接遇研修とは?必要とされる理由や5つの原則、選ぶ際のポイントなどを解説
接遇とは、おもてなしの心を持って相手に接することです。相手と良好な関係を築くのに役立つため、多くの業界・業種で高度な接遇力が求められています。また、接遇の重要性を再認識した企業は、接遇研修を取り入れることも少なくありません。この記事では、接遇研修の目的や選択する際の重要なポイントなどについて解説します。
目次[非表示]
- 1.接遇研修とは
- 2.接遇研修を実施する目的
- 3.接遇研修を実施するメリット
- 4.接遇研修の形式
- 5.接遇マナーの5原則
- 6.接遇研修の主な内容
- 7.接遇研修を実施するまでの流れ
- 8.接遇研修を選ぶ際のポイント
- 9.まとめ
接遇研修とは
ビジネスにおける接遇とは、顧客に対しておもてなしの心を持って接する行為を指します。そして、接遇研修はビジネスにおける接遇スキルを向上させることが目的です。
接遇研修では、基本的なビジネスマナーや、接客時における適切な言葉遣いなどを学びます。また、顧客満足や顧客感動といった観点から、顧客のニーズに応えられるような能力の習得も重要視されます。
接遇と接客の違い
接遇と似た言葉として挙げられるのが接客です。顧客に接するという点では、接遇と接客はどちらも共通しています。しかし、接客はあくまでサービスを提供することを目的に実施されます。そのため、必要なこと以外はせず、事務的な対応という側面が強い傾向にあります。
接遇は、顧客にとって必要なサービスを提供するだけに留まりません。相手を思いやる気持ちを持ったり、おもてなしを加えたりして接することで、顧客満足度の向上を目指します。
接遇研修を実施する目的
接遇研修は、自社の売上や利益を高めることを目的として実施されることが一般的です。接遇研修によって従業員のスキルを高められれば、高品質な接遇に繋がります。
そして、高品質な接遇は顧客満足度の向上を実現し、競合との差別化を図れたり、リピート客の増加が見込めたりします。また、企業のブランドイメージを改善でき、信頼度も上がりやすくなります。
接遇研修を実施するメリット
接遇研修を実施するメリットは多岐に渡ります。ここからは、具体的なメリットとそれぞれの詳細を解説します。
顧客満足度が向上する
接遇研修を実施するメリットとして挙げられるのが、顧客満足度が向上することです。なぜなら、接遇研修によって従業員の接遇スキルが改善するためです。
周囲に同じ商品を扱う競合店が多かったとしても、接客態度が良ければ顧客が次回以降も来店してくれる可能性が上がります。顧客数の増加は業績や売上などの向上にも直結するため、接遇研修は企業にとってもよい効果をもたらしてくれます。
トラブル・クレームを抑止する
トラブル・クレームを抑止できることも、接遇研修を実施するメリットの1つです。従業員の接遇スキルが向上すれば、顧客の意見や意図を理解して、適切な応対を実現しやすくなります。
適切な応対ができれば顧客満足度の向上が期待できたり、トラブルやクレームの発生防止に役立ったりもします。また、トラブルやクレームの減少は業務の効率化という点でも重要です。時間やリソースを別の業務に回しやすくなります。
従業員のモチベーションを維持する
接遇研修は従業員のモチベーションを維持するのにも役立ちます。接遇研修によってスキルが向上すれば、顧客と良好な関係が築けるようになったり、業績が上がりやすくなったりするためです。
また、従業員のモチベーションが上がれば職場環境もよい状態になりやすいです。社内におけるコミュニケーションも活発になり、ディスカッションの促進やコミュニケーション不足によるミスの減少が期待できます。
接遇研修の形式
接遇研修はさまざまな形式で実施されます。そのなかでも、代表的な形式は3種類です。1つ目は、外部の会社や講師による研修です。外部の研修会社が日時や場所を決めて研修を開いたり、準備は自社で行って講師を派遣してもらったりする方法などがあります。
2つ目は、OJTによる研修です。先輩や上司による顧客の対応を見たり、自ら実務経験を積んだりして、スキルを身につけます。
そして3つ目は、オンライン研修です。Web会議ツールやeラーニング形式を採用して、研修を実施します。
接遇マナーの5原則
接遇に関するスキルを身につける際は、接遇マナーの5原則を意識することが重要です。5原則とそれぞれの詳細は以下の通りです。
原則 |
詳細 |
身だしなみ |
身なりを整えて清潔感を演出する |
挨拶 |
明るく自発的であるとして、相手に良い印象を与える |
表情(笑顔) |
相手に安心感や親近感を与える |
