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ティール組織とは?5つの段階とメリット・デメリット、必要な3要素までを紹介

ティール組織とは、経営者や上司が指示や管理をしなくても、メンバーが主体となって目的達成のために動く組織のことを言います。

これまでの歴史を振り返ってみても、人々が集まって仕事を推進する方法は何度も革新されており、そのたびに優れた組織モデルが生み出されてきました。そのなかでも、非常に画期的な組織モデルとして注目されているのがティール組織です。

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目次[非表示]

  1. 1.ティール組織とは?
  2. 2.ティール組織に至るまでの5つの段階
  3. 3.ティール組織のメリット・デメリット
  4. 4.ティール組織に関するよくある誤解とは
  5. 5.ティール組織の実現に欠かせない3要素
  6. 6.ティール組織を実現している企業例
  7. 7.組織診断・改善のことならリンクアンドモチベーション
  8. 8.まとめ


ティール組織とは?

そもそもティール組織とは何なのでしょうか?ティール組織とは、VUCA時代【Volatility(変動性)Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)】と呼ばれる予測不能な時代において誕生した新たな組織モデルのことです。

ティール組織という概念は、著フレデリック・ラリー氏の「ティール組織~マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現~」で紹介されています。

フレデリック・ラリー氏は世界中の企業を調査し、これまでの組織モデルとは異なる組織が事業成長を遂げていることを発見し、その組織の共通点を3つ挙げています。

  • ホールネス(全体性)
  • セルフマネジメント(自主経営)
  • 進化する目的

この3つの共通点を保有する組織は、具体的には上司からの指示を聞き、受動的に動くのではなく、個々人が自分らしさを発揮しながら、能動的に意思決定をおこない、動くことができる組織であると言われています。

また、ティール組織は「生命体のような有機的な組織モデル」と言われており、上下関係や管理が少ない環境で、チームワークが自然発生し、組織の存在目的を全員が主体的に追求する組織であることが求められます。

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ティール組織に至るまでの5つの段階

ティール組織を提唱したフレデリック・ラルー氏は、ティール組織に至るまでの組織を「レッド組織」「アンバー組織」「オレンジ組織」「グリーン組織」「ティール組織」の5つのフェーズに分けて説明しています。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

■レッド組織(衝動型組織)

レッド組織は衝動型組織と表現されます。また、レッド組織のメタファーとしてはオオカミの群れがよく使われます。この組織は強烈な上下関係が原始的な王国に成長を遂げる際に出現した組織だと言われています。現代で言うならば、ギャングやマフィアのような小規模で支配的な集団になります。

この組織の特徴は対人関係に力を行使し、それが人と人を結びつける要素になっていることです。

したがって、恐怖と服従により統率をおこなうため、統率できる範囲が狭く、また、「今」の欲望や衝動をベースに行動を起こすため、環境適応を得意とするが、安定した環境下で着実に複雑な成果を上げることが難しい組織モデルです。

■アンバー組織(順応型組織)

アンバー組織は順応型組織と表現されます。また、アンバー組織のメタファーとしては軍隊がよく使われます。

この組織は灌漑システムやピラミッド、万里の長城を作ったと言われており、レッド組織では達成できなかったことを成せるようになった組織になります。現代でも政府機関や公立学校、宗教団体などに見られる組織モデルです。

この組織の特徴は、厳格な階層をもつピラミッド構造を成しており、指揮命令系統がはっきりしており、正式なプロセスに則って組織運営をおこなうことです。

したがって、より多くの人を統率することができるようになり、また、プロセスが明確になったため中長期的な計画もできるようになりましたが、正しい答えは1つであるという発想が強く、変化に対して前向きになれない組織モデルです。

■オレンジ組織(達成型組織)

オレンジ組織は達成型組織と表現されます。また、オレンジ組織のメタファーは機械がよく使われます。この組織は絶対解は存在しないというこれまでの考え方から解放された組織になります。現代ではグローバル企業の考え方や組織構造の下敷きにもなっています。

  この組織の特徴は、実力主義を採用したことによって、イノベーションが起きやすくなり、個々の能力が発揮されやすくなっていることです。

一方、数値管理によるマネジメントも重視しており、変化と競争に生き残ることが個人としても組織としても求められることも特徴です。

したがって、機械のように働くことが一定求められ、目標達成を重視し業務遂行を優先するあまり、仕事や事業活動の意味や目的を疑問視しづらい組織モデルです。

■グリーン組織(多元型組織)

