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人事評価制度とは?種類や特徴、設計上の注意点まで

組織づくりにおいて、「人事評価制度」というのは大変重要です。
人事評価制度にはどのようなものがあり、企業経営にどのような影響を及ぼすのか。

本記事では人事評価制度の内容理解から、その影響力、 そして人事評価制度を設計/運用する際のポイントを解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.人事評価制度の位置づけ
  2. 2.人事評価制度の種類とは
  3. 3.主な人事評価制度とその特徴とは
  4. 4.人事評価制度の変遷とは
  5. 5.人事評価制度の導入目的とは
  6. 6.人事評価制度設計の手順と陥りがちなこと
  7. 7.人事評価制度を運用する際の注意点


人事評価制度の位置づけ

そもそも人事制度というものは、 主に「評価制度」、「等級制度」、「報酬制度」の3つの要素からなります。

■評価制度

「評価制度」とは、従業員の仕事への取り組み姿勢、能力、成果、貢献度などを 一定の基準で評価する制度です。

評価制度設計においては、社員を査定するものではなく、人材育成の機会として機能するように構築することが重要です。 主な設計・構築時の論点としては、人材を何の項目(成果、行動、能力、情意)で称賛するか、どのような基準で称賛するかという点があげられます。

■等級制度

「等級制度」とは、一定の分類基準によって、従業員を等級で振り分ける制度です。主に、「職務」「職能」「役割」の3つの観点で分類されることが多く、等級は組織における賃金管理や人材配置に活用されます。

等級制度設計においては、社員の序列をつけるものではなく、成長のステップを示すものとして設定することが重要です。

主な設計・構築時の論点としては、どのようなステップアップの道筋(コース等)を用意するか、どのような基準(業績・成果、担える役割、能力)によって人材を昇降格させるかという点があげられます。

■報酬制度

「報酬制度」とは、従業員に対して支給する報酬を定める制度です。報酬は大きく「金銭的報酬」と「非金銭的報酬」の2つがあります。

「金銭的報酬」は給与、賞与、退職金などを指し、「非金銭的報酬」は仕事、権限、学習機会などを指します。 報酬制度設計においては、誰が見ても分かるようにシンプルな設計を心がけることが重要です。

主な設計・構築時の論点としては、何を報酬(給与、賞与/権限、機会)とするか、何(成果、職務、能力、役割)に対して報酬を支払うかという点があげられます。

本記事では特に、「評価制度」に焦点を当てて解説していきます。

参考:人事制度設計・構築コンサルティングとは?設計手順や目的について

人事評価制度の種類とは

■能力評価

能力評価とは、業務において求められるスキルや知識などで社員を評価することです。どの会社にも共通するような数値化ルールは存在せず、通常は企業ごとに定めたルールに従って評価します。

■業績評価

業績評価とは、社員の能力や成果を評価期間ごとに評価することです。

主に成果や目標への達成度を客観的に数値化します。数値化しにくいプロセスについては、協働している上司や同僚、部下からヒアリングして数値化します。

■情意評価

情意評価とは、社員の意欲や行動、勤務態度などから評価することです。 担当業務への意欲や責任感、組織協力する姿勢などが評価の対象となります。

主な人事評価制度とその特徴とは

■MBO(目標管理制度)

MBO(目標管理制度)とは、事前に社員が自主的に目標を決め、会社と認識を共有し、管理していく方法です。 設定する目標はなるべく具体的にし、到達するためのプロセスまで具体的に定めることが望ましいです。

■コンピテンシー評価

コンピテンシー評価とは、あらかじめコンピテンシー(業績が高い社員の行動特性からパターン)をモデル化し、 それに沿って行動する社員を評価するものです。

コンピテンシー評価では実際に会社に貢献している社員の行動パターンを分析し、目標達成に向けてどういう行動をすれば良いのかが明確になるので、人材育成の面でも有用なものです。

▼コンピテンシー評価に関する記事はコチラ
コンピテンシー評価とは?導入メリット・デメリットや必要性、導入の手順について解説

■360度評価

別名「多面評価」「周囲評価」といいます。上司はもちろん、同僚や部下、異なる部署の社員が一人の社員を評価する手法です。

評価を可能な限り客観的で公平なものにすることが狙いですが、360度評価は、普段評価を担当していない社員(つまりは評価に関する知識や経験を持っていない社員)が評価に関わります。

そのため360度評価は、人事評価に反映するというより、 本人に評価を伝え、業務に生かすために使うのが一般的です。

人事評価制度の変遷とは

■年功序列から成果主義

これまで多くの企業では、一般的に年齢や勤続年数に比例して給料や地位がアップする「年功序列制度」を採用していました。

それとともに、就職した会社で一生働く「終身雇用制度」は日本の高度経済成長を支え、戦後の復興を果たす大きな原動力となりました。

その後、景気低迷や雇用情勢の変化に加え、急速なグローバル化もあり、労働に対する考え方は変化し、日本型の雇用システムは衰退の一途をたどっています。

人事評価においても、年齢を重ねるたびに評価が高くなる年功序列型のものから、仕事の結果や業績、貢献度などで評価する「成果主義」、プロセスも評価する「能力主義」へと変わってきています。

