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グローバル人材とは何か?なぜ今必要とされているのか?


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目次[非表示]

  1. 1.グローバル人材とは何か?
  2. 2.グローバル人材に必要なスキル、要件
  3. 3.グローバル人材育成を進める上でのポイント


グローバル人材とは何か?

■そもそもグローバルとは?

みなさん、グローバルと聞いて何を思い浮かべられますか?

日本では、「日本vs.世界」といったように、日本を一歩出たら、そこにはグローバルが広がっていて、日本はグローバルではない、といったイメージを持たれている方が多いようですが、我々は少し違う捉え方をしています。

世界には様々な国、地域があり、例えば東京から飛行機で、上海、ニューヨーク、パリなどの都市に着陸すると、そこには東京とは異なるローカルが広がっています。

いわば、グローバルは「無数のローカルので集合体」であり、日本や東京もグローバルの1つに含まれると定義しています。

■グローバルビジネスとは?

これまで、日本以外の市場を狙って事業を展開することを「国際化」と呼んでいましたが、昨今では「グローバル化」と口にすることが増えてきました。

日本は1960年代の高度経済成長期に、鉄鋼、造船、重機械、輸送機械、電機、化学品など、重化学工業が発展し、輸出も盛んに行われ、1980年~90年代にはMade in Japanブランドが確立し始めました。当時は日本品質、日本流のやり方が支持され、良いものを作れば売れる時代でした。

また日本の場合、モノの輸出には商社という日本独自の業態がサポートしたり、「海外事業部」や「国際部」という名称で日本国内の事業とは別に、海外市場をメインで扱う部署が輸出業務や海外事業を担当していたため、「国内 vs.海外」といった構図が本社の中に出来上がりました。

しかし、1990年代にはインターネットが普及し、2010年代に入ると、パソコンや携帯などが普及、私たちの生活にも大きな影響をもたらしました。また、世界中の新興企業が台頭し、各製品のコモディティ化も進み、モノづくり系の企業にとっては打撃となりました。

この様な背景から、これまでの「海外事業部」や「国際部」で海外市場を担当するというやり方から、本社自体が世界規模で管理できるよう、いわば「グローバル化」をするやり方へとシフト変化を迫られています。

■グローバル人材とは?

グローバルとは「無数のローカルの集合体」と定義しました。グローバル人材とは、異文化・多様性の中で、「日本vs.海外」と捉えることなく、どのローカル(国や地域)に行っても、一定のパフォーマンスが出せる人材を示します。

昨今では、Japan in Globalなどといった言葉もよく耳にしますが、急速なグローバル化が進む中で、グローバル人材の育成は、多くの企業にとって取り組むべき重要なテーマのひとつとなってきていると言えるでしょう。

グローバル人材に必要なスキル、要件

では、どのようなスキル、コンピテンシーがあれば「グローバル人材」と言えるのでしょうか。これは一概には言うことはできませんが、「どの地域にいようが、自社に貢献できるスキルを持った人」であることには変わりないです。

よって、どのようなスキルを持てば自社に貢献できるか、は企業や部署によってくるのですが、弊社では、以下の『グローバル人材要件地図』として、グローバル人材要件を定義しています。


なお、文部科学省から以下の『グローバル人材の育成について』でグローバル人材の定義が触れられていますので、ご参考ください。

出典:文部科学省『グローバル人材の育成について』

■その①:グローバル・ビュー(視界)

■外部環境(顧客・市場・競合)
■内部環境(組織・人材)

どこの地域でも言えるですが、ビジネスを展開している以上、自社や自組織がどのようなフィールドで戦っているのかを把握する必要があります。

自社の商品・サービスは、どの市場で推進していくのか、その市場のターゲットとなりうる顧客は誰か、また自社と同じ様な商品・サービスを展開している競合はどこか、について広く、深く意識を研ぎ澄ませておくことが大切です。

また、その商品・サービスをその市場で展開していくための、人材やスキル、資金などのリソース、いわば内部環境が十分に整っているかも把握しておく必要があります。

■その②:グローバル・スキルセット

■ビジネススキル(マネジメントスキル)
■語学スキル
■異文化コミュニケーションスキル

一般的にグローバル・スキルセットがグローバル人材に必要な要素とイメージされることが多いです。1つ目に、語学は言わずもがな、非日本人とコミュニケーションを取るには、必須のスキルです。

ただ、英語だけで良いとも言えず、必要があればその地域のローカル言語は欠かせません。上海などは日本語ができる人材が多いので、日本人が中国語を学ぶ必要性も薄く、ある程度は日本語でビジネスができる地域と言われています。

