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ライフキャリアレインボーでキャリア支援を強化!注目の背景や定義について解説

昨今のキャリア形成において、「ライフキャリアレインボー」という考え方に注目が集まっています。ライフキャリアレインボーという考え方は、人材育成やキャリア支援の現場でも役立つものです。

この記事では、ライフキャリアレインボーの意味や考え方、企業が取り入れるメリットなどについて解説します。人材育成にお悩みの企業の方はぜひ、参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.ライフキャリアレインボーとは?
  2. 2.ライフキャリアレインボーを考えるうえで大事な2つの軸
  3. 3.ライフキャリアレインボーが重視される背景
  4. 4.企業がライフキャリアレインボーを取り入れるメリット
  5. 5.企業がライフキャリアレインボーを取り入れるデメリット
  6. 6.ライフキャリアレインボーにおけるワークシートの書き方
  7. 7.ライフキャリアレインボーの活用シーン
  8. 8.ライフキャリアレインボーと併せて覚えておきたい「アーチモデル」とは?
  9. 9.まとめ

ライフキャリアレインボーとは?

ライフキャリアレインボーとは、アメリカの教育学者であるドナルド・E・スーパー氏が、1950年代に提唱したキャリア理論です。

これまでは、労働者としての視点からキャリアを考えるのが一般的でした。しかし、ライフキャリアレインボーでは、人生の段階や役割の変化もキャリア形成の一部であると捉え、将来設計を考えるうえで大事にしていきます。

ライフキャリアレインボーにおけるキャリアプランでは、労働に関する部分だけではなく、予測される人生の変化やライフイベントも考慮されます。人は、ライフステージによってさまざまな役割が重なり合うため、虹にたとえて「ライフキャリアレインボー」と名付けられました。

ライフキャリアとは?

そもそもライフキャリアとは、仕事やプライベート、学習、趣味などから、個人が得た経験や役割の積み重ねからなる人生経験・生き方を指します。ライフキャリアは、その人がこれまでに選んできた選択肢や歩んだ道のりを表すため、改めて見つめ直すことで、今後の選択肢や歩むべき道を定めていくのに役立つでしょう。

ライフキャリアレインボーを考えるうえで大事な2つの軸

ライフキャリアレインボーでは、2つの軸を立て、これまでの人生やこれからの人生について整理していきます。ここでは、ライフキャリアレインボーで重要な2つの軸について、それぞれ解説します。

5段階のライフステージ(人生の段階)

ライフキャリアレインボーでまず考えられるのが、5段階のライフステージです。年齢に応じた人生の段階を5つに分けて、それぞれの期間でどういった生き方をしてきたのか、また、していくのかを考えます。ライフキャリアレインボーで分けられる5つのライフステージは、以下の通りです。

成長段階(0~14歳程度)

自分という人間を理解し、成長していく段階

探索段階(15~24歳程度)

自分に合った生き方や仕事を探している段階

確立段階(25~44歳程度)

自分の生き方や仕事を定め、スキルや経験を積んでいく段階

維持段階(45~64歳程度)

自分に合った生き方や仕事で立場を確立し、維持していく段階

解放段階(65歳~)

これまでの役割から引退し、新たな生き方を考えていく段階

9つのライフロール(人生での役割)

ライフキャリアレインボーでは、ライフステージを5段階に分けて考えるのに加え、人生において担う役割を、大きく9つに分けて考えていきます。

9つのライフロールについては、以下の通りです。

子ども

親子関係における、子としての役割

学生

義務教育や学業に従事している学生としての役割

労働者

雇用形態に関わらず、職に就いている人の役割

配偶者

パートナーがいる場合の役割

家庭人

親から離れ、自分の家庭を持ったときの役割

子が生まれてからの、親としての役割

市民

居住している国や地域、社会の一員としての役割

余暇人

自分の好きなことや趣味などを楽しむ際の役割

年金生活者

年金を受給する段階での役割

ライフキャリアレインボーが重視される背景

昨今、ライフキャリアレインボーに注目が集まっている理由には、以下のような社会情勢の変化が挙げられます。ここからは、特に重要な2つの背景について、解説します。

働き方の多様化

現代では、正社員での終身雇用は一般的ではなくなり、転職や副業、フリーランスなどを選択する人が増えたことで、働き方が多様化しています。また、会社やオフィスに出勤するのではなく、在宅ワークやカフェ、コーワーキングスペースなどで働くリモートワークも増え、ライフワークバランスをより重視するようにもなりました。

このようなワークスタイルの多様化によって、キャリアの積み方が個々で大きく異なっているのが現状です。そのため、ライフキャリアレインボーの活用などにより、それぞれのキャリアの把握や個々に合った支援が必要とされています。

平均寿命の長寿化

昨今は、医療の発展によって平均寿命が延びており、セカンドキャリアの期間も長くなっています。国内でも、人生100年時代と言われるほど長寿になっているため、セカンドキャリアへの支援も重要な課題となってきました。定年後の孤立化やモチベーション低下などを防ぐためにも、人生の役割の変化に応じたキャリア支援が求められています。

