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風通しの良い職場とは?メリット・デメリットや具体的な施策案をご紹介

従業員のモチベーションを維持して離職率を低減するには、風通しの良い職場であることが重要だと言われます。とはいえ、「どうしたら職場の風通しを良くすることができるのか?」が分からず、苦心している担当者様は少なくありません。

今回は、風通しの良い職場の定義やメリット、風通しを良くするための具体的な施策案、注意点などについて解説していきます。


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目次[非表示]

  1. 1.風通しの良い職場とは?
  2. 2.風通しの良い職場のメリット
  3. 3.風通しの良い職場のデメリット
  4. 4.風通しの良い職場づくりをするうえでの注意点
  5. 5.風通しの良い職場をつくるための施策案
  6. 6.風通しの良い職場づくりの例
  7. 7.まとめ

風通しの良い職場とは?

風通しの良い職場とは、上下左右のコミュニケーションが活発で、役職や立場にかかわらず自分の考えを発信できる職場のことを言います。風通しの良い職場には、以下のような共通点があります。


■コミュニケーションが取りやすい

風通しの良い職場であるためには、コミュニケーションが取りやすいことが大前提になります。上司と部下、先輩と後輩、部署と部署の間に垣根がなく、誰もがコミュニケーションが取りやすい環境・雰囲気があります。


■人間関係が良好である

従業員同士の人間関係が良好であることも、風通しの良い職場の共通点です。従業員同士は立場や役職、社歴にかかわらず、相手を尊重する気持ちを持っています。また、従業員同士に助け合いの姿勢があるため、普段の業務はもちろん、様々なプロジェクトも円滑に進められる土壌があります。


■活発な意見交換がおこなわれている

風通しの良い職場は、従業員同士の意見交換が活発におこなわれています。良好な人間関係ができており、普段からコミュニケーションが取りやすい状態であれば、誰もが積極的に意見を述べることができます。従業員から会社を良くするための提案が出やすくなるので、組織改善も推進されていくでしょう。


逆に、上司が部下に指示を出し、部下は上司の指示どおりに仕事をするというように、上意下達の色合いが強い職場は風通しが悪くなりがちです。仮に「会社を良くしたい」といった思いがあったり、「こうすれば改善できるのに」といったアイデアがあったりしても、それが意見として表出しにくくなります。



上記の3つが、世間一般的に言われる「風通しの良い職場」の特徴です。しかし、この3つの状態が満たされているからといって必ずしも「成果の出る、良い職場」であるとは限りません。


集団を「組織」として成立させ、成果を出していくためには、チェスター・バーナードが提唱した「組織成立の三要素」が満たされていることが大切です。


「風通しの良い職場」は、この三要素における「コミュニケーション」の要素は満たされていますが、それだけでは「成果の出る、良い職場」になるとは限らず、むしろ「成果の出ない、良くない職場」になる可能性もあります。


「風通しの良い、成果のでる職場」を作るために、まずは風通しが良いことのメリットとデメリットを見ていきましょう。


風通しの良い職場のメリット

■組織の目的実現に向けた改善が進む

風通しの良い職場のメリットとして、第一に挙げられるのが、組織改善が促されることです。上述のとおり、風通しの良い職場では従業員間で積極的な意見交換がおこなわれているものです。チェスター・バーナードが提唱する「組織成立の三要素」の一つである、「共通の目的」=組織の目指す成果や目標について、多くの従業員が議論に参加するという環境があれば、個々では気付けなかった課題やその改善策を得やすくなり、組織改善がより促されるようになります。また、従業員が、自分の意見がきっかけで組織が良くなっていることを実感できると、さらに意見が出やすくなるという好循環が生まれていきます。


■業務効率化が進む

風通しが良く、従業員同士が普段から密なコミュニケーションを取っていると、チェスター・バーナードが提唱する「組織成立の三要素」の一つである「協働意思」が醸成されやすくなります。協働意思があると、組織に対して何かプラスのことをしよう、チームのメンバーを助けてあげようという貢献意識が芽生え、結果として適切な役割分担がなされていきます。