グリーン組織は多元型組織と表現されます。

また、グリーン組織のメタファーは家族がよく使われます。

この組織は究極的には階級や階層を撤廃してしまおうと考えており、オレンジ組織のヒエラルキーを踏襲しながら、人間らしさを追求する組織になります。現代ではサウスウエスト航空などでグリーン組織の慣行や文化が下敷きにされています。

この組織の特徴は厳格なルールではなく組織内の価値観に基づき、お互いを尊重し、最前線のメンバーに意思決定を任せていることである。

したがって、個々人の主体性が尊重され、相互信頼が生まれやすくなります。一方、ルールが希薄なため、合意形成に時間がかかったり、意思決定者が不明瞭になってしまうことがある組織モデルです。

■ティール組織(進化型組織)

ティール組織は進化型組織と表現されます。また、ティール組織のメタファーは生命体です。この組織は組織自体は誰のものでもなく、1つの生命体であり、組織の目的(進化する目的)を実現するために共鳴しながら 関わっていると捉えている組織になります。

この組織の特徴は、社長や管理職などの指示命令系統は一切なく、メンバーにセルフマネジメントを推奨していることです。したがって、全員が信頼をもとに独自のルールや仕組みを工夫しながら、目的実現のために組織運営を行うことが可能になります。


ティール組織のメリット・デメリット

●ティール組織の主なメリット

ティール組織には指揮命令系統がないため、メンバー全員に自ら考えて行動することが求められます。そのため、メンバーの自主性・主体性が引き出されます。また、ティール組織には役職や階層がなく、上下関係も存在しないため、何らかの仕事を進めるために上司に許可を得る必要もありません。上司の指示待ちや判断待ちをする時間がないので、業務のスピードは大幅に向上するでしょう。その結果、市場の変化に迅速に対応できる柔軟性の高い組織へと成長していくことができます。


●ティール組織の主なデメリット

上述のとおり、ティール組織には指揮命令系統がありません。そのため、受け身体質のメンバーが多い場合などは、業務がなかなか進まず、事業活動が立ち行かなくなってしまうリスクがあります。また、ティール組織では個々のメンバーに裁量があり、個々のメンバーの判断で業務を進めていくため、組織全体・チーム全体としての進捗管理やリスク管理は難しくなります。「知らない間にプロジェクトが大幅に遅延していた・・・」「トラブルが起きていたことを知らなかった・・・」といった問題があちこちで生じても不思議ではありません。


加えて、そもそもティール組織自体が新しい概念であり、組織モデルとして体系化されていません。手探りで組織づくりを進めていかなければいけない点も、ティール組織のデメリットの一つだと言えるでしょう。

企業に多いオレンジ組織との違いは?

現代の企業の多くはオレンジ組織だと言われます。では、オレンジ組織とティール組織ではどのような違いがあるのでしょうか。


オレンジ組織は、ピラミッド型の階層構造をしているのが特徴です。多くのオレンジ組織が売上・利益の向上を目標に掲げ、効率化・合理化を追求した経営で目標達成を目指していきます。従業員は、MBO(目標管理制度)によって期ごとに定量的に評価され、評価を高めることで昇進・昇給を目指していきます。


一方、ティール組織は「自律分散型」と呼ばれる組織構造をしています。従業員は組織の存在目的にコミットし、主体的・分権的に行動していくのが特徴です。基本的にティール組織には役職や上下関係がなく、それぞれのメンバーが自らの裁量のもとで仕事を進めていきます。メンバーの評価はチーム全員の話し合いで決定し、報酬は自分自身で決めることができます。


上述した内容も含め、オレンジ組織とティール組織の主な違いをまとめると以下のようになります。


オレンジ組織
ティール組織
組織構造
ピラミッド型の階層構造
自律分散型組織
権限・役職
役職があり、権限は上位管理職に集中している
基本的に役職は存在せず、権限は全メンバーに与えられる
評価・報酬
評価や報酬は管理職によって決定される
評価はチーム内のメンバーの話し合いによって決定し、報酬は他のメンバーとのバランスを考慮して自分で決める
情報
知る必要がある場合にのみ、権限のあるメンバーに情報が開示される
あらゆる情報が社内で共有されている
組織運営の方向性
売上・利益・シェアの拡大など
組織の存続目的に合わせた持続可能な進化



ティール組織に関するよくある誤解とは

ティール組織に関するよくある誤解が、「ティール組織がもっとも優れた組織モデルであり、どの企業もティール組織を目指すべきである」という考え方です。たしかに、ティール組織はこれまでにない画期的な組織モデルであり、従来のマネジメントの概念を覆すのに十分な考え方です。しかし、だからと言ってもっとも優れた組織モデルということにはなりません。現代の企業の多くはオレンジ組織だと言われますが、オレンジ組織がティール組織に劣っているわけでもありません。


