきましょう。



2022年4月~6月

・就活サイトがオープンし始め、就活イベントや就活セミナーが開催され始める。

・サマーインターンシップ(夏インターン)の情報が公開される。

2022年7月~9月

・サマーインターンシップ(夏インターン)が開催される。

2022年10月~12月

・オータムインターンシップ(秋インターン)が開催される。

・ウインターインターンシップ(冬インターン)が開催される。

2022年12月以降
・大学で学校推薦の説明会や情報公開が始まる。
2023年1月~2月
・インターンシップ参加者を対象として座談会などがおこなわれる。
2023年3月~5月
・大手企業の採用活動が本格化し、情報が公開される。

・会社説明会が開催される。

・エントリーシートの受付がスタートする。

2023年6月~9月

・面接や筆記試験などの選考活動が本格化する。

・内々定を出す企業が増える。

2023年10月以降

・企業が内定者に採用通知を出す。

・内定式がおこなわれる。

・翌年4月までの間に入社前研修がおこなわれる。

理系学生の就活スケジュール

 2024卒採用の担当者様は、理系学生の就活スケジュールの特徴も認識しておく必要があります。理系学生が進路を決めるにあたっては、「就職 or 大学院進学」という分岐点があります。理系学生は文系学生に比べて大学院に進む学生が多く、文部科学省の調査では、文系学生の大学院進学率が5%前後であるのに対し、理系学生の大学院進学率は40%前後となっています。


 就活スケジュールそのものは、理系学生も文系学生も大きな違いはありません。ですが、理系学生は卒業年次に学業が忙しくなる傾向にあるため、個人差はあるものの、就活に使える時間はそれほど多くありません。インターンシップや説明会、筆記試験や面接試験のスケジュール調整が難しく、文系学生に比べるとインターンシップへの参加数やエントリー数が少ない傾向にあります。内閣府の調査では、大学4年生のエントリーシート提出数の平均値は、文系学生が18.1社であるのに対し、理系学生が11.5社となっています。

※ 学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査報告書(令和2年11月30日)|文系・理系別の集計

https://www5.cao.go.jp/keizai1/gakuseichosa/pdf/20201130honbun_5.pdf


就活の時期別に見る学生側・企業側の動き

 政府は経済団体などに以下のとおり、2024年卒の大学生を対象にした就職・採用活動の日程を要請しています。いわゆる「解禁日」と呼ばれるルールです。

・広報活動開始:大学3年生の3月1日以降

・採用選考活動開始:大学4年生の6月1日以降

・正式な内定日:大学4年生の10月1日以降

 解禁日は厳格に守られていないのが実情ですが、これに沿って就活スケジュールのポイントを解説していきます。

2022年4~6月(3年生)の就活の動き

 2022年4~6月は、2024卒の大学生が3年に進級した時期です。この時期は、2024卒向けの就活サイトがオープンし始め、サマーインターンシップの情報公開が始まります。また、2024卒向けの就活イベントや就活セミナーも開催され始めます。

学生の動き

 インターンシップに関心のある学生は情報収集をスタートし、関心のある企業のサマーインターンシップに応募します。

企業の動き

 企業側は、サマーインターンシップの準備を進めます。実施する期間や人数を決め、募集をおこないます。募集方法としては、自社サイトに掲載するほか、求人サイトに掲載したり、大学のキャリアセンターで募集したりします。

 インターンシップの応募があったら参加者の選考をおこないます。選考方法は企業によって異なりますが、書類選考が一般的です。その他、先着順や抽選で決める企業もありますし、面接やグループディスカッション、適性検査をおこなって選考する企業もあります。同時に、インターンシップの受付窓口や担当者、実施プログラムなど、社内の受け入れ体制を構築します。

