マネージャーとは?リーダーとの違いや求められる能力、仕事内容などを解説
企業にとってマネージャーを配置することは、経営資源を効率的に活用するうえで重要です。また、マネジメント能力は管理職や経営者にとって不可欠なスキルでもあります。この記事では、マネージャーについて詳しく解説します。マネージャーとリーダーとの違いや求められる能力、仕事内容まで徹底解説するため、参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.マネジャーとは
- 2.マネジャーとリーダーの違い
- 3.企業においてマネジャーが必要な理由
- 4.マネジャーの種類
- 5.マネジャーの役割や仕事内容
- 6.マネジャーに求められるスキルや能力
- 7.まとめ
マネジャーとは
マネジャーとは、組織内でさまざまな業務を管理・運営する責任者のことです。会社や組織の運営・管理に関わる役割がありますが、マネジャーという役職に明確な定義はありません。
業種や組織によって責任の範囲や役割が異なるケースもありますが、一般的には計画立案や実行、チームの指導や育成、プロジェクトの進行管理などが含まれます。
マネジメントとは
マネジメントとは、もともと「管理」や「経営」といった意味です。ビジネスにおいては、人材や資産、情報、財務などの経営資源を効率的に活用しながら組織を適切に運営していき、目標達成に取り組むことを指します。
なお、アメリカの経営学者ドラッガーは、マネジメントを「組織に成果を上げさせるための機能」と定義しています。
マネジャーとリーダーの違い
マネジャーとリーダーを混同している人もいるでしょう。マネジャーは、組織内のメンバーが最大限の成果を上げられるように、適切な役割分担をしたり成長をサポートしたりする役割があり、管理職などがこれに該当します。
一方、リーダーとは、組織やチームの先頭に立って指揮し、方向性を指し示す役割のことを指します。
企業においてマネジャーが必要な理由
企業では、優れた人材がそろっているだけでは成果を上げることは難しいです。目標や方向性などがバラバラでは、能力が上手く発揮できず成果も出にくくなります。そのため、組織全体を俯瞰できるマネジャーが必要です。メンバーの能力に合った業務分担をして、各人のスキルを最大限に活用するためには組織全体を見渡せるリーダーシップが求められます。
マネジャーの種類
マネジャーにはいくつかの種類があります。ここでは、マネジャーの種類について詳しく解説します。
ゼネラルマネジャー
ゼネラルマネジャーは、マネジャーのなかでも一般的に上位に位置する役職です。日本企業でいうと、ゼネラルマネジャーは部長として配置されるケースが多いでしょう。マネジャーのなかでも多くの従業員を管理し運営するポジションとなり、現場で指揮を執るのではなく経営戦略などの重要事項や人事、予算などに携わる場合も多いようです。
エリアマネジャー
エリアマネジャーとは、特定の地域を担当するマネジャーです。担当地域内の支店や店舗などの管理や運営を担当します。一般的には、販売やサービス業界といった店舗型ビジネスを展開する企業で活躍する役割です。担当エリア内の売上向上を目指して複数店舗の在庫管理や人材育成、コンサルティングなどを行います。
プロジェクトマネジャー
プロジェクトマネジャーとは、「PM」と略されることも多い役職です。ラインマネジャーの管轄下にあり、プロジェクトの指揮を執る役職です。具体的には、プロジェクトをスムーズに進めるための予算管理や品質管理、納期の調整などを行います。また、プロジェクトの進行を把握して、プロジェクト全体を成功に導くことも大切な役割です。
ファーストラインマネジャー
ファーストラインマネジャーとは、直接部下を管理する役職です。日本企業の場合には、部長や課長がファーストラインマネジャーに当たります。ファーストラインマネジャーは現場の管理職のため現場での管理責任があることが大きな特徴です。また、意思決定権を有していることも特徴の1つです。
プレイングマネジャー
プレイングマネジャーとは、管理職としての役職を持ちながら同時に実務にも参加して、成果に貢献する人を指します。スポーツでいうと、監督としてチームを指揮しながら選手としてもプレイするというように、両方の役割を担っているのがプレイングマネジャーです。現場で業務に当たりながら他のメンバーのサポートも行います。
チームマネジャー
チームマネジャーとは、スケジュール管理や書類作成などを行う役職です。スポーツなどのチームにおいて、選手がプレイに集中して最大限に活躍できるようにさまざまな手続きの代行やスケジュール管理・調整などを行います。チームマネジャーは、裏方的な役割であり選手を陰から支える立場だといえるでしょう。
芸能マネジャー
芸能マネジャーとは、芸能プロダクションに所属しているタレントや俳優などのスケジュール管理、メンタルケア、ドライバーといったさまざまな業務を担う役職のことです。芸能マネジャーの業務は多岐にわたり、初期のころは雑用などを行うケースも多くあります。芸能マネジャーには、コミュニケーションスキルや忍耐力が求められます。