現在、ティール組織と呼ばれている組織も、オレンジ組織やグリーン組織の要素を残しているケースが多々あります。上述のとおり、ティール組織にも様々なデメリットがありますし、ティール組織を目指すことで組織状態が悪化してしまうリスクもあります。ティール組織も含め、それぞれの組織モデルの特徴やメリット・デメリットを把握したうえで、「いいとこ取り」をする意識で組織づくりをしたほうが、結果的に自社にふさわしい組織の形が見えてくるものです。

ティール組織に関係するホラクラシーとは

ティール組織を語るとき、よく引き合いに出されるのが「ホラクラシー組織」です。ホラクラシー組織とは、2007年に米国のソフトウェア企業の創設者であるブライアン・ロバートソン氏が提唱した組織理論であり、役職や階級、上司と部下の関係などが一切存在しないフラットな組織モデルのことを言います。


トップダウンの意思決定によって運営される中央集権型の「ヒエラルキー組織」に対し、ホラクラシー組織は、細分化したチームごとに意思決定の権限を持たせているのが特徴です。ホラクラシー組織には役職や階層が存在しないため、メンバー同士が対等な立場となり、意思決定権もそれぞれのチーム、もしくは個人に分散されているのです。


また、ホラクラシー組織にはホラクラシー憲法が存在します。ホラクラシー憲法は、各メンバーが組織内でどのように動くべきかを規定したもので、端的に言えば「社内ルール」のことです。意思決定のプロセスなどはホラクラシー憲法で規定されているため、「何でもあり」の状態にならず、秩序が保たれます。


ともに、上司や管理職が存在せず、階層構造やマネジメントの仕組みがないことから、「ティール組織=ホラクラシー組織」と認識している人もいますが、この2つは同じものではありません。ティール組織のほうが抽象的な概念であり、ティール組織の一つの形態がホラクラシー組織だと捉えるのが正しいでしょう。

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ティール組織の実現に欠かせない3要素

■要素1:ホールネス

一言で言うと「ありのままでいる」ということです。仕事現場ではプライベートを持ち込まずに、仕事にのみ注力するというオレンジ組織(達成型組織)の概念を問い直しています。

自分の一面しか出せないよりも、安心してありのままの自分をさらけ出せる環境の方がパフォーマンスが高まるというのがティール組織の考え方です。

このような考え方を促進するための3つの組織文化があります。

①価値の平等化

誰もが等しく価値のある存在であることを認知しており、人生や培ってきた経験などそれぞれの違いを尊重し合い、自分なりの方法で貢献できるようになればよいという考え方が浸透している。

②心理的安全性の浸透

誰もが自分らしく振る舞えるような感情的にも精神的にも安全な環境を創り出す努力をしている。愛、思いやり、感謝、好奇心、楽しみ、陽気さといった気分や雰囲気を尊重する。

③分離への克服

認知的、物理的、感情的、精神的、理性的、直観的に全ての部分を尊重できる組織を目指しており、個々が組織全体の一部であることを認識している。

このように独自の取り組みを工夫して、実践したり、個人が様々なタイプの仕事にチャレンジすることができるような工夫がされていることで、個人が多様な能力を発揮することが可能になります。

■要素2:セルフマネジメント

一言で言うと、「全て任せる」ということです。つまり、社員を管理するための明確なルールや社長や管理職からの指示命令系統がなく、自分のことは自分で管理している状態です。例えば、働く時間や給料も自分で決めるということです。

しかし、そのようなことが本当にできるのでしょうか?3つの組織文化によって実現することが可能になります。

①意思決定プロセスの委譲

全ての意思決定プロセスは助言プロセスを通じて行われることで、個人の意思決定にように見えて、実は組織で出した意思決定になる。

②情報の透明化

全ての情報(成果や給料など)があらゆる人に公開されているので、不信感の種がない状態を実現する。

③自責意識の浸透

対処すべき問題を感じた時は行動する義務を負う。問題意識を自分の役割範囲内に留めることは認められない文化がある。

このようにメンバーやチームの成果やプロセス行動もリアルタイムで見える化され、メンバーやチームは自分自身の成果やプロセス行動を自覚し、組織を進化させる機会を組織内で有しています。

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■要素3:進化する目的

一言で言うと、「何のために存在するのかを問う」です。既存の組織では、目標設定と達成が大前提にあります。

しかし、「何のために目標を達成するのか?」という目的を問う質問に対してどれだけの人が答えられるのでしょうか?私たちは日々仕事をしていると目の前の数値目標を達成することが、日々の仕事の目的になってしまいがちです。

