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ストーリーテリングのメリットとは?構成ポイントや具体例をご紹介

ビジネスシーンでは簡潔に相手に情報伝達するプレゼンテーション型の話し方が求められるケースが多いと思います。

一方で、場合によっては物語のように情報伝達するストーリー型(ストーリーテリング)が有効になるケースも多く存在します。

本記事ではストーリーテリングに焦点を当てて、ストーリーテリングが有効になるシーンや話の構築のポイントなどを紹介します。


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目次[非表示]

  1. 1.ストーリーテリングとは?
  2. 2.ストーリーテリングのメリット
  3. 3.ストーリーテリングがおすすめの場合
  4. 4.ストーリーテリングの構成ポイント
  5. 5.ストーリーテリングを成功させるコツ
  6. 6.ストーリーテリングの具体例
  7. 7.記事まとめ


ストーリーテリングとは?

ストーリーテリングとは、相手に物語を通じて相手に伝えたい情報を伝達し、印象付ける手法です。

いわゆる一般的なプレゼンテーションなどで、PREP法などを意識しながらわかりやすく伝えるプレゼンテーション型の話し方とは異なり、ストーリーを通じて情報を伝達し、相手の共感を生む手法がこのストーリーテリングとなります。

イメージしやすくするために、ストーリーテリングを、バルミューダのトースターを例にご紹介します。

プレゼンテーション型の場合には

「バルミューダのトースターは美味しいパンを焼くことができます。ポイントは、水を注ぐことで、スチームを出すことができる点です」

という伝え方になります。一方で、ストーリーテリングの場合には

「パン屋さんが日によって美味しいパンとそうではないパンが焼けることに気づきました。美味しいパンが焼ける日の共通点を探したところ、雨が降った日に共通して美味しいパンが焼けることが分かりました。湿度の違いによってパンの味が変わるということを活かし、バルミューダのトースターはいつでも美味しいパンが焼ける湿度を作り出す仕組みを、トースターに水の注ぎ口を設けることで実現することができました」

となります。

どちらも、伝えたいことは共通して「バルミューダのトースターは、水の注ぎ口があることで美味しいパンを焼くことができる」ということですが、伝わり方は違ったのではないでしょうか。

今回はこのストーリーテリングのメリットやポイントを紹介したいと思います。

ストーリーテリングのメリット

ストーリーテリングのメリットとしては、惹きつけ、感化、持続の3つがあります。消費者の購買行動プロセスを説明するAIDMAのモデルに近しい効果を生むことができると言えるでしょう。

メリット①:相手の注意を惹くことができる

ストーリーテリングの1つ目のメリットとして、相手の注意や興味関心を惹くことができる点が挙げられます。

これは、例えばチームビルディングの際にも共通して言えることですが、まず相手の関心を惹くためには、相手との共通の接点を見つけたり、作り出したりすることがポイントです。

日常の中で誰もが感じているであろう疑問、抱いたことがあるであろう感情。その思いを皮切りに、ストーリーを話し始めることで、相手に対して没入感を作り出すことができます。

ポイントは没入感の醸成です。誰もが感じたことのある感情に寄せなくても、語り手が感じている感情に共感させることができれば、相手の注意を惹くことができます。

メリット②:相手を感化することができる

ストーリーテリングの2つ目のメリットは、相手を感化することができる点が挙げられます。1つ目のメリットでお伝えしましたが、まず、相手の注意や興味関心を惹くことができれば、相手を感化しやすい土壌を作り出すことができます。

その上で、伝えたいメッセージをストーリに乗せて伝えることで、相手を感化することができます。

相手を感化するとは、単に情報を伝達して、相手に理解してもらうことではありません。相手の行動を促し、相手の意思決定を促進することです。

ビジネスシーンでは最終的に発注いただくなど、相手の行動を喚起することが求められます。ビジネスにおけるゴールとは、相手の共感を得ることであり、競合との勝負は共感の奪い合いということができます。

このような、伝える、伝わるだけではなく、相手に共感してもらい、相手を動かすための情報伝達手法として、ストーリーテリングは優れています。

メリット③:持続性がある

ストーリーテリングの3つ目のメリットは、共感に持続性があることが挙げられます。プレゼンテーション型で伝達されたメリットなどのポイントは分かりやすいものの、頭に残りにくいという特徴があります。

一方で、ストーリー型で伝達された内容は記憶に残りやすいという特徴があります。

「矛盾」という言葉だけで伝達される場合と、矛と盾を売っていた商人のストーリーを元に「矛盾」という単語の意味を伝達されるのとでは、記憶への定着が大きく異なると思います。

スタンフォード大学で心理学とマーケティングの関係について研究しているジェニファー・アーカー教授によると、ストーリーテリングは、単に事実を聞くだけよりも22倍記憶に残りやすいという研究結果が出ています。

