社員が英語力を高める英語研修の方法は?成功させるコツを解説
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ビジネスのグローバル化に伴い、日本企業内においても英語力が求められるようになり、社員向けに英語研修を導入する企業も増えています。
しかしながら、「なかなか研修の成果が出ない・・・」「実践レベルの英語力が身に付かない・・・」と悩んでいる管理者の方が多いのが現状です。社員の英語力を高めるために、企業はどのような英語研修を実施すればいいのでしょうか? 成功のコツについて解説していきます。
社員が英語力を高める必要性
ビジネスのグローバル化が進み、産業を問わず多くの企業が事業を海外展開するようになりました。国際的なM&Aも活発になっており、国内の伝統的な企業が突然、外国資本になる事例も少なくありません。
このような流れを受け、社内の公用語を英語に切り替える企業もありますし、海外のグループ企業やクライアントとやり取りするために英語でのコミュニケーションが欠かせない企業も増えています。
このような環境下では、現状の業務に英語を使用しない会社・部署でも、この先もずっと「社員の英語力が不要である」と言い切れる保証はないでしょう。
また、新型コロナウイルスの感染拡大により、海外に出張をする機会は減りましたが、海外在住の方とオンラインミーティング、商談等でコミュニケーションをとる機会は増えており、海外駐在員や、海外営業を担当する部署以外の方でも、グローバルビジネスに関わる、つまり英語を使う業務が増え、幅広い部署の社員に英語力が求められるようになっています。
このような背景から、社員に「対面・非対面で使えるビジネス英語」を習得させることは、多くの企業にとって優先順位を高めるべき課題になっています。
社員の英語力が上がらない理由とは?
「社員にビジネス英語を習得させるため、英語研修に力を入れているものの、一向に英語力が向上しない」──このような悩みを持つ管理者・人事担当者は少なくないはずです。英語研修を実施しても社員の英語力が向上しない理由としては、以下のようなことが考えられます。
■英語力向上に対する社員のモチベーションが低い
当然のことですが、社員が英語力を向上させる必要性を感じていなければ、英語学習に対するモチベーションは上がりません。
特に、現在担当している業務で英語を使う機会が少ない場合などは、社員が「英語ができなくても何とかなる」と考えがちなので、英語研修を受講させてもなかなか効果は上がりません。
また、英語への強い苦手意識を持っている社員も多く存在します。そのような社員に対して無理やり英語を押し付けても成果には結びつきません。
社員に積極的に英語学習に取り組んでもらうためには、「英語を身に付けなければ評価されない」「英語力を高めなければ、これからの自社のビジネス環境ではビジネスパーソンとして通用しない」といった健全な危機感や、「自分にもできそう」といった達成可能性、「成長目標を達成した時の魅力(理想像・評価等)」を認識してもらい、学習意欲を高めることが不可欠です。
■社員が英語学習のコツを掴めていない
「英語力を高めたいという意欲があり、英語研修にも前向きに取り組んでいるのになかなか成果が上がらない」という社員もいるでしょう。このような社員は、「英語学習のコツ」を掴めていないかもしれません。
たとえば、「単語の暗記ばかりに時間をかけている」「教科書どおりの文法にこだわっている」といった傾向がある場合、ビジネスで通用する実践的な英語を身に付けるのは難しくなってしまいます。
また、目標設定の方法や継続のコツが分からないなど、そもそも自主学習が得意ではない社員もいるはずです。このような場合は、英語を学ぶ前に「英語に向き合う姿勢(マインドセット)」×「英語の学び方」を学ぶことが大切です。
ビジネスで使用する英語力は受験で合格するための英語力とは異なるものです。ビジネスで使用する英語を継続して学ぶコツなどをレクチャーする機会を設けることが、英語力向上の第一歩になるでしょう。
■研修内容が適切でない
英語研修は様々なプログラム・レッスンがあり、習得できる英語レベルも変わってきます。研修のレベルが低かったり研修の内容が不十分だったりすると、「基礎レベルの英語力が身に付くだけで、実際のビジネスシーンでは通用しない」といった失敗につながります。
逆に、研修のレベルが高すぎる場合は、「難しくて理解できない」といった失敗につながります。社員の現状の英語レベルを把握したうえで、最適な研修プログラムを選択することが重要です。
社員のモチベーションを高め、英語力を向上させるために必要なこと
社員の英語学習に対するモチベーションを高め、英語力をアップさせるために、企業はどんなことができるでしょうか。いくつかのアイデアをご紹介します。
■英語力向上が不可欠な理由を明確にする
前述のとおり、英語力向上には社員のモチベーションが必要不可欠となります。
弊社では、モチベーションを、目標の魅力(Will)、達成可能性(Can)、危機感(Must)の三つの要素の掛け算であると定義しています。
社員のなかには、「英語研修を受ける時間がもったいない」「そんな時間があるなら、少しでも仕事を進めて早く帰りたい」などと考える人もいるはずです。このような社員に「英語力を身に付けなさい」と指示するだけでは、成果は期待できないでしょう。