ティール組織で言う目標は「未来」であり、目的が明確であれば当然意欲も高まり、パフォーマンスも高まるというのがティール組織の考え方です。

このような考え方を促進するためには主に3つの組織文化が必要になります。

①使命感の醸成

自分の使命と組織の存在目的を重ね合わせるために、自分の心の声に耳を傾ける義務を組織として負っている。

②感覚での将来計画

精緻に未来を予測し、コントロールすることは無駄であり、その場その場の状況を感じ取り、対応することにすれば全てのことが見えるようになるという考え方が浸透している。

③利益の追求

長期的には存在目的と利益の間にはトレードオフは存在せず、自分の存在目的の達成に向けて努力すれば利益はついてくると考えている。

このように組織の進化する目的や個人の存在目的を常に考え続け、共鳴させていく組織こそがティール組織になりうるのです。


ティール組織を実現している企業例

ティール組織の代表例と言われる企業を、国内と海外でそれぞれ1社ご紹介します。

企業①株式会社ネットプロテクションズ

株式会社ネットプロテクションズは決済サービスなどを提供している日本の会社で、ティール組織を採用していることでも有名です。同社では、従業員それぞれがリーダーシップと責任を持って自発的な業務を遂行し、必要に応じて組織の枠を超えた協力体制をとることができるよう、以下の仕組みを取り入れています。


①マネージャー制度を廃止した人事制度「Natura」の制定によって、現場担当者の意見を尊重した意思決定を実現

②主事業の他に20%のリソースを使って興味のある業務に挑戦できる「ワーキンググループ」制度によって、早期にリーダー経験を積める環境を実現

③社員一人ひとりが自分の将来像ややりたい分野、また異動希望などを記入し全社員に公開する「ビジョンシート」制度によって、志向性に応じた配属環境を実現


このような取り組みの結果、世界60ヶ国・7,000社を超える企業の働きがい調査をおこなう「Great Place to Work Institute Japan」より「働きがい認定企業」として選出されています。

企業②THE MORNING STAR COMPANY

THE MORNING STAR COMPANYは、ティール組織の提唱者であるフレデリック・ラルー氏がティール組織の代表例として挙げている世界最大のトマト加工会社です。


同社では、従業員全員がマネージャーとして働いており、上司は存在せず、役職も昇進制度もありません。従業員は、「トマト関連の製品やサービスを提供して、品質や対応の面でお客様の期待に確実にお応えする」という企業の目標を実現するために、どのように自分が貢献するのかということを自らのミッション・ステートメントに記します。そのうえで「合意書」を作成して会社に提出します。


この合意書は、自分のミッションを達成するための行動を具体的に記したものであり、合意書に基づく行動に関しては、すべての決済権が与えられます。そして、従業員の報酬は、合意書の実践度合いを、同じ事業に関わる他の従業員が評価する形で公正に決められます。


組織診断・改善のことならリンクアンドモチベーション

前述した通り、組織形態自体に優劣はありません。それぞれの組織形態に強みと弱みがあるため、企業は今どのような組織状態か、事業を成長させていくためにはこれからどのような組織形態にしていくのが最適かを見極めて、選択していく必要があります。


そのためには、まず今現在自分の組織がどのような状態になっているのかを客観的に診断しなければ、目指すべき組織との差分がわからず、効果的な打ち手を打つことができません。


リンクアンドモチベーションの「モチベーションクラウド」は、国内最大級のデータベースを活用し、簡単なアンケート調査に回答するだけで、従業員エンゲージメントを可視化し、組織の課題を一目瞭然にすることができます。


また、診断だけではなく、コンサルティングや研修など、明らかになった組織の課題の解決と目指す組織像の実現に向けて様々な形でご支援をすることも可能です。

まとめ

いかがだったでしょうか?組織には「絶対解」はなく、「最適解」があるのみです。いかに環境に適応できる組織を創っていけるかが最大のポイントになります。

ルールに囚われず、組織を1つの生命体と捉える「ティール組織」の考え方はまさに現代に求められる組織の1つのカタチではないでしょうか?組織の在り方を考える上で何かヒントになっていれば幸いです。

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小川 隼汰
小川 隼汰
【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。 以降、中堅・ベンチャー企業向けのコンサルティングに従事。 「新卒採用の戦略設計及び、実行支援」「企業理念の策定及び、浸透支援」など主に組織人事に関わる領域で教育/福祉/IT/小売業界など数多くの業界の企業を支援してきた経験を持つ。

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