2022年7~9月(3年生)の就活の動き

 2022年7~9月は、2024卒の大学生にとって3年の夏の時期に当たります。この時期は、サマーインターンシップが開催されます。

学生の動き

 学生はこの時期、主要な就活サイトに登録をして情報収集を進めます。また、夏休みを利用してサマーインターンシップに参加します。

企業の動き

 多くの企業がこの時期にサマーインターンシップを開催します。学生の夏休みの時期に当たるため、長期のインターンシップを開催する企業も少なくありません。また、2023年3月に控える広報活動解禁日に向けた準備も進めます。具体的には、広報戦略や説明会の設計です。自社が求める人材要件を固め、「どのような広報戦略によって集客するのか?」「いつ、どのような説明会を開催するのか?」といったことを決定していきます。加えて、採用サイトや採用動画、パンフレットなどの制作にも着手します。外注する場合は、制作会社の選定・発注を進めていきます。

 なお、近年は採用業務を丸ごとBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)する企業も増えています。採用業務のBPOを検討している企業は、BPO業者を選定したうえで事前にしっかりと打ち合わせをして、採用方針や求める人材要件、採用スケジュールなどを共有しておく必要があります。

(参考)BPOについては、以下の記事で詳しく解説しています

BPOって何?アウトソーシングとの違いや対象業務についてもご紹介


2022年10~12月(3年生)の就活の動き

 2022年10~12月は、2024卒の大学生にとって3年生の後期に当たります。この時期は、オータムインターンシップやウインターインターンシップが開催されます。

学生の動き

 学生はこの時期、年明け3月からの本格的な就活に備えて自己分析や業界研究をおこない、志望業界を絞っていきます。その一環として、オータムインターンシップやウインターインターンシップに参加する学生も多くいます。

企業の動き

 企業側はこの時期、オータムインターンシップやウインターインターンシップを開催します。ただし、学生は後期授業があるため、サマーインターンシップのように長期間ではなく、短期間のインターンシップやワンデー仕事体験などが中心になります。

2023年1~2月(3年生)の就活の動き

 2023年1~2月は、2024卒の大学生にとって3年生の後期試験の時期に当たります。企業側は、3月の広報活動解禁日に向けて慌ただしくなってくる時期です。

学生の動き

 この時期の学生は後期試験で忙しくなるため、就活は小休止となり、学業中心の生活になります。後期試験が終わって春休みに入ったら、本格的な就活シーズンに向けて準備を始めます。

企業の動き

 企業側はこの時期、これまでのインターンシップ参加者にさらなる自社理解を促すため、個別のフォローをおこないます。座談会への参加を促したり、動画コンテンツを送ったりするのが一般的です。ただ、学生の後期試験の時期と被るため、学業の妨げにならないようタイミングに配慮する必要があります。

 また、3月の広報活動解禁日に向けてさまざまな準備が本格化します。広報内容や選考基準、3月以降のスケジュールなど、新卒採用計画の細部を詰めて社内に共有します。また、日程や会場の調整など説明会の準備も必要です。オンラインで説明会をおこなう場合は、必要に応じてツールの導入やネット環境の整備をおこないます。その他、面接官をアサインしてトレーニングを開始するのもこの時期です。

2023年3~5月(3~4年生)の就活の動き

 2023年3~5月は、2024卒の大学生にとって3年の春休みから4年に進級した時期に当たります。3月1日の広報活動解禁日を迎えると、求人情報の公開やエントリーが始まります。学生にとっても採用担当者にとっても本格的な活動のスタートです。


学生の動き

 学生はこの時期、エントリーシートの提出や説明会の予約・参加など、積極的に就活を進めていきます。

企業の動き

 広報活動解禁日を迎えたら、企業側は採用サイトや動画、SNSなどを活用して採用広報活動をおこなっていきます。また、説明会の予約も受け付けて順次開催していきます。自社開催の説明会も合同説明会も、ここ数年はコロナ禍の影響でオンラインでの開催が主流になっています。実際に学生に会うことはできませんが、別の考え方をすれば、地理的条件にかかわらず全国から多くの学生に参加してもらうチャンスなので、説明会には力を入れなければいけません。

