ポテンシャルとは?正しい意味や使い方、高める方法について解説!
ポテンシャルとは、人が備えている「潜在能力」や「将来の可能性」のことを言います。ポテンシャルの高い人材を採用したり、従業員のポテンシャルを高めたりすることは、企業にとって大きなプラスになります。
今回は、ポテンシャルの正しい意味や使い方、従業員のポテンシャルを高める方法などについて分かりやすく解説していきます。
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ポテンシャルとは
ポテンシャル(Potential)とは、「潜在能力」「将来の可能性」「発展性」などの意味を持つ言葉です。現在はまだ発揮されていなくても、将来的に発揮できる可能性のある力がポテンシャルです。
ポテンシャル(潜在能力)の対義語として使用されるのが「顕在能力」です。顕在能力は、現在はっきりと現れている能力のことであり、通常は自分自身でも自覚していて、周囲からも認識できる能力のことを言います。
■ポテンシャルの語源とは?
ポテンシャルは、ラテン語で「力」「可能」などを指す「potent」が語源になっています。この言葉から、「potential(潜在能力)」のほか、「power(力)」「possible(可能性)」といった多くの言葉が派生しています。
■ポテンシャルの使用例・使い方
ビジネスシーンにおいて、ポテンシャルという言葉は潜在能力という意味で、主に成長の可能性を期待するようなニュアンスで用いられます。たとえば、以下などはポテンシャルの分かりやすい使用例です。
- ◯◯部に配属された彼はポテンシャルが高いね
- 彼女はポテンシャルを秘めているから、今後もっと伸びていくだろう
- ◯◯さんは伸び悩んでいるが、一つきっかけがあればポテンシャルを発揮できるはずだ
■ポテンシャルと似た言葉・表現
ポテンシャルと似た意味を持つ言葉がいくつかあります。たとえば、以下のような言葉です。
・可能性
「可能性」は、「実現の見込み」や「潜在的発展性」といった意味を持つ言葉です。潜在的発展性という意味で使われる場合は、ポテンシャルと同義だと言えるでしょう。
・素質
「素質」とは、「人が生まれつき備えている性質」のことを言います。現在は発揮できていなくても、将来的に開花する可能性のある性質を示す言葉であり、ポテンシャルと同様の意味があります。
・将来性
「将来性」とは、将来の発展が見込まれる可能性のことです。まだ見えない将来の可能性を意味する点で、ポテンシャルとほぼ同義の言葉だと言えます。
・伸びしろ
「伸びしろ」は、人間的、能力的に成長する余地を表す言葉です。「発展性」という意味を持つポテンシャルとは、かなり近しい言葉だと言えるでしょう。
■ポテンシャルを構成する要素
リンクアンドモチベーションでは、ビジネスパーソンのポテンシャルは「合理力」と「情理力」によって構成されると定義しています。
「合理力」は、論理を構築したり物事の構造を理解するといったビジネスにおいて多く求められる「論理立てて物事を考えることができる力」を指しています。
また「情理力」は、場の情況を理解したり、人の感情を推察するといったビジネスコミュニケーションを円滑に行うために求められる「空気を読む力」を指しています。
これら2つの力をバランスよく兼ね備えることで、ビジネスパーソンとして活躍するための土台づくりができます。
※参考:「合理力」と「情理力」の要素
ポテンシャルが高い人の特徴
■ポテンシャルが高い人は素直
ポテンシャルが高い人は、総じて素直です。周囲の意見を素直に受け入れることができ、自分にとって都合の悪い指摘をされても言い訳をすることがありません。自分に非があれば素直に認め、改善しようと努めます。
■ポテンシャルが高い人は失敗を恐れず行動できる
ポテンシャルが高い人の共通点として、失敗を恐れずに行動できることがあります。失敗を恐れることなく、どんなことにも果敢にチャレンジし、失敗した場合でもそれを自分の糧にして次に生かす姿勢を持っています。
逆に、失敗を過剰に恐れ、チャレンジできない人はポテンシャルが高いとは言えません。ポテンシャルが低い人はあれこれと計画を練るものの、リスクばかりを気にしてなかなか行動に移すことができません。
■ポテンシャルが高い人は自己分析ができる
ポテンシャルが高い人は、自分を客観視して自己分析することができます。自分の強み・弱みをよく理解しているため、強みを伸ばしたり、弱みを克服したりするために正しい努力をすることができます。