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ストーリーテリングがおすすめの場合

前章で3つのメリットを紹介しましたが、この惹きつけ、感化、持続の3つのメリットがあることを踏まえて、ストーリーテリングが有効な場合を紹介したいと思います。

おすすめの場合①:ビジネスにおけるプレゼンテーション

1つ目のストーリーテリングがおすすめのシーンとして、ビジネスにおけるプレゼンテーションが挙げられます。有名な例として、スティーブ・ジョブズのiPhoneを発表した時のプレゼンテーションが挙げられます。

単純にiPhoneの紹介をするのではなく、音楽再生プレイヤーiPodと、電話とインターネットがバラバラに存在していたところから、それらを1つのデバイスで統合した新製品を発表します、という流れで発表したことで、私たちの関心を惹きつけ、共感を生み、購買行動を促した結果、iPhoneは爆発的に世の中に普及していきました。

その他にも、会社の歴史やこだわりをストーリーの中に加え、競合企業と差別化することもできます。

例えば、タオルで有名な今治タオルの中でも、風で編んだタオルという商品があります。

この商品は、タオルの製造において使用している電力を全て風力発電で発電された電力でまかなわれており、環境に配慮している点が1つのアピールポイントです。

このように、こだわりポイントを入れて差別化する場合に、ストーリーテリングは有効な手法となります。

おすすめの場合②:相手の感動を誘うシーン

ストーリーテリングが有効となるもう一つのシーンとしては、相手の感動を誘うシーンが挙げられます。例えば、プロポーズする時に「あなたを好きな理由は3点あります。1点目は〜〜」と伝えてしまっては、相手に思いが伝わりにくいですよね。

効果的に相手に思いを伝え、心を動かす際にも、このストーリーテリングの手法は有効になります。例えば、面接などで志望動機を語るシーンなどでも有効な手法と言えるでしょう。

もちろん、分かりやすく結論ファーストで伝えるということは大事ではありますが、結論に至るまでの自分自身の想いをストーリーに乗せて伝えることで、相手の共感を生み出しやすくなります。

ストーリーテリングの構成ポイント

ストーリーテリングにおいては、ただ単純に歴史やこだわりを語ればいいわけではありません。より効果的に相手の注意を惹きつけ、共感を作り、継続させるためには、語るストーリーを綿密にデザインすることが求められます。

ポイント①:手段ではなく、目的、意味レイヤーまで語る

ストーリーテリングの1つ目のポイントは、手段だけではなく、目的、意味という抽象度で伝達したいメッセージを考えることが挙げられます。

このことを表す有名な話に、3人の石工職人というエピソードがあります。これは、3人の石工職人が登場し、旅人がそれぞれの職人に対して「あなたは今何をしているのですか」と尋ねます。

手段という水準で仕事を捉えている職人は「今石を積んでいるんだ」と回答し、目的という水準で仕事を捉えている職人は「今教会を作っているんだ」と回答し、意味という水準で仕事を捉えている職人は「人々が集まり安らぎを得られる祈りの場所を作っているんだ」と回答するというエピソードです。

ストーリーテリングにおいては、相手に伝える内容が具体化されるために、手段の水準でのみ語ってしまいやすいです。一方で、相手を感化する上では、目的、意味という水準で語ることが求められます。

ポイント②:事実のみではなく、感情を含めて語る

ストーリーテリングの2つ目のポイントは、事実だけではなく感情を含めて語ることが挙げられます。

事実のみを語ってしまうと、プレゼンテーション型の伝達と変わりません。事実として存在するアクションが生じた時に抱いた感情も合わせて伝えることで、より相手の共感を生みやすくなります。

「ずっと逆境の状況下にあると言われていたコンペで最終的に競合に勝ち、受注を勝ち取ることができました」という事実のみを伝えるよりも、「今までの付き合いの中で、自分が原因となったミスでクレームを頂戴してしまい、次のコンペは逆境下にありました。

もちろん、責任の意識もありましたが、なんとしても、このお客様と一緒に仕事をしたいという思いが強くあり、担当者の方を巻き込んで提案内容をブラッシュアップし続けました。

コンペ終了後、先方からもらった発注の電話を受けたとき、涙を流しながら喜んだことを今でも覚えています」という伝え方の方が、相手の共感を生むことができるかと思います。

ポイント③:抑揚のあるストーリーで語る

ストーリーテリングの3つ目のポイントは、抑揚をつけたドラマチックなストーリーを構成することが挙げられます。相手に伝わりやすい伝え方のポイントとしては、起承転結などがよく挙げられますが、ここでは、下記のSTAGEの観点を紹介したいと思います。

このSTAGEの観点に沿って話を構成することで、相手の共感を生みやすいストーリーを構築することができます。

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ストーリーテリングを成功させるコツ

前章でストーリーテリングの構成ポイントを3点挙げましたが、これらを踏まえてストーリーテリングを成功させるコツを紹介したいと思います。

コツ①:ターゲットを明らかにする

ストーリーテリングを成功させるコツの1つ目は、ターゲットを明らかにしてメッセージ、並びにストーリーを考えることが挙げられます。

これはストーリーテリングに限らず、どのようなプレゼンテーションのシーンであっても共通して言えますが、伝えたいメッセージや伝える手法を考える上ではまずターゲットありきで考える必要があります。

