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意識改革を組織で成功させるために必要なポイントとは?

先行きが不透明で、将来の予測が困難な「VUCA時代」を迎えた今、企業として生き残っていくために従業員の意識改革の必要性を感じている経営層の方は多いのではないでしょうか。

ビジネスにおける意識改革とは、従来の常識にとらわれず新しい考え方や判断基準を取り入れることで、事業や組織を改善していくことを言います。今回は、意識改革のメリットや成功のためのポイントなどについて解説していきます。


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目次[非表示]

  1. 1.意識改革とは?
  2. 2.意識改革の目的
  3. 3.意識改革が必要になる場面
  4. 4.意識改革のメリット
  5. 5.意識改革のデメリット
  6. 6.意識改革を実施する流れ
  7. 7.意識改革を実施するうえでの問題点
  8. 8.意識改革を成功させるポイント
  9. 9.まとめ

意識改革とは?

意識改革とは、従来の常識にとらわれず、新しい考え方や判断基準を取り入れて、事業や組織を改善していくことを言います。

先行きが不透明で、将来の予測が困難な「VUCA」と呼ばれる時代を迎えています。これからの時代、従来の考え方にとらわれていては、企業としての競争力を維持していけないと危機感を覚えている経営層の方は少なくないはずです。そこで、必要になるのが従業員の意識改革です。

企業が、時代の変化や環境の変化に対応していくためには、一人ひとりの従業員が意識改革をして、「今の考え方のままで良いのか?」「本当にこの仕事の進め方が最適なのか?」といったことを再確認し、行動や組織そのものを変えていくことが大切です。


意識改革の目的

■業務効率化を図るため

今以上の業務効率化を目指すためには、意識改革が欠かせません。今までどおりのやり方で成果が上がらないのであれば、意識改革によってそもそもの業務フローや組織環境を抜本的に変えていく必要があります。


■収益を伸ばすため

企業が収益増に行き詰まっており、今のやり方では成長が見込めないような場合は、意識改革によって現状を打破する必要があります。意識改革に取り組んだ結果、これまでにないビジネス戦略を描くことができれば、一気に収益増を図ることもできるでしょう。


■働き方改革を推進するため

働き方改革の重要性が叫ばれているものの、なかなか改革が進まずに悩んでいる企業は多くあります。そして、従業員の意識がそのネックになっているケースも少なくありません。

分かりやすい例が、有給休暇の取得促進です。有給を取ることくらい、ただ申請して休むだけなので簡単です。にもかかわらず、有給取得が促進されないのは、従業員に「休まずに働いたほうが評価される」「有給を取ったら周囲にどう思われるだろうか」といった考えがあるからです。このような考えを持った従業員が多いと、それが会社の風土として定着してしまっているため、管理職がどれだけ有給取得を呼びかけてもなかなか状況は変わりません。有給取得を促進するためには、従業員の意識改革から取り組まなければいけないのです。


意識改革が必要になる場面

■組織文化を変革したいとき

組織文化は、個々の従業員の考え方や価値観、態度や行動からつくり上げられていくものです。新たな組織文化を醸成するためには、従業員の意識改革が必要です。とはいえ、組織文化は長年の歴史によって形成されていくものなので、3年、5年といった長期スパンで意識改革に取り組む必要があります。

組織文化を変えるために理念を刷新したり、新たなビジョンを掲げたりする企業は少なくありません。また、クレドや行動指針を策定するケースもあります。理念・ビジョンの浸透を図るとともに、クレド・行動指針といった規範を示すことで、少しずつ従業員の意識改革を促していきます。


■新たな経営計画を立てたとき

企業は、3ヶ年や5ヶ年の中期経営計画を立てることがあります。中期経営計画を打ち出すタイミングも、従業員の意識改革に取り組むべきタイミングだと言えるでしょう。中期経営計画で掲げた目標を達成するためには、どのような心構えで目標に向き合うかというマインドセットが重要です。このマインドセットを新たにするために従業員の意識改革をおこなうのです。


意識改革のメリット

■業績の向上

外部環境の変化により、既存の考え方や判断基準にとらわれていたら顧客のニーズに対応できなくなることを実感している経営層の方は多いと思います。売上や利益が頭打ちになっている場合は、意識改革によって状況を打開する必要があります。

たとえば、既存の業務フローを見直したり、新しい考え方を取り入れたりすることで、商品の品質はそのままにコストを大幅に削減できるかもしれません。組織の運営方法を根本から変えることで、生産性の向上につながるかもしれません。このように意識改革によって新しい考え方・価値観を取り入れていくことが、業績向上のきっかけになることは多々あります。


■働き方改革の推進

働き方改革は、残業の削減やリモートワーク・時短勤務・フレックスタイムなど多様な働き方への対応、メンタルヘルス対策など多岐にわたります。これらの新しい働き方を実現するには、当たり前のことですが古い働き方から脱却しなければいけません。そのためには、従業員の意識改革が不可欠です。

