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BPOって何?アウトソーシングとの違いや対象業務についてもご紹介

 昨今、あらゆる業界でBPOを導入する企業が増えています。BPOは、外部リソースを活用するアウトソーシングの一種ですが、非コアな業務や自社にノウハウがない業務をプロセスごと、継続的に委託する点に特徴があります。今回は、BPOのメリットや主な対象業務、導入する際のポイントや委託先を選ぶ際の注意点などについて解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.BPOとは?
  2. 2.BPOを導入する目的・メリット
  3. 3.BPOの対象業務
  4. 4.BPOの特徴
  5. 5.BPOが対象とする業務領域が拡大している
  6. 6.BPOを導入する際のポイント
  7. 7.BPOの委託先を選ぶ際の注意点
  8. 8.まとめ
  9. 9.BPOに関するよくある質問
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BPOとは?

 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、非コアな業務や自社にノウハウがない業務を、総合的かつ継続的に外部委託するアウトソーシングの一形態です。特定の業務を丸ごと(プロセスごと)アウトソーシングするのがBPOの特徴で、経理業務や人事業務、コールセンター業務や受付業務などのアウトソーシングがBPOの代表例です。

 BPOを活用することでコア業務に専念できるようになり、生産性向上や競争力向上が期待できることから、近年、あらゆる業界でBPOを導入する企業が増えています。

BPOとアウトソーシングは何が違う?

 従来のアウトソーシングとBPOの違いは、簡単に言えば「業務の委託範囲」です。従来のアウトソーシングは、繁忙期の人手不足に対応するために一部の業務を外部委託するケースが大半でした。BPOも外部のリソースを活用する点では変わりはありませんが、委託範囲が広く、一つひとつの業務だけでなく業務プロセスごと委託します。それゆえ、業務効率化や業務フローの改善といった領域まで、BPOの委託内容に含まれるのが一般的です。

アウトソーシングについては、以下の記事で詳しく解説しています。

>> アウトソーシングとは?メリットやデメリットを詳しく解説!
https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/column/0007

BPOを導入する目的・メリット

コスト削減

 従来のアウトソーシングと共通する目的ですが、コスト削減はBPOを導入する大きな目的になります。非コアな業務を外部委託することで、その業務にかかっていた人件費を変動費化できるため、コスト削減が期待できます。

業務のスピードやクオリティの向上

 専門性の高い業務や高度な知見・ノウハウを要する業務は、自社の従業員で対応するのが難しいケースもあります。そのような課題はBPOの活用によって解決できます。BPO業者は各分野のプロフェショナルが揃う専門業者であり、最新の知識・ノウハウに精通しています。自社が外部委託したい業務を得意としているBPO業者に委託することで、業務のスピードやクオリティが向上するため、結果として顧客満足度の向上も期待できるでしょう。

収益アップ

 自社でおこなう必要のない非コアな業務や定型的な業務をBPOによって外部委託することで、本来注力すべきコア業務に人的リソースを集中できるようになります。その結果、生産性や競争優位性が向上し、収益アップや事業の成長が期待できます。

BPOの対象業務

 BPOの対象となる主な業務としては、以下のような業務が挙げられます。

人事業務

 BPOにより、採用や人材育成などの人事業務を外部委託することができます。採用であれば、広告出稿などの募集フェーズから書類選考、面接、採用決定まで、人材育成であれば研修や教育プログラムなど、その他、給与計算や入社時・退職時に必要な社会保険の手続きなどを代行してもらえます。

経理業務

 BPOにより、小口精算や伝票記帳、売掛金管理や経費精算、請求書の作成、支払処理などの経理業務を外部委託することができます。

総務業務

 BPOにより、備品や名刺の管理、オフィスの管理、郵便物の対応、出張時の手配などの総務業務を外部委託することができます。

受付業務

 BPOにより、受付業務を外部委託することができます。特に規模の大きい企業などでは、来客応対や電話の取り次ぎまで一括してBPO業者にアウトソーシングしているケースが多々あります。

