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キャリアオーナーシップとは?取り組むメリット、促進する方法などを解説

キャリアオーナーシップとは、個人が自らキャリアを形成するために考え、行動していくことです。この記事では、キャリアオーナーシップの定義や注目されている背景・現状の他、企業が取り組むメリット、促進する方法などを詳しく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.キャリアオーナーシップとは?
  2. 2.キャリアオーナーシップが注目される背景・現状
  3. 3.キャリアオーナーシップとジョブ型雇用の関係は?
  4. 4.企業がキャリアオーナーシップ取り組むメリット
  5. 5.企業がキャリアオーナーシップを促進する方法
  6. 6.企業がキャリアオーナーシップを促進する際の注意点
  7. 7.まとめ

キャリアオーナーシップとは?

キャリアオーナーシップは個人が自分のキャリアを意識して、理想のキャリアを形成できるよう主体的に行動していくことを指します。

キャリアというと、従来は企業が主導して従業員が意識する機会を提供する形が一般的でした。しかし、近年は自ら行動するキャリアオーナーシップが注目されています。

キャリアオーナーシップが注目される背景・現状

キャリアオーナーシップはなぜ注目されるようになったのでしょうか。注目されるようになった背景や現状を確認しておきましょう。

終身雇用が衰退している

かつての日本企業は、一度就職したら退職するまで同じ企業で働く終身雇用が一般的でした。しかし近年はグローバル化や競争激化が進んでおり、企業の競争力を後押しするスキルや能力を持つ人材が求められています。

2018年の新卒就活ルールの廃止や、2019年に発表されたジョブ型雇用の推進など、個人ならではの強みが必要になったことで、キャリアオーナーシップも注目されるようになりました。

人生100年時代が到来している

人生100年時代が到来していることも、注目される理由の1つです。政府が実施した「人生100年時代構想会議」では、2007年に生まれた子どものうち、半数が107歳以上生きると推計されています。

さらに2013年の時点で60歳以上の男女を対象に実施した調査では、7割以上の人が「65歳を超えても働きたい」と回答しました。うち3割近くの人は「働けるうちはいつまでも」と回答しています。

人生100年と考えると定年してからの人生も長いため、定年後も仕事をしたいと考える人は多いようです。いつまでも仕事を続けるためには、企業から求められる能力やスキルの習得が必要になっています。

※参考:人生100年時代構想会議|平成29年11⽉ 内閣官房 人生100年時代構想推進室

評価制度が変化している

日本企業は終身雇用と同時に、勤務年数をもとに給与や役職が上がる年功序列の考え方が広まっていました。一方で近年の評価制度は、勤務年数よりも個人の能力やスキルを重視する傾向にあります。中長期的に企業が従業員1人ひとりのスキル向上をサポートする、「キャリア開発」も注目されています。

ESG投資が拡大している

ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を略した言葉で、この3つの観点から投資先を選択する方法のことです。

ESG投資は拡大傾向にあり、持続的な成長を成す企業などが注目されています。持続的に成長する企業になるためには、自ら積極的にキャリア形成について考えられる従業員が必要です。

キャリアオーナーシップとジョブ型雇用の関係は?

2019年から推進されているジョブ型雇用とは、従業員を配置する際に従来のような適材適所で考えるのではなく、適所適材で考える雇用のことです。

適材適所はその人の持つスキルから配属先を決める考え方、適所適材はあらかじめ取り組んでもらう仕事を定義しておき、そのために必要なスキルや経験を持つ人材を採用するという考え方です。

ジョブ型雇用なら従業員は自分がやりたい仕事のために、自らキャリア形成を意識するようになるため、キャリアオーナーシップと相性がよい雇用方法です。

企業がキャリアオーナーシップ取り組むメリット

企業がキャリアオーナーシップに取り組むと、生産性アップや従業員のエンゲージメント向上など、いくつかのメリットがあります。

企業の生産性が向上する

キャリアオーナーシップを促進すると、従業員は成果を上げるために積極的に行動するようになります。主体的にスキルや知識を習得することで、仕事に対する専門性も高まり、企業の生産性が向上する点はメリットです。