2つ目に、ビジネススキル(マネジメントスキル)ですが、これは仕事を進める上で必要な専門性です。一般社員・メンバーであれば、業務遂行スキル、管理職であれば、マネジメントスキルのことを指します。

最後に、異文化コミュニケーションスキルですが、これは文化背景の異なる人と協働していく上で欠かせないスキルです。文化というとピンと来ない方もいるかもしれませんが、日本の雇用形態、仕事の進め方は、世界でも稀で、日本人と同じ感覚で仕事を進めていると、様々な衝突に出会うことがあります。

※異文化コミュニケーションの詳細については『異文化コミュニケーションとは?定義とよく起こる問題を事例を交えて解説』を参照ください。

■その③:自分軸(アイカンパニー意識)

自分軸がなぜ、グローバルフィールドにおいて必要か。日系企業で働いていると、意識をする機会が少ないかもしれませんが、日本の一歩外に出ると、とても求められるものです。

なぜ、そのようなギャップが生じてしまうのか、それは新卒採用・終身雇用が大きく関わっていると言われています。

PRの場が少ない

一般的な日系企業に就職をする場合、多くの人が、採用時に自分の強みや入社後のビジョンなどを会社にアピールし入社をします。最近は変わりつつありますが、一度入社をしたら定年まで働くといった社員も少なくありません。

その様な中で、従業員も雇用が法律で守られていますし、社会的にもそのような風潮があるため、それなりのパフォーマンスであれば会社に所属できてしまいます。

一方、日本以外の国では、終身雇用という概念がないことも多く、場合によっては解雇も辞さない国が存在します。よって、社員は雇用されていても会社や上司に対し、常に自身や自身のパフォーマンスのPRが欠かせません。

このような風潮から、「あなたはどんなことが強みなんですか?」「なぜこの会社で働いているんですか?」など、自分軸を問われる会話が多く見られます。

駐在員として現地拠点に出向すると、ローカルスタッフからこのような疑問を投げかけられることがよくあります。この様な背景から、日本以外の国の人たちと協働する場面には、Will(目標)、Can(強み)、Must(役割責任)を意識し、明確に置くと良いでしょう。

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グローバル人材育成を進める上でのポイント

まず何から手をつけて良いのかが分からず、セミナーで情報収集したり、他社事例を集めたりすると思いますが、セミナーで紹介されているようなモデルケースだと、自社とは事情や背景が異なり、イメージ通りには進めることは困難であることも少なくありません。

同じ業界、規模感の会社であっても、事情は様々です。その様な状況下でもグローバル人材育成を進める際のポイントは、以下3つです。

■きっかけがあるか
■新しいプロジェクトを発足する余裕があるか
■初回は小さく始める


■きっかけがあるか

「(なんとなく)グローバル人材が必要そう」といった雰囲気だけだと、社内で協力を仰ぐのは困難です。

例えば中期経営計画で「グローバル人材を育成していく」「海外売上比率を◯年までに◯%にしていく」等発表されていたり、社長や役員がメディアでグローバル人材について発信していることがあれば、プロジェクトを進めていく動機になります。

■新しいプロジェクトを発足する余裕があるか

日々の業務に忙殺されていて、新規プロジェクトを進める余裕がなければいくら必要性が高くとも推し進めることはできません。グローバル人材育成プロジェクト自体の優先度を高めていく工夫が必要です。

■初回は小さく始める

PDCAの中でもPlan好きな日本人にありがちなことですが、社内への説明材料のために、3カ年計画などの長期プランや、各種階層での育成ストーリーなど、壮大な計画を立てようとされているケースがあります。

プランが長期になればなるほど、また対象を広げれば広げるほど、企画自体が長引き、ようやく企画できたと思ったら、外部環境(中期経営計画などの経営方針、優先順位、コロナなどの就労に影響するもの)が大きく変わっており、また一から企画し直さなければならない、といった事態に陥る可能性もあります。

初回導入時はマンパワーも少ない上、ご予算も限りがあるので、お金も時間も大きな投資は避けた方が懸命です。まずはご自身のミッション範囲で小さく始め、毎年毎年少しずつ改善していくと、理想形に近い企画が実現できるでしょう。

グローバル人材育成を進めていくにあたって、それぞれ会社の規模、歴史、リソース、海外事業戦略、組織、様々だと思いますので、 まずは弊社担当までご相談くださいませ。

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LM編集部
LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。

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