意識改革に取り組むことなく、制度として新しい働き方を導入するだけでは、定着を望めないばかりか、元の働き方に戻ってしまうこともあります。また、従来の価値観を持つ従業員の不満を招く可能性もあるでしょう。制度を変える前に意識を変えることでスムーズに受け入れられるようになり、働き方改革が進んでいくはずです。


意識改革のデメリット

企業にとって意識改革は非常に重要な取り組みですが、従業員に強要する形になると反感・不満を招いてしまいます。これにより従業員のモチベーション、エンゲージメントが低下すると、離職率が上がって優秀な人材が流出するなど、負の連鎖が生まれてしまう可能性もあります。


トップダウンのやり方で従業員が強制感を覚えてしまうと、意識改革が進まないばかりか、会社にとってマイナスの影響が生まれてしまうので注意が必要です。


意識改革を実施する流れ

■前提 意識改革を実施するときのポイント

意識改革を実施する際には、態度変容のフレームワークを用いると効果的です。なぜなら、人は「限定合理的な感情人」であり、「現状維持バイアス」が働くためです。「限定合理的な感情人」とは、人間は人から1万円をもらうより、仲間から「ありがとう」と言われる方が嬉しくなるときがあるという生き物だ、という考え方です。また、「現状維持バイアス」とは、現状からの変化を怖いと思う人間の心境のことを指します。

意識改革を行う上では、現状維持バイアスを取り払うために、ステップを刻んで実施していくことが成功の鍵になります。

それでは、態度変容のフレームワークとは一体どのようなものなのでしょうか。

態度変容フレームワークは、下記3つのステップで構成されています。

ステップ①解凍(Unfreeze) :絶対化された価値観に揺らぎを与え、相対化する

ステップ②変化(Change)   :変化の促進要因を提供し、阻害要因を除去する

ステップ③再凍結(Refreeze):変化が後戻りしないように固める

※このステップは人の意識や行動を氷の塊に例えて、説明したものです

▼態度変容の3ステップ



本フレームワークの特徴は、Changeの前にUnfreezeというフェーズを挟むことです。

通常、意識改革というと「こう変わりなさい!」というChangeから入ってしまいがちです。しかし、変化を促す前にその行動を実行する必然性やその行動の先にある未来に対する動機付けを行うことが重要です。

そうすることで、対象者が「なぜ変化をする必要があるのか」という理由を理解することができ、意識改革に対する抵抗が軽減されます。

これら3つのステップに基づき、具体的な施策をご紹介します。


■ステップ① 現状を把握する(Unfreeze)

意識改革を推進するためには、第一に従業員の現状を把握しなければいけません。たとえば、組織風土を変えるために意識改革をおこなう場合であれば、「そもそも従業員は組織風土をどのくらい重視しているのか?」「現在の組織風土をどう感じているのか?」「現在の組織風土にどのくらい満足・不満を覚えているのか?」といった状態を把握する必要があります。

現状を把握できないと、どんな施策を打つべきかも分かりませんし、何らかの施策を講じても、それがどの程度有効だったのかを測ることもできません。意識改革に取り組む際は、従業員サーベイを実施するなどして、従業員の状態を把握することから始めるべきです。

このステップで意識すべきことは、相互不信を解き、危機感や期待感を醸成することです。変化を促す際に、「この人から言われても・・・」や「現場のこと見えていないくせに」という不信感があってはどんな戦略を示したとしても受け入れられないことがほとんどです。

そのため、従業員の現状把握をした上で、事実をベースにして伝えることが大切でしょう。

また、不信感を取り除いた上で、「今のままじゃまずい!」という危機感や「頑張ることで未来がこんな風に変わるよ」という期待感を醸成することも重要です。

これら2つの観点からアプローチすることで、変化へのモチベーションを向上させることができます。


■ステップ② 具体的な施策を実施する(Change)

意識改革のための具体的な施策をおこないます。組織風土を変えるために意識改革をおこなう場合であれば、たとえば、企業理念の刷新やビジョンの策定、行動指針の制定などが有力な施策として考えられます。理念やビジョンを刷新したのであれば、浸透を図るために研修をおこなったり、1on1で落とし込んだりする必要があるでしょう。また、理念やビジョンの内容に紐付けて日報を書くなど、具体的な行動として習慣づけることも大切です。

このステップでのキーワードは、「共感」や「納得感」「安心感」です。

変化をしていく段階で「これっていいな」や「なるほど、だからAではなくBの行動を徹底しろと言っていたんだな」、「新たな行動をサポートしてもらっている」など、従業員のポジティブな感情を生み出すイメージです。

そのため、施策を実施する際には、施策の背景・意図や見込まれる効果を説明することが有効です。


■ステップ③ 効果検証・改善をおこなう(Refreeze)

従業員の意識は一朝一夕で変わるものではなく、長い時間をかけて徐々に変わっていくものです。また、いったんは意識が変わったことを実感できても、いつの間にか元の考え方に戻ってしまうこともあります。そのため、意識改革に着手した後は、定期的にその効果を検証することが大切です。