ターゲットを明らかにする上では、ターゲットが表層で思っていることだけではなく、深層で抱いている感情まで考えることがポイントです。

表層的なニーズだけではなく深層のニーズを捉えることが、ストーリーテリングで伝達したいメッセージの方向性を考える上でポイントとなります。

ターゲットが定まってはじめて、伝えたいメッセージや、メッセージを伝える上で最適なストーリーを考えることができます。

伝えたいストーリーありきでコンテンツを考えてしまいがちですが、ターゲットと目的を踏まえて、ストーリーを構築するように意識しましょう。

コツ②:伝えたい内容の目的を見失わない

ストーリーテリングを成功させるコツの2つ目は、伝えたいメッセージを見失わないことが挙げられます。要は、自分が話したいことばかり話すことが目的化し、相手の共感を生むことができなくなってしまう状況は避けることがポイントです。

ストーリーテリングはあくまで情報伝達の1つの手法であり、情報伝達の目的は相手に伝えたいことを伝え、その上で相手の共感を生み、行動を引き出すことにあります。

ストーリーテリングの場合には、プレゼンテーション型の説明のように言いたいことの要点をストレートに事実のみで伝えるわけではないので、話す中で目的を見失いやすいという特徴があります。

本当に伝えたいメッセージをあらかじめ定めて、どのように伝えるかをデザインできなければ、帰って何が言いたいかが伝わりにくい、ぼやっとしたストーリーで話が終わってしまうこともあります。

手段を目的化せず、あくまでストーリーテリングは伝えたいことを伝える1つの手法であることを忘れないようにしましょう。

ストーリーテリングの具体例

ここまででストーリーテリングのメリットやポイント、コツなどを伝達してきましたが、最後に、ストーリーテリングの具体例に関してお伝えしたいと思います。

ここまでの章の中で一部具体例を取り上げながらお伝えしてきましたが、本章ではより具体的に例を示したいと思います。

ストーリーテリングの具体的な事例として、前段で簡単に取り上げていたスティーブ・ジョブズのiPhone発表時のスピーチを紹介します。2007年に行われたこのスピーチは、Apple社の象徴的な歴史の紹介から始まります。

「数年に一度、人々の概念を一気に変えてしまうような新製品が現れます。AppleはMacによってPC業界を変え、初代iPodによって音楽の聴き方だけでなく、音楽業界そのものを変えました。本日、革命的な3つの新製品を発表します。」

「1つ目はワイド画面でタッチ操作のiPod。2つ目は革命的な携帯電話。3つ目は画期的なネット通信機器。タッチ操作iPod、革命的携帯電話、画期的ネット通信機器。iPod、携帯電話、ネット通信機器。・・・お分かりですね。3つの独立した機器ではなく、一つなのです。名前はiPhoneです。」

このスピーチは、iPhoneの評価を一気に高め、スピーチ冒頭の内容の通り、携帯電話業界の概念を塗り変えました。

このスピーチの中の特筆すべき点の1つは、冒頭の期待の高め方にあります。

Appleのパラダイムを変えてきた歴史から始まり、3つもの画期的な製品をリリースすることの発表、そして、その3つの画期的な製品が、1つのデバイスに集約されていること。

この流れの中で、Appleの新製品発表を楽しみに待つ聴衆に対して、大きな期待を形成しています。

相手の注意を惹きつけ、共感を得ることや、Appleの製品がより生活の利便性を高め、新たな生活様式を生み出すという意味の水準によるメッセージの訴求。

3つの新製品のコンセプトそれ自体が魅力的であるにもかかわらず、それらの機能が1つのデバイスで成り立つという話の構成。

Appleが生み出す新製品に期待を寄せるAppleマニアをターゲットとしたメッセージの策定。

ストーリーテリングの技術が詰まったプレゼンテーションと呼べます。今でもこのスピーチが伝説として語り継がれ、iPhoneが世界中で売れ続けているのも、ストーリーテリングの継続性を象徴するエピソードと呼べるでしょう。

最後に、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションの例をもとに、ストーリーテリングを紹介しました。

今回紹介した部分は、あくまでプレゼンテーションの前半部分だけですが、後半部分や、他のスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションもストーリーテリングの理解を深める上では参考になります。

記事まとめ

本記事ではストーリーテリングのポイントやメリットなどを紹介しました。

プレゼンテーション型の話し方とストーリーテリングの話し方には、それぞれに異なるメリットがあるため、ターゲットやシーンに合わせて使い分ける必要があります。

本記事が、効果的なプレゼンテーションを行う上で、少しでも参考になれば幸いです。

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LM編集部
LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。

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