コールセンター業務

 BPOにより、コールセンター業務を外部委託することができます。特に、BtoC商材を扱う企業では、電話やチャットなどで顧客からの問い合わせに対応するコールセンターを設ける必要がありますが、BPOを活用することでオペレーターやシステムなどの資源が不要になります。BPOでは、顧客からの電話を受けるインバウンド業務だけでなく、顧客に電話かけて営業アプローチをするアウトバウンド業務を委託することも可能です。

データ処理業務

 BPOにより、データ処理業務を外部委託することができます。スキャニングやデータ入力、データ集計やデータ分析などを代行してもらえます。

IT業務

 BPOにより、インフラの設計・構築、システムの運用などのIT業務を外部委託することができます。なお、IT領域の業務を外部委託することは「ITO(インフォメーション・テクノロジー・アウトソーシング)」と呼ばれ、昨今ニーズが高まっています。

BPOの特徴

BPOは委託する業務の範囲が広い

 従来のアウトソーシングに比べ、BPOは委託する業務の範囲が広いのが特徴です。従来のアウトソーシングは個別の業務を一部切り出して外部委託する形が主流でしたが、BPOでは、業務プロセスの設計から運用までを丸ごと委託します。

BPOが対象とする業務領域が拡大している

 多様化する企業のニーズに対応するため、昨今では、BPOが対象とする業務領域が拡大しています。これまでのBPOは、経理や人事、受付などオペレーション領域の業務を委託するのが一般的でしたが、近年では、営業やマーケティング領域の業務、戦略立案やマネジメント領域の業務などを請け負うBPO業者も増えています。企業側も、自社のウィークポイントをBPO化して生産性向上を図るなど、経営戦略の一環として検討することが多くなっています。

時代の要請にマッチしている

 近年は少子高齢化による労働人口の減少により、業種・職種を問わずあらゆる企業において人手不足が深刻化しています。加えて、働き方改革の推進によって労働時間の短縮が求められるようになりました。このような背景から、BPOを活用する企業が増加しています。BPOの導入によって人手不足や労働時間の問題を解消しつつ、よりコア業務に注力して競争力を高めていくという方針は、時代の要請に適った考え方だと言えるでしょう。

BPOを導入する際のポイント

BPOの導入目的を明確にする

 「なぜBPOを導入するのか?」という目的を明確にしていないと、失敗に終わる可能性が高くなります。自社の課題を抽出したうえで、「○○の業務に人的リソースを集中するため」「DXを推進するため」「従業員のマルチタスクを減らして、労働生産性を高めるため」など、BPO導入の目的を明確にすることが重要です。

BPOの委託業務を慎重に検討する

 「数ある業務のなかでどの業務を委託すべきか?」は、BPOの導入目的に沿って慎重に検討する必要があります。BPOはメリットばかりではなく、「委託した業務に関する知見・ノウハウが自社に蓄積されない」というデメリットもあります。たとえば、ある業務をBPOで3年間委託した後、何らかの事情でBPOを継続できなくなり、その業務を自社に戻すことになったとしましょう。このとき、自社にはその業務に対応できる体制もノウハウもないため、ビジネスが停滞してしまうというリスクも考えられます。

 BPOを導入する際は、将来的にどの事業、あるいはどの組織を拡大するのかなど、長期的な展望を踏まえたうえで、自社で対応すべき業務とBPOで委託すべき業務を見極めることが重要です。

BPOの効果測定をおこなう

 BPOを導入する際は、必ず導入目的に合わせたKPIを設定し、効果測定・モニタリングをする仕組みを構築しましょう。たとえば、労働生産性の向上を目的としてBPOを導入するなら、導入後の労働生産性を定点観測して効果測定をしていきます。効果測定をすることでBPOの成否を定量的に把握できるため、新たな業務のBPO化やBPO業者の変更など、より効果的な施策を講じることができるはずです。

