新人教育に大切なことは?目的や上手な人の特徴、失敗しないためのコツなどを解説
新人教育を実施する際は、新人教育の必要性や目的を理解することが大切です。なぜなら、必要性や目的がわかっていれば、逆算して最適な行動を取りやすくなり、教育の質が向上するからです。
この記事では、人事・研修担当者を対象に、効果的な新人教育の実施方法を解説します。新人教育を成功させるためのポイントや、新人教育をする際の注意点なども解説するので、参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.新人教育の目的とは
- 2.新人が抱えやすい悩み
- 3.新人の教育係が抱える悩み
- 4.新人教育のメリット
- 5.新人教育のデメリット
- 6.新人教育に使える3つの手法
- 7.新人教育を成功させるためのポイント
- 8.新人教育をする際の注意点
- 9.新人教育が上手な人の特徴とは
- 10.まとめ
新人教育の目的とは
新人教育の目的は、業務・役割に必要とされるスキルや知識を習得してもらうことです。また、新人教育に伴い、組織の文化・価値観などを理解してもらうことも大切です。
組織に属する人間として組織の使命・目標に共感し、自身の役割を果たすための心を養う目的もあります。そして、新人教育は企業全体の戦力を底上げにつながり、組織の持続的な成長に貢献します。
新人教育が重要な理由
新人教育が重要な理由として挙げられるのが、会社への定着率に影響することです。新入社員が企業への愛着や責任感を持つには、業務への自信を持って成長することが欠かせません。
新入社員は、新人教育によって働き方の方針を理解したり、組織における自身の役割を学んだりします。このように、新人教育は企業への貢献を促進する重要な手段であり、会社への定着率向上にもつながります。
新人が抱えやすい悩み
新人が悩みを抱える状況は少なくありません。ここからは、よくある悩みやそれぞれの詳細を解説します。
人間関係やコミュニケーションに不安がある
コロナ禍に学生生活を過ごした人材は、対面でコミュニケーションを取る機会が多くありませんでした。そのため、人間関係の構築を不安に感じやすい人が多い傾向にあります。
しかし、一概にコミュニケーションが苦手だろうと決めつけるのは避けましょう。個人それぞれの考え方や性格を尊重し、適切な対応を取ることが大切です。
業務を上手くこなせない
テクニカルスキルは業務の効率・質に直結する能力です。しかし、経験や技術が不足しがちな新人には、悩みの原因となりやすい傾向にあります。
改善するためには、業務の目的や理解を促すことが大切です。そのため、業務の全体像を説明しましょう。
また、ミスをしたとしても怒らずに、学びやすい環境を提供しましょう。仕事に対する姿勢が定まれば、質の高い業務の遂行が期待できます。
新人の教育係が抱える悩み
新人教育は、受ける側だけではなく実施する側も悩みがちです。以下は、教育係が抱えやすい悩みの詳細です。
時間の余裕がない
新入社員を教育するには、時間と手間がかかります。しかし、教育担当者も自身の業務に追われている場合があり、新人教育との両立が難しいことも少なくありません。
新人教育も適切に時間を確保して取り組むべき業務であると捉えて、全体の業務量を調整できることが理想です。
人材育成のノウハウがない
教育係の技術やスキルが不足している場合、適切な指導方法がわからない場合があります。指導方法が不適切だと、新入社員の理解が得られず、業務遂行にも悪影響を及ぼしかねません。そのため、新人教育を担当する者に対しても、教育・指導することが大切です。
コミュニケーションを上手く取れない
教育係と新入社員の相性が悪いと、コミュニケーションを円滑に取れない可能性があります。上手く意思疎通ができない状態では、適切な指導は難しくなる他、教育の効果自体が発揮されにくいです。
単純に業務に関することを教えるだけではなく、コミュニケーションの方法を学ぶ機会を設けて対策しましょう。
新人教育のメリット
新人教育にはさまざまなメリットがあります。代表的なメリットとそれぞれの詳細は下記の通りです。
