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ガバナンスの意味とは?目的やメリット・デメリットについて解説!

健全な組織運営を通して長期的に企業価値の増大を図るため、近年「ガバナンス」を強化する企業が増えています。今回は、ガバナンス(コーポレート・ガバナンス)の意味や目的、メリットやデメリット、ガバナンスを強化する方法などについて分かりやすく解説していきます。

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目次[非表示]

  1. 1.ガバナンスとは
  2. 2.ガバナンスと似た言葉
  3. 3.ガバナンス・コードとは
  4. 4.コーポレート・ガバナンスとは
  5. 5.コーポレート・ガバナンスの主なメリット
  6. 6.コーポレート・ガバナンスの主なデメリット・注意点
  7. 7.コーポレート・ガバナンスを強化する方法
  8. 8.コーポレート・ガバナンス強化の成功事例
  9. 9.まとめ

ガバナンスとは

ガバナンス(governance)は、「統治」「管理」「支配」などの意味を持つ言葉です。企業経営においてガバナンスと言ったら、健全な経営を実現するために管理体制や内部統治を強化する取り組みのことを言うのが一般的で、「コーポレート・ガバナンス」とも呼ばれます。

ガバナンス(コーポレート・ガバナンス)の大きな目的は、「企業の不祥事を防ぐこと」と「企業の収益力を強化すること」です。これにより、長期的な企業価値の増大を目指します。

企業がガバナンスを強化することによって、経営者の独断による誤った経営判断や杜撰な管理体制による不祥事を防ぐことができれば、株主などステークホルダーからの評価を高めることにもつながります。

「ガバナンスは上場企業に必要なもの」と認識されている方も多いですが、非上場企業であっても長期的な企業価値の増大や、従業員・顧客・取引先等のステークホルダーとの関係は重要です。したがって、ガバナンスは全ての企業で取り組んだ方が良いものと言えます。

ただ、ガバナンスを強化したいあまり、たくさんのルールを作りすぎても内部の複雑性が高まり、事業推進のスピードが遅くなってしまいます。

ここから解説するガバナンスのメリット・デメリットや事例を参考にしながら、今の自社にとって必要なガバナンス体制を構築し、定期的に見直しながら短期の事業成果と長期の企業価値向上の両立を目指しましょう。

ガバナンスと似た言葉

ガバナンスと似た意味を持つ言葉がいくつかあります。意味の違いについて確認しておきましょう。

■コンプライアンスとの違い

コンプライアンスは「法令遵守」と訳される言葉です。ビジネスにおいては、法令だけでなく、企業理念や業務規定、社内規範なども含め、それらを守ることを言います。コンプライアンスは、ガバナンスの重要な要素の一つと言えるものです。

■リスクマネジメントとの違い

リスクマネジメントとは、想定される経営リスクを割り出し、それを管理することで損失を回避・低減する取り組みのことです。リスクマネジメントもガバナンスの一要素と言えるもので、リスクマネジメントを適切におこなうことがガバナンスの強化につながります。

■内部統制との違い

内部統制とは、企業が不祥事を防ぎ、業務の適正を確保するための取り組みのことです。内部統制もガバナンスを強化するための一つの手法であり、適切な内部統制システムを構築することで経営陣や従業員の違法行為防止につながります。

■ガバメントとの違い

ガバメント(government)もガバナンスと同様に「統治する(govern)」に由来する言葉であり、同じような意味を持っています。ただし、一般的にガバメントと言ったらその主体は国家であり、企業・組織が主体となるガバナンスとはこの点で異なります。

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ガバナンス・コードとは

ガバナンス・コードは、企業がガバナンス強化を図るうえで指針になるもので、「企業統治指針」とも呼ばれます。

2015年に金融庁と東京証券取引所が共同で策定したもので、企業と様々なステークホルダー(株主、顧客、従業員、地域社会など)との望ましい関係性や、企業を監視する取締役会などの組織のあるべき姿について記載しています。

ガバナンス・コードには、「基本原則」「原則」「補充原則」という3段階の原則が設けられています。東証プライム市場・スタンダード市場の上場会社はすべての原則の遵守が求められ、マザーズ・JASDAQの上場会社は基本原則の遵守が求められています。

コーポレート・ガバナンスとは

企業が取り組むガバナンスは「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」と呼ばれます。

金融庁・東京証券取引所は、コーポレート・ガバナンスを「会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会などの立場を踏まえたうえで、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定をおこなうための仕組み」と定義しています。

簡単に言えば、企業経営において公正な判断ができているかどうかを監視する仕組み、ということになるでしょう。

コーポレート・ガバナンスの具体的な取り組みとしては、「内部統制の強化」「社外取締役・監査役の設置」「執行役員制度の導入」「社内ルール・判断基準の明確化」などが挙げられます。

「コーポレート・ガバナンスが効いている」「コーポレート・ガバナンスが保たれている」といった使い方をしたら、会社と株主との関係や会社の経営監視がうまくいっているという意味になります。