マネジャーの役割や仕事内容
マネジャーは実際にどのような業務を行うのでしょうか。ここでは、マネジャーの仕事内容について詳しく解説します。
目標設定・管理
マネジャーの主な役割の1つとして、組織としての目標達成に導くことが挙げられます。そのために、目標の設定や管理が重要です。自社のビジョンや方向性、目標などを把握したうえで、その目標をメンバー全員に共有することや浸透させることは大切な役割の1つです。組織としての目標達成に向けて、具体的なゴールを決め管理することが求められます。
業務管理
マネジャーの仕事内容には、業務内容や目標の確認、進捗の監視や管理なども含まれています。業務内容を整理して必要な作業を明確化することや、メンバーの適正やスキル、業務内容などを考慮しながら役割分担を決定します。また、業務効率化できないか、この作業が本当に必要かなどの検討、効果検証などを行い業務改善することも重要な役割です。
モチベーション管理
メンバーが自身の能力を最大限に発揮するためには、モチベーションの維持が必要不可欠です。モチベーションが高まれば、メンバーは意欲的に業務に取り組めるでしょう。結果として、生産性向上や業務効率化につながります。モチベーション管理のために、業務の意味や意義の浸透、評価制度や福利厚生制度の整備などを行いましょう。
人材育成・評価
材育成や適切な評価もマネジャーの重要な業務の1つです。マネジャーは、業務上のスキルやノウハウ、専門知識などを持っている人物です。そのため、部下が困難に直面したり伸び悩んでいたりしたら、適切なアドバイスを提供することが求められます。また、成果を上げた場合はその努力や成長を認め、適切な評価や育成を行う責任があります。
リスク管理
どのような組織でも、コンプライアンス違反や情報漏洩などのリスクは存在します。マネジャーの仕事にはリスク管理も含まれています。メンバーを監視するだけでなく、コンプライアンスに関する理解を深められるような取り組みも大切です。たとえば、定期的な研修やテストなどを行うといった取り組みが挙げられます。
マネジャーに求められるスキルや能力
マネジャーとして求められるスキルはさまざまです。ここでは、マネジャーに必要な能力を6つ解説します。
業務を遂行する能力(テクニカルスキル)
テクニカルスキルとは、業務を遂行するために必要な能力のことです。業務を行う際に必要となる知識や技術を指し、たとえば、自社が扱う製品に関する知識や技術、業界の専門知識、業務プロセスに対する理解や熟練度などがテクニカルスキルに該当します。ただし、マネジャーだけでなく、多くの従業員に求められるスキルでもあります。
状況を把握する能力
状況を把握する力も必要です。優れたマネジメント能力を持つ人は、自身の立場をしっかりと理解するだけでなく、周囲の状況も注意深く観察しています。洞察力が不足していると、部下の状況把握がしづらくなり、適切な指示を与えることが難しくなります。状況を理解し、適切な判断を下す能力が必要です。
対人関係に関する能力(ヒューマンスキル)
ヒューマンスキルとは、仕事上の人間関係を築くために必要不可欠な能力です。仕事を円滑に進めるうえで、他者との対人関係を構築して協力することは非常に重要です。そのため、人を観察・分析してその人にあった適切なアプローチを選択することや、相手の移行を把握して適切な提案をするなど柔軟な対応が求められます。
概念化能力(コンセプチュアルスキル)
コンセプチュアルスキルとは、概念化能力とも呼ばれています。物事の本質を理解・把握して、個人や組織の潜在的な可能性を最大限に引き出すことができる能力です。たとえば、わかりやすく伝わりやすいビジョンを描く、問題を解決するために必要な計画を立てるといった、問題解決能力もコンセプチュアルスキルに含まれています。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力とは、意思疎通が迅速かつ適切に行える能力のことです。迅速なコミュニケーションを行うことで、トラブルを未然に防いだりチームの緊密な関係を構築したりすることにつながります。また、適切なコミュニケーションによって相談しやすい職場環境になるため、働きやすい環境を構築できるでしょう。
メンバーへの適切な評価をする能力
メンバーを適切に評価することもマネジャーの重要な役割です。適切な評価をするには、成果やプロセスに対してよい部分を認め、同時に改善点を指摘して部下の成長を促す能力が求められます。メンバーへの適切な評価と育成をすることは、メンバーのモチベーション向上にもつながり、チームとしての成果を高めるためにも必要なスキルです。
まとめ
マネジャーとは、組織内で業務を管理・運営する責任者です。マネジャーがいることで、組織を俯瞰的に見てメンバーの能力を最大限に活かした役割分担や人材育成、評価などが行えるようになります。
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