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メンター制度とは?導入のメリットと効果的な指導を解説

近年、若手の離職問題を解決する手段の一つのとして「メンター制度」を取り入れる企業が増加傾向にあります。本記事では、メンター制度そのものの説明から、メンター制度を導入するメリット、導入までのステップやメンターとメンティーのマッチング方法までを解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.メンター制度の意味
  2. 2.メンター制度のメリット
  3. 3.メンター制度が重要視される背景
  4. 4.メンター制度導入のステップ
  5. 5.メンターとメンティーのマッチング方法
  6. 6.メンター力強化のための効果的なスキル
  7. 7.おわりに


メンター制度の意味

ここではメンター制度とはどのような施策なのか、実施することでどのような効果が見込めるのか、その他の制度と異なっている点はどこなのかについて解説します。

■メンター制度とは

メンター制度とは、比較的年齢の近い先輩社員が、若手社員や新入社員の業務面・精神面での悩みや困りごとなどを聞き、サポートする制度です。サポートする側の先輩は「メンター」、サポートされる後輩は「メンティー」と呼びます。

メンターは英語のmentorが語源になっており、「良き指導者」「信頼のおける相談相手」といった意味です。メンター制度では良き先輩として仕事に対する姿勢やキャリアの手本となり、様々な観点から後輩の成長支援を行うことがメンターの役割として期待されます。

■メンター制度とOJT制度の違い

メンター制度と似ている制度として「OJT制度」というものがあります。OJT制度は、先輩社員や上司が若手社員や新入社員に対して、実際の業務を通じて行う教育手法のことです。

メンター制度もOJT制度も、先輩社員が後輩社員に対して指導やアドバイスを行うという点では類似していますが、助言する側とサポートする側の範囲が異なっています。

メンター制度では基本的に後輩社員とは別の部署に所属する先輩社員がメンターとなりますが、OJTでは同じ部署の先輩社員が担当となり、指導に当たるのが一般的です。また、メンター制度ではキャリアや精神面でのサポートが中心ですが、OJT制度では実務のサポートが中心という点に違いがあります。

ただ、会社によっては同じ部署内でメンターとOJT担当を付けることもあるので、そこは自社内の状況に合わせましょう。

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メンター制度のメリット

年齢の近い先輩後輩同士だからこそ、気軽な気持ちで雑談や相談ができるため後輩の精神面のサポートがしやすいメンター制度ですが、メンター・メンティーそれぞれにメリットがあります。ここではどんなメリットがあるのか詳細をお伝えします。

■メンターのメリット①:指導力向上の機会

メンター制度では、個人的なキャリア形成の悩みから、場合によってはプライベートの悩みも含めて相談にのる可能性があるため、メンターにはコミュニケーションスキルや関係構築スキルが求められます。

これらの能力は、普段OJTなど別の機会で後輩指導を行う際にも、将来的にマネ―ジャーになり部下をマネジメントする立場になった際にも必要な能力です。

メンターとして話し方・聞き方を工夫しながらコミュニケーションをとることで、コミュニケーションスキルと関係構築スキルが向上し、結果として業務における指導力やマネジメント能力の向上を期待できます。

■メンター側のメリット②:自身のキャリアの棚卸機会

メンターになることは、メンター自身のキャリアの棚卸の機会としても活用できます。メンティーの悩みに対してアドバイスするためには、メンター自身が今まで経験してきた成功体験や失敗経験を振り返る必要があります。

その振り返りがメンティーに対するフィードバックに活用できるだけでなく、メンター自身の強みや成長したポイントに気付くきっかけにもなります。

また、改めて自身の今までのキャリアを言語化することで、どこが転機だったか、今自分がキャリア上のどの段階にいるかも認識することができ、結果としてメンター自身のモチベーション向上やキャリアアップを意識するきっかけになることもあります。

■メンティー側のメリット①:内省支援による成長加速

メンターがいることで、他者と面談を行う時間が確保されているため、メンティーは自分自身の状態を振り返る機会が定期的にあります。

その結果、自身の傾向や課題を言語化し、メンターからフィードバックを受けることで学びが抽象化されていき新たな行動の変化に繋がるという、経験学習サイクルを定期的に回すことができます。

若手社員は自分でこのサイクルを回すことに慣れていない場合も多いので、定期的にメンターにサポートしてもらうことで適切にサイクルを回すことが可能となり、メンティーの成長を加速させることができます。