従業員全体でキャリアオーナーシップを意識して仕事に取り組むと、結果的に能力の高い従業員が増えるため、企業の発展も期待できるでしょう。

従業員のエンゲージメントが向上する

従業員のエンゲージメントが向上する点もメリットです。従業員のエンゲージメントとは、従業員と企業間の信頼関係のことを意味します。従業員のエンゲージメントが高いほど、従業員は企業に貢献したいと考えたり、仕事に誇りを持ったりできるようになります。

従業員が1人で努力するだけでは、キャリアオーナーシップを推進することはできません。人事部や上司との面談・研修なども必要になるため、社内コミュニケーションが活発になります。社内コミュニケーションが増えると従業員と企業間での理解も深まり、エンゲージメントも向上しやすくなります。

従業員のモチベーションを維持する

キャリアオーナーシップを推進すると、従業員は自分が将来どのようになりたいのか、どのような仕事をしたいのかが明確になります。

将来の目標が明確になると従業員のモチベーションがアップし、よりよい結果を出すために生産性がアップする方法を見つけたり、改善すべき点を見つけたりと積極的に業務に取り組みます。企業が従業員の努力や成果を評価すれば、従業員のモチベーションを維持することも可能です。

離職率が低下する

キャリアオーナーシップにより従業員のエンゲージメントが向上すると、離職率の低下も期待できます。エンゲージメントが向上するということは、企業に対する信頼感や愛着心が向上しているということだからです。

また、将来の目標が明確になった従業員は、その企業で自分がすべきことや役割を意識するようになります。目標を達成するためにその企業でやるべきことが明確になっている点も、離職率が低下する要因です。

企業がキャリアオーナーシップを促進する方法

キャリアオーナーシップは従業員が意識することですが、企業がサポートして促進する方法があります。

従業員のキャリア開発を支援する

キャリアオーナーシップを促進するには、従業員が自らキャリアについて考えるようにする機会が必要です。従業員がキャリアを意識する機会を提供するためにも、企業は従業員のキャリア開発を支援しましょう。

企業ができる支援には、セミナーや研修、キャリアカウンセリングの実施、社内公募制度の導入などがあります。

ジョブ型雇用を導入する

先述のとおり、ジョブ型雇用はキャリアオーナーシップと相性がよい雇用方法です。ジョブ型雇用を取り入れると、経験値蓄積やスキル向上に意欲的な人材を採用できます。さらにキャリアオーナーシップを推進しやすくするには、従業員の成果を適切に評価する評価体制を導入することも有効です。

リテンションを強化する

リテンションとは、優秀な人材の流出を防止するための施策です。企業に魅力がなければ、優秀な人材がより働きやすく、より処遇のよい競合他社に流出してしまう可能性があります。そこで、従業員が働きやすい環境を整えるために、企業の上層部がサポートを行うようにします。キャリアアップのためのサポートはもちろん、メンタル面でのサポートも重要です。

1on1ミーティングを実施する

1on1ミーティングとは、従業員と上司が1対1で定期的に実施する面談のことです。上司が従業員のキャリアオーナーシップをサポートするには、従業員の考えや目標を的確に理解していなければいけません。不満や不安がある場合は、それを解消するためのサポートも必要です。

1on1ミーティングで従業員が考えるキャリア形成や現状を理解すれば、キャリアオーナーシップも促進しやすくなります。

企業がキャリアオーナーシップを促進する際の注意点

キャリアオーナーシップは離職の低下につながるメリットがある一方、企業の状況によっては離職につながる可能性もあります。キャリアオーナーシップを意識する従業員は明確な目標を持っているため、状況によってはその企業で目標を達成できないと感じたり、企業に魅力を感じなくなったりすることがあるからです。

従業員がこの企業だから働きたい、貢献したいと考えられるような魅力的な組織の形成や、キャリア支援のための施策も必要です。

まとめ

キャリアオーナーシップは、従業員が意識して積極的にキャリア形成に取り組むことです。企業で促進すれば、生産性の向上などのメリットが得られます。企業と従業員の双方にとってメリットとなるため、キャリアオーナーシップの促進を図ってみてはいかがでしょうか。

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LM編集部
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