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異文化コミュニケーションとは?よく起こる問題を解説





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異文化コミュニケーションとは?

■異文化コミュニケーションの定義

異文化コミュニケーションとは性別・年齢・職業・出身地・社会的地位など自分とは異なる価値観や環境の相手とのコミュニケーションを意味します。

異文化コミュニケーションと聞くと、多くの方が「日本 vs. 海外」の構図をイメージし、外国人とのコミュニケーションを思い浮かべるかと思いますが、異文化コミュニケーションとは外国人とのコミュニケーションに限ったものではありません。もちろん、日本人同士のコミュニケーションにおいても存在するものなのです。

異文化コミュニケーションにおいて一番大切なのは「客観性を持ち、自分と相手の違いを理解し、尊重する姿勢」です。人は自分とは違う常識や価値観の人とコミュニケーションをとる際に、自分の常識や価値観を押し付けてしまうことがあります。

大切なのはそれを「非常識」と捉えるのではなく「異常識」だと捉えることです。異なる常識を理解し、尊重することではじめて異文化コミュニケーションは成り立ちます。
(参考:株式会社国際遠隔教育設計「性別・世代間にも存在する異文化コミュニケーション」


■異文化コミュニケーションの歴史

異文化コミュニケーションが1つの学問分野としてクロースアップされたのは1970年代に入ってからでした。

異文化コミュニケーションの開祖であるホフステードが当時勤務していたIBMの価値観に関する社内調査を実施した際に、問題解決の方法が国によって異なることがわかり、その背景に文化の違いがあることにホフステードは着目しました。

ホフステードは全人類に共通する普遍的な性質とひとりひとりに固有の性質の間に文化的性質が存在し、その文化的性質によって思考や行動が変わると主張し、文化に起因する思考や行動の違いが最も顕著に現れる局面を文化的次元と名付けました。

ホフステードは、文化的次元として
①権力格差(権力格差をどれだけ容認するか)
②個人主義 vs. 集団主義
③男性らしさ vs. 女性らしさ(自己主張が強い態度が望ましいか否か)
④不確実性の回避(不確実性の高いもの・未知を危険と捉えるか否か)
⑤長期志向 短期志向
の5つを挙げました。

<参考>
・Lightworks BLOG「グローバル人材育成 英語より大事な『異文化コミュニケーション』とは」
・G・ホフステード,G・J・ホフステード,M・ミンコフ、『多分化世界』、有斐閣、2013

日本における異文化コミュニケーションの現状

異文化コミュニケーションとは外国人とのコミュニケーションに限ったものではなく、日本人同士のコミュニケーションにおいても存在するものですが、外国人とのコミュニケーションにおいてより必要になることが多いことも事実です。

近年、日本国内で働く外国籍人材の数も増加していることから、日本においても異文化コミュニケーションが求められるシーンが増加しています。

厚生労働省の2019年のデータによると、2018年10月末時点で、過去最高の146万463名を記録し、増加の一途をたどっています。また、在留資格保持者においても年間5%~15%の割合で伸びているのが実情です。
(参考:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成30年10月末現在)」)

2018年には日本政府による外国人材受入拡大の政策も出たことで、特定技能、生産系人材の企業内転勤による来日枠拡大など、日本経済を支える人材の多様化は益々膨らむことが予想されます。

また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングは2018年に「2065年には外国に由来する人口が総人口の12%(現在の欧米諸国の水準に匹敵)に達する見込み」と発表をしています。

労働市場にも同じく比例して流入があることを鑑みると、日系企業の外国籍人材割合増加は一過性のものではなく、この後増加の一途を辿ると、予想がされます。

(参考:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社政策研究事業本部「留学生・高度外国人材の受け入れの実態と課題」)

異文化コミュニケーションにおける問題点と具体例

では異文化コミュニケーションにおいて、日本はどのような特徴を抱えているのでしょうか。

本記事では
①ハイコンテクスト文化 vs. ローコンテクスト文化
②責任範囲のとらえ方
③ヒエラルキーの違いに対する表現度合い
④ミーティングスタイルの違い
の4つの文化的次元にフォーカスします。

また、リンクグローバルソリューションの異文化コミュニケーション研修では異文化を客観的に捉えるフレームワーク(マップ)をベースに、異文化の相手とビジネスを進めるための、効果的なコミュニケーションの観点を学びます。

今回はリンクグローバルソリューションの異文化コミュニケーションフレームワーク(マップ)を交えながら、日本の文化的次元についてご紹介いたします。

①ハイコンテクスト文化 vs. ローコンテクスト文化

ハイコンテクストの特徴は大きく2つあり、
・1を聞いて10を知る
・受信者責任
の2つです。

日本は世界でも有数のハイコンテクストな文化と言われています。日本人同士の「あれやっておいてくれた?」「はい、すでに完了しています。」などのコミュニケーションはハイコンテクストコミュニケーションの典型的な例です。