従業員の意識が変わると行動に変化が見られるようになりますが、意識そのものは目に見えません。だからと言って、感覚値だけでは正しい評価・検証はできないので、やはり従業員サーベイなどを活用して従業員の状態を可視化し、そのデータをもとにPDCAを回して改善していくことが重要です。

このステップでのキーワードは「仕組み化」や「変化の実感」です。人間は忘れていく生き物です。エビングハウスの忘却曲線という考え方がありますが、人は復習せずにいると1日経つと3分の2は忘れてしまうという説もあります。


▼エビングハウスの忘却曲線

そのため、研修などのイベントを通して全てを解決するのではなく、その後の仕組み化や集団力学を活用した賞賛機会の提供など、変化後の工程が大変重要になります。


意識改革を実施するうえでの問題点

■従業員が必要性を感じていなければ意識改革は進まない

意識改革を成功させるためには、従業員が意識改革の必要性を感じていることが大前提になります。経営層が「従業員がこのままの意識で働いていたら、うちの会社の未来はない」と危機感を抱いていたとしても、従業員が同様の危機感を抱いていなければ、経営層がいくら旗を振っても意識改革は進みません。


そもそも、意識改革は上から言われてやらされるものではありませんし、ルール化して義務付けるようなものでもありません。従業員に意識改革の必要性を感じさせることが、第一に取り組むべきことだと言えるでしょう。


■目的があいまいな意識改革に意味はない

目的があいまいなまま意識改革に取り組んでも意味はありません。たとえば、「何となく社内に閉塞感があるから意識改革をしよう」「意識改革をして成長している会社があるようだから、うちも意識改革をしよう」といった理由はあいまいだと言わざるを得ません。

意識改革を成功させるためには、明確な目的が必要です。業績アップや業務効率化、組織改善など、どんな目的であったとしても、できるだけ明確に定めることが大切です。


■現状維持バイアスと取り除く

現状維持バイアスとは、変化によって得られる可能性があるメリットよりも、変化によって失う可能性のあるリスクに反応する傾向のことを言います。変化を恐れ、安定した状態を維持しようとするのは人間の本能です。

そのため、意識改革を進める際も、多かれ少なかれ従業員には現状維持バイアスがかかります。特に現状維持バイアスが強い従業員からは、反発や抵抗が生まれることもあるでしょう。そのような場合は、根気よく必要性を説いて、現状維持バイアスを取り除いていくしかありません。


意識改革を成功させるポイント

■従業員に意識改革の必要性を感じさせる

繰り返しになりますが、意識改革は従業員自身がその必要性を感じ、自らの意思で主体的に取り組むことが重要です。上層部からの強制的なアプローチで意識改革を進めても、成果は上がらないでしょう。

意識改革を推進するためには、従業員に「なぜ意識改革が必要なのか?」を理解してもらう必要があります。そのためには様々な方法があると思いますが、たとえば自社が強いられている苦しい状況を正直に伝えて、危機感を煽るのも一つの手です。逆に、ワクワクするような未来を示し、一人ひとりがその未来を担っていることを伝えるのも良いでしょう。どんな方法であれ、従業員に「意識を変えなきゃ」「意識を変えたい」と思わせることが大切です。


■長期的な計画のもとで継続的に取り組む

意識改革は、短期で結果が出る取り組みではありません。短期での変化・成果を求めると逆に抵抗感が生まれることもあるので、長期的な計画のもとで継続的に取り組みましょう。

とはいえ、成果が出ているのか出ていないのかが分からないまま、暗闇のなかを歩いていくのはつらいものです。長期的な視点に立ちつつもマイルストーンを刻み、一歩一歩前進していることを実感できる仕組みがあると理想的です。その意味でも、従業員のモチベーションやエンゲージメントを可視化できる従業員サーベイは、意識改革の進捗を把握できる有用なツールだと言えるでしょう。


■経営層や管理職が模範となって体現する

意識改革の対象になるのはすべての従業員であり、当然ですがそこには経営者や役員、管理職も含まれます。経営層や管理職があれこれ訓示をするだけだと、現場は「自分たちだけやらされている」という不満を抱き、意識改革は頓挫してしまうでしょう。

意識改革は、経営層、マネジメント層こそが率先して取り組むべきものであり、その姿を従業員に見せていくことが大切です。


まとめ

「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる」という有名なフレーズがあります。アメリカの心理学者・哲学者であるウィリアム・ジェームズの言葉だと言われているものですが、元プロ野球選手の松井秀喜氏をはじめ、多くの著名人や経営者が座右の銘としていることが知られています。

「心が変われば~」の「心」は「意識」や「考え方」とも言い換えられます。「心」の変化を起点にして、最終的には運命をも変えられるという内容ですが、まさに意識改革の重要性を示すものであり、会社で言えば、従業員の意識が変われば最終的に会社の運命・未来が変わるということになります。

このフレーズだけ見ると、トントン拍子に進んでいくような印象を受けますが、決して簡単なことではありません。意識改革は一朝一夕で成し遂げられるものではないということを肝に銘じ、長期スパンで根気強く取り組んでいきましょう。

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新入社員早期育成に必要な3つのポイントとは?

LM編集部
LM編集部
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