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自己顕示欲とはどういう意味?承認欲求との違いや強い人の特徴、対処法を解説

どこの職場にも、男女問わず、自己顕示欲の強い人はいるものです。SNSの浸透もあり、昨今は他人の自己顕示欲が可視化されやすくなっており、今まで以上に自己顕示欲の強さが「目につく」時代になっていると言えるかもしれません。今回は、自己顕示欲と承認欲求の違いや自己顕示欲の強い人の特徴などについて解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.自己顕示欲とはどういう意味?
  2. 2.自己顕示欲と承認欲求の違い
  3. 3.人が自己顕示欲を示す理由
  4. 4.自己顕示欲が強い人の特徴
  5. 5.自己顕示欲が強くなってしまう原因
  6. 6.自己顕示欲の強い人との付き合い方・対処法
  7. 7.自己顕示欲が高いかどうかのセルフチェック
  8. 8.自己顕示欲が高い場合の抑え方
  9. 9.人材育成ならストレッチクラウド
  10. 10.まとめ
  11. 11.自己顕示欲に関するよくある質問

自己顕示欲とはどういう意味?

自己顕示とは「自分を目立たせること」であり、自己顕示欲とは「自分を目立たせることで、周囲の人から注目されたいという欲求」のことを言います。

自己顕示欲と承認欲求の違い

自己顕示欲と似た欲求に「承認欲求」があります。承認欲求とは「他者から認められたい」「自分を価値ある存在として認めたい」という願望のことです。
両者の違いとしてよく言われるのが、自己顕示欲は「能動的」で、承認欲求は「受動的」ということです。自己顕示欲の強い人は「自分をアピールしたい」「注目を浴びたい」「称賛されたい」という気持ちから、能動的に行動を起こす傾向があります。一方で、承認欲求の強い人は、「誰かに認めてほしい」「自分を受け入れてほしい」という欲求を持ちつつも、姿勢としては受け身です。何かアクションをしてアピールするというよりは、ありのままの自分を承認してほしいと考えています。
承認欲求に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

承認欲求とは?意味や承認欲求が強い人の特徴・対処法は?メリット・デメリットも解説!

人が自己顕示欲を示す理由

人は誰しも、大なり小なり自己顕示欲を持っているものです。今も昔も、自己顕示欲の強い人はいますが、近年はSNSが普及したことで、誰もが自己顕示欲を示しやすくなっており、より自己顕示欲が強い人が「目につく」ようになっていると言えます。
特に、若い世代の人は自己顕示欲が強い傾向にあります。一説によると、「自分は強いんだ」「自分はすごいんだ」とアピールして自分を大きく見せることで、他者からの攻撃を防ぐことが自己顕示欲のメカニズムだと言われています。そうだとするなら、まだ未熟で力を持たない若者が、強い自己顕示欲を示すのは自然なことなのかもしれません。

自己顕示欲が強い人の特徴

自慢話が多い

自己顕示欲の強い人は、自慢話が多いのが特徴です。「自分のことを褒めてほしい」「周囲から一目置かれたい」という心理から、自慢話が多くなるのです。ビジネスにおいては、自分の成果や実績をことさらに強調する傾向にあります。

何かと自分の話に持っていく

自己顕示欲の強い人は、どんな話題であっても、隙あらば自分の話に持っていく傾向があります。たとえば、ある人が京都に旅行に行った話から、京都ネタが話題の中心になっているときでも、「自分はこの間、北海道に旅行に行った」など、半ば強引に自分の話に持っていこうとします。それゆえ、話の腰を折ってしまうことも少なくありません。

プライドが高く目立ちたがり

自己顕示欲の強い人は、プライドが高く目立ちたがりの傾向があります。少しでも自分の弱い部分を見せると「周囲から評価されない」という考えから、つまらない見栄を張ることも少なくありません。仕事上でも、地味な作業には消極的で、目立つ業務を積極的にやりたがります。

マウントをとりたがる

マウントをとりたがるのも、自己顕示欲の強い人の典型的な特徴です。「他人を認める = 自分に注目が向かなくなる」という思いから、他人より優れていることを示そうと常にマウントをとりたがります。相手のほうが優れていると分かっていても、それを素直に認めることができません。

