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キャリアラダーとは?メリットや導入手順、キャリアパスとの違いなどを解説

キャリアラダーとは、従業員がはしごを一段ずつ上るようにキャリアアップできる人事制度や能力開発のシステムを指します。この記事では、キャリアラダーを導入するメリットやデメリットをはじめ、注意点や導入手順についても解説します。

目次[非表示]

  1. 1.キャリアラダーとは
  2. 2.キャリアパスとの違い
  3. 3.キャリアラダーの導入が進んでいる業界・分野
  4. 4.キャリアラダーを導入するメリット
  5. 5.キャリアラダーを導入するデメリット
  6. 6.キャリアラダーを導入する手順
  7. 7.キャリアラダーを導入する際の注意点
  8. 8.まとめ

キャリアラダーとは

まずは、キャリアラダーという言葉が生まれた経緯や意味・特徴について解説します。

キャリアラダーの概要

そもそもキャリアラダーとは、経歴という意味を持つ「キャリア」と、はしごという意味を持つ「ラダー」という単語を組み合わせて作った言葉です。キャリアラダーの考えは1980年代のアメリカで誕生しました。キャリアアップを目指す従業員が、はしごを一段ずつ上れるようなキャリア開発プランを指します。

キャリアラダーの特徴

はしごを連想させるキャリアステップには、1つひとつに具体的な業務内容や必要なスキル、目標などが設定されています。現在のステップを達成すると次のステップに進める仕組みです。従業員側は、目標が明確化されるため効率的に行動できるというメリットがあります。企業側のメリットは、公平な評価結果を導きやすくなるという点です。

キャリアパスとの違い

キャリアパスの「パス」は「道」を意味し、企業内で昇進する際のルートあるいはキャリアの道筋を指しています。目指す職種にどのような立場で就任し、到達するまでに何の経験やスキルを身につけるかという道筋によって、出世や異動に役立てるのが目的です。

キャリアラダーは専門性の高い職種で活用されるのに対して、キャリアパスは職種や部署間の異動があっても影響しない点が大きな違いといえるでしょう。

キャリアラダーの導入が進んでいる業界・分野

キャリアラダーは、スキルアップによって専門性が磨ける業界・分野での導入が進んでいます。キャリアラダーの導入が進んでいる業界・分野は、職種間の移動が少ないのが特徴です。外食産業やアパレル業界、介護職など専門性が問われる業界・職種で特に注目を浴びています。

キャリアラダーを導入するメリット

キャリアラダーの導入で得られる具体的なメリットを3点解説します。

目指す目的が明確になる

キャリアラダーでは、業務においての各ステップが、スキルや習熟度別に細かく設定されています。従業員は各ステップが明示されていることで理解しやすくなるため、自分の目指すべき目的が明らかになるでしょう。また、ステップをクリアするために、自分に何が不足しているのかなどの課題も理解することが可能です。

平等な評価につながる

キャリアアップには評価や昇進が伴いますが、基準が明確でなければ納得できない従業員も出てくるでしょう。キャリアラダーでキャリアアップに必要な基準が明確化されれば、従業員はスキルによってどのような評価を得られるかが理解できます。また、基準が決まることで、評価者によるばらつきを防げる点もメリットといえるでしょう。

従業員のモチベーションが向上する

キャリアラダーの導入によって目的が明確化されると、従業員はキャリアアップまでの道筋が分かるようになります。ルートが明確になると目標達成するための行動を取りやすいため、モチベーション向上にもつながるでしょう。

キャリアラダーを導入するデメリット

キャリアラダーは多くのメリットを得られる一方で、以下のようなデメリットも生まれます。

導入に時間がかかる

キャリアラダーを導入する際は、職種別にキャリアステップを設定し、人事評価制度を整える時間や人員が必要です。また、制度の見直しには、現場の声を反映する必要があるため、工数もかかります。各ポジションの整合性を取るための調整も必要です。さらに、導入後は、容易に変更はできないので、導入までは慎重に進めなくてはなりません。

すべての業種に導入できるとは限らない

キャリアラダーを導入するのに向いている業種や職種があるように、業種や組織によってはキャリアラダーに向かないものもあります。一般的に導入に向いているのは、専門性が高く、部署間の異動が少ない職種です。一方で、総合職や総務などのように異動が多かったり、幅広い業務に対応したりする業種や職種にはあまり向いていません。

キャリアラダーを導入する手順

先述したとおり、キャリアラダーを導入するには時間や人員が必要です。ここでは、キャリアラダーの導入をスムーズに進めるための手順を解説します。

階層化する

キャリアラダーのはしご部分にあたるキャリアステップを作るために、職種ごとに必要なスキルや経験を洗い出します。漏れや抜け、重複がないように注意しましょう。洗い出しが終わったら、キャリアアップの流れに沿うように並び替えて階層化していきます。階層に応じて知識やスキルを当てはめていきましょう。

評価システム・賃金システムを構築する

階層化が済んだら、人事評価を行うシステムを整備しなければなりません。キャリアステップしたのに評価が上がらないなどのエラーを防ぐため、キャリアラダーの運営には明確な評価基準が必要です。

普段の従業員の様子など、人事評価システムに反映されないような項目も見落とさないことが重要です。キャリアラダーと評価システムや賃金システムを完全に連動させるのではなく、表彰制度なども取り入れるとよいでしょう。

キャリア研修を実施する

キャリア研修では、職位や階層ごとなど、それぞれの単位に応じたキャリア教育を実施しましょう。キャリア研修を受けることによって、従業員は現状とステップの求める業務やスキルの差を確認できます。

次のキャリアステップに進みたいと思えるような研修になるように、指導者を選ぶのも効果的です。セミナーでの講師経験者や実務経験者など、話が分かりやすく説得力がある人材を講師として選ぶとよいでしょう。

キャリアラダーを導入する際の注意点

キャリアラダーを導入する際には、以下のような点に注意して慎重に進めることが大切です。

導入目的を明確にする

キャリアラダーの導入を検討する際は、最終的に何を達成したいかという「目的」を明確にしましょう。目的のない状態でキャリアラダーを導入したり、評価制度の整備をしたりしても一貫性がない仕組みになってしまいます。企業としての明確な目的があれば、目的に合わせた階層化を実現できるでしょう。

目的が明確になっていない場合は、途中で内容を変更しなければならなくなるケースも出てきます。内容が変更されれば従業員への指導方法も変わるため、人材育成に支障をきたすことになりかねません。また、一度決めた内容を変更すると、従業員のキャリアアップへの意欲が削がれることにもつながります。

評価のハードルは低く設定する

キャリアラダーでは、各ステップの高評価を得るために必要なハードルが高すぎると、従業員のモチベーション低下につながってしまうため注意が必要です。従業員のモチベーションが低下すると、現状のままでもよいと考える従業員が増える可能性があります。

高すぎない基準を設けることで、従業員のモチベーションを向上させることができれば、社内の成長スピードにも影響を与えられるでしょう。

まとめ

キャリアラダーは、はしごを連想させるキャリアステップに業務内容、スキル、目標などが設定されているため、従業員の目標が明確化されやすいキャリア開発プランです。

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LM編集部
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