■メンティー側のメリット②:職場への帰属意識の向上

メンターがいることで、メンティーには「いつでも気軽に相談できる相手がいる」という安心感を醸成することができます。その結果、悩みを抱え込みにくくなるので、会社に馴染みやすくなったり居心地の良さを感じることが期待できます。

また、メンター制度の期間が終わったとしても、メンターとの信頼関係がなくなるわけではありません。期間終了後も困ったり悩んだときに相談できる相手がいるという安心感は、結果として若手の離職の防止にも繋がるでしょう。

メンター制度が重要視される背景

メンター制度は様々な目的から多くの企業で導入検討されていますが、その中でも特に重要視されるようになった背景を解説いたします。

■職場学習の重要性

人がビジネスにおいて成長していくためには、70%が仕事での経験から、20%が先輩・上司からのフィードバックや内省などの周囲との関わりから、10%が研修などのOFFJTの機会からであると言われています。
(出典:FYI: For Your Improvement,Michael M. Lombardo, Robert W. Eichinger,1996)

つまり、若手社員が成長していくためには現場での経験と、そこから内省を行うという「職場学習」を機能させることが重要です。

職場学習を機能させるには①業務支援②内省支援③精神支援の3要素をバランス良く取り入れることがポイントですが、マネージャーはその他多くの業務を担っているのでなかなかその3つを全て担うことは難しいです。

だからこそ、メンターが内省支援と精神支援を担うことで、職場全体の育成力の向上に繋がります。

■多様な働き方によるマネジメント難易度の高まり

新型コロナウイルスの影響により、リモートワークの導入など多様な働き方が促進されました。

その結果、社員間のコミュニケーションが以前のように取れなくなる他、メンバーのモチベーションが下がっていても察知しにくいなど、現場を見ているマネジメント層にとってはメンバーの育成難易度が格段に上がっています。

一方、会社から求められる成果は低くなるどころか高くなる一方のため、より生産性を向上させることが求められています。このように職場環境は複雑性を増しているため、メンター制度の導入によってメンターがマネジメント機能の一部を担えるかどうかが職場の生産性に大きく影響します。

メンター制度導入のステップ

色々なメリットや求められる背景もあるメンター制度ですが、実際にメンター制度を導入する際にはいくつか必要なステップがあります。ここでは各ステップで何をすべきなのか解説します。

①目的の設定

まず最初に、メンター制度を導入する目的を設定する必要があります。導入される際の目的は、早期離職の防止、女性社員の就業年数、企業風土の構築の一環などが挙げられますが、企業によって課題は様々です。

離職率や定着率などのデータや、現場の課題感をヒアリングすることで適切な目的を設定しましょう。

②実施体制の構築

新しくメンター制度を導入する際には、形骸化しないよう実施体制を整える必要があります。まずは経営層や現場のマネージャーなどに目的を説明し、協力してもらえるよう合意形成しましょう。

経営層や現場のマネージャーからの理解が得られていないと、メンターが時間を割けないなど制度として機能しなくなる可能性があります。

合意が得られた後は、実際にメンター・メンティーになるメンバー向けに説明会や研修を行うなどして、制度の意義や目的を伝え、実施へのモチベーションと「できそう!やりたい!」という感情を醸成することが大切です。

制度開始後も形骸化しないよう、定期的に研修や交流会を開くなどして効果的に機能するように介入するのが良いでしょう。

③運用ルールの作成

メンター制度が円滑に運用されように、また無用なトラブルを防ぐためにも運用方法やルールを策定しましょう。

メンター面談で知ったことを第三者に口外しない、などの守秘義務の他、メンター・メンティー間で解決できない問題が起こった場合の相談窓口の設置、面談を行う時間のルールは最低限明記しておく必要があります。

その他、実施頻度や実施期間、実施場所や進捗確認の方法なども決めておくと制度として運用に乗りやすくなります。

④メンターとメンティーのマッチング

運用方法が策定できたら、メンターとメンティーの組み合わせを考えます。メンター制度の成否は、マッチングにかかっていると言っても過言ではありません。

マッチングを考える際は慎重に進めましょう。実際にマッチングを考える際のポイントや手法については後述しますので、そちらを参考にしてください。

⑤運用の開始

運用方法とメンター・メンティーのマッチングが決まったら、実際にメンター制度の運用を始めましょう。

社内でメンター制度の運用開始を周知した上で、まずはメンター・メンティーそれぞれに制度の意義や運用方法、ルールの周知とともに実施する上でのスタンスを伝える研修を行うことをおすすめします。