組織の雰囲気を悪くしてしまうことがある

自己顕示欲があることは、決しておかしなことではありません。しかし、過剰な自己顕示欲を示す人は周囲から煙たがられるのも事実です。必要以上に自分のことをアピールするあまり、周囲の人の気分を害し、組織の雰囲気や人間関係を悪くしてしまうこともあります。

相手を否定することが多い

自己顕示欲が高い人は、他者を否定することが多い傾向にあります。これは、自分を優位に見せるため、または自己の意見や立場を強調するためです。彼らはしばしば、自分の考えや能力を最も正しいと捉え、他人の意見や提案を簡単に退けることがあります。
この行動は、自分を中心に物事を考える自己中心的な姿勢から来ており、他者の価値や貢献を軽視することで、自己の優位性を保とうとします。結果として、チーム内での協調や対人関係に悪影響を及ぼすことがあります。

虚偽の話が多い

自己顕示欲が高い人は、自分をより良く見せるために虚偽の話をすることがあります。彼らは、自己の経験や能力を誇張し、実際よりも優れているかのように装うことがあります。このような行動は、周囲からの注目を集め、自己の地位や評価を高めるための手段として使われることが多いです。
しかし、このような虚偽の主張は、信頼性の低下や人間関係の損失につながるリスクがあり、長期的には自己の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。

他人の評価を気にしている

自己顕示欲が高い人は、他人の評価を非常に気にします。彼らは、他者からの承認や賞賛を強く求め、自己の価値や成功が他人の評価によって決まると信じています。
このため、他人からの評価や反応を常に意識し、時には自己の行動や意見を他者の反応に合わせて変えることもあります。これは、自己のアイデンティティや自尊心が外部からの承認に大きく依存しているためであり、他者からの好意的な反応を得ることで自己価値を高めようとします。

数字にこだわっている

自己顕示欲が高い人は、しばしば具体的な数字や成果にこだわります。彼らは、自己の成果や成功を数値で示すことに執着し、高い成績や成果を通じて自己の優位性を証明しようとします。
このような行動は、社会的地位や成功の象徴として数字を重視する傾向にあります。具体的な数値や指標を追求することで、自己の能力や価値を他人に示し、自己の優れていることをアピールしようとするのです。

負けず嫌い

自己顕示欲が高い人は、極めて負けず嫌いな性格を持つことが多いです。彼らは、競争において常にトップでありたいという強い願望を持ち、勝利や成功を強く求めます。
このため、どんな状況でも勝ちたいという強い意志を持ち、自己の優位を保つために様々な戦略を用いることがあります。この負けず嫌いな性格は、自己の能力や地位を高めるための強い動機となりますが、時には過度な競争心や他者との衝突を引き起こす原因にもなり得ます。

自己顕示欲が強くなってしまう原因

自分に自信がない

自己顕示欲の強さは、自分への自信のなさの裏返しとも言われています。自分で自分を認められないからこそ、他者の評価に依存してしまい、自己顕示欲が強くなるという人も少なくありません。

自分が大好き

自分に自信がない人とは対照的に、自分が大好きな人も自己顕示欲が強くなりがちです。誰しもが、自分が好きなものを周囲に知ってもらいたいという欲求を持っています。自己顕示欲の強い人は、自分が好きなものがまさに「自分」になるわけで、「そんな素敵な自分を知ってもらいたい」という行動につながっていくのです。

自己顕示欲の強い人との付き合い方・対処法

身近に自己顕示欲の強い人がいるために、ストレスを感じている人もいるでしょう。相手を変えるのは難しいですが、以下のポイントを意識して自分のスタンスを変えることで、ストレスが軽減されるかもしれません。

理解する

自己顕示欲の強い人をしっかりと受け止めて、その人間性を理解するように努めましょう。上述のとおり、自己顕示欲の強い人は、自分に自信がなかったり、コンプレックスを抱えていたりするケースが少なくありません。そのような背景を汲んだうえで関わりを持てば、ある程度は許容できるようになるかもしれません。

受け入れる

自己顕示欲の強い人は、話を盛ったり嘘をついたりすることがあります。それを、いちいち気にしていたり指摘していたりしたら、余計に疲弊してしまいます。「何でそんな嘘をつくんだろう・・・」と考えるのではなく、「もともと、こういう性格なんだ」と考え、「自己顕示欲強いキャラ」として受け入れるのも一つの手です。

