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ロールモデルの意味とは?設定メリットや有効活用の方法をご紹介

皆さんは「こんな行動、考え方ができる人になりたい」「5年後にはこの人と同じようなキャリアを歩みたい」と思う人に出会った経験はありますでしょうか。

ロールモデルとは、行動や考え方など、自身のキャリアを形成していく上でお手本となる人物のことを指します。ロールモデルの設定は、社員の成長やモチベーションの向上、組織の活性化に繋がると考えられており、昨今多くの企業で注目されるようになってきました。

この記事では、ロールモデルとは何かという定義から、導入のメリットや有効活用するためのステップについて紹介します。


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目次[非表示]

  1. 1.ロールモデルとは?
  2. 2.ロールモデルになる人の特徴
  3. 3.ロールモデルを設定するメリット
  4. 4.ロールモデルになるための要件
  5. 5.ロールモデルを有効活用する方法
  6. 6.記事まとめ

ロールモデルとは?

ロールモデルとは、行動や考え方を学び、模倣する対象であり、自身のキャリアを形成していく上でお手本となる人物のことを指します。

ロールモデルは「role(役割・任務・役目)」「model(模型・模範・手本)」という英語が語源となっている言葉で、1940年代にアメリカの社会学者ロバート・K・マートン氏によって定義されました。

ロールモデルには、自らが習熟・習得したい能力について高いスキルを持っており、リーダーシップを発揮している人物を設定するとよいでしょう。ロールモデルに対してただ憧れるだけでなく、観察・考察して模倣することで、より多くの学びを得ることができます。

また、ロールモデルは一人に絞る必要はありません。例えば、

  • Aさんはコミュニケーションなど関係構築のロールモデル
  • Bさんは仕事の進め方などタスクマネジメントのロールモデル

など、身につけたいスキルや知識に応じて、さまざまな観点ごとに高いスキルを持った複数の人をロールモデルにすると良いでしょう。

ロールモデルになる人の特徴

基本的に、自分の理想とする立場にいる人や、こんな人になりたいと思うような考え方や行動をする人がロールモデルになります。

ロールモデルとして設定される人物には、自主的に設定されるタイプと社会人になったあとに会社側から与えられるタイプの2種類があります。

自主的に設定されるロールモデルは、身近にいる「かっこいい人」「素敵な人」が設定されることが多いです。学校の先生や先輩、両親や兄弟などになる場合が多いです。その他、歴史上の人物や外国の人もロールモデルになる可能性があります。

一方、企業側で設定されるロールモデルは、従業員が思い描くキャリアプランに近い立場や経歴を歩んでいる人をロールモデルにできるよう、計画的にロールモデルとなり得る人材を育成し、それを社内に周知します。

憧れの対象となる人物を設定することで、社員の成長意欲やモチベーションの向上につながることが期待されています。

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ロールモデルを設定するメリット

ロールモデルの設定には様々なメリットがあります。自分にとって刺激となる人が存在することは、自身の成長が促進されます。ここでは、社会人にとってロールモデルを設定する代表的なメリットをご紹介します。

■キャリアプランを考えやすくなる

社内外から信頼が厚いエース社員や、的確な指示を出す管理職など、身近にいる人がロールモデルになると、キャリアプランが考えやすくなります。

普段から業務で関わる人やよく話をする人だと、目の前にお手本にできる人がいるということなので、その人に近づくためにはどんな行動、思考、経験、自己研鑽など、何をすれば良いのかが具体的に思い浮かべられるからです。

なりたい自分を明確にイメージでき、目標が設定されると、次に必要なステップもわかりやすくなり、社員の成長に繋がります。

■組織全体の活性化に繋がる

ロールモデルのような人になるためには、その人がどのような経験や思考、自己研鑽を積み重ねてきたのかを知る必要があります。多くの社員が、それぞれ理想とするロールモデルから話を聞こうとすれば、社内でのコミュニケーションは活性化します。

普段接点の少ない上司や先輩だったとしても、知りたいことがあり、共通の話題があることで、業務以外のつながりができ、コミュニケーションが増えるという効果が期待できます。

そして各所でコミュニケーションが良好になることは、組織全体の活性化を促します。普段の業務だけでなく、いろいろな人とコミュニケーションをとれるようになれば、事業の話をすることも増えて思わぬ成果につながることもあるでしょう。

また、ロールモデルを設定し目指す姿が明確になると、より主体的に業務に取り組むようになる社員も増えます。1人1人が目標を持ち、頑張る人が増えれば社内の空気が変わることが期待できます。

それだけでなく、ロールモデルを設定することで自分自身もロールモデルになることを意識するようになるため、後輩への指導やコミュニケーションを積極的に行うようになり、そういった側面でも組織の活性化につながります。