 加えて、この時期は6月1日の選考活動解禁日に向けた準備も必要になります。広報活動解禁後、学生の応募状況が芳しくないようであれば、あらためて学生にアピールする施策を検討しなければいけません。応募数は多いものの、求める人物像とのマッチングが低い場合は、学生に直接アプローチするダイレクトリクルーティングなども検討しましょう。

2023年6~9月(4年生)の就活の動き

 2023年6~9月は、2024卒の大学生にとって4年の夏の時期に当たります。6月1日に選考活動解禁日を迎えると、面接やグループディスカッションなどがスタートします。

学生の動き

 この時期、学生は夏休みに入るので意欲的に就職活動を進めます。内定を獲得する学生も増えてきて、複数の内定を得ている学生は1社に絞り込み、内定辞退の連絡を入れます。

企業の動き

 企業側はこの時期、面接やグループディスカッションなどの選考活動をおこないます。採用担当者は、現場の面接官や役員のスケジュールを調整しながら面接をセッティング・実施していきます。ただ、説明会と同様に、最近は面接もオンラインが主流になっているため、従来に比べると調整や準備の手間が減っているようです。

 また、10月1日の正式な内定日に向けた準備も進めていきます。内定を出している学生にはこまめなフォローが必要です。内定辞退を避けるため、定期的に連絡をしたり懇談会を開催したりしてコミュニケーションを図っていきましょう。また、内定式をおこなう場合は内定式の準備も進めます。

2023年10月(4年生)以降の就活の動き

 2023年10月以降は、2024卒の大学生にとって4年の秋以降に当たります。10月1日に正式な内定日を迎えると、企業と学生間の労働契約締結が解禁されます。企業は採用通知を出し、学生は入社承諾書を提出します。また、10月に内定式をおこない、翌年4月までに入社前研修をおこなう企業が多いようです。

学生の動き

 この時期、内定を得た学生は就活終了ということになります。内定式に参加したり、同期との交流を深めたり、入社前研修に参加したりします。まだ内定を得ていない学生や公務員志望から一般企業志望へと切り替えた学生などは、この時期にも就活を継続します。

企業の動き

 企業側は、10月に内定式をおこなうのが一般的です。また、内定者のモチベーションを保ち、入社後スムーズに活躍してもらうために入社前研修をおこないます。なお、予定の内定者数に至っていない場合など、引き続き採用活動を続ける企業もあります。

2024卒の学生が就職先選び・仕事選びで重視すること

 2024卒採用の担当者様は、2024卒の学生が就職先選び・仕事選びで重視するポイントを把握しておくことが重要です。2つの調査結果から、2024卒の学生の価値観を見ていきましょう。

就職先選びでは「仕事内容のやりがい」や「給与水準」を重視

 ビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリー株式会社は、2022卒〜2024卒の就活生を対象に「就職活動に関する調査」をおこない、その結果を公開しています。

 「就職先を選ぶ際に重視すること」について聞いたところ、どの卒業年度の就活生でもいちばん多かったのが「仕事内容のやりがい」でした。2番目に多かったのが、22卒・23卒では「自己成長性」、24卒では「給与水準」となっています。それぞれの項目を重視した理由としては、以下のような声があがっています。

・「自分の仕事のモチベーションに繋がるから」(仕事内容のやりがい)

・「会社に関係なく個人としてスキルアップしていきたいと考えているから」(自己成長性)

・「経済的に安定した暮らしがしたいため」(給与水準)

24卒の就活生にフォーカスすると、多かった順に「仕事内容のやりがい」「給与水準」「自己成長性」「勤務形態の柔軟性(リモートワーク、フレックスなど)」という結果になっています。

※参考:22卒〜24卒の就職活動に関する調査結果を発表 | Wantedly, Inc.

https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/373096

仕事よりも家庭・プライベートを優先する傾向に

 内閣府がおこなった就労等に関する若者の意識調査(平成30年版子供・若者白書)では、以下のような結果が明らかになっています。

仕事をする目的

 「仕事をする目的」について聞いたところ、「収入を得るため」と回答した人が84.6%と突出して多くなっています。2番目以降は、「仕事を通して達成感や生きがいを得るため(15.8%)」「自分の能力を発揮するため(15.7%)」「働くのがあたりまえだから(14.8%)」「人の役に立つため(13.6%)」というように続いています。