企業がライフキャリアレインボーを取り入れるメリット

ライフキャリアレインボーという考え方を企業が取り入れる場合、以下のようなメリットが期待できます。それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

キャリアプランの見直しになる

ライフキャリアレインボーを取り入れると、従業員がこれまでの人生における経験や役割を見直し、今後のキャリアを見つめ直す機会が得られます。客観的に人生を見直せるため、これまで気づかなかった課題やリスクの発見ができ、今後のパフォーマンス改善につながるでしょう。

また、ライフワークバランスを見直す機会にもなり、より充実した人生を送れるよう必要なスキルや道筋の確認ができるため、業務やスキルアップに対するモチベーション向上も期待できます。

キャリア支援や人材育成に活用できる

従業員のキャリアプランを確認できるため、キャリア支援や人材育成に活用できるようになります。目指すべきキャリアや目標が定まるため、従業員自身のモチベーションも向上するでしょう。

企業側からの適切なキャリア支援や人材育成計画を実施できれば、社内の活性化につながり、企業全体の成長が期待できます。

従業員エンゲージメントの向上につながる

企業側が、従業員個々のキャリアプランに適したキャリア支援や人材育成を実施すれば、従業員エンゲージメントも向上しやすいでしょう。業務に対するモチベーションの向上や貢献度の向上が期待できます。キャリアプランの見直しによって、企業が個人に合わせて働きやすい環境を提供できるようになれば、離職防止にも効果的です。

企業がライフキャリアレインボーを取り入れるデメリット

従業員が過去を踏まえ、現状や将来設計を見直す機会となるため、転職や退職を考える可能性があります。今の仕事によってライフワークバランスが乱れていたり、働き方が合わないと考えたりすれば、転職や退職によって改善を図るケースもあるでしょう。しかし、従業員の人生をよりよくするための決断であるため、気持ちを尊重し、受け入れることも重要です。

ライフキャリアレインボーにおけるワークシートの書き方

ライフキャリアレインボーでキャリアを見直したり、今後のキャリアプランを考える場合には、ワークシートを活用します。ワークシートの書き方については、以下の手順が一般的です。

1.現状把握

まずは、ライフロールで挙げられている9つの役割毎に、今の自分が担っている割合や状況を整理していきます。ここでは、できるだけ主観は除き、客観的に現状を把握することが大事です。また、現在の自分が5つのライフステージのなかでどの段階に当てはまるかも確認しておきましょう。

2.過去の振り返り

現在の自分の位置が把握できたら、5つのライフステージと9つのライフロールをもとに、過去の自分が担っていた役割や状況を整理します。これまでにどのようなことを経験し、スキルや知識を積み重ねたのか、確認しましょう。5年前、10年前など、ライフステージにおける役割の割合を示しておくと、分かりやすくなります。

3.将来予測

5年後、10年後など、未来のライフステージを確認し、これまでの経験や現状から、どのようなライフロールになっていくのかを予想し、書き出していきましょう。ライフステージ毎の、役割の割合やそのときやりたい活動、こうなりたいという将来像などを考えます。高麗予測では、最終的にたどり着きたい将来像に向けて、実現可能なプランを考えることが大事です。

4.アクシデントへの備え

将来のキャリアプランを考えるなかで、予測できるアクシデントも考えておく必要があります。人生におけるリスクや想定外の役割の発生など、対処方法と併せて書き出しておくとよいでしょう。

あらかじめアクシデントへ備えておけると、実際に発生した際に冷静に対処でき、実現したい将来像に近づきやすくなります。

ライフキャリアレインボーの活用シーン

ライフキャリアレインボーを、社内にキャリアの考え方として周知・共有するためには、キックオフや集会などの従業員が集まる場面で活用していくとよいでしょう。人材育成の一環として、実施される研修のなかで活用するのも効果的です。

また、上司と部下が1対1で行う1on1ミーティングで取り入れる企業も増えており、的確なサポートに役立っています。

ライフキャリアレインボーと併せて覚えておきたい「アーチモデル」とは?

アーチモデルとは、ライフキャリアレインボーを定義したスーパー氏が、ライフキャリアレインボーを再定義したものです。土台を生まれた環境や育った環境とし、キャリアを決定する際に考える「個人的要因(内的要因)」と「社会環境的要因(外的要因)」を左右の柱に見立てます。

さらに、土台と柱を支えにして、自己・役割自己概念・発達段階などをアーチ状に形成しているのが特徴です。より現実的にライフキャリアを見直すのに有用なモデルとして、注目されています。

まとめ

現代の社会情勢に合ったキャリアプランの見直しの方法として、ライフキャリアレインボーを取り入れるのは有用です。変化の著しい昨今では、仕事だけに捉われるのではなく、個人のライフスタイルとのバランスも考えながら、将来を見つめ直す必要があります。

また、企業は、ライフキャリアレインボーなど、現代の考え方に合ったキャリア支援を考えなければなりません。

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LM編集部
LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。

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