■女性が活躍しやすい風土作りに繋がる

ロールモデルは女性が活躍できる環境づくりに寄与するといえます。女性活躍推進で苦労している企業こそ、このロールモデルに力を入れると効果的でしょう。

30代くらいの、ライフイベントをこなし、出産後も家庭と仕事を両立して働くロールモデルが身近にいれば、女性社員は勇気づけられ、それをお手本にすることができます。

ロールモデルを設定し、理想となる人・目標となる人が社内に多くいれば、女性が活躍する風土が作りやすくなります。


その結果、働く女性が増え、女性のリーダーや管理職育成がしやすい環境となります。

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ロールモデルになるための要件

企業側でロールモデルを設定する際は、社員の職務・経験、20代・30代という年代等によってお手本になる人物は異なることに気を付けましょう。

例えば新入社員が、尊敬できる管理職をロールモデルにしてしまうと、自身の今の状態と理想状態のギャップが大きくなりすぎてしまい、ロールモデルとしての効果が薄れる恐れがあります。したがって、自分の職務・経験より一段上にいる人をロールモデルにするほうが効果的です。

今回は「新入社員」「中堅社員」「次世代リーダー」に分けて、それぞれロールモデルとして必要な要件をご紹介します。

①新入社員のロールモデルに求められる人物要件

新入社員に必要とされることは、先輩社員や上司から出される指示を的確に理解し、実行できることです。質問がある場合は自分で全体像を把握し、何がわかると良いのかをはっきりさせてから尋ねて、仕事を遂行できることが求められます。

加えて、社会人にとって時間や納期を守ることも重要です。適切にタスクマネジメントができ、正確に仕事ができることも必要な条件でしょう。

また、新入社員はまだわからないこと、できないことがたくさんあります。したがって、積極的にインプットを行う姿勢や、もしミスや失敗をしたときに即時報告するなど、誠実な姿勢で対応できることも重要です。

仕事はチームで行うもので、一人で全てできるわけではありませんので、率先して周囲のサポートをできたり、仕事への積極性が見えるとなおよいでしょう。

新入社員には、上記の要件を満たしている、主体的に仕事に取り組む若手社員をロールモデルに設定すると効果的だと言えます。

②中堅社員のロールモデルに求められる人物要件

中堅社員は部下や後輩に的確に指示を出すことができ、仕事を主体的に推進できる力が求められます。そのため、上司からの指示が何を意味しているのかを理解し、周囲のメンバーに適切に伝え、共有できることも必要です。

そのためには、的確なコミュニケーションが取れることはもちろんのこと、メンバーの理解度に応じて説明方法を変えることができるといった能力も必要となってきます。

関連部署との連携を上手にとっていけるのも中堅社員に求められる能力です。他部署と連携し、スケジュールや期待値などを調整できる能力があることが理想的です。

また、上司の指示に対して課題やリスク、改善案とその根拠等を伝えることができる、優先度を自分で決めて効率よくタスクに取り組める、会議に必要な準備や、会議中の進行も中心となって動けるなど、主体的に役割を拡大し、業務を遂行できることも重要です。

中堅社員のロールモデルには、上記の要件を満たす、確実に業務を推進していくことができる積極的な社員が適しているでしょう。

③次世代リーダーのロールモデルに求められる人物要件

次世代リーダーは事業成長や目標達成など、ある程度責任を伴う職務につくことが多いため、自分のチームや組織のパフォーマンスを最大限に発揮できるような差配ができることを求められます。

事業成長や目標達成のために、相手の真意を引き出し、双方にとってメリットのある形を提示できるといったような、社内・社外を問わずに交渉できる力も必要とされるでしょう。

また、職務や経歴、年齢などに捉われず、相手の意見を受信できること、目標からみた現状や課題、改善案などを簡潔に説明し、相手の理解を得て目標達成に向けて推進する力も求められます。

後輩・部下のロールモデルになれるキャリアがあると、人材育成という面でもプラスにはたらき、メンバーの能力向上に繋がります。したがって、次世代リーダーのロールモデルには、柔軟でありつつも求心力のある、経験豊かな管理職を設定するといいでしょう。

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ロールモデルを有効活用する方法

本来、ロールモデルは社員が各々で見つけるものです。しかし、上述したように、ロールモデルを設定することは、組織の活性化や個人の成長に繋がるため、会社側が積極的に働きかけてロールモデルを見つける支援をすると良いでしょう。

ここでは、ロールモデルの設定から活用において企業側が行うべきステップと、個人が行うべきステップを解説します。

■会社側のステップ①ロールモデルを設定する

企業側がロールモデルを設定する際に注目したほうがよい点は、2つあります。1つ目は、企業としてどのようなロールモデルを設定したいと考えているかです。

事業計画や中期経営計画から逆算し、どのような人材を増やしていくべきかという観点から具体的な人物像を設定するとよいでしょう。

2つ目は、企業として増やしたい人材のロールモデルはそれぞれの世代に存在しているかという点です。どれほど「こんな人材を育成したいから、こんなロールモデルが欲しい」と企業側が考えていても、存在しなければロールモデルとして設定することはできません。

