営業の新人研修のやり方は?研修方法や身につけさせたい基礎的なスキルを解説
新入社員を最初に営業に配属するという企業も多いでしょう。顧客と直に接して売上を支える営業職は、企業にとって欠かせない存在です。この記事では、新入社員を営業として戦力に育てる方法について解説します。教育手法、目標設定の仕方、新人営業に求められるスキルなどについて解説するため、ぜひ参考にしてください。
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営業の新人研修での教育手法
営業の新人研修については、さまざまな教育手法があります。以下で具体的に解説します。
自社の商品・サービスのインプット
自社の商品やサービスについて理解していなければ、現場で活躍できません。そのため、まずは自分がこれから売る商品やサービスについて、知識を深める必要があります。先輩や上司が教えたり、本人が営業資料やパンフレットなどを閲覧したりし、知識を得ることが大切です。実際に自身が商品やサービスを利用してみると理解が早まるでしょう。
また、製造工場がある場合、工場見学を実施すると自社の商材がつくられる工程を把握できます。その結果、より詳しく自社の商品やサービスについて理解できます。
OJT研修
OJTとは、現場の実務を通して先輩や上司から指導・教育を受け、実践的なスキルを身につける方法です。以下の流れでOJTを進めると、高い効果を期待できます。
・先輩や上司が業務の手本を見せる
・ポイントを説明する
・実際に業務をやらせる
・反省点・改善点などのフィードバックを行う
OJTには、新人と先輩、上司のコミュニケーションを活性化できるというメリットもあります。
商談同行
商談同行とは、ベテランの商談に新人を同行させ、実際の雰囲気や交渉の進め方を学ばせる方法です。OJT研修の1つに該当します。新人にメモを取らせたり、議事録を書かせたりすると、より深い学びにつながります。オンラインによる商談の場合、リアルタイムで新人を参加させるだけでなく、録画した商談の映像を見せて学ばせることも可能です。なお、商談同行は、事前準備によって結果が左右されます。新人に事前準備をしてもらうことで重要さを伝えやすくなります。
ロールプレイング
ロールプレイングとは、先輩や上司が顧客役となり、新人に営業活動を実演させる方法です。実際の場面を想定して練習できるため、新人営業は状況に応じた商談の進め方や言葉遣いなどを学べます。ロールプレイングを終えたら、反省点や改善点についてフィードバックしましょう。
eラーニング
eラーニングとは、スマートフォンやパソコンなどを使って自分のペースで学習する方法です。新人営業にとって特に効果的な学習ツールだといえます。たとえば、業界知識、営業スキル、ビジネスマナー、パソコンスキルなど、幅広い知識を身につけることが可能です。加えて、学習管理システムも導入すると、新人営業の学習の進捗具合や身につけた内容について把握できます。
営業の新人研修で取り入れたい内容
営業の新人研修においては、ベネフィットを取り入れる必要があります。顧客が求めているものは商品やサービスそのものではなく、商品やサービスによって得られるベネフィットだからです。新人研修では、そのことを理解させることが大切です。
また、営業の「4つの不」についても伝えましょう。「4つの不」とは、不信、不要、不適、不急を表しています。商談を成功させるには、「4つの不」を解除することが大切です。さらに、ソーシャルスタイル理論も重要です。相手のタイプに合わせて、コミュニケーションの方法を調整するよう指導しましょう。
新人営業の目標設定の仕方
新人営業の目標設定は、どのように行えばよいのでしょうか。具体的な方法について解説します。
達成可能な目標を立てる
目標を設定すると、何を目指して何に取り組めばよいか明確になります。その結果、仕事に対するモチベーションを高めることが可能です。ただし、目標が高すぎると精神的な負担が増し、反対に目標が低すぎれば達成しても満足感を得にくくなります。そのため、新人営業の能力や環境に合わせ、現実的に達成可能な目標を立てましょう。
目標達成のためのKPIを設定する
KPIとは、定量的な目標をもとに、業務の進捗や成果を評価するための指標です。定量的な目標とは、数字で表せる目標を意味しています。具体的には、アポ数や訪問社数などです。目標を達成するためにKPIを設定すると、行動や成果を客観的に評価できます。その結果、改善点や課題の発見もしやすくなります。
定性的な目標も設定する
定量的な目標だけでなく、定性的な目標も設定しましょう。定性的な目標とは、数値化が難しい目標のことです。たとえば、顧客満足度、信頼度、自分のスキルの向上度などが該当します。顧客や自分自身の感情に着目する定性的な目標を立てると、営業活動の質をさらに高められます。