ハイコンテクスト文化においては前提や背景は共有されており、受信者はそれらの前提や背景を推察しながら情報を受け取る必要があり、わからないことがあると「なんでわからないの?」と受信者に責任があるととらえられることが多いのがハイコンテクスト文化です。日本が島国で鎖国していたのはハイコンテクスト文化に大きく関係あるといわれています。

対してローコンテクストの特徴は、
・1を聞いて1を知る
・発信者責任
の2つで、ハイコンテクストとは真逆です。

起承転結で話すのではなく、PREP(Point Reason Example Point)で話すことが求められ、伝わらないのは伝え方が悪いと発信者に責任が置かれるのが特徴です。ローコンテクスト文化の代表例はアメリカです。

移民でできた国なので、背景も文化も違うので、日本のように「1を聞いて10を知る」はもちろん無理だったことがローコンテクスト文化に大きく寄与しています。


②責任範囲のとらえ方(テトリス型 vs. アメーバ型)

アメリカなどの欧州では仕事が契約やジョブディスクリプションなどで明確に決められていることが多いことから、責任範囲が明確な傾向があります。自分の仕事内容、専門性が明確なので、〇〇は自分の責任範囲だけど△△は自分の責任範囲ではない、と明確にわけられることがほとんどです。

またこういった文化圏ではタスクベース(CANとMUST)で信頼が構築されます。常に良い仕事をする=信頼UP、というのがタスクベース文化の特徴です。なので仕事の関係は状況に合わせてくっついたり離れたりが簡単にできます。

仕事における信頼と感情的な信頼は別と考えるのが特徴的で、転職が一般的なのもこの文化背景があります。これをテトリス型と呼びます。テトリスのように責任範囲が明確に定まっており、状況に合わせてくっついたり離れたりが簡単にできることが特徴といえます。

それに対し、日本は世界でも有数の責任範囲が曖昧な文化的特徴があり、これをアメーバ型と呼びます。アメーバ型の組織では組織全体の目標に対して、個々人が柔軟に対応し、周囲と連携・協働することが求められます。

日本では社会に出てすぐに活躍できるほどの専門性を身に着けた状態で就職することは稀ですので、多くの企業ではポテンシャルで新卒を採用し、入社してから配属を決め、その部署で活躍できるよう育成するのが一般的です。

新卒を一括採用し、終身雇用制度で、サラリーマン人生を終えるまで面倒を見る代わりに、会社にとって必要なことは個々人が柔軟に対応し、周囲と連携・協働する、というのが日本の特徴といえます。

また責任範囲が曖昧な文化においては信頼が関係ベースで紡がれることが多いことも特徴です。いくら仕事ができても、「友人」として感情的に信頼できないような人柄だった場合、信頼が生まれにくい、という傾向があります。


③ヒエラルキーの違いに対する表現度合い(平等の演出 vs. 不平等の演出)

アメリカなどの北米では、上司に対してもファーストネームで呼ぶなど、コミュニケーション上ではヒエラルキーの差を平等に演出する文化があります。

もちろん上下関係は当たり前にありますが、表面上は仲良く映ります。海外に行くと外国人すごくフレンドリーだよね!と思う方も多いと思いますが、言い換えると「日本と相対的に比べて、ヒエラルキーの差を平等に演出しているのだ」とも言えます。

対し、日本は世界でもトップクラスのヒエラルキーの差を不平等に演出する文化があります。こういった文化を持つ地域では権力やヒエラルキーの違いを、そのまま表現することが多いことが特徴です。日本の役職で上司を呼ぶ文化や、先輩を立てる文化はその典型例です。


④ミーティングスタイルの違い(ゴルフ型 vs. ラグビー型)

日本でのミーティングを想像してみてください。おそらく多くの方が「一人一人が順番に発言をし、意見交換をする場」をイメージしたかと思います。このミーティングスタイルのことをリンクグローバルソリューションではゴルフ型と呼んでいます。

ゴルフでは、一人一人に打つ順番があり、その人が打ち終えるまで静かに見ることが礼儀です。ゴルフスタイルのミーティングにおいても、一人一人が意見を言うチャンスがあり、割り込むことは失礼とみなされます。

対して、欧米などでのミーティングはラグビー型と呼べるでしょう。このミーティングスタイルにおいては、会議中の活発な発言・議論が好まれることが多く、他の人が喋っている最中に割り込む(タックルする)ことも頻繁に行われます。ゴールに向けて、意見をぶつけ合い、推進することがこのスタイルにおいては正とされます。