新入社員の早期離職を防ぐ
適切な教育を受けた新入社員は、業務に対して自信ややりがいを感じられます。成長に伴うモチベーションの高まりは、早期退職を防ぐ効果が期待できます。
早期退職率の低下は企業にとって大きなメリットです。具体的なメリットとして、採用コストの削減につながったり、教育にかける時間を減らせたりするなどが挙げられます。
生産性の向上につながる
新人教育が適切に行えると、生産性の向上につながります。なぜなら、新入社員が業務に必要なスキルや知識を習得して、1人で業務をこなせるようになるからです。
教育担当者が教育に割く時間が減って自身の業務に集中できるようになれば、生産性はさらに向上します。新人の教育を通じて業務全体の効率化が目指せたり、社内の生産性や業績も向上できたりします。
新人のモチベーション向上につながる
新人教育によっては、新入社員のモチベーションを高めることも可能です。具体的には、先輩や上司が新人をサポートしつつ、成功体験を積み重ねさせることで、モチベーション向上を実現できます。
また、問題が発生したり、わからない部分があったりしたら、適切なフォローやフィードバックを行いましょう。会社への帰属意識が高まり、モチベーションの低下を防げます。
新人教育のデメリット
新人教育にはデメリットもあります。以下は、具体的なデメリットとそれぞれの詳細です。
担当者によって研修内容の質が異なる
社内で講師や研修担当者を用意すると、教育の質に差が生じやすいです。教育や指導を専門としている訳ではないため、個人の力量に左右されてしまいます。
また、大規模な研修でも同様の問題が起こりやすいです。複数の講師やカリキュラムの質を統一することが難しいためです。
人的リソースが必要になる
社内で新人教育を行う際は、担当者は通常の業務と並行して教育を進めます。しかし、通常の業務が忙しいと、教育に充てる時間の確保は困難になりがちです。
新人教育を適切に行うには、人的リソースの確保が課題となります。そのため、新人教育を外部委託することで解決を目指す企業も少なくありません。
新人教育に使える3つの手法
新人教育で使える代表的な手法を3つ解説します。それぞれの手法の詳細は以下の通りです。
OJT (On-the-Job Training)
OJT、正式名称On-the-Job Trainingは、仕事の現場で直接実施される教育手法です。新人は、実際の業務を通して学ぶことができます。
基本的には先輩・上司が新人に業務を指導して、実践的なスキルや知識を伝えます。実践的な経験を積めると、仕事に慣れやすく覚えも早くなりやすいです。また、現場での状況判断や、問題に対処する能力を高めるのにも有効です。
OFF-JT (Off-the-Job Training)
OFF-JT(Off-the-Job Training)では、通常の現場から離れて教育が行われます。一度業務から離れることで、組織の文化や価値観、基本的な業務スキルなどを集中的に学ぶことが可能です。
主に、クラスルームやグループディスカッションなどの形式が採られています。セミナーやワークショップなどもOFF-JTに該当します。
eラーニング
電子的な手段を用いて行われる教育手法が、eラーニングです。オンラインで学習可能な点が主な特徴です。
Webサイトや学習管理システムなどを用いて、動画やテキストといった媒体で学習をします。自分のペースで学習できる他、時間・場所などの制約を受けず柔軟に利用可能です。そのため、時間を取りづらい社会人やリモートワーカーに適した教育手法として活用されています。
新人教育を成功させるためのポイント
新人教育を成功させるためのポイントはいくつかあります。以下は、具体的なポイントとそれぞれの詳細です。
教育目的・理由を明確にする
新人教育の目的・理由を明確にすることで、効率的な教育を実現しやすくなります。なぜなら、目的や意義がわかれば、逆算して最適な行動を取りやすいからです。