また、プロジェクトにおける自分の役割や立ち位置を正確に捉えることができ、周囲の期待に応えられます。
■ポテンシャルが高い人は好奇心旺盛
ポテンシャルが高い人は、旺盛な好奇心を持っています。社会の様々な出来事にアンテナを張っており、常に最新情報をキャッチしようとする姿勢があります。自分の業務に関連しないことにも興味を持つため、知識・教養がどんどん広がっていきます。
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ポテンシャルを高める方法
■新しいことにチャレンジする
ポテンシャルが低い人は、「自分にできるのはここからここまで」というように自分で「枠」を作っており、枠の外に出ることを嫌います。ポテンシャルを高めるためには、この「枠」を取り払うことがもっとも効果的です。
そのためには、新しいことにチャレンジするのがおすすめです。今までやったことがないことや自分が苦手なことにこそ、積極的にチャレンジすべきです。
未知のことに挑戦するのはポテンシャルを高める手助けになりますし、それをきっかけにポテンシャルが一気に開花することもあるでしょう。
■様々な人と積極的に関わる
様々な人と積極的に関わることも、ポテンシャルを高めることにつながります。「いつも決まった人としか話さない」「いつも同じメンバーでランチに行く」という人も多いと思いますが、関わる人が固定されると、同じような考え方や価値観で凝り固まってしまいがちです。
普段、それほど接点のない人や苦手な人も含め、様々な人と積極的に関わることで、新たな視点を得られたり自分を見つめ直すきっかけになったりします。そしてそれが、ポテンシャルの向上にもつながっていくはずです。
■目標を設定する
目の前の仕事を淡々とこなしているだけでは現状維持にしかなりません。ポテンシャルを高めるためには、目標を立て、達成に向かって努力することが大切です。
目標は、あいまいなものより明確なもの、難易度の低いものより高いものにすべきです。「届きそうで届かない」目標を立て、それに向かって自分の能力を最大限に発揮することでポテンシャルも高まっていきます。
自分の能力向上や成長に繋がるための目標を設定するためには、SMARTの観点を意識すると良いでしょう。
SMARTの観点とは、効果的な目標を設定する際に意識すべきポイントをまとめたものです。具体的には、以下の5つです。
①Specific:方法・手段が具体的か?
ここでは、目標を達成するための「方法」や「手段」が具体的に明記されていることが大切です。
例えば、「新規アポを獲得する」という目標では、何を使ってどのように新規アポを獲得するのかがわかりません。そのため、「100件荷電し、5件の新規アポを獲得する」という目標の方が具体的で、行動に移しやすくなります。
②Measuralbe:測定できるか?
次に、目標を設定する際には、振り返ったときにその目標が達成されたのかを「○/×」のように判定できるようにする必要があります。
例えば、「新規アポを獲得するために、たくさん荷電する」という目標では、「たくさん」がどれくらいの量を指しているのかが不明確で、感覚的に振り返ることになってしまいます。そのため、「100件荷電する」という目標の方が、振り返る際に達成率を明確にすることができます。
③Achievable:達成可能か?
3つ目のポイントは、本当にその目標が達成できるのかどうか、ということです。
例えば、仕事へのモチベーションが高い新入社員が「1日に1,000件荷電する」という目標を立てたらどうでしょうか?一般的に考えると、この目標を達成することは不可能でしょう。そのため、時間・自分の能力などを鑑みた上で達成可能な目標を立てることが重要です。
④Reasonable:組織目標に沿っているか?
4つ目のポイントは、組織目標に関連する目標を立てているかどうか、ということです。
例えば、新規顧客開拓のために、新規アポを5件取らなければいけないという状況にも関わらず、「既存顧客へのメール返信を迅速に行う」という目標を立てたらどうでしょうか。もちろん既存顧客への対応も重要ですが、今回の組織目標からはズレた目標になってしまいます。
そのため、メンバーと上司で目標をすり合わせ、組織貢献に繋がる目標を設定することが重要です。
⑤Time-bound:納期・スケジュールがあるか?
