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グループダイナミクスとは?メリットや活用方法、注意点、活用例を解説

グループダイナミクスとは、人は集団になると互いに態度や考え方、行動に影響を及ぼすという理論のことです。従業員の能力を伸ばして利益を向上させるために、グループダイナミクスを活用したいと考えている人事担当者もいるのではないでしょうか。

この記事では、グループダイナミクスの概要からメリットや活用方法、注意点まで詳しく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.グループダイナミクスとは
  2. 2.グループダイナミクスと集団疑似性の関係
  3. 3.グループダイナミクスとグループシンクの関係とは
  4. 4.グループシンクのきっかけとなるグループシフトの種類
  5. 5.グループダイナミクスの活用例
  6. 6.グループダイナミクスを活用するメリット
  7. 7.グループダイナミクスを活用する方法
  8. 8.グループダイナミクスの注意点
  9. 9.まとめ

グループダイナミクスとは

グループダイナミクスとはどのような理論のことなのか、概要や起源を確認しておきましょう。

グループダイナミクスの概要

集団と個人が互いに影響を受けあうことがグループダイナミクスです。日本語では行動学力ともいわれています。集団は個人の思考や行動が積み重なって形成されますが、個人の思考や行動も集団全体の雰囲気や圧力などによって変わるという理論です。

グループダイナミクスの起源

グループダイナミクスの理論は、ドイツ出身の心理学者クルト・レヴィン氏が1930年に立案しました。以前からアメリカでは研究されていましたが、集団と個人が互いに影響しあうことを初めて理論化した人がクルト・レヴィン氏とされています。

グループダイナミクスと集団疑似性の関係

グループダイナミクスは、集団疑似性と大きく関係しています。集団疑似性とはどのような意味があるのでしょうか。

グループダイナミクスに影響を与える集団疑似性

グループダイナミクスは集団疑似性の影響を受けるため、集団の圧力が個人の思考や行動に影響するという考え方に行きつきます。集団疑似性とは、団結力や結束力のことです。集団疑似性が高まるほど集団圧力が大きくなり、個人にも影響を及ぼします。

企業で集団疑似性が起きる要因

集団疑似性は企業でも形成され、集団疑似性が起きることで社員の思考や行動も変化することがあります。企業で集団疑似性が形成される要因として、以下のようなことが挙げられます。

・社員には共通のミッション(使命や役割)がある
・共通の目標(ビジョン)がある
・共通の価値観を持っている
・同じ経験をしている時間がどれくらいあるか
・集団が小規模である
・メンバーが頻繁に入れ替わらない

共通点があるだけでなく、小規模かつ固定されたメンバーであると、集団疑似性はより高まりやすくなります。集団疑似性が高まることはよい傾向ですが、状況によっては間違った方向に進んでしまうケースもある点には注意が必要です。

グループダイナミクスとグループシンクの関係とは

グループダイナミクスを活用するうえで、意識したいことがグループシンクです。グループシンクとはどのような状態を指すのでしょうか。

グループシンクとは

本来、何かに合意するには、さまざまな視点から評価する必要があります。しかし、集団になると合意しなければというプレッシャーを感じ、冷静に判断することが難しくなります。この状況がグループシンクです。日本語では「集団浅慮」といわれています。グループシンクは支配的な人がリーダーになったり、外部から隔絶された状況になったりすることでも陥りやすくなります。

グループシンクのきっかけとなるグループシフトの種類

グループシンクには、きっかけとなる2つのグループシフト(意思決定)「リスキーシフト」と「コーシャスシフト」があります。

リスキーシフト

リスキーシフトは、1人ではリスクの低い方を選択するなど冷静に判断できるタイプなのに、集団に入るとグループシンクによってリスクの高い方を選択してしまうことがある現象のことです。たとえば、迷惑行為など1人ならやらないのに、集団になるとできてしまうことがあります。集団になると責任が分散されるため、判断がゆるくなってしまうことが原因といわれています。

コーシャスシフト

コーシャスシフトは、1人だと思い切った行動ができるにもかかわらず、集団になるとグループシンクによってリスクの低い方を選択する現象のことです。上記のリスキーシフトとは正反対の現象です。安全志向が強い人が集団になると、コーシャスシフトが生じやすくなります。

グループダイナミクスの活用例

グループダイナミクスはさまざまな場面で活用できます。ここでは教育現場とビジネスの現場での活用例を解説します。

教育現場

集団で活動する教育現場では、グループダイナミクスがクラスの環境や雰囲気に影響を及ぼします。生徒個人が周囲に及ぼす影響や生徒達の行動パターンを理解することで、応用できるようになります。

