新人研修が意味ないといわれる理由は?効果が高い研修のポイントを解説
自社で新人研修の実施を予定しているものの、「新人研修は意味ない」という意見を耳にして、不安な担当者も多いことでしょう。しかし新人研修は、有意義な方法で実施すれば決して意味のないものではありません。この記事では、新人研修が意味ないといわれる理由や、効果の高い新人研修にするポイントを解説します。ぜひ研修実施の参考にしてください。
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新人研修は意味ない?
「新人研修は意味ない」という意見もありますが、実際には新年度の開始時期を中心に、多くの企業で毎年、新人研修が実施されています。新人研修は人材教育のための重要な施策です。新人研修が意味ないといわれる背景には理由があります。その理由を把握して対策を講じることで、新人研修の効果を発揮できるでしょう。
新人研修の目的
新人研修の目的は大きく分けて、社内の人材育成、コミュニケーションの活性化、そして人材の意識改革の3つです。それぞれについて解説します。
社内の人材育成
新人研修は、社内の人材育成を目的として実施されるものです。新卒と中途採用とで内容は異なりますが、新入社員は研修でビジネススキル・マナーなど、仕事に必要な知識を学べます。また企業が属する業種・業界の基礎知識も、まずは新人研修で知ることが多いでしょう。新人研修で得る知識は、社員が今後働くうえで基礎となる内容が盛り込まれています。
コミュニケーションの活性化
新人研修は、参加者のコミュニケーションの場としての役割ももっています。研修内容には、グループワークやワークショップ、ロールプレイなどを積極的に取り入れましょう。最初の研修で部署を超えた交流が生まれれば、その後の業務でも連携が取りやすいというメリットもあります。
人材の意識改革
新卒で採用された新入社員なら、新人研修によって社会人としての心構えを習得できます。また、中途採用の社員も含めて、新人研修を行うからこそ、早い段階で企業理念やビジョンを参加者に浸透させられるでしょう。意識改革がきちんとできていると、参加者のモチベーションや意欲を高められます。
意味ないからと新人研修をしないリスク
「意味ないから」という理由で新人研修をしない選択には、人材流出などのリスクが想定されます。スキルアップやキャリアアップへの意欲が高い人材は、新人研修がないことによって、「社内の教育体制の整備不足である」ととらえる傾向にあります。その後も改善がなければ離職に向けて動きだしてしまうでしょう。近年では人材獲得の競争率が高いため、新人研修をしっかりと行い、離職を防止することが重要です。
新人研修が意味ないといわれる原因
重要な役割を担う新人研修は、なぜ「意味ない」といわれることがあるのでしょうか。ここでは新人研修が意味ないといわれる原因を解説します。
新人研修の目的が理解されていない
新人研修の目的が参加者に理解されていないと、効果が薄いものになってしまいます。結果として新人研修が功を奏さず、社員の意欲低下や離職を招いてしまう可能性もあるでしょう。
こうした事態を防ぐためには、研修の告知時や開始時に、しっかりと目的を共有することが肝要です。新人研修を受けることのメリットが分かれば、参加者の意欲が上がり効果が高まることが期待できます。
新人研修の目標設定が適切でない
新人研修は、目標設定が適切でないまま実施しても効果は薄いのが難点です。適切なレベルの目的を設定し、参加者全体で共有することで効果が出るでしょう。内容のレベルが低すぎても、高すぎても、研修が意味のないものになってしまいます。参加者のスキルや知識、理解度を把握したうえで研修を設計することが大切です。
学びをアウトプットする場がない
新人研修で学んだ内容を、後からアウトプットする場がないケースもよくみられます。特に座学による研修では、実践する場面がないことも少なくないでしょう。アウトプットする場がないと、参加者が新人研修の意義を感じにくくなってしまいます。早めに実務でも生かせるような内容を取り入れるとよいでしょう。
意味ない新人研修のパターン
意味ない新人研修は大きく2つにパターン分けできます。ここでは、意味ない新人研修のパターンを具体的に解説します。
一方的に講師が教える研修
新人研修のなかには、一方的に講師が教える形式のものが一定数あります。こうした方式は、特に集合研修で参加人数が多い場合によく見られます。しかし、聞いているだけの座学では、内容が身につきにくいというデメリットがあります。参加者が研修の内容を印象づけられるよう、ディスカッションを行うなどの工夫が必要です。