また、教育の内容や進捗を把握し、社内で共有するのもおすすめです。複数人で教育する際に、同じ内容を教え直したり、都度確認する手間を省いたりすることでリソースの浪費を防げます。
雰囲気・仕組みづくりに努める
新人が質問や相談しやすい雰囲気・仕組みをつくって、積極的な学習を促しましょう。疑問点をすぐに解消できる環境は、成長の速度にも影響します。
また、メンターや先輩によるサポートを実施したり、評価制度を改善したりすることも、新人の成長支援につながります。
自分で考えさせる機会も設ける
教えるだけではなく、新人自身で考えてもらうことも大切です。受け身な姿勢からの脱却は、自己解決能力や独立性を向上が期待できます。
また、失敗しても大丈夫と思えるような環境を用意できると効果的です。失敗を恐れずに挑戦させることで、成長の機会を多く得られます。
的確なフィードバックを行う
教育過程におけるフィードバックが的確だと、成長の方向性を適切に調整したり、継続的な改善に貢献したりできます。
また、的確なフィードバックを実施するには、具体的な数値や目標の設定も重要です。KGIやKPIを設定して目標達成を可視化し、モチベーションの維持を促しましょう。
新入社員ごとに適した教育をする
新入社員それぞれに適した教育をすることも、新人教育を成功させるためのポイントです。個々の能力や経験には差異があります。
そのため、教育内容も一律ではなく、それぞれの適正に合わせた内容にしましょう。たとえば、部署単位での研修を通じて、実践的なスキルや知識を効果的に身につけさせるなどです。
新人教育をする際の注意点
新人教育をする際は、いくつか注意するべき点もあります。ここからは、具体的な注意点とそれぞれの詳細を解説します。
一方的に教えない
新人教育では、ただ一方的に情報を伝えないように注意しましょう。新人に積極的に関与してもらい、自らの考えや疑問を発信できる環境をつくれると理想的です。
そして、質問や回答を通じて新人自らの思考を促し、効率的な学習を促しましょう。自身の成長に対する責任感を持てるためです。
感情的に接しない
新人が失敗したり理解できない場面に遭遇したりしても、感情的に接することは避けましょう。怒りやイライラといった感情を察知されると、不安や緊張感が高まってしまうからです。
不安や緊張感を抱えたままでは、学習意欲が低下したり、理解にかかる時間が増えたりする可能性があります。
理解できないことを新人の責任にしない
理解できないことを新人の責任にしないことも、新人教育する際の注意点の1つです。ミスをしたり理解に時間がかかっていたりする場合に、新人を責めてしまうと逆効果になりかねません。
まずは、教育方法やコミュニケーション方法の改善を検討し、より効果的な新人教育を目指しましょう。
新人教育が上手な人の特徴とは
新人教育が上手な人には特徴があります。具体的な特徴と詳細は下記の通りです。
自ら積極的に動いて教える人
効果的な新人教育を実施できる人の特徴として、自ら積極的に動いて教えることが挙げられます。自ら率先して教育に関わり、新人とも綿密なコミュニケーションを取ります。
指導やアドバイスをして改善を促したり、新人が成長するための機会を設けたりすることも特徴です。
新人が覚えようと思える環境をつく[2] れる人
新人の学習意欲を高められる環境をつくれることも、新人教育が上手な人の特徴の1つです。新人が自信を持ち、積極的に業務に取り組めるようにサポートをします。
また、失敗を恐れずチャレンジできる雰囲気をつくって、新人が成長の機会を迎えやすいようにします。
教えるだけでなく、実際にやってみせる人
新人教育が上手な人の特徴として挙げられるのが、単純に説明するだけではなく、実際の業務やタスクを実演して説明することです。
理論だけでなく実践を通じて教えることで、直感的な理解を促して効率的な学習をさせてくれます。
まとめ
新人の離職を防ぎ、企業にとって有用な戦力にするためには、モチベーションを引き出して向上させたり、低下しないように維持したりすることが大切です。
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