たとえば、グループ学習で生徒間の団結力を高めることや、いじめ問題の予防・解決につなげることも可能です。また、コミュニケーションを活性化したり、学習効果を高めたりすることもできるようになります。

ビジネスの現場

ビジネスの現場では、チームビルディングや人材の育成などで活用が可能です。たとえば、共同作業やディスカッションを重ねることで、グループ内で団結力や連帯感が生まれてグループダイナミクスを活用できるようになります。

さらに、1人ひとり異なる視点や得意なことがわかり、グループ内に新たな認識が生まれたり、グループ全体のパフォーマンスが高まったりすることもあります。

グループダイナミクスを活用するメリット

グループダイナミクスを活用すると、モチベーションやコミュニケーション、スキルなどの面でメリットが得られます。

業務に対するモチベーションが向上する

グループダイナミクスを活用すると個人の特性が引き出されるため、従業員はさまざまな特性に気付き、広い視野を持てるようになります。自分とは異なる考えに気付くことで、新たなアイデアが生まれたり、業務に対するモチベーションが向上したりもします。

個人の思考や行動は集団全体にも影響を与えるので、集団全体のモチベーション向上につながる点もメリットです。

コミュニケーションが円滑になる

グループダイナミクスではグループ内で意見交換をすることで、コミュニケーションを円滑にすることが可能です。意見交換により、メンバーの業務に対する考え方を知れば、互いに理解が深まります。コミュニケーションの円滑化により相互理解が深まれば、業務がスムーズに進みやすくなります。

スキルが向上する

グループ全体のスキルが向上する点もメリットです。グループダイナミクスを活用すれば、1人ひとりが持つ異なる特性や知識が集結するため、業務の効率化や技術革新が期待できます。

また、レベルの高い人が集まるグループに属すれば、モチベーションや意欲がアップして自ずと個人のスキルも向上しやすくなります。問題が発生した場合も、これまでは思いつかなかった解決策やアイデアが生まれるケースも珍しくありません。

グループダイナミクスを活用する方法

グループダイナミクスを活用するために意識したいポイントが3つあります。どのように活用すればよいのでしょうか。

メンバーが使いやすいコミュニケーションツールを選定する

グループ内で情報をスムーズに共有するために欠かせないことが、コミュニケーションツールの整備です。意見の行き違いや誤解が生じにくく、グループ内のみんなが使いやすいツールを選定しましょう。さらに、トラブルを防止するために、そのツールをどのように活用するのか、ルールを決めておくことも大切です。

グループ内での価値観や行動を決める

メンバー全員が自分の考えやアイデアを発信しやすくなるように、あらかじめグループ内で大切にすべき価値観や行動を明確にしておくこともポイントです。

たとえば、「話し合いのときは必ず全員の意見を聞く」「トラブルが発生した場合はあらかじめ決めた手順に沿って解決する」など、具体的に決めておきます。価値観や行動を決めておくことで、1人ひとりが積極的に行動できるようになります。

問題を洗い出し、解消する

グループ内の一部でいざこざが生じ、不満を持ったメンバーがいるなどの問題が発生すると極端な意思決定につながるおそれがあります。そこで、小さなことでも見逃さず、問題が起きたら速やかに解決することもポイントです。グループ内で何かあった場合はこまめに報告や共有をして、解決に向けた話し合いをしましょう。

グループダイナミクスの注意点

グループダイナミクスでは、注意すべき点が2つあります。どのような注意点があるのでしょうか。

コンフリクトが発生する可能性がある

コンフリクトとは、意見や要求の食い違いが発生し、互いに受け入れられない状態になっていることです。コンフリクトは一体感の高い集団で発生しやすい傾向にあります。本来なら必要のない話し合いが必要になる、わだかまりが残るなど、新たな問題につながることがあるため、注意が必要です。

社会的手抜きに注意する

社会的手抜きとは、集団に入ることで個人が力を抜き、貢献度が下がってしまうことです。本来持っている能力を出し切らなかったり、努力を怠ったりして、結果的にグループ全体のパフォーマンスが下がってしまうことがあります。大きな集団になるほど社会的手抜きをしやすい傾向にあるともいわれています。

まとめ

グループダイナミクスは、集団内では個人と集団それぞれが影響しあうという理論のことです。ビジネスの現場で活用すれば、従業員のモチベーションアップやコミュニケーションの円滑化、スキルアップなどのメリットが期待できます。

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LM編集部
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