新人研修で役立つグループワークのネタとは?テーマ5種類別のネタ例と実行のコツを解説
グループワークは、多くの企業で新人研修として取り入れられています。少人数でグループをつくり、与えられた課題に対して解決策を考える取り組みです。グループワークを実施する際のネタにはさまざまな種類があるので、目的に合わせて適切なネタを取り入れましょう。
この記事では、新人研修のグループワークで活用できるネタを種類別にご紹介します。新人研修でグループワークを成功させるコツも解説するので、ぜひ参考にしてください。
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新人研修のグループワークではネタ選びが重要
新人研修でグループワークを取り入れる際には、ネタ選びが重要です。適切なネタを提供できなければ、思ったような効果が得られません。ここでは、グループワークで取り入れるネタが重要な理由について解説します。
グループメンバーとの関係構築のきっかけになる
グループワークでは、ネタに合わせて課題をクリアしていき、同じチームになったメンバーとの関係構築を目指します。グループメンバーと協力してタスクをこなしていくなかで、ビジネスでは欠かせないコミュニケーション力や協調性などのスキルを鍛えます。
あまり難しいネタや進めにくいネタを選んでしまうと、コミュニケーションが上手くとれない場合もあるため、慎重にネタを選ぶ必要があります。
さまざまな目的に合わせて実施できる
グループワークで実践されているネタには、いくつかの種類があります。グループワークで達成したい目的に合わせて設定するとよいでしょう。
新人研修で身につけてほしい知識やスキルを明確にし、企業としての目標を定めておくことが重要です。目的に応じたネタの種類については、次項以降で解説します。
新人研修で使えるグループワークのネタは5種類
グループワークで取り入れられるネタには、大きく分けて5種類があります。研修対象の特性や新人研修の目的に合わせて選びましょう。
1.プレゼンテーション型
1つの課題を与え、グループ内で意見交換をして出た結論を、最終的に全体で発表するというネタの種類です。他グループに向けて結論を発表するためには、資料作成や説得力が必要になるため、グループ内で積極的に意見交換しなければなりません。
そのため、プレゼンテーション型のネタは、それぞれの自主性を引き出すのに効果的です。人の意見を聞くスキルや、結論を導き出すためのロジカルシンキングなども身につくでしょう。
2.ビジネス型
ビジネス型は、プレゼンテーション型でも行う課題に対する意見交換を、よりビジネスに近い形にするためのネタです。実際の業務を想定した課題を与え、意見交換しながら結論を出していきます。
業務未経験の新人研修では、課題の前提条件や環境なども伝える必要があります。ビジネス型のネタを取り入れれば実践的な話し合いができるため、ビジネスで生かせる発想力や判断力を身につけるのに役立つでしょう。
3.ディベート型
意見が分かれると想定される課題を用意し、グループ内でのディスカッションにつなげるネタです。メンバーは、実際の自分の意見ではなく、用意された2つの意見に自動的に割り振られ、その意見を持っている人物の立場になってディスカッションに挑みます。
ビジネスシーンでも意見が分かれるケースはあるため、対処法が身につけるのに効果的です。自動的に意見ごとに割り振られるため、多角的に考える力も鍛えられます。
4.共同作業型
グループごとに協力して、成果物を生み出すネタです。成果物には有形無形は問わないので、ビジネスに関わるネタや全く関係のないネタなどさまざまな内容で実践できます。
よりよい成果物を生み出すためには、メンバー同士の協力や良い意見に絞り込むなどの取捨選択が必要です。リーダーシップを発揮する人や作業を進める人など、役割分担も自然と身につくでしょう。
5.ゲーム型
ゲーム型のネタでは、堅苦しくない雰囲気で実践できるよう遊びの要素を取り入れられます。ゲーム形式で楽しみながら進めていくため、リラックスした状態でコミュニケーション能力を鍛えたい場合に効果的です。
新人研修は座学などで堅苦しい雰囲気になりがちですが、グループワークでゲーム型のネタを取り入れれば、新人の緊張も和らぎます。
新人研修に取り入れたいグループワークのネタ例【プレゼンテーション型】
ここからは、グループワークでおすすめのプレゼンテーション型のネタを3つご紹介します。
1.自由討論
自由討論のネタは、自由に意見を出せるテーマで、グループごとに自由に討論できるテーマです。色々な解釈ができるテーマを出すため、時間内にまとめる力が身につきます。自由討論のネタには、以下のような例があります。
・自社の業界は10年後にどう変化している?
・新人が優先して身につけるべきスキルは何か
・宇宙に行く際に役立つものとは?
2.問題定義
1つの問題を定義し、解決策を考えてもらうネタです。ビジネスだけでなく、日常生活に関係する問題を挙げると意見交換しやすくなるでしょう。問題定義のネタには、以下のような例があります。
・少子高齢化による人材不足の対策は?
・家族に禁煙してもらうための方法は?