仕事選択に際して重要視する観点

 「仕事を選択する際に重要と考える観点」について聞いたところ、「安定していて長く続けられること」および「収入が多いこと」という項目に「とても重要」「まあ重要」と回答した人はともに88.7%と、もっとも多い結果になっています。2番目以降は、「自分のやりたいことができること(88.5%)」「福利厚生が充実していること(85.2%)」「自由な時間が多いこと(82.2%)」と続いています。

仕事と家庭・プライベートとのバランス

 「仕事と家庭・プライベート(私生活)のどちらを優先するか」について聞いたところ、「仕事よりも家庭・プライベート(私生活)を優先する」と回答した人は63.7%であり、平成23年度の調査時の52.9%から約10ポイント増えています。男女別に見ると、「仕事よりも家庭・プライベート(私生活)を優先する」と回答した男性は58.3%であり、女性の69.4%より少ないものの、平成23年度の調査時よりも10ポイント以上多くなっています。

※参考:特集 就労等に関する若者の意識|平成30年版子供・若者白書(全体版)|内閣府

https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30honpen/s0_0.html

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インターンシップを開催する重要性

 近年、インターンシップの重要性が高まっており、採用活動において積極的にインターンシップを開催する企業が増えています。コロナ禍の影響によりオンラインでインターンシップをおこなう企業が増えたことで、さらにインターンシップの実施率が上昇しています。インターンシップが重視される理由として大きいのが以下の2点です。

採用活動の早期化

 上述のとおり、政府では例年、国内企業に「就職・採用活動に関する要請事項」を通達しています。2024年卒の大学生を対象にした就職・採用活動の日程は、以下のとおり要請されています。

・広報活動開始:卒業・修了年度(大学3年)に入る直前の3月1日以降

・採用選考活動開始:卒業・修了年度(大学4年)の6月1日以降

・正式な内定日:卒業・修了年度(大学4年)の10月1日以降

 いわゆる「解禁日」と呼ばれるものですが、このルールは、あくまでも「要請」レベルであり、守らなくても罰則はありません。そのため、「フライングしてでも、優秀な学生を早めに囲い込みたい」と考える企業も少なくありません。さらに、このルールは経団連に所属する企業に向けられたものです。そのため、経団連に所属していない企業は、経団連に所属する企業よりも早く採用活動をおこなう傾向にあります。

 このように採用活動が早期化している傾向があり、他社よりも早く優秀な学生を囲い込むためにインターンシップに力を入れる企業が増えていると考えられます。早いところでは、大学3年の夏頃に選考を兼ねたインターンシップをおこない、冬頃には内定を出す企業もあるようです。

新卒社員の早期退職の増加

 3人に1人が新卒で入社した会社を3年以内に辞めているのが現状です。大きな原因だとされているのが、学生が働くイメージを描けないまま就職して、入社後にミスマッチを感じることです。このミスマッチを避けるのに効果的なのがインターンシップです。

 インターンシップをおこなうことで、学生は働くイメージを明確にすることができるだけでなく、会社の雰囲気も感じることができます。仕事内容や社風とのミスマッチを防ぐことができ、結果として早期退職の減少につながるため、多くの企業がインターンシップに力を入れていると考えられます。

インターンシップを開催する目的

 企業がインターンシップをおこなう目的としては、大きく以下の3つがあげられます。

優秀な人材を発掘するため

 書類上の記載や短時間の面接だけで、学生の能力や資質を見極めるのは簡単なことではありません。その点、インターンシップは期間に差はあるものの、実践的なプログラムを通して学生を観察できるため、書類選考や面接では捉えにくい能力やスキル、仕事への取り組み方や困難に直面したときの対処法などを把握することができます。実際の仕事体験を通して優秀な人材を発掘するのは、企業がインターンシップをおこなう重要な目的です。