反応しない

自己顕示欲の強い人は、自分の自己顕示欲を満たしてくれる人を好みます。リアルな世界なら「すごいね」「さすがだね」といった言葉をかけてくれる人ですし、SNSなら「いいね!」をしてくれる人です。
自己顕示欲の強い人がどうしても苦手なのであれば、相手の言動に対して「反応しない」「リアクションを控えめにする」というのも効果的です。「注目してくれない」「ほめてくれない」と感じたら、相手のほうから距離をとってくれるでしょう。

明確な境界線を設定する

自己顕示欲が強い人との付き合いでは、自己の境界線を明確に設定することが重要です。彼らは時に、他人の感情や意見を軽視する傾向があるため、自己の価値観や限界をしっかりと伝える必要があります。
この境界線の設定は、自己の心理的安全を確保し、ストレスや疲労感を軽減します。また、相手に対し、どのような行動が受け入れられないかをはっきりさせることで、健康的な関係を維持するのに役立ちます。重要なのは、自分の感情やニーズを適切に表現し、相手に理解してもらうことです。

ポジティブな側面に焦点を当てる

自己顕示欲が強い人との関係では、ポジティブな側面に焦点を当てることが有効です。彼らはしばしば、注目を集めたいという強い願望を持っていますが、この性質を生産的な方法で利用することができます。
例えば、共同のプロジェクトや目標に向けてその人の才能やエネルギーを導くことで、ポジティブな成果を引き出すことができます。また、彼らの努力や成果を認めることで、彼らの自己顕示欲を肯定的な方向に導くことができます。このアプローチは、相手の自己顕示欲を理解し、それをチームや組織の利益に活用する方法です。

共感と対話を重視する

自己顕示欲が強い人とのコミュニケーションでは、共感と対話を重視することが効果的です。彼らは時に、自分の意見や感情を強く主張するため、まずは話を聞き、理解を示すことが大切です。共感的に聞くことで、相手が自分の話に耳を傾けてくれると感じ、よりオープンで建設的な対話が可能になります。
また、自分の意見や感情も適切に伝えることで、相手にも自分の立場を理解してもらうことができます。このような相互の理解と尊重に基づく対話は、健全な関係を築く上で非常に重要です。

自己顕示欲が高いかどうかのセルフチェック

自己顕示欲の高さをチェックするためには、以下の項目に自己反省を行い、それぞれの状況にどの程度当てはまるかを考えてみることが重要です。このセルフチェックは、自己の行動パターンや動機を理解するのに役立ちます。

■チェック項目

①注目を集めることに強い関心があるか
②他人よりも優れていると感じることが多いか
③承認と賞賛を求める傾向があるか
④自己の能力や成果を誇張するか
⑤競争心が強いか
⑥失敗を他人のせいにすることがあるか
⑦外見やステータスに強くこだわるか

このチェックリストを通じて、自分の行動や考え方に自己顕示欲がどの程度影響しているかを理解することができます。重要なのは、これらの項目が必ずしも悪いというわけではなく、バランスが重要であるということです。
自己顕示欲は、適度に管理されることで、自信や目標達成の動機付けに役立ちますが、過度になると人間関係や自己の幸福に悪影響を与えることがあります。自己認識を高め、必要に応じて行動を調整することが大切です。

自己顕示欲が高い場合の抑え方

自己顕示欲が高いと感じる場合、その衝動を抑えたり、より健康的な方法で表現したりすることが重要です。以下に挙げる5つの対処法は、自己顕示欲をコントロールし、よりバランスの取れた自己表現を目指すための方法です。

自己認識を深める

自己顕示欲が高まる状況やトリガーを意識的に認識することが、自己改善への最初の一歩となります。私たち自身の行動や感情を日記に記録することで、自己顕示欲が引き金となっている具体的な状況や要素を理解し、それらがどのように自分自身の行動に影響を与えるのかを把握することが重要です。
このような自己認識のプロセスを通じて、無意識のうちに行動を起こすのではなく、自己顕示欲を調整し、より意識的で賢明な選択をする能力を身につけることが可能になります。