この文化の違いの背景には教育の違いがあると言われています。日本の教育は先生が情報を発信し、生徒はそれを聞く講義スタイルが一般的です。

その為、話し合いの場でも、豪負のように1人の発言を周囲が傾聴するスタイルが好まれるのが特徴です。欧米などでは日本の教育は先生が情報を発信し、生徒はそれを聞く講義スタイルだけではなく、ディスカッションやディベートをする機会が多いことが特徴的です。

互いの価値観やコミュニケーションの傾向を客観的に把握することで、自己特性の理解を促し、多様な人が集う組織でのコミュニケーションを円滑にすることが可能です。


異文化コミュニケーションの改善に企業が取り組む際のポイント

では企業が異文化コミュニケーションの改善に取り組む際はどのようなことに気をつければよいのでしょうか。

まずお伝えしたい事は、自分と異なる背景のスタイルに出会ったとき、「感情的になる」のではなく「客観的に対峙をしてほしい」ということです。「常識的に言って」という言葉は、常日頃、暗黙知を含め、オフィスの中の行動原理として起こっていると思います。

しかし、この「常識」というものは日本人と外国人の間ではもちろん、日本人同士でも違うことがよくあります。

この際に「常識が通じない」⇒「非常識だ!」と捉えてしまうことが多いですが、「非常識」=「自身の常識の枠から外れた行為、嫌悪感」ではなく、 「異常識」→自分と違う常識(ただ、違う、ということ) を持っている、という客観的な視点を持つことが異文化コミュニケーションにおいて極めて大切です。

この客観性を持つ為の心のステップがあります。これをD.I.E.プロセスと呼びます。

今まで「非常識だな」と思ってしまてちた行動や発言に対して、

D(Describe:事実を描写):事実は事実として描写すること
I(Interpret:仮説を立てる):それに対する「なぜ相手はこういう行動や発言をするのか」について、複数の仮説を立てること
E(Evaluation:評価をするためにすり合わせる):それに伴う評価「もしかしたらこの仮説かもしれない」という想定を、相手とすり合わせること


の3ステップで考え、コミュニケーションをとることが異文化コミュニケーションにおいてとても重要になってきます。 すぐにE(Evaluation:評価をするためにすり合わせる)に飛ぶのではなく、D(Describe:事実を描写)とI(Interpret:仮説を立てる)の観点を持つことが非常に大切です。

ここで1つ具体例をみてみましょう。
日本人マネージャーのAさんは中国人の部下Bさんとのコミュニケーションで悩んでいました。なぜならAさんがBさんに物事を説明しているときに「相槌もしなければ、何も反応もしない」からです。この時Aさんは「本当に話を聞いているのかな?話理解しているのかな?」と嫌な気持ち、不安な気持ちになりました。

この時、上記のD.I.E.プロセスを活用しなければ、AさんとBさんの間にあるギャップは埋まることはなく、信頼構築により一層時間がかかってしまうでしょう。D.I.E.プロセスを活用すると、以下のように整理ができます。

D(Describe:事実を描写):
会話に対して相槌をしない、首が固まっていて動かない、音声が出ない、というという事実

I(Interpret:仮説を立てる):
・人の話を聞くときに、首を動かす習慣ってもしかしたらない国があるのか?
・人の話を聞いているとき、逆に反応をすることが良くない、という習慣があるのか?
・実は今首が痛い、ケガしている?風邪ひいて喉痛い?
・相槌の打ち方で注意をされた経験があって、ちょっと躊躇している?
・単に話の内容が理解できなくて固まっている?

そしてI(Interpret:仮説を立てる)ででてきたたくさんの仮説の中から、Aさんは一番妥当だと判断した「人の話を聞いているとき、逆に反応をすることが良くない、という習慣があるのか?」という仮説をBさんにぶつけてみました。

その結果Bさんから「日本人みたいに相槌をうつ習慣がなかったので意識したことなかった。今後気をつけます。」と返答をもらい、無事AさんとBさんの認識をすり合わせることができました。

このような例は日常生活に溢れています。いきなりE(Evaluation:評価をするためにすり合わせる)に飛ぶのではなく、常に客観性を持つことが重要です。

記事まとめ

異文化コミュニケーションにおいて一番大切なのは「客観性を持ち、自分と相手の違いを理解し、尊重する姿勢」です。D.I.E.プロセスを忘れずにコミュニケーションをとることで、ミスコミュニケーションを減らすことができ、結果として信頼構築が進み、ビジネスとしての結果にも結びつきます。





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