BPOの委託先を選ぶ際の注意点

豊富な実績があるか

 BPOを検討するとき、適切な委託先を見極めるためには実績の確認が不可欠です。過去の導入社数だけでなく、自社が委託を検討している業務について、同程度の内容・規模・期間での実績があるかどうかを確認するようにしましょう。Webサイトを見ただけでは分からない情報もあるため、問い合わせや商談の際に直接確認するようにしてください。

委託業務の拡大に対応できるか

 最初は小規模でBPOを導入し、一定の成果を得られたら委託業務を拡大していくというように、スモールスタートでBPOを導入する企業は少なくありません。それゆえ、BPOの委託先を検討する際は、「将来の委託業務拡大に対応できるか?」という観点も重要になってきます。複数のBPO業者に依頼するのは手間がかかるため、ある程度規模が大きく、対応している業務領域が広いBPO業者をリストアップするのが良いでしょう。

セキュリティ体制が整っているか

 BPOを導入すると、自社の従業員情報や顧客情報、会計情報など、機密性の高い情報を委託先に提供することになります。その際、情報漏洩が起きると取り返しのつかないことになってしまうため、必ずBPO業者のセキュリティ体制をチェックするようにしましょう。セキュリティポリシーを確認するとともに、プライバシーマークやISMS認証の取得の有無を確認するようにしてください。

まとめ

 BPOを活用することで、コスト削減や業務効率化、生産性向上など様々なメリットが期待できます。労働力不足がますます深刻化するこれからの時代、「自社の人的リソースをいかにコア業務に集中させられるか?」が重要な経営テーマになってきます。ぜひBPOをうまく活用して、競争優位性を築いていきましょう。

BPOに関するよくある質問

Q:「BPO」と「BPR」の違いは?

 BPRは「ビジネス・プロセス・リエンジニアリング」の略で、業務や組織を再構築することを言います。BPOとBPRの違いは、BPOが「業務改善」を目指すのに対し、BPRは「業務改革」を目指すという点にあります。
 BPOは業務効率化や生産性向上を目的に導入されることが多い手法であり、業務フローやプロセスを見直すことによって業務の効率化・適正化を図っていきます。一方、BPRの最終目的は、業務上あるいは組織上の課題を根本的に解決することです。そのため、経営戦略に照らして「そもそも、この業務・組織は必要なのか?」という根本から見直しを図り、抜本的な改革を進めていきます。

 BPRは様々な施策によって長期的に業務改革を継続していきますが、そのなかでBPRの施策の一つになり得るのがBPOという関係性があります。

Q:「BPO」と「シェアードサービス」の違いは?

 シェアードサービスとは、グループ企業間で共通している部署を1箇所に集約する手法のことです。たとえば、経理部や人事部、総務部などの部署を各グループ企業に設置するのではなく、グループ内の1社にまとめます。そのうえで、その会社に経理業務や人事業務、総務業務などを委託する形で、コスト削減や業務効率化、人的リソースの有効活用を図っていくのがシェアードサービスです。

Q:テレビ番組に関する「BPO」とは?

 テレビ番組の公共の倫理を守るために、放送倫理・番組向上機構(BPO)という団体が存在します。BPOは、NHKと民放連によって設けられた第三者機関であり、テレビ局が持つ言論・表現の自由を尊重しながら、公共の倫理を守るために、テレビ番組に関する苦情や放送倫理の問題に対応しています。
​​​​​ 一般的に「BPO案件」と言えば、BPOの審理入りをしたテレビ番組のことを指します。放送されたテレビ番組に苦情が寄せられたり、倫理的な問題が疑われたりするとBPO案件となり、審理の結果、テレビ局側に問題があると判断されれば、BPOはテレビ局に対して「勧告」などをおこないます。勧告を受けたテレビ局は、再発防止計画や報告書などを提出するのが通常です。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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