ロールモデルとなれる存在、育成すればロールモデルになれる可能性のある人材がいるかどうかを見極めましょう。

■会社側のステップ②ロールモデルとなる人物を育成する

ロールモデルが設定できたら、ロールモデルとなれる存在、もしくはなれる可能性のある人材の育成を行いましょう。

ロールモデルを育成する際は、研修やOJTなど、様々な手法が考えられます。集合研修の場合は、キャリア別の研修会や座談会などによって、仕事に取り組む際のスタンスや、モチベーション向上へのアプローチを行います。

その他、課題解決のスキルや他部署とのネットワーク構築・コミュニケーションスキルなど個人の能力開発を行う場合もあります。

しかし、どれだけ集合研修でインプットをしたとしても、現場で活用できなければ意味がありません。したがって、研修で学んだことを現場で活用できるツールや仕組みを構築することが重要です。

また、人材育成は1回の研修や短期間で成果が出るものではありません。中長期の視点で育成計画を立案しましょう。

■会社側のステップ③ロールモデルの設定を促す広報活動を行う

最後に、ロールモデルの存在を社内で周知する必要があります。ロールモデルとなれる人材が社内にいたとしても、その存在が知られていなければロールモデルとして機能しません。

ロールモデルの周知方法は、社内報など、社内の広報ツールへインタビュー記事等を掲載することの他に、社内の研修内や採用活動の際での例として紹介するなどの方法があります。

広報する際には、社員からの関心の高い「ワークライフバランス」「スキルアップ」「育児との両立」などのテーマごとにまとめて紹介する、実際に直面している課題や克服するための方法も合わせて紹介する、趣味やプライベートなど業務以外で何に注力しているのかなども紹介するなどして、多くの社員から共感を得られる工夫をすることも大切です。

■社員自身のステップ①ロールモデルを選定する

社員自身がロールモデルを設定し、活用する際には、直属の先輩やよく話す先輩など、自分の観察できる範囲から

  • 自分よりも高いレベルで仕事をし、成果を出している人
  • 自身が学びたい、できるようになりたい行動ができている人
  • 高い技術や専門知識のある人

など、尊敬できる憧れの人をロールモデルとして設定しましょう。前述した通り、身につけたいスキルや知識に応じて、さまざまな観点ごとに高いスキルを持った複数の人をロールモデルにしても問題ありません。

習得したいスキルや行動ごとにロールモデルを設定することで、より高いレベルで学ぶことができます。

■社員自身のステップ②ロールモデルの行動や思考を分析する

ロールモデルを設定したら、ただ「あんな人になりたい」と思うだけでなく、ロールモデルを観察することで行動や思考を分析する必要があります。

自分でロールモデルを観察して得た情報から、ロールモデルの行動や思考の特徴を言語化し、自分でも実践できるレベルまで砕いて理解することが重要です。

例えば、

  • 細やかでスピード感もって対応するため、顧客からの信頼が厚い
  • 顧客の求めていることを把握するために徹底したヒアリングを行うため、提案力がある
  • 実現したい目的から構造化し、選択肢を提示するため、交渉力が高い
  • 後輩指導では、何が良くなかったのか、どうすれば良かったのかを後輩に問いかけるので、指導への納得感がある

など、具体的にどんな行動をしているから高いパフォーマンスを発揮しているのかをピックアップしましょう。

その行動を分類・ラベリングして整理することで、学ぶべきポイントが明確になります。

■社員自身のステップ③ロールモデルの行動や思考を取り入れ、振り返りを行う

ステップ②で言語化したロールモデルの行動の中で、すぐに実行できそうなものは真似して自分でもやってみましょう。実際に真似することで、同じ思考プロセスをなぞることができたり、行動の根拠を考えるようになるため、自分との差分を学ぶことができます。

真似して分かった結果を振り返ることで、自身の行動として習慣化されていきます。習慣化される行動や思考が増えれば増えるほど、スキルアップに繋がっていきます。

記事まとめ

ロールモデルによって成長できた人材は、上記のステップを辿るため、自分がどのようにスキルアップしたりキャリアアップをしたかを深く理解しています。

このような人材は、ロールモデルの有効性に実感を持っているため、後輩育成にも良い影響を与え、新たなロールモデルの成長につながります。

ロールモデルが次世代のロールモデルを生み出すという好循環が回れば、組織が活性化し、業績の向上にも寄与するといえるでしょう。ご紹介したステップが、各社のロールモデルの設定や育成にお役立ていただければ幸いです。

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LM編集部
LM編集部
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