また、常に相手の状況を把握しているため、「分からないから進められない」「確認できるまで待たなければいけない」といった状況も少なくなります。その結果、仕事が円滑に進むようになり、業務効率化が促進されます。


■ネガティブな情報も共有される

風通しの良い職場では情報共有が促進されることは上述したとおりですが、注目すべきなのは、ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も共有されやすいという点です。「共通の目的」の認識がそろっており、協働意思があることで、そのために必要な情報はネガティブでも共有しようという意識が働きやすくなるのです。


そのため、業務上のトラブルを未然に防ぐこともできますし、従業員の悩み・トラブルにも素早く対処でき、離職を防ぐ効果も期待できます。


風通しの良い職場のデメリット

■緊張感が欠如することがある

様々な壁がなく、コミュニケーションが円滑におこなわれている風通しの良い職場では、場合によっては、緊張感が欠如してしまうリスクもあります。これは、「共通の目的」の認識がそろっていない場合に起こる可能性が高いです。


成果や目標といった「みんなで目指すべきもの」を前提とせずに、あまりにも自由に発言したり、上司と部下、先輩と後輩との距離感が近くなり過ぎたりすると、仕事であるにもかかわらず「友だち感覚」「遊び感覚」になってしまい、出したいはずのパフォーマンスにつながらなくなる恐れがあります。


■生産性が低下する場合がある

どれほど風通しが良かったとしても、「協働意思」がなければより大きな成果を出しにくくなります。


例えば、自分の成績が良ければそれでよい、協働する必要はない、とメンバー全員が考えていては、それぞれが自分の仕事しか行わないという状況に陥ってしまいます。


そのような状況だと、「協力して組織の目標を達成するため」「一緒に早く終わらせるため」といった内容のコミュニケーションは発生しにくいため、無駄な雑談ばかりが増え、むしろ生産性が低下してしまうケースがあるので注意が必要です。


■従業員によってはストレスになることがある

風通しが良く、活発なコミュニケーションがおこなわれている職場は理想的な職場に思えます。しかし、一般的にはそうかもしれませんが、なかにはコミュニケーションが苦手で、オープンな関係を望まない従業員もいます。そのような従業員にとっては、風通しの良さがストレスになってしまうことがあるということは認識しておくべきでしょう。


風通しの良い職場づくりをするうえでの注意点

■一人ひとりの従業員に配慮する

風通しの良い職場には多くのメリットがある一方で、誰に対してもオープンな関係性を求めるのは少し違います。上述のとおり、コミュニケーションが不得意で、和気あいあいとした雰囲気が苦手な従業員もいます。そういった従業員は、「もっと話そうよ」「どんどん意見を出してよ」と言われても苦痛なだけです。一人ひとりの従業員の特性を把握して、相手によっては押し付けない配慮も必要です。


■オンとオフの使い分けを意識する

風通しの良い職場をつくるためには、一人ひとりの従業員がフラットな立場から自由に意見を出し合えるようにする必要があります。ですが、あまりにもフラットな関係性になると、チーム全体・職場全体の緊張感が失われ、生産性が低下するなどのマイナス面もあります。また、社会人として備えているべき礼儀を失し、身勝手とも言える振る舞いが横行してしまう場合もあります。


そうならないように意識したいのが、オンとオフの使い分けです。たとえば、休憩時間は立場にとらわれない関係性で話しても、就業中は相手の立場を尊重するなど、最低限の規律はしっかり守る意識が必要です。


風通しの良い職場をつくるための施策案

「風通しの良い、成果のでる職場」を作るためには、

Step1:コミュニケーションの量を増やす

Step2:コミュニケーションの質を高める①(協働意思の醸成)

Step3:コミュニケーションの質を高める②(共通の目的の醸成)

