逆算思考とは?積み上げ思考との違いやメリットやデメリット、実行手順などを解説
逆算思考とは、目指している目標やゴールから達成するまでのプロセスを洗い出し、細かくスケジューリングして実行する思考方法です。逆算思考はビジネスシーンでも役立つことがあります。この記事では、逆算思考のメリットやデメリット、実行するための手順などを解説します。
目次[非表示]
- 1.逆算思考とは
- 2.逆算思考が注目される背景
- 3.逆算思考のメリット
- 4.逆算思考のデメリット
- 5.逆算思考の手順
- 6.逆算思考を鍛える方法
- 7.逆算思考を実行するときのコツ
- 8.逆算思考に必要なスキル
- 9.逆算思考を身に付けた方がよい人
- 10.まとめ
逆算思考とは
逆算思考は目標やゴールを決めたうえで、それを達成するためには、どのような過程をたどればよいのか計画する思考方法です。達成するための道筋をしっかり立てられるため、さまざまなシーンで取り入れられています。
積み上げ思考との違い
積み上げ思考は、逆算思考とは正反対の意味を持ちます。逆算思考は最終地点にスポットを当てて計画を立てる思考であることに対し、積み上げ思考は現時点でやるべきことをこなしていく思考です。
積み上げ思考は目標やゴールを目指して進めるというよりも、現時点でやれることを積み重ねれば、結果がついてくるイメージといえるでしょう。焦点をどこに当てて考えるかが両者の大きな違いです。
逆算思考が注目される背景
近年は市場や技術など、ビジネス環境が日々変化しています。ビジネス環境の変化が進むにつれて、想定外の課題に直面するケースも出てきました。これまでと同じやり方ではゴールにたどり着けなかったり、課題を解決できなかったりすることもあります。
近年のビジネス環境の変化に対応してゴールにたどり着くためには、計画的な取り組みが必要です。そこで、計画的かつ着実にゴールを目指せる逆算思考が注目されるようになりました。
逆算思考のメリット
逆算思考には、ゴールの明確化や目標達成までの時間、メンタルの面でメリットがあります。
ゴールが明確になる
逆算思考では最初に目標やゴールを決めたうえで、常にゴールを意識して物事に取り組むのが基本です。ゴールが明確になると、自分がどの段階でどのような行動を取るべきなのかが見えてきます。自分が取るべき行動が決まっている状況で物事を進められるため、段階に応じてスムーズに行動できます。
短時間で目標達成ができる
ゴールを明確にする逆算思考では、最短ルートで目標を達成できるよう計画を立てます。最初の段階でしっかり計画を立てて進められれば、途中で迷ったり順番を間違えたりする心配がありません。無駄な工程を踏むこともないため、短期間で効率よく目標達成ができる点もメリットです。
使命感や責任感が生まれる
最初に決めた目標やゴールを達成するために計画・行動していくことで、自然と使命感や責任感が生まれます。「○○日までにここまでは進めておく必要がある」など、自分がやるべきことを常に意識して行動するからです。
チームでプロジェクトを遂行する場合も、メンバー1人ひとりが、自分のやるべきことを意識して責任感が生まれるとともにに、連帯感が生まれたり積極的に協力し合うようになったりもします。
逆算思考のデメリット
逆算思考にはメリットがある反面、デメリットもあります。デメリットも把握しておきましょう。
目標達成までのプロセスを理解しなければならない
ゴールにスポットを当てて行動する逆算思考では、ゴールそのものだけでなく、ゴールにたどり着くまでのプロセスも明確にしなければなりません。どのような手順で何をしたら達成できるのかが明確にできなれば、逆算思考で計画を立てることは難しくなります。
情報収集に時間がかかる
逆算思考で効率よくゴールまでたどり着く計画を立てるには、入念な情報収集が必要です。ゴールを目指すために必要なことや、同じようなケースで成果をあげた人のやり方、場合によっては市場調査や競合の動向などの情報も取り入れると、より具体的かつ効率的な計画を立てられます。
必要な情報を収集する手段や正しい情報が手に入れられないと、逆算思考による目標達成を諦めてしまうケースもあります。
スケジュールやタスクが予定通りに進むとは限らない
入念な情報収集により最適な計画が立てられたとしても、計画通りに進まないケースがある点はデメリットです。想定外の問題が発生したり、想定以上に時間がかかったりすることもあるからです。途中で退職するメンバーが出る、予算削減で経済状況が変化するなどの問題が発生して、計画の変更を余儀なくされる可能性も考えられます。
逆算思考の手順
逆算思考はどのような流れでゴールを目指すのでしょうか。ここからは逆算思考の手順を解説します。
1.ゴールを設定する
まずは理想とするゴールを設定します。「理想」といっても難易度が高すぎると達成できない可能性があるため、現実的な範囲で検討しましょう。ゴールはなるべく具体的に設定することもポイントです。具体的なゴールを設定することで、収集すべき情報やプロセスも見えやすくなります。
2.情報を収集しスケジュールを立てる