長期目標・短期目標の順で設定する
長期目標を立ててから短期目標を立てると、その期間内に自分が何をすべきか明らかにできます。短期目標とは、1日~1週間程度の期間で達成を目指す目標です。たとえば、1日の訪問件数や今週の提案件数などの目標を設定します。一方、長期目標は、年単位で達成を目指す目標です。具体的には、今期の売上や契約数などの目標が該当します。
新人営業に身につけさせたい基礎的なスキル
営業には、さまざまなスキルが必要です。ここでは、新人営業が身につける必要がある基礎的なスキルについて解説します。
営業の役割
営業はノルマに追われている、というネガティブなイメージをもつ新人営業も多いようです。しかし、営業には、顧客の課題やニーズに合わせて自社の商品・サービスを適切に提案したり、顧客と信頼関係を築いたりする重要な役割があります。最初に営業の役割を伝えると新人営業のモチベーションを高められ、営業力の強化につながります。
営業プロセスの全体像
営業プロセスを理解すると、営業としての役割や目標を把握しやすくなります。商談は「アイスブレイク」「ヒアリング」「提案」「クロージング」の4ステップが基本です。また、リードの獲得、アポ、提案、契約締結、アフターフォローといった一連の営業プロセスも知っておく必要があります。
事前準備の習慣
営業活動における商談では、事前準備が成功の鍵になります。顧客に対して事前に行ったヒアリングの内容をもとにし、ニーズを分析しましょう。ヒアリングシートや提案資料を準備するだけでなく、商談場所までの交通手段なども事前に確認する習慣をつけることが大切です。
コミュニケーション能力
営業は、相手の要望をよく聞いて理解する姿勢が求められます。また、顧客に対してよりよい商品やサービスを提供するには、社内での関係構築も重要です。さまざまな立場の相手とスムーズにやり取りして、良好な関係を築けるスキルを身につけられるようにしましょう。
ヒアリング力
ヒアリング力は、顧客の課題を明らかにし、ニーズに合う提案を行うために重要です。顧客とやり取りする際は、BANT情報やSPIN話法を意識しましょう。BANT情報とは、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(必要性)」「Timeframe(導入時期)」の頭文字をとったものです。受注を獲得するためにBANT情報を把握する必要があります。
また、SPIN話法は、「Situation Questions(状況質問)」「Problem Questions(問題質問)」「Implication Questions(示唆質問)」「Need-Payoff Questions(解決質問)」の頭文字をとったものです。SPINの順で質問すると、顧客の心を動かしやすくなります。
提案力
提案力とは、自社の商品、サービスが顧客の課題を解決するために役立つと説明する力です。自社の商品やサービスの魅力を伝え、導入によりどのようなメリットがあるか説明できるとよいでしょう。新人営業を先輩や上司の商談に同行させると、実践的なトークスキルを学ばせられます。
クロージング力
クロージング力とは、商談をまとめる力です。顧客の決断を促すためのクロージング力は、営業テクニックの1つとして重要です。商談をまとめるには、顧客の懸念点を事前に想定しておき、複数の解決策を提示できるようにしておくとよいでしょう。
スケジュールやタスクの管理能力
営業は自分自身でタスクやスケジュールを管理しなければ仕事が滞り、顧客や社内の従業員に迷惑をかける恐れがあります。そのような事態を避けるには、スケジュールやタスクの管理能力が重要です。「今日中に資料作成を終わらせる」といった細かいタスクの設定から始め、マルチタスクに対応できるよう指導しましょう。
さまざまなツールの活用
営業にとって、SFA、MA、CRMなどのシステムは欠かせません。たとえば、SFAで集積されたデータを分析する力も必要です。また、オンラインによる商談のニーズが増しており、ZoomやGoogle meetなどのツールの使い方も、正しく理解しておく必要があります。早い段階からシステムやツールの使い方を身につけると、営業活動を効率化しやすくなります。
営業の新人研修開催における注意点
営業の新人研修を実施するうえでは、最初からハードルを上げすぎないことが大切です。新人営業が過度なプレッシャーを感じないように配慮しましょう。また、研修の目的を明確にしましょう。座学だけでなく実践の時間も大切にすると、戦力として活躍できる営業をスムーズに増やせます。
まとめ
営業はさまざまなスキルを身につける必要があり、新人研修は重要です。さまざまな教育手法があるため、自社の状況や目標に応じて最適な研修を実施しましょう。
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