態度・動作 |
立ち振る舞いを意識して、相手が接しやすい雰囲気を作る |
言葉遣い |
顧客の立場や状況に適した、丁寧な言葉を使う |
接遇研修の主な内容
接遇研修の内容は一律ではありません。しかし、多くの接遇研修で共通している内容もあります。以下は、接遇研修の主な内容とそれぞれの詳細です。
基本の接遇スキル
接遇研修では、基本的な接遇スキルを学びます。接遇における5つの原則である表情、挨拶、身だしなみ、話し方、仕草などを参考に、基礎的な立ち振る舞いをトレーニングします。
また、時間・場所・場合ごとに合わせた適切な対応も学習の対象です。他にも、接遇用語の使い方や電話応対のマナー、来客応対などを、基本の接遇スキルとして学びます。
満足度向上のためのトレーニング
満足度向上のためのトレーニングも、接遇研修で取り扱われやすい内容です。接遇に求められるのは、単純に顧客をもてなすスキルだけではありません。
顧客の満足度を高めたり、感動を提供したりして、相手の心を掴むことが求められます。そのため、従業員は顧客の立場・視点で物事を捉えて、顧客が心地よいと思える接遇を実施する必要があります。
クレーム対応トレーニング
接遇研修では、クレームに対応するためのトレーニングも実施されやすいです。なお、接遇研修におけるクレーム対応トレーニングで学ぶのは、単純にクレームを処理するための方法ではありません。
クレームの対応の際に接遇を活用して、顧客満足度を向上させることを狙えるようにします。また、クレームへの対応はビジネスにおいて必要不可欠なスキルです。接遇に関わらず、企業や従業員にとって重要な研修です。
接遇研修を実施するまでの流れ
接遇研修を実施するまでの流れについて解説します。以下は、具体的な流れと詳細です。
自社の課題を把握する
接遇研修を実施する際は、まず社内の課題を把握することが重要とされています。なぜなら、自社の業種や業態によって、適切な接遇スキルは変わるからです。
また、習得したい接遇スキルによって、適切な研修の内容や形式も変わります。研修を効果的にするために、自社の課題はあらかじめ把握しておきましょう。
研修によって接遇スキルを身につけてもらう
課題を洗い出して現状を把握できたら、適切な内容の研修を選んで実施します。なお、従業員に対して、接遇研修を実施する目的や意味を理解してもらうことを心掛けましょう。
接遇研修では、業界や業種に合わせた専門的な接遇スキルを習得できると効果的です。そのため、高い専門性を持つ研修会社や講師を選べるように、調査や確認を入念に行いましょう。
学んだことを実践させる
接遇研修で学んだ知識やスキルは、実践することで身につきやすくなります。いきなり現場で実践するのは難しいため、現実的な状況に基づいたロールプレイングの実施がおすすめです。
従業員それぞれに役割を設定して、実際の業務に近い状態で練習をしましょう。また、ロールプレイング後は、実務経験を通じたOJTに進むとより効果的です。
接遇研修を選ぶ際のポイント
接遇研修を選ぶ際は、いくつか意識するべきポイントがあります。以下は、具体的なポイントとそれぞれの詳細です。
自社のニーズに合わせて選ぶ
接遇研修を選ぶ基準として、自社のニーズに合うかどうかが挙げられます。自社のニーズに合わない内容の研修では、身についたスキルが従業員にとって価値のないものになりかねません。
また、時代によってもニーズは変わります。顧客が求めているものに応えられる、最新の接遇スキルを身につけられるように、適切な研修を選びましょう。
研修形式で選ぶ
接遇研修の形式は多岐に渡ります。たとえば、専門の企業に研修のセッティングを任せたり、外部から講師を招いて研修をしたりするなどです。
また、実務を通してスキルや知識を身につけるOJTや、実施場所や時間に関する制約が少ないオンライン研修などが挙げられます。
実績のある研修会社・講師を選ぶ
外部の研修会社や講師を利用して接遇研修を実施する場合は、それぞれの実績も選ぶ際のポイントとなります。特に、自社の業界について熟知している会社・講師を選ぶことは大切です。
自社の業界について熟知していれば、業界に合った適切な接遇スキルを教えてくれる可能性が高くなります。従業員の接遇スキルが向上しやすくなるほか、習得率を高めることも期待できます。
まとめ
接遇研修は、顧客満足度を高めて企業の売上・利益率を良くするために重要です。しかし、従業員のモチベーションが低く、接遇研修に向き合えない状態では、実施しても効果的ではありません。
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