最後に、いつまでに目標を達成するかを決めることが重要です。なぜなら、人は納期がないものは後回しにしてしまうことがあるからです。自ら納期を定めておくことが必要です。
また、長期的なプロジェクトにおいては、期間ごとに達成したい状態を定めておくとスムーズに計画が進むでしょう。
これらのポイントを意識することで、成長に繋がる目標設定を行うことができます。そのような目標を設定すると、ポテンシャルを高めることができるでしょう。
※参考:SMARTの観点
ポテンシャル採用とは
■ポテンシャル採用とは
ポテンシャル採用とは、それまでの実績や習得しているスキルではなく、その人が備える資質や将来性を評価して採用することを言います。従来の採用が応募者の「過去」を見る採用だとすると、ポテンシャル採用は応募者の未来を見る「採用」だと言えるでしょう。
日本では、楽天やソフトバンク、Yahoo!などの大企業がポテンシャル採用を導入し、可能性を秘めた若手人材を多く採用しています。
ポテンシャル採用は、従業員の多様化や若返りにつながるだけでなく、会社にイノベーションを起こすきっかけにもなり得ます。会社を変革したいなら、ポテンシャル採用で新しい風を取り入れるのも一つの手です。
■ポテンシャル採用を実施する際のポイント
それでは、実際にポテンシャル採用を行う際は、どのようなポイントを意識すれば良いのでしょうか?
採用時のポイントは、「相手の表層的な言動だけではなく、深層の考え方や人となりまで知る」ことです。なぜなら、相手の深層部分を知ることで、その人のポテンシャルを図ることができるからです。相手の深層を知ることで、その人の価値観や気質などを知ることができます。そうすると、どのような状況でもポテンシャルを発揮できる人なのかを見極めることができます。
例えば、面接の際に「サッカー部の全国大会で優勝した」という事実があったときに、この事実だけで「この学生はポテンシャルが高い」と判断するのは早いでしょう。
その学生が「部活の中でどのようなポジションだったのか?」「チームに対してどのような働きかけをしたのか?」などを質問して深掘りをする必要があります。なぜなら、仕事ではその人が持っているポテンシャルを再現性高く発揮し、成果につなげる必要があるからです。
どのような状況においても、高い成果を出せる人であるのかを見極めるために、結果に至るまでのプロセスを知ることが重要です。
このように、相手のポテンシャルを知るためには、表層の事実を深掘り、深層部分まで知ることが重要です。ぜひこのポイントを意識して、採用を行っていきましょう。
※参考:新卒採用における質疑応答のポイント
他分野におけるポテンシャルとは
ポテンシャルという言葉は様々な分野で用いられます。スポーツや工業製品、マーケティングの分野におけるポテンシャルの意味や使い方をご紹介します。
■スポーツにおけるポテンシャル
スポーツにおけるポテンシャルは、ビジネスシーンと同様に「潜在能力」や「将来性」の意味で用いられます。
たとえば、プロ野球で毎年実施されるドラフト会議では、即戦力になる社会人や大学生だけでなく、ポテンシャルを見込んで高校生を指名する球団もたくさんあります。
■工業製品におけるポテンシャル
自動車やバイクなどの工業製品を評価するときにも、ポテンシャルという言葉が用いられます。工業製品のポテンシャルと言ったら、「本来持っている性能」という意味で使うことがほとんどです。
たとえば、大排気量のバイクが住宅地をゆっくり走っている様子などは、「ポテンシャルを持て余している」といった表現がされます。
■マーケティングにおけるポテンシャル
ポテンシャルという言葉は、マーケティングの場面でも使われます。たとえば、「市場のポテンシャル」と言ったら、「その市場にどのくらいの需要が見込まれるか?」という意味であり、将来の市場規模を予測する際などに用いられます。
新入社員研修ならリンクアンドモチベーション
ここまで、ポテンシャルの正しい意味や使い方、高める方法に について説明してきました。
リンクアンドモチベーションは、個々人がもっているポテンシャルを最大限に活かすための人材育成強化を重要視しています。
弊社の新入社員研修では、新人に自律的キャリア意識を醸成させ、定着・活躍を実現することを目指しています。そのために、「自ら考え、判断行動できる人材」に必要な観点付与を行い、実践ワークを通じて、自己課題や課題を解決するためのアクションプランを明らかにするワークショップを実施します。
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まとめ
ポテンシャルは誰でも備えているものですが、それを発揮できないままくすぶっている人も少なくありません。
組織のマネジャーは、いかに部下のポテンシャルを発揮させるかが重要です。従業員のポテンシャルを発揮させるためには、主体的に仕事に取り組める環境づくりが一つのポイントだと言われます。
一人でも多くの従業員がポテンシャルを発揮できるよう、組織の風土改革に取り組んでいきましょう。
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