catch-img

コンフリクトマネジメントとは?メリットや7つのステップ・注意点などを解説

コンフリクトマネジメントとは、職場の風通しをよくしたり組織を成長させたりする取り組みのことです。

この記事では、社内での対立に適切に対応したい人事担当者に向けて、コンフリクトマネジメントが発生する要因やメリットを解説します。コンフリクトマネジメントの7つのステップや注意点も解説するため、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.コンフリクトマネジメントとは
  2. 2.コンフリクトが発生する要因
  3. 3.対立における5つの態度
  4. 4.コンフリクトマネジメントのメリット
  5. 5.コンフリクトマネジメントの7つのステップ
  6. 6.コンフリクトマネジメントの注意点
  7. 7.コンフリクトマネジメントは研修で学ぶのが効果的
  8. 8.まとめ


コンフリクトマネジメントとは

コンフリクトマネジメントとは、職場を円滑にしたり組織を成長させたりするために役立つ取り組みです。

職場では、人材同士の衝突が起きるケースもあります。この際、勝ち負けによってどちらかに利益が出て、一方は損をしてしまいます。このような状況を防ぐために、メリット・デメリットの衝突や対立を解消し、組織としての成長につなげることを目的としている施策がコンフリクトマネジメントです。

コンフリクトは、マネジメント次第で組織の活性化につながります。そのため、コンフリクトの発生をメリットに変えられるように、しっかりマネジメントすることが重要です。

そもそもコンフリクトとは

コンフリクト(conflict)とは、日本語に訳すと「戦い」「争い」といった意味になります。もともとは、比較的長期的な武力による戦いや争いなどを意味する言葉ですが、広い意味では「衝突」や「対立」といった意味合いもあるようです。

ビジネスにおいては、組織のなかで起こる対立や軋轢などを指します。コンフリクトが起こることで、職場の空気が悪くなったり緊迫感をもたらしたりするなどの悪影響があるため、注意が必要です。

コンフリクトが発生する要因

コンフリクトはなぜ発生してしまうのでしょうか。コンフリクト発生の要因として考えられるのは、以下の3点です。

・条件の対立
・認知の対立
・感情の対立

ここでは、それぞれの要因について詳しく解説します。

条件の対立

条件の対立とは、仕事内容の差異、上下関係などの条件に関係する対立です。仕事内容や役職の差異によって、目標や条件が異なるため意見が対立するケースがあります。たとえば、コストと品質、売上アップとコストダウンなどのような争点が挙げられます。条件の対立は3つの要因のなかでも比較的解決しやすいです。

認知の対立

認知の対立とは、思考や価値観の違いなどが原因となって起こる対立です。考え方や価値観は人によってさまざまです。ときには、考え方が理解できない、価値観が合わないというケースもあるでしょう。このような、価値観や解釈の違いから対立が発生します。認知はこれまでの人生から構築されるものなので、解決の難易度も多少高くなります。

感情の対立

感情の対立とは、心理的なぶつかり合いによって起こる対立です。感情面での行き違いやぶつかり合いによって起こるため、3つのなかでも解決難易度が最も高くなりがちです。条件や認知の対立が長く続くことで感情の対立が起こりやすくなり、怒りや無関心などの多くの感情が背景にあるため根深くなる可能性があります。

対立における5つの態度

対立においては、5つの態度があります。ここでは、強制・妥協・服従・回避・協調という5つの態度について解説します。

強制

強制とは、自分の意見を押しつけるなどの行為です。強制行為は対立の要因となるため、注意が必要です。特に、日本では人との協調や和の意識などを美徳とする風潮が強くあります。そのため、協調性を持たずに自分の意見だけを押しつけたり、人の意見を聞き入れなかったりという強制の態度は対立を生みやすくなります。

妥協

妥協とは、強制とは反対に協調を重んじる態度です。互いに譲り合っている状況であり、ある程度自分が譲歩する形になります。それぞれの意見を踏まえたうえで、妥協できるポイントを見つけることになりますが、互いの意見が完全に実現できる状態ではありません。

服従

服従とは、完全に相手の強制的意見を承服することです。相手にすべて従ってしまう状態であり、言いたいことを言えない、自分の意見がまったく通らない状態になるため、不満が残る結果になってしまいます。

回避

回避とは、対立が起こった際に結論を出すことなく話を終わらせることです。解決を先延ばしにする行為であり、双方が歩み寄ることもありません。そのため、根本的な問題解決が遠くなってしまいます。

協調

協調とは、5つの態度のうち最も理想的な態度だといわれています。互いの意見を伝えたうえで議論して、双方にとって利益がある状態を目指します。コンフリクトマネジメントで目指す着地点が協調です。

コンフリクトマネジメントのメリット

コンフリクトマネジメントを実施することでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは2つのメリットを解説します。

風通しのよい職場になる

コンフリクトマネジメントの導入によって、職場の風通しがよくなります。そのため、従業員が発言しやすい環境になります。活発な意見交換が行われるようになることで、組織が活性化するでしょう。また、職場の風通しがよくなるとコミュニケーションも取りやすくなるため、新たな学びやアイデアが生まれやすくなります。

離職率が低下する

離職の理由はさまざまですが、人間関係が要因となって退職を考える人も多くいます。コンフリクトマネジメントを導入することで、人間関係がスムーズかつ良好になると離職も少なくなります。さらに、職場環境がよくなることで従業員が帰属感を持ちやすくなるため、モチベーションが向上するという点もメリットです。