次は情報収集をするとともにに、目標を達成するために必要な道具やタスクを洗い出しましょう。この段階で発生する可能性のある課題も想定しておくと、無理のない計画を立てられます。情報収集ができたなら、万が一の課題も考慮したうえで、ゴールに到達するまでに必要な時間や費用を計算してみます。
ゴールまでの総時間が見えたら、1日でどれくらい時間をかければよいのかを計算して計画を立てましょう。
3.スケジュールに合わせて計画を実行する
完成したスケジュールに合わせて行動に移していきます。実行してみて思ったよりも時間がかかったり、問題や課題、時間配分に無理があることに気が付いたりした場合は計画を見直しましょう。定期的にスケジュールを見直してみることも効果的です。
逆算思考を鍛える方法
これまで逆算思考を取り入れたことのない人も、ちょっとしたポイントを意識すると逆算思考を鍛えられます。
目標を数値化する
目標を設定する際は、具体的な数値を用いるようにします。たとえば、目標を「できるだけ売上をアップさせる」とするのではなく、「○月までに売上を○%アップさせる」などと数値を盛り込みます。
具体的な数値を用いると、目標を達成するための計画も具体的に立案しやすくなるからです。目標の達成度や進捗具合も把握しやすくなります。
スケジュールを細かく設定する
逆算思考を日々のスケジュールに取り入れるようにすることも効果的です。毎日その日やるべきことと進捗状況を考慮して、1日のスケジュールを細かく立てるようにします。スケジュールを細かく設定して毎日やるべきことを着実にクリアすることで、最終的な目標も達成しやすくなります。
逆算思考を実行するときのコツ
逆算思考で確実にゴールを目指すには、中間目標を立てたり研修制度を活用したりするとよいでしょう。
中間目標を立てる
ゴールにたどり着くまでに時間や費用がかかる、難易度の高いゴールを目指したいという場合は、目標を小分けにして考えます。達成まで時間がかかったり、難易度が高かったりする目標に向かって一気にゴールを目指そうとすると、達成するまでモチベーションを維持するのが難しいからです。
目標を細分化してスモールステップで進めば、目標達成ごとに達成感を得られるため、最後までモチベーションを維持しやすくなります。
研修制度を活用する
社内で逆算思考の研修を実施する、目標達成のための研修やセミナーを活用して、知識やスキルを磨くなどの対策も必要です。逆算思考をしてこなかった人が突然取り入れるには限界があるからです。また、困ったときや悩んだときは気軽に相談できる社内体制を整えておくと、途中でつまずいてもスムーズに解決しやすくなります。
逆算思考に必要なスキル
逆算思考によって効率的にゴールにたどり着くには、自己分析力と柔軟性が必要です。
自己分析力
逆算思考は目標やゴールを明確にするだけでなく、ゴールまでにかかる時間ややるべきことを細かく考え、最終的なゴールから逆算して計画を立てます。計画を立てたら、現在の自分にはそのプランを実行する力、時間があるのかを見極めなければなりません。的確に判断するためには、自分の力を客観的に見極められる自己分析力が必要です。
計画を遂行する柔軟性
先述したように、入念に計画を立てても計画通りに進むとは限りません。想定外の問題が発生したときは、状況に応じて計画を変更する必要があります。計画を立てる時点で課題を想定する際もさまざまな仮設を立てる、万が一に備えたスケジュールを立てるなど、あらゆる可能性を考慮して計画を遂行できる柔軟性が求められます。
逆算思考を身に付けた方がよい人
目標達成まで逆算思考を身に付けることで、仕事や計画をスムーズに進められるようになるケースがあります。どのような人が逆算思考を身に付けるとよいのでしょうか。
計画通りに進められない人
目標や計画は立てるものの、実際に取りかかると計画通りに進められないという人は、逆算思考を取り入れるのがおすすめです。計画通りに進められず、行き当たりばったりで行動するだけでは、なかなかゴールにたどり着けません。
逆算思考を身に付ければ、あとどれくらいで目標を達成できるのかが把握しやすくなり、モチベーションも維持できます。その結果、ゴールに向かって計画的に行動できるようになります。
先延ばし癖がある人
やるべきことがあるのにもかかわらず、期限のギリギリになるまで行動できない先延ばし癖がある人も、逆算思考を身に付けるとよいでしょう。逆算思考によって目標や計画を明確にすることで、現時点でやるべきことがはっきり分かるため、先延ばししなくなるからです。ゴールまでに必要な時間が明確になれば、先延ばしにすることなく行動に移して目標を達成できるようになります。
まとめ
逆算思考はゴールを明確にしたうえで、ゴールにスポットを当てて実現するための計画を立てる考え方です。近年はビジネスでも注目されており、最後までモチベーションを維持しながら目標達成まで計画的に進められます。
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目標達成のために逆算思考を取り入れるとともにに、モチベーションも意識してみてはいかがでしょうか。