母集団形成で重要なことは?ポジショニングと施策について
長期化する新卒採用において、適切な時期に応募者を集める難易度は増しています。一方で、「働き方改革」により投下できるリソースも限られているため、例えば「無尽蔵に合同説明会や学内説明会へ出展を重ねる」ということも難しくなってきています。
自社に最適な母集団形成の施策を知りたい、採用パートナーから勧められるがまま施策を導入しているが一度見直したい、そのようなお悩みを抱える方にとって後押しになれば幸いです。
▼【採用戦略策定のポイント】が分かる資料はこちら
目次[非表示]
巷にあふれる「母集団形成」サービス
新卒採用における応募者の数が毎年少なくなっており、近年の大卒求人倍率は1.8倍前後となっています。
そのため応募者から選ばれる企業とそうでない企業の格差は激しくなっており、優秀な学生を集めることに苦心する企業は増加しています。
そのような中、新卒採用支援を行う企業のサービスは市場にあふれかえっており、例えば、母集団を形成する上で重要な施策である「ナビサイト」は代表的なものだけでも20種類以上存在していいます。
(リクナビ、マイナビ、朝日学情ナビ、キャリタス、ダイヤモンド就活ナビ、みんなの就職活動日記(楽天)、就活SWOT、DODA、パッションナビ、ジョブウェブ、外資就活ドットコム、レクミー(リーディングマーク)、unistyle、ONE CAREER、理系ナビ、アカリクWEB、アスリート就職ナビ、アスリートプランニング、スポナビ、オリジネーターなど)
多様化の一途をたどっている「母集団形成」サービス
一昔前であればナビ媒体に掲載を依頼し、かつ合説や学説などで直接応募者と出会いさえすれば、応募者を集めることはできていました。しかし、IT化が進み情報の氾濫する現代においては、「だれに、どこで、何を」伝えるかが重要度を増しています。
その証に、FacebookやWantedlyといったSNS採用や、特定の学生のみを対象としたイベントサービス、新卒学生を対象としたエージェント、WEB上で直接連絡の取れるソーシャルマッチングサービスなど母集団形成の施策の種類は増大しています。
「母集団形成」の施策を検討する上で最も大事なこと
そこで最も重要なスキルとして取り上げられるようになったのがセルフマネジメントスキルです。自分を律する能力と直訳できますが、重要なポイントは、周囲に影響されることなく、自分の感情をいかにコントロールし一定のモチベーションを保ち続けることができるか、ということです。
施策特性の把握~Pull型とPush型、リアルとWEBの使い分け~
各象限の開設の前に、自社のポジショニングを把握した上で次に重要なことを記載していきますが、それは「Pull」と「Push」を明瞭に分けて検討することです。自社の魅力を応募者層という市場へ届けるという意味合いにおいて、採用活動はマーケティングに等しいです。
また常にリソースが不足する採用活動においては、「リアル」と「WEB」を分けて工数を把握することが重要となります。
■「採用人数(多)×業界人気(低)」の戦略
図の4象限の中で「母集団形成」で最も頭を悩ませるのは「採用人数(多)×業界人気(低)」に位置する企業です。短期的には(人が集まらない中で)採用人数の達成をせねばならず、同時に長期的な目線に立って採用ブランドの確立をしていかねばならないため工数上かなり厳しくなります。
確実にメッセージを訴求できるリアルのイベント(PULL型)にて大量の学生をインターンシップや選考へ呼び込み、パワフルな採用メッセージを伝え続けることでバイラル的なブランド形成と当年度の人材確保を同時実現していくのが基本戦略となります。
また、母集団形成とは直接かかわらないが「働き方改革」に起因するリソース不足の余波を最も受けるため、人材の調達(ないしはRPOの検討)も必要となります。
■「採用人数(多)×業界人気(高)」の戦略
「採用人数(多)×業界人気(高)」に位置する場合は、優秀層の採用へ多くのリソースを割くことができる一方で、「働き方改革」の影響とブランド力への甘えから必要以上に施策を削減する傾向があります。
まず第一に、「選抜型コミュニティ」や「ソーシャルマッチング」などプッシュ型施策を活用し、優秀な学生へ自社の魅力を真正面から訴求します。とびきりの優秀層を口説くことはとても困難であるため、応募者の志向と自社の魅力をいかに結べばよいのかをナレッジとして体系化させることが重要です。
第二に、現在のブランドをリテンションし続けるためにも、優秀層が多く参加するマスイベントへの出展が肝となってくる。採用力のある企業は例年メッセージをブラッシュアップしているため、競合の動きを意識し自社のメッセージを見直していきます。
▼【採用戦略策定のポイント】が分かる資料はこちら