コンフリクトマネジメントの7つのステップ

コンフリクトマネジメントを導入する際には、7つのステップを意識しましょう。ここでは、各ステップを詳しく解説します。

1.事前準備を整える

コンフリクトは、対立が発生して「もめている状態」です。そのため、マイナスな印象を持つ人も多いでしょう。しかし、コンフリクトはいつでも起こり得るものです。また、コンフリクトを適切にマネジメントできればメリットが生まれるため、コンフリクトはマイナスという印象からポジティブなものに意識を変換しましょう。

コンフリクトマネジメントのメリットを共有することも大切です。全社で共有して、コンフリクトマネジメントに対して前向きな姿勢で臨みましょう。

2.相手を尊重して話し合う

相手を尊重して話に耳を傾けることも大切です。コンフリクトマネジメントでは、コンフリクトの内容を探ることが重要になるため、双方の話を聞きましょう。相手を否定すると関係悪化の原因となるため注意が必要です。

3.マネジメントすべき材料を明確にする

それぞれの意見を聞いたら、その意見を比較して意見が異なる部分や一致している部分などを明確にしましょう。状況をしっかりと精査して、どのようなマネジメントが必要か、適切な解決案は何かなどを検討することが重要です。この際、感情的にならずに客観的な目線から状況を整理し、マネジメント材料を明確にしましょう。

4.コンフリクトの原因を探る

次に、コンフリクトの原因を探りましょう。対立している要因が明確になれば、コンフリクトの原因を探りやすくなります。対立の要因は先述したように、条件や認知、感情の対立の違いを参考にしましょう。コンフリクトの原因を探る際には、関係者の視点から多角的に分析し、広い視野を持つことが重要になります。

5.コミュニケーションへの介入を図る

コンフリクトの原因を把握出来たら、コミュニケーションへの介入を図りましょう。議論を整理しつつ、当事者がどのような反応を取るかを判断します。この際、積極的に介入し過ぎると逆効果になるケースもあるため、あくまでも個人間の議論を中心にしましょう。個人間の議論をメインにしながら、状況を整理することが大切です。

6.解決案を提示する

対立している個人間では、冷静さを失っており感情的になっていることが多いです。そのため、客観的な視点から解決案を提示しましょう。また、解決案を検討する際には、個人ではなく原因に焦点を当てます。原因にフォーカスすることで、人から原因に焦点が移るため温度感が下がって冷静さを取り戻すことも期待できます。

7.解決に取り組む

検討した解決案のなかから、1つ選んでもらって解決に取り組みましょう。この際、当事者同士で互いにとって利益がある着地点を考えてもらうことで、対立からポジティブな意見交換に変換させることが可能です。また、当事者同士で解決策を決めることで、認識の相違がなくなるためコンフリクトの発生を防止できます。

コンフリクトマネジメントの注意点

コンフリクトマネジメントを導入する際には注意したいポイントもあります。ここでは、2つの注意点を解説します。

メンバーが納得したうえで実施する

メンバーがコンフリクトマネジメントの目的やメリットについてしっかりと理解し、納得していなければ導入しても効果がありません。そのため、研修を開くなどして、社内全体でコンフリクトマネジメントの意味や目的、メリットなどを共有したうえで取り組みを始めましょう。

思いやりを持って対応する

コンフリクトマネジメントでは、互いの意見を認めたうえで解決策を見つけることが重要です。そのため、思いやりのある対応を心がけましょう。どちらが悪いというように責めることはせずに、それぞれの話を冷静に聞くことや忍耐力を持って向き合うことなどが求められます。客観的かつ思いやりのある対応を心がけましょう。

コンフリクトマネジメントは研修で学ぶのが効果的

コンフリクトマネジメントを初めて実践する場合、難しいと感じるでしょう。人事領域においては、定期的なトレーニングプログラムを実施して組織内のコンフリクトを適切に管理することが求められます。そのため、研修でコンフリクトマネジメントについて学ぶことがおすすめです。

コンフリクトマネジメントを含めた専門的なマネジメント研修を受講することで、マネジメント手法を効率的に学ぶことができます。コミュニケーションスキルや問題解決スキルなどを向上させることもでき、プロの手法を学ぶことで高クオリティのマネジメントを実践できるようになるでしょう。

まとめ

コンフリクトマネジメントとは、利益の衝突や対立を解消することで、職場の円滑化や組織の成長に役立つ取り組みのことです。コンフリクトマネジメントを導入することで、職場の風通しがよくなり、離職率の低下などが期待できます。

リンクアンドモチベーションは、従業員エンゲージメント市場シェアNO.1を誇るクラウドサービス「モチベーションクラウド」を保有しています。世界初の「モチベーション」に焦点を当てた組織人事コンサルティングサービスを提供しており、累計導入社数は10,000社以上です。コンフリクトマネジメントの導入をお考えの場合は、お気軽にお問い合わせください。


▶リンクアンドモチベーションのサービス資料はこちら

▶リンクアンドモチベーションへのお問い合わせはこちら

LM編集部
LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。

新着記事

この記事を読んだ人は、こんな記事にも興味を持っています

あなたの組織にも、課題はありませんか?

各種サービス資料が無料ダウンロードできます

3分でわかる新入社員研修

3分でわかる新入社員研修

サービスご紹介資料

3分でわかるモチベーションクラウド

3分でわかるモチベーションクラウド
ページトップへ戻る