という3つのステップがあります。それぞれのStepごとに、効果的な施策を紹介します。


■Step1:毎日の挨拶を徹底する

コミュニケーションや人間関係の基本とも言えるのが挨拶です。挨拶は絶対条件とも言えるもので、従業員同士が挨拶できない職場が風通しの良い職場になることはありません。単純に挨拶するだけでなく、たとえば、相手の名前を呼んでから挨拶をしたり、挨拶をするときに何か別のひと言をかけたりすることで、より良好な人間関係をつくりやすくなります。


■Step1:コミュニケーションツールを活用する

近年はリモートワークの普及等で、直接コミュニケーションをとる機会や、普段協働しない人とのコミュニケーション機会が少なくなっています。そこで活用すべきなのが、チャットや社内SNSなどのコミュニケーションツールです。このようなツールがあれば、物理的な距離がある他拠点の従業員ともコミュニケーションを図りやすくなりますし、対面での会話が苦手な従業員も参加しやすくなります。


■Step1:オフィスに工夫をする

オフィスにひと工夫することで、職場の風通しが良くなることがあります。たとえば、全部署の全従業員を見渡すことができるワンフロアのオフィスや、毎日好きな座席で仕事ができるフリーアドレスなどは、コミュニケーションを促したり人間関係を深めたりするのに効果的だとされています。


社内に休憩スペースを設けるのも有効な方法です。休憩スペースの大きなメリットは、部署の垣根を越えたコミュニケーションを促せることです。休憩スペースでは、他部署の従業員や話したことのない従業員とも会話が弾みやすく、そこから新たな関係性やシナジーが生まれることも少なくありません。


リモートワークで出社制限のある場合は、チームごとで出社日を同じにする等出社の割り当てを工夫するのも一つの手段としてあります。


■Step1:1on1ミーティングを実施する

風通しの良い職場を実現するためには、従業員が自らの不安を吐き出したり、不満を相談したりしやすい環境を整えることが欠かせません。そこでおすすめしたいのが「1on1ミーティング」です。1on1ミーティングには様々な方法論がありますが、1対1で話す時間を設けることで上司と部下の距離感が縮まり、コミュニケーションが促進されます。


■Step2:サンクスメッセージを導入する

従業員同士の関係性を良いものにするために、導入する企業が増えているのが「サンクスメッセージ」です。サンクスメッセージは、上司から部下へ、また同僚同士で感謝のメッセージを伝え合う制度のことです。日頃から感謝の気持ち等メッセージを伝える風潮があると、他の従業員の様子に気を配ることが増えますし、ポジティブなメッセージをもらえば「今度何かしてあげようかな」という気持ちにもなりやすいです。


その結果、普段の業務でもお互いが困っているときに助け合ったり、協力して目標達成に向かったりといった行動が促されやすくなります。


■Step2:メンター制度を導入する

メンター制度は簡単に言えば、先輩社員が後輩社員の相談に乗る制度で、仕事の相談に限らず様々な相談に乗るのが特徴です。メンター制度を導入することで、業務や会社に対する不安や疑問を解消できるだけでなく、先輩・後輩の間により強固な人間関係を形成することができます。後輩にとって、社内に何でも相談できる先輩が一人でもいるということは、非常に大きな支えになるものです。


頼る・頼られる存在がいると、必然的に協力し合う関係性も生まれやすいです。それが協働意思を育むことにつながります。


■Step3:社内アンケートや従業員サーベイを実施する

従業員の中に「共通の目的」を醸成するためには、「そもそも今、従業員が会社の雰囲気・風土をどう捉えているのか?」「従業員の中に、理念や目標は浸透しているのか?」を把握することが大切です。そこで推奨されているのが、「社内アンケート」や「従業員サーベイ」を実施することです。


社内アンケートや従業員サーベイをおこなうことで、現在従業員が「組織をどう見ているのか?」「組織にどの程度の満足、もしくは不満を感じているのか」「理念や目標への納得感はあるのか」「そもそも理念や目標を理解しているのか」といったことが明確になります。組織の現状を把握することで、打つべき施策が明確になり、レベルの高い「風通しの良い、成果のでる職場」を作ることにつながります。