目標を内面化する

外部からの承認や評価に依存するのではなく、自己の内面的な価値観や目標に焦点を当てることが効果的です。この考え方は、自身の成長や学習を重視し、自分自身の内面からくる満足感を追求することを推奨します。
その結果、自己顕示欲を抑制することが可能となります。外部からの評価への依存を減らし、自分自身の成長と学習によって満足感を得ることで、自己顕示欲の抑制につながります。自分自身の内面からくる満足感を重視すると、外部からの評価に左右されることなく、安定した自己成長を達成し、自己顕示欲を抑制することができます。

他者への共感を深める

 他人への共感や理解を深めることは、私たちが自己中心的な行動を減らし、より社会的に適応した行動を取ることを促す重要な要素です。他者の立場や感情を理解しようとすることは、自己顕示欲による衝動的な行動を抑制し、より深く他人とのつながりを感じることを可能にします。
これは、より調和の取れた人間関係を築き、私たちが社会の一部として機能する能力を向上させるのに役立ちます。したがって、他者への共感を深めることは、自己改善や人間関係の向上において重要なステップです。

ストレス管理を行う

自己顕示欲は、様々な要因から生じることがありますが、特にストレスや不安感が強いときに強まる傾向があります。このような状況に対処するためには、リラクゼーション技法の学習や趣味の追求、適切な運動などを通じてストレスを管理することが重要となります。
これらの活動はストレスを軽減し、自己顕示欲を抑えるための有効な手段となります。また、心身の健康を維持することで、感情的な衝動に対処しやすくなり、生活全体の質を高めることができます。

相対的な成功観を持つ

よく人々は他人と自分を比較してしまいますが、それよりも自分自身の進歩や成長を評価し、内省することが重要です。自身の経験や学びから進歩を見つけることができます。それが「相対的な成功観」と呼ばれるもので、これを持つことで、自分が他人と競争するのではなく、自分自身との競争を重視するようになります。
これにより、他人との競争に焦点を当てるのではなく、自己の内面的な成長や達成感に価値を見出すことが可能となります。そうすることで、自己肯定感が高まり、ストレスも減少します。

人材育成ならストレッチクラウド

ここまで自己顕示欲の定義や承認欲求との違い、自己顕示欲が強い人の特徴等について説明いたしました。
弊社のストレッチクラウドでは、承認欲求をうまく活かしたマネジメント等、有用なマネジメントができる人材を育てるために、まず研修を通して事前に役割理解や役割遂行のための観点付与を行います。
その後、360度評価によって周囲からの期待と満足を可視化し、役割遂行に向けた自己課題は何か/課題を解決するためのアクションプランは何かを明らかにするというワークショップを継続的に実施します。 結果として、マネジメント人材になるための自立的な成長サイクルを実現しています。

ストレッチクラウドの詳細は、以下のサイト・記事で詳しく解説しています。また、承認欲求に関連するリフレクション研修も下記にてご紹介しますので、ご興味あればぜひご確認ください。

▼参考: ストレッチクラウドの詳細はこちら
▼参考:リフレクション(内省支援)研修はこちら

まとめ

自己顕示欲が強いことは必ずしも悪いことではありません。しかし、職場に自己顕示欲の強い人がいるために、自分自身がストレスを抱えているなら考えものです。付き合い方を変えていかなければ、仕事にも悪影響を及ぼしてしまうでしょう。本記事を参考に、自己顕示欲の裏側にある心理を理解するとともに、適切な付き合い方を考えていきましょう。

自己顕示欲に関するよくある質問

Q:自己顕示欲と自意識過剰の違いは?

A:自意識過剰は「自分が他人からどう見られているか?」を過剰に気にする性質のことを言います。一方で、自己顕示欲は「目立ちたい」「注目されたい」という欲求です。自己顕示欲の強い人は「目立つため」「注目されるため」に積極的に発言・行動していきますが、自意識過剰な人は「周囲にどう思われるか」が気になるあまり、発言や行動に対して慎重な人が多いです。

Q:自己顕示欲を抑えるには?

A:自分自身で自己顕示欲が強いことを自覚していて、「そんな自分が嫌だ」と悩んでいる人も少なくありません。自己顕示欲を抑えるのは簡単ではありませんが、「ありのままの自分」を受け入れてくれる存在がいるかどうかで変わってくることもあります。ありのままの自分を受け入れてくれる人がいれば、不特定多数に向けて自己顕示欲を発散する必要もなくなるものです。心理カウンセラーに相談して、診断を受けるのも良いでしょう。自分の内面を見つめ直す良いきっかけになるはずです。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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