早期の退職を防止するため

 新卒採用には決して少なくない時間、労力、コストがかかります。苦労して獲得した新卒社員が早期に退職してしまったら、企業の損失は非常に大きいものになってきます。

 新卒社員の早期退職の主な原因と言われるのが、「仕事内容が想像していたものと違うこと」や「企業風土がイメージしていたものと違うこと」などのミスマッチです。このようなミスマッチを回避するためには、入社前に実際の仕事を体験したり職場の雰囲気を体感したりすることができるインターンシップが有効です。マッチングを確かめたうえで採用・入社した人材は定着しやすく、長期的に会社に貢献してくれる期待が持てるでしょう。

新卒社員の早期戦力化のため

 新卒社員の「育成の第一歩」という位置付けでインターンシップを開催している企業も少なくありません。実際に、インターンシップに参加して入社した新入社員とインターシップに参加せずに入社した新入社員では「スタートダッシュ」に差が生まれると言われます。

 インターンシップを通して入社前に業務に関する知識・スキルを習得できれば、入社後、比較的早期の戦力化が期待できます。新入社員が早期に戦力になってくれれば、先輩社員の負担軽減や教育コストの削減、組織全体の生産性向上にもつながるでしょう。

インターンシップの種類ごとの違い

 インターンシップは主に以下の3種類があります。それぞれの特徴を押さえておきましょう。

1dayインターンシップ

 1dayインターンシップは、1日(数時間)でおこなわれるインターンシップのことで、会社の概要を説明するセミナー・講演会の形式でおこなわれるのが一般的です。1dayインターンシップに多くの学生を集客できれば、早期に採用母集団の形成を図ることができます。一方で、1dayインターンシップは、学生と直接的に交流を図るケースが少ないため、企業側が学生のことを深く知ることができませんし、逆に学生側も企業のことを深く理解できない点がデメリットだと言われます。

 なお、2020年以降、「1dayインターンシップ」という言葉は使わない方向になっています。これは、マイナビやリクルートキャリアなどが1dayインターンシップ(1日インターン)の取り扱いを停止すると発表したのがきっかけです。

 かねてから、1日では就業体験プログラムを盛り込むのが難しく、インターンシップと言いながら単なる会社説明会であるケースが多いことが指摘されており、学生の学業の妨げになっているという批判もありました。そこで、求人情報各社は企業のインターン情報を掲載するサイトにおいて1dayインターンシップ(1日インターン)の名称でのプログラムの掲載を停止することにしたのです。その後、大学と経団連の協議会も、ワンデーインターンシップを認めないことを決定しています。

 現在、就業体験プログラムが含まれる1日インターンは、「ワンデー仕事体験」などと呼ばれるのが一般的です。

短期インターンシップ

 短期インターンシップは、数日~1週間程度でおこなわれるインターンシップのことです。企業が用意したプログラムに取り組んでもらうことで、学生に業界やビジネス、企業に関する理解を深めてもらいます。

 具体的なプログラムとしては、グループワークによって学生に新規事業の提案をしてもらったり、学生に課題を提示して、その解決策をプレゼンしてもらったりするなど、実際の業務に近い内容が多くなっています。プログラムを通して、学生の思考力やアイデア、プレゼンテーション力やコミュニケーション力を把握することができます。

長期インターンシップ

 長期インターンシップは、1ヶ月以上の期間でおこなわれるインターンシップのことです。学生に実務を経験してもらうことで、より実践的な知識・スキルの習得を目指します。実際に、現場の社員と同じ環境で業務に取り組むことにより、ビジネス内容や業務内容、会社の雰囲気や文化などへの理解を深めてもらえるのも長期インターンシップのメリットです。

 長期インターンシップは期間が長いため、学生との関係性を深めやすく、うまく活用できれば優秀な学生を早期に囲い込むことができ、本選考への誘導率を高めることができます。