共通認識を作ることで、その後の制度運用をスムーズに進めることができます。

⑥振り返り・効果測定

メンター制度を運用し始めたら、振り返りや効果測定も実施しましょう。3か月後や半年後など一定期間後にメンターやメンティーを集めて研修や情報交換会を行うなど、制度が有効活用されるようフォローの場を設定しましょう。

フォローの実施はメンター・メンティーからの所感を吸い上げられるので、制度運用の改善にも繋がります。また、中長期的な観点として最初に定めた目的をベースにデータの推移などから効果を検証することも必要です。

メンターとメンティーのマッチング方法

メンター制度の成否はマッチングにかかっています。ここではよくあるマッチングの方法と失敗ケース、おすすめのマッチング方法について解説します。

■よくあるマッチング方法と失敗ケース

メンターとメンティーをマッチングする方法は、人事部側がメンターとメンティーの組み合わせを決める「アサインメント方式」と、メンティー側が提示された候補から希望のメンターを選び、それをもとに事務局側が最終決定をする「ドラフト方式」の2種類があります。

この2つが最も一般的な選出方法ですが、どちらの方法だったとしてもよくある失敗ケースが「同じフロアだから」など顔の合わせやすさで決めてしまったり「性格が合いそうだから」と感覚で決めてしまう場合です。

このように決めてしまうと、メンターとメンティーの相性が合わないというミスマッチが発生し、期待した効果を得られない可能性があります。

■個々の特性に合わせたマッチング方法

メンターとメンティーのマッチングを行う際は、メンターのモチベーションタイプとメンティーのモチベーションタイプを合致させることが大切です。

モチベーションタイプとは、個人が組織に何を求めるのか、どんな仕事のスタイルを指向するのかといった働く上での欲求を示したものです。

モチベーションタイプは

  • プロセスより成果重視で競争で力を発揮する「アタック指向」
  • 自分のことより他人のために頑張ることで力を発揮する「レシーブ指向」
  • 感覚的に物事を捉える「フィーリング指向」
  • 分析的に物事を捉える「シンキング指向」

の4つがあります。

例えばメンターがアタックであればメンティーもアタックの方が、共感を紡ぎやすいので信頼関係も築きやすくなり、適切なアドバイスやコミュニケーションを取りやすくなります。

メンター力強化のための効果的なスキル

メンティーが成長するためには、メンターにある程度スキルが求められます。ここでは、メンターがメンティーの成長に寄与するために、効果的なスキルを解説します。

■メンティーの状態を見極める洞察力

メンティーがスピード感を持って成長するには、まずはメンティーの状態を正確に見抜き、把握する必要があります。

メンティー自身では自分の状態を正確に把握していないことが多いので、メンティーから発信される様々な情報を分かりやすく整理し、メンターが理解するとともにメンティーにも分かりやすく伝えてあげられる能力があると、メンティーの成長に繋がります。

メンターは何が起こって何が起こらなかったのかを分類して整理するis isnot思考法などを身に着けると良いでしょう。

■内省支援を強化する指導力

メンティーの効果的な内省を促進するには、メンティーの表層に現れる言動や行動に直接アプローチするだけでは不十分です。「なぜその行動や言動が現れたのか?」という深層にある目に見えない暗黙の前提を見抜く必要があります。

その前提を見抜いたうえで、課題の難易度とメンティーの解決能力に応じたアプローチをできるようにしましょう。

例えばメンティー自身も解決可能だと思っていて、メンターから評価してもメンティーのみで解決できそうであればあまり干渉せず任せてみるアプローチを、メンターからするとメンティーのみでできそうだが、本人にできる自信がない場合はメンティーを励まし、メンティーの中にある答えを引き出すようなアプローチを心がけましょう。

おわりに

マネジメントの難易度が上がっている今、メンター制度はメンター・メンティー共により角度高くスピード感をもって成長していくことができる効果的な手段です。是非自社の状況に合わせて導入をご検討ください。

▼メンターに関する記事はコチラ
メンターとは?メンターの意味や役割、制度のポイントを解説


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木藤 綾佳
木藤 綾佳

【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。以降、大手企業向けのコンサルティング部隊に所属。 営業企画として人材育成サービスに関するマーケティング施策に携わる。

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