■同一労働同一賃金

1990年代以降、日本では非正規労働者が増え、現在では日本の全従業員のうち非正規社員が約40%を占めています。 ところが、徐々に正社員との賃金格差が広がり、社会問題化しています。

政府の方針も成果主義に傾き、2016年12月に働き方改革実現会議で「同一労働同一賃金」のガイドライン案を公表。 同ガイドラインは仕事の内容が同じか、同等の社員に対しては同じ賃金を支払うべきだという考え方に基づいています。

人事評価制度の導入目的とは

■企業の業績向上

企業の生産性や業績の向上には、企業が従業員に対して目指す方向性を示し、同じ方向に向かう必要があります。

人事評価制度を、企業理念や経営方針/経営目標などに基づいて作成し、評価項目/基準に適切に反映できれば、企業の進むべき道や求める人物像を明確に従業員に示すことができます。

■従業員の処遇決定

年功序列ではなく能力や業績によって従業員の処遇を決定する場合、客観的な指標を置くことが重要です。 人事評価基準を明確にすることで評価の偏りを防ぎ、総合的な貢献度を序列化してみることで適切に処遇を決定することができます。

■従業員の配置最適化

適材適所の人員配置を行うために、従業員の能力や配属部署での貢献度を客観的に評価する必要があります。 同じ評価基準のもと、それぞれの従業員の強みや弱みを比較することで、最適な人員配置を決定することができます。

■従業員の能力向上

明確な評価基準と処遇を明確にし、従業員が「頑張れば評価される」と認識できれば、従業員の自発的な成長が期待できます。また、上司が部下を育てる際の指標にもなるため、人材育成の基準としても役立ちます。

人事評価制度設計の手順と陥りがちなこと

【手順】

①現状把握

インタビューやアンケート調査を実施し、 経営や現場の意見を踏まえて現行人事制度の課題を洗い出します。

②人事ポリシー策定

ビジョンや事業戦略からブレイク・ダウンして、 会社の人事・組織戦略の骨子となるコンセプトを決定します。

③人事制度アウトライン設計

「人事ポリシー」に基づいて、 各社の事業や組織にとって最適な人事制度の具体的内容を決定します。

【陥りがちなこと】

・「戦略性」の欠如

様々な施策やルールがバラバラに作られてしまい、 狙いに一貫性がないケースが散見されます。
目的が曖昧な状態のまま他社の施策を取り入れてしまうことや、 研修やOJTでの育成が昇格と繋がっておらず、 人材育成の成果が曖昧になっていること等が原因です。

・「差別性」の欠如

自社らしさに欠けるありきたりな制度になってしまうケースが散見されます。
人事制度の専門用語や流行りのキーワードの特徴を理解しないまま取り入れてしまうことや、近い業界や企業の成功事例が無いこと等が原因です。

・「実行性」の欠如

せっかく詳細に制度を作ったものの運用に乗らないケースが散見されます。

評価の納得感を高めるため詳細に作り込んだとしても 環境変化や戦略変更がある度に変える必要が生まれることや、 制度の内容が複雑すぎて評価者が理解できず運用しきれないこと等があげられます。

参考:人事制度設計・構築コンサルティングとは?設計手順や目的について

人事評価制度を運用する際の注意点

人事評価制度を運用する際に注意すべきことが「PCモデル」です。制度の精緻度を高めれば高めるほど効果が上がるわけではありません。

手続きの明確化、指標の明確化/多元化は一定重要ですが、ある度合いをこえると、運用しにくく機能しない、環境変化等への適応が遅れるといった問題が発生します。


特に、ルールというものには下記のような3つの宿命があり、
それ故に精緻度/複雑度を増していきやすいため、注意が必要です。

・不透明性

ルールをどこまで詳細に定めても、 現実に発生するあらゆる事態全てを想定し、管理することはできない

・非効率性

不透明性をできるだけ排除しようとすればするほど、 ルール自体の複雑度が増して、運用に堪えない「非効率性」が生まれる

・硬直性

暗黙の取り決めなど曖昧なものを形式知化するためにルールを設定するが、 一定定着するとルール自体が前提となって変化を阻害し、環境変化に送れる

これをふまえて、不透明さ、曖昧さを残した制度の運用を担保するのが「信頼」です。イレギュラーな事態に対して、わざわざルールが定められていなかったとしても「裏切りはないから大丈夫」と相互に思えるような「信頼インフラ」が重要なのです。

制度を一定整えながらも、同時に信頼インフラを整え、強化しながら運用していくことが求められます。


▼【人事制度設計・運用のポイント】が分かる資料はこちら


下村 風香
下村 風香

【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。 以降、中堅・スタートアップ企業向けのコンサルティングに従事。 「理念策定・浸透」「採用戦略設計・実行」「育成施策設計・運用」を主な専門領域とし、 IT業界、エンタメ業界、福祉業界など数多くの業界の企業様にコンサルティング経験を持つ。

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