3.選択式
賛成意見と反対意見など、2つに分かれるテーマを与え、意見を選択して討論につなげるネタです。どちらの意見もあり得るようなネタであれば、意見交換が頻繁になり、新しい視点での考え方や学びが生まれます。選択式のネタ例は、以下の通りです。
・家族と仕事のどちらを優先すべきか
・次に日本でオリンピックが開催されるならどこが最適か
・(2つの人材像を提示したうえで)どっちの人材を採用するか
新人研修に取り入れたいグループワークのネタ例【ビジネス型】
ここからは、グループワークでおすすめのビジネス型のネタを2つご紹介します。
1.新規企画や事業の立案
新たな企画や事業を始める場合の意見を出し合うためのネタです。成果につなげる新しい発想力を育成するのに役立ちます。売上目標や事前調査の内容など、事前情報を提示したうえで取り組むとよいでしょう。たとえば、以下のネタがあります。
・これから新事業を始めるならどのような事業を始めるか
・今の時代にどんな企画を展開するとよ いか
2.既存事業や業務に関する課題解決
自社の既存事業や業務の課題に関するネタを提供するケースも多くあります。実践的な意見交換ができるため、配属後の業務に役立ちます。商品やサービスの売り上げデータや顧客情報など、実際のデータを共有するとよいでしょう。たとえば、以下のネタがあります。
・若年層の顧客を増やす方法は?
・海外に売り出すならどの国が最適か?
新人研修に取り入れたいグループワークのネタ例【ディベート型】
ディベート型のネタは、プレゼンテーション型の選択式と似ており、チーム内で意見ごとに分かれてディスカッションできるネタを提供します。たとえば、以下のネタがあります。
・リモートワークは積極的に取り入れるべき?
・AさんとBさん(人物像を仮設定)ならどちらをリーダーにすべき?
・パートナーと友人から同時に夕食に誘われたらどちらを優先する?
新人研修に取り入れたいグループワークのネタ例【共同作業型】
ここからは、グループワークでおすすめの共同作業型のネタを2つご紹介します。
1.ビジネスをテーマにしたネタ
ビジネスシーンで起こり得るネタを提供し、取り組んでもらうパターンです。今後の業務で生かせる意見や作業スキル、役割分担が学べます。ネタの例は以下の通りです。
・自社商品の宣伝チラシを作成する
・自社サービスの30秒CMを制作する
・若者に響くキャッチコピーを考える
2.業務に関係ないネタ
一方、ビジネスには関係ない成果物を生み出すネタで、楽しみながら取り組んでもらうパターンもあります。コミュニケーション力や団結力を鍛えたり、他のグループとの競争心も鍛えられるほか、アイスブレイクとしても役立つでしょう。ネタの例は以下の通りです。
・マシュマロチャレンジ(マシュマロと乾燥パスタを組み立てて高さを競う)
・ペーパータワーの作成(画用紙のみでタワーをつくり高さを競う)
新人研修に取り入れたいグループワークのネタ例【ゲーム型】
ゲーム型では、和やかな雰囲気で楽しみながら取り組めるネタが多く、ビジネスとは関係ないものがほとんどです。リラックスを目的としているものの、チームワークが必要なネタを選択すれば、協調性やコミュニケーション力を育む機会にもなります。ネタ例は以下の通りです。
・お題に合ったレゴを作成するレゴブロック
・チーム対抗のチャンバラ
新人研修のグループワークを成功させるコツ
グループワークを成功させるには、提供するネタだけでなく、人事や管理側の準備やサポートが必要不可欠です。ここからは、グループワークを成功させるコツについて、詳しく解説します。
グループワークの目的・目標を明確にする
人事や研修の管理側は、新人研修でグループワークを取り入れる目的や目標を明確にしておかなければなりません。また、研修の対象者たちにも理解してもらうことも大事です。目的や目標を把握したうえで、豊富にあるネタのなかから的確なものを選ぶ必要があります。
事前準備を怠らない
グループワークをスムーズに実施するには、サポートメンバーの選出や新人同士の相性を考えたグループ分け、使用する道具や資料の準備など、事前準備が欠かせません。グループワークの実施までに十分な準備ができていないと、進行に支障をきたしてしまいます。
また、ネタによって必要な準備が異なるため、ネタを選ぶ際には必要な準備もあわせてチェックしておきましょう。
参加しやすい環境をつくる
グループワークでは、メンバー全員の参加が大事です。なかなか発言できなかったり、1人が特出して意見を出したりする状況は望ましくありません。グループ分けの際に個人の性格や相性を考えながら、偏らないように注意しましょう。
グループ分けでは、1グループ4~5人までが一般的です。意見交換しやすくなるよう、ホワイトボードやカラーペンなどの小道具の準備も欠かせません。
スムーズな進行をサポートする
グループワークは時間が限られているなかで意見を出し合い、成果につなげる必要があるため、無駄な時間が発生しないように注意が必要です。適宜、話し合いが活性化するようなアドバイスをするなど、管理者が積極的にサポートしましょう。意見交換、意見をまとめる作業、成果物の作成など、タスクごとにあらかじめ時間を設けておくのも有効です。
フィードバックも大事にする
グループワークでの取り組みについて、評価やフィードバックする機会も重要です。グループワーク中に、進行の仕方や時間の使い方、意見そのもの、成果物の出来についてなどを評価、フィードバックする時間も設けましょう。
管理者が1人しかいないと手が回らない可能性があるので、グループ数に応じて人員を確保しておくのも大事です。
まとめ
新人研修のグループワークでは、目的に合わせてネタを工夫する必要があります。新人が積極的に取り組める魅力のあるネタや、新人の力を引き出す効果的なネタを選び、有意義な時間を作り出しましょう。
また、自社内だけの取り組みでは効果を感じられないという場合は、外部のコンサルティングを活用するのもおすすめです。
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