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インターンシップを開催する際の注意点

 2024卒採用の担当者様は、インターンシップを開催する際の注意点を押さえておきましょう。

インターンシップを開催する目的を明確化する

 上述のように、インターンシップの目的はいくつか考えられますが、目的がはっきりしないまま何となくインターンシップを開催しても費用対効果の悪いものになってしまいます。「できるだけ多くの学生に認知してもらいたい」「選考時のミスマッチを減らしたい」「即戦力として期待できる人材を獲得したい」など、インターンシップをおこなう目的を明確にするとともに、数値目標を設定しましょう。

 目的・目標が明確になれば、インターンシップの選考方法や担当社員、開催期間やプログラム内容なども決定しやすくなります。

セキュリティ対策を講じて情報漏洩リスクに備える

 昨今のインターンシップで注意したいのが、セキュリティリスクです。実際に、インターン生が簡単に機密情報にアクセスできる環境になっている企業も少なくないようです。また、長期インターンシップでは実務に携わるため、学生が企業の顧客情報を取り扱うケースもあります。それがきっかけになって、情報漏洩が起きてしまうリスクも考えられます。

 インターンシップを開催する際は、然るべきセキュリティ対策を講じるとともに、インターン生独自のルールを設け、誓約書を取り交わしたうえで受け入れるようにしましょう。

前年のインターンシップの成果を振り返る

 インターンシップを成功させるためには、前年のインターンシップを振り返り、改善・ブラッシュアップすることが重要です。応募者数や参加者数、本選考への誘導率や内定数などを管理・分析することで課題を抽出し、インターンシップの募集方法やプログラムの改善を図っていきましょう。

 なお、近年の傾向として、インターンシップ参加後に選考優遇を受けられるかどうかを重視する学生が増えています。インターンシップ参加者に対して、エントリーシートや適性検査、一次面接などを免除することも検討し、より効果的なインターンシップにしていきましょう。

まとめ

 少子高齢化による労働人口減少にともない、企業の新卒採用は年々、難易度が高くなっています。大きく変化する労働市場で有利なポジションをつかむためには、採用活動のアップデートが不可欠です。インターンシップも含めて自社の採用活動を振り返り、ブラッシュアップして、ぜひ2024卒採用を成功へと導いていきましょう。

2024卒採用に関するよくある質問

Q:コロナ禍の学生は「ガクチカ」がないって本当?

 従来から、選考過程で重視されるポイントの一つが、「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」です。ガクチカの定番と言えば、サークル活動や留学体験、アルバイト体験などです。しかし、コロナ禍になって大学生活が大きく変わったことで、このような活動・体験をしている学生が少なくなっていることから、「コロナ禍の学生はガクチカがない」と言われるようになっています。

 たしかに、コロナ禍の学生はさまざまな制約を受けており、ガクチカのネタが少なくなっているのは事実ですが、まったくガクチカがないということにはなりません。一つの傾向として、学業や資格取得などをガクチカに挙げる学生が増えていると言われます。また、ガクチカを聞く企業側も、大学時代に限らず高校時代に力を入れた話を聞いたり、学業で頑張ったことやコロナ禍になって行動を変えたことなどを聞いたりと、質問の仕方を変えるようになっているようです。

Q:最終面接をオンラインでおこなってもいい?

 コロナ禍の影響により、初期面接はオンラインで実施して最終面接は対面とする企業もありますし、最終面接までオンラインでおこなう企業もあります。ここは、企業の考え方や利便性で決めて問題ないでしょう。

 マイナビが2023年卒業予定の全国の大学生・大学院生を対象におこなった調査によると、「内々定先の最終面接の実施形式(対面式の面接か、WEB面接か)」を聞いたところ、対面式の割合が53.0%(前年比10.6pt増)となっています。

 従業員規模別に見ても、すべての規模で前年より対面式の割合が高くなっていますが、規模が大きい大手企業ほど対面式の割合は低くなり、従業員数5,000人以上の企業では36.4%(Web面接の割合が63.4%)となっています。

※参考:「マイナビ 2023年卒 学生就職モニター調査 6月の活動状況」を発表|株式会社マイナビ

https://www.mynavi.jp/news/2022/07/post_34562.html


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LM編集部
LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。

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