また、前述のとおり、モチベーションは三つの要素の掛け算になります。よって、「英語ができないと評価されない」といった危機感を感じていても、「やりたい」「できそう」といった他の二つの要素が欠けていれば(0であれば)、社員の英語に対するモチベーションが上がることもありません。
前向きに英語学習に取り組んでもらうためには、社員自身が「なぜ、英語を学ぶ必要があるのか?」を理解することが大前提になります。
「今後、グローバル事業をより加速度的に展開をしないと、所属部門の業績が大きく低下する可能性がある」「将来の事業展開によって英語力の高い人材が活躍できる場面が増えてくる」など、英語力の向上が求められる理由を説明し、社員が英語を学ぶべき理由に納得することが大切です。
■研修内容をカスタマイズする
社員のモチベーション向上のためには、「自分にもできそう」という達成可能性を感じることも重要な要素の1つです。英語研修は、業界や事業の特性、担当業務や社員の英語レベルに合わせて研修内容をカスタマイズすることで、より高い効果が期待できます。
業界や事業・職務内容によっては、網羅的な英語力は必要なく、ある特定の範囲の英語力が身に付いていれば十分ということもあるでしょう。
その場合は、英語研修の範囲を絞ることで英語力を効率良く高めることができます。習得すべき英語力の範囲が絞られていれば、社員も英語学習に負担を感じにくくなります。
「まずはここだけ重点的にマスターすれば仕事で通用する」と思えれば心理的なハードルが下がり、達成可能性も上がるため、より積極的に英語研修に取り組めるようになるでしょう。
もちろん、同じ企業・同じ部署の社員でも、英語の習熟度や担当業務によって求められる英語力はそれぞれ違うはずです。社員ごとに「現在の英語力」と「求められる英語力」を把握したうえで、一人ひとりに合った研修内容や教材を提供することも大切です。
■自主学習をサポートする
会社が用意した英語研修を受けるだけで、英語を習得することは困難です。研修を受講したら学んだことを自宅で復習するなど、自主学習の時間が不可欠です。
しかしながら、自力での勉強が不得意な社員もいますし、自主学習のコツが分からないために学習効率が下がってしまう社員もいます。このような社員に対しては、英語の自主学習に特化したセミナーを受講させるなどして、効率的に英語学習を続けられるサポートをしましょう。
英語研修を導入する際の注意点
企業が英語研修を導入する際は、以下のようなことに注意しましょう。
■英語研修を受講した後のことをイメージさせる
社員が高いモチベーションを持って英語研修を受講できるようにするには、「研修を受講した後の自分」をイメージさせることが重要です。
モチベーションの公式の一要素である目標の魅力を向上させるために、「この英語研修を受講することで、どのくらいの英語力が身に付くのか?」「実務においてどのようなシーンで役立つのか?」といったことを事前に説明したうえで、英語研修を受講させるようにしましょう。
■カスタマイズされた英語研修を実施する
社員の英語レベルを無視した画一的な英語研修は、社員のモチベーションを削ぎ、逆に英語力向上の妨げになってしまいます。研修前にヒアリングやアセスメントを実施したうえで、研修内容をカスタマイズしてくれる研修企業を選ぶようにしましょう。
社員の英語力向上において、最大の難関とも言えるのが「初級レベルからの脱却」です。初級英語をマスターしても、中級レベルを目の前にして挫折してしまう人が少なくありません。
また、初級レベルの社員の中には、英語に対して強い苦手意識を持っている方も多く存在します。そのような社員を対象とする場合は、いきなり英語力の向上そのものに取り掛かるのではなく、社員の英語に対する不安や嫌悪感を解消することから始めることが重要です。
■オンラインでコミュニケーションができる英語力を基準にする
Withコロナ時代のビジネスにおいて、オンラインでの商談やミーティングはもはや常識になっています。
画面越しでもスムーズなコミュニケーションを取るためには、対面でのコミュニケーションよりもワンランク上の英語力が求められます。英語でのオンラインミーティングに問題なく参加できるレベルを目指して、英語研修を実施しましょう。
■モチベーションを維持できるようサポートする
社員の英語力を向上するためには、一度英語研修を提供するだけでなく、社員が英語学習へのモチベーションを維持し、継続的に実践することで学びを定着させることが重要です。
たとえば、研修の前と後でチェックテストをおこない、研修前の状態と比較することで成長実感を与えたり、自分のさらなる英語力向上に向けた課題は何なのかを可視化することで、社員自身から「もっと英語力を伸ばしたい」「まだまだ伸ばせそう」という想いを引き出し、主体的かつ継続的に学習を続けてもらうことが重要です。
まとめ
グローバル化するビジネス環境において企業が価値を発揮し続けるためには、「社員の英語力向上」から目をそらすことはできません。英語研修を成功させるコツを押さえ、効果的な研修を導入することで社員全体の英語力の底上げを目指しましょう。
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