■Step3:社内報を導入する

組織が大きくなるほど、経営陣と現場の距離は離れていきますし、部署間の壁も生まれやすくなります。このようなデメリットを解消する一助になるのが、社内報です。社内報に社長メッセージや部署紹介・社員紹介などのコンテンツを設けることで、経営層が考えていることが腹落ちしたり、他部署の仕事に関心を持ったりすることができます。したがって、従業員と経営層の視界一致が進み、「共通の目的」に向かって協力し、行動することにつながります。


風通しの良い職場づくりの例

■Sansanの例

法人向けおよび個人向けの名刺管理サービスを提供しているSansan株式会社では、風通しの良い職場をつくるために様々な社内制度を設けています。そのなかでも、特に高い効果を発揮しているのが「Know Me」です。


「Know Me」は、過去に飲みに行ったことのない他部署のメンバー3名との間で懇親会を開く際に、会社が一定の費用を補助する制度です。お酒を飲まない従業員も利用できます。「Know Me」を導入することで、誰もが気軽に飲み会に誘える風土が生まれました。現在では、多くの従業員が「Know Me」を活用して部署を越えたコミュニケーションを図っており、風通しの良い職場づくりにつながっています。

※参考:部門を越えたつながりを生む社内制度「Know Me」 Sansan公式メディア「mimi」

https://jp.corp-sansan.com/mimi/2019/01/know-me-02.html


■SBテクノロジーの例

ソフトバンクの連結子会社であり、セキュリティ事業などを展開しているSBテクノロジー株式会社では、風通しの良い職場を実現するために様々な施策をおこなっています。その一つが「1on1ミーティング」です。


SBテクノロジーでは、1ヶ月に1度、ライン長と各メンバーとの間で1対1の対面ミーティングを実施しています。30分以上という条件が設けられている点や、業務のことだけでなく私生活の悩み相談も受け付けている点が特徴です。「1on1ミーティング」の導入により、ライン長が一人ひとりの従業員の状態を正確に把握できるようになり、従業員との関係性強化につながっています。


その他、SBテクノロジーは社内クラブの支援制度も設けています。これは、社内で実施されている特定のグループ活動に対して活動費用を補助する制度で、従業員同士のコミュニケーション促進に一役買っています。

※参考:従業員への取り組み | SBテクノロジー (SBT)

https://www.softbanktech.co.jp/corp/sustainability/csr/employee/


■ぜんち共済の例

「全国知的障害者共済会」を前身とし、知的障がい・発達障がいのある方に特化した保険サービスを提供しているぜんち共済株式会社は、社員を大切にする「人本経営」を実施しています。2017年には「第3回ホワイト企業大賞 風通し経営賞」を受賞するなど、風通しの良い職場づくりにおいて高い評価を得ている企業です。


ぜんち共済では、風通しの良い職場をつくるために社内SNSを積極的に活用しています。社内SNSの導入によって、従業員同士が共通の話題で盛り上がるなど、コミュニケーションが活性化されました。また、従業員同士が容易にコミュニケーションを図れるようになったことで、他部署との情報共有が促進されるようになりました。


社内SNSの活用によって、報連相のハードルが下がった点も見逃せません。多くの従業員が現在起きているトラブルを認識できるようになり、助け合いの文化が醸成されました。このように、社内SNSの活用によって風通しの良い職場を実現するとともに、従業員のロイヤリティ向上をも実現しています。

※参考:ホワイト企業大賞

https://whitecompany.jp/locus/


まとめ

成果の出る、風通しの良い職場をつくることができれば、離職率の低減や業務効率化など成果創出につながる様々な効果が期待できます。ただし、自社に合わない施策をおこなうと、逆効果になってしまう可能性もあります。例にある企業の取り組みを参考にしながら、自社に最適な施策を取り入れ、風通しの良い職場づくりを進めていきましょう。

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木藤 綾佳
木藤 綾佳
【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。以降、大手企業向けのコンサルティング部隊に所属。 営業企画として人材育成サービスに関するマーケティング施策に携わる。

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