現場を想定していない研修
現場での実践を想定していない研修は、効果が悪く、意味ないと思われがちです。そもそも研修は、実施することそのものではなく、最終的に現場で役立てることが目的と考えられます。業務に活用できる内容の新人研修にすることが重要です。
意味ある新人研修にするポイント
新人研修を意味のあるものにするには、以下のようなポイントがあります。
新人研修の効果を定義づけしておく
新人研修の実施にあたっては、研修の効果を定義づけておくことが必要です。目的や目標をはっきりさせたうえで、達成のための研修を設計しましょう。研修の設計をするには、研修を受けた後の参加者があるべき状態をイメージするのがおすすめです。何ができるようになるべきか、何を理解しているべきなのかを洗い出しておきましょう。
実際の業務との整合性を図る
研修内容は実際の業務で活用できるものにしましょう。研修で知った内容が業務に役立てられれば、研修が意味あるものと認識されます。反対に、実務との整合性がない新人研修は、現場の士気を下げてしまう原因となるでしょう。研修内容を検討する際には、現場にヒアリングし必要な内容を知ることが大切です。
研修目的を参加者に共有する
研修では参加者に対して、あらかじめ身につけてほしいスキルや知識を伝えることをおすすめします。目的が明確化されることで、参加者の集中力や意欲を高められるためです。研修によって何を身につければ実務に役立つかを知っておくと、参加者がポイントを押さえやすく、意識的に研修に取り組めるでしょう。
能動的に学べる研修にする
研修の形式を工夫することも必要です。グループディスカッションやワークショップなど、能動的に参加できる内容を取り入れることで、意味のある新人研修にすることができます。対して、座学は聞いているだけで参加者の集中力が切れやすいため、座学だけに偏らない構成にするとよいでしょう。
研修後にフォローを実施する
研修の効果を高めるには、実施後のフォローが重要です。学んだ内容を振り返る機会をつくったり、継続的な学習やスキルアップをサポートしたりすることが求められます。具体的には、研修内容をどう生かしたかについての報告会や、フォローアップ研修、先輩や上司によるフィードバックの機会などを設けるのがおすすめです。
意味ない研修を避ける育成方法
新人研修を意味ないものにしないためには、効果的な育成方法を選ぶことが大切です。効果の高い新人研修の方法には以下のようなものがあります。
OJT・Off-JT
OJTは、現場で業務を実践しながら学ぶ方法です。対して、Off-JTは研修やセミナーなど現場以外で、体系的に知識を学ぶ方法となります。人材教育では、OJT・Off-JTを組み合わせて実施することが大切です。新人は双方がそろっていることで、現場で欠かせない知識も、実際に動くための技術も、バランスよく身につけられます。
個人研修・集合研修
個人研修とは、eラーニングやオンライン研修を利用した1人での学習です。集合研修とは、複数人が集まり対面形式で実施される研修のことを指します。新人研修では、学習内容に応じて個人研修と集合研修を使い分けましょう。個人研修で基礎知識などを身につけてもらえば、集合研修ではグループワークやディスカッションに時間を使えます。
社内研修・社外研修
社内研修は、自社人材が講師を務める研修です。一方、社外研修は専門の外部機関に委託する研修となります。これもまた内容によって使い分ける必要があります。たとえば、自社理解は社内研修、専門的な内容は社外研修などに分けるのがおすすめです。社外研修では、パソコンスキル、ビジネスマナー、営業力、業務効率化などが専門的に学べます。
新人研修を実施する際の注意点
ここまでで紹介したように、研修や人材教育にはさまざまな種類があります。特定の種類が効果が大きいわけではありません。効果的な人材教育のため、複数の研修方法を組み合わせましょう。なお、新人研修では参加人数の調整も重要です。参加人数が多すぎる場合、少人数ずつに分けることも選択肢の1つといえます。
まとめ
新人研修は決して、意味ないものではありません。ただし確実に意味のあるものにするには、研修の在り方や内容を工夫し、複数の方法を効果的に組み合わせることが大切です。また自社の研修の目的をはっきりとさせ、目的に即した研修内容を選ぶことも欠かせません。
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