コーポレート・ガバナンスの主なメリット

■経営陣の暴走を抑止できる

コーポレート・ガバナンスが効いていない会社は、一部の経営陣の暴走によって誤った経営判断を招いたり、ときに不祥事を起こしたりするリスクがあります。不祥事を起こした会社はステークホルダーに大きな損失を与え、社会的な信頼や企業価値が損なわれます。コーポレート・ガバナンスを強化することで、このような経営陣の暴走による不祥事を抑止することができます。

■健全な経営を推進できる

コーポレート・ガバナンスを強化することで、企業は利益偏重の経営ではなく、社会から認められる方法で運営されるようになります。一人ひとりの従業員が企業理念に沿いながら価値創出に向けて動くようになり、社会のニーズに合った商品・サービスを提供できるようになります。

■企業価値を高めることができる

コーポレート・ガバナンスを強化することは、株主の利益を守ることだけでなく、顧客や地域社会、従業員の利益を保護することにもつながります。その結果、企業への信頼度が高まり、長期的に企業価値を向上させることができます。

コーポレート・ガバナンスの主なデメリット・注意点

■ビジネスのスピード感が失われることがある

企業がコーポレート・ガバナンスに取り組むことで、ビジネスのスピード感が失われるリスクがあります。経営陣だけで判断すれば迅速に実行できる場面でも、監視が入ることでスピード感が損なわれ、監視側がストップをかけることでビジネスチャンスを逃してしまうこともあります。

■ステークホルダーに依存してしまうことがある

コーポレート・ガバナンスの取り組みにおいては、ステークホルダーの利益を重視することが大切です。しかし、株主などのステークホルダーはときに短期的な利益を求めることがあります。経営陣がリーダーシップを発揮しにくく、ステークホルダーの意志に従わざるを得なくなると、長期的な成長が阻害される可能性もあります。

■コストの負担が大きくなることがある

コーポレート・ガバナンスを強化するために、外部から取締役や監査役を招聘するケースは少なくありません。そうなれば当然、雇用するためのコストが発生します。また、社内でも然るべき管理体制を構築する必要があり、そのためのコスト負担も無視することはできません。

コーポレート・ガバナンスを強化する方法

■内部統制の強化

コーポレート・ガバナンスを強化するためには、内部統制の強化が欠かせません。透明性のある情報開示と財務状況の適切な報告はコーポレート・ガバナンスの重要事項とされていますが、これらを実現するためには内部統制が不可欠です。日々の業務において違法行為や背任行為が生じるスキがない体制を整えることが、コーポレート・ガバナンスの土台構築につながります。

■社外取締役・社外監査役の選任

一部の経営陣による不正を防ぐためには、第三者による監視体制を構築するのが効果的です。この第三者として機能するのが社外取締役や社外監査役です。

社外取締役は経営を監視する役割を担い、社外監査役は、取締役が法令や定款を遵守しているかどうかを監督する役割を担います。コーポレート・ガバナンスを強化するうえで、社外取締役や社外監査役が目を光らせることは非常に重要です。

■執行役員制度の導入

執行役員は取締役とは別に選任され、業務執行の責任・権限を有するポジションです。執行役員制度を導入することで、経営機能と執行機能が分離され、経営の健全性と効率性を高めることができ、コーポレート・ガバナンスの強化につながります。

コーポレート・ガバナンス強化の成功事例

■ヤマハのコーポレート・ガバナンス

ヤマハ株式会社は、「コーポレート・ガバナンス・オブ・ザ・イヤー2018」の「Grand Prize Company(大賞)」を受賞。「指名委員会等設置会社への移行」「社外取締役の選任比率の引き上げ」「業績評価を含む報酬制度の導入」などの取り組みが評価されています。

■キリンホールディングスのコーポレート・ガバナンス

キリンホールディングス株式会社は、「コーポレート・ガバナンス・オブ・ザ・イヤー2020」において「Grand Prize Company(大賞)」を受賞。

コア技術である発酵バイオテクノロジーをベースとして、社会が求める価値を創造することによって社会に貢献するという企業目的を明確にし、その実践に当たって多様性に富んだスキルの高い外部人材を経営に招き、透明性の高いガバナンス体制を構築していることが評価されています。

■ライオンのコーポレート・ガバナンス

ライオン株式会社は、「コーポレート・ガバナンス・オブ・ザ・イヤー2020」において「東京都知事賞」を受賞。コーポレート・ガバナンスが優れていることに加え、環境対応や働き方改革など、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを積極的に推進している点が評価されています。

■花王のコーポレート・ガバナンス

花王株式会社は、「コーポレート・ガバナンス・オブ・ザ・イヤー2017」において、「Grand Prize Company(大賞)」を受賞。取締役会を有効に機能させるために取締役会議長を社外取締役より選出し、社外取締役の数も増やして、共に中長期の企業価値創造を創ることを目指し、継続して高い経営力を発揮していることなどが評価されています。

■エーザイのコーポレート・ガバナンス

エーザイ株式会社は、「コーポレート・ガバナンス・オブ・ザ・イヤー2021」において「東京都知事賞」を受賞。「企業理念を定款に組み入れたパーパス経営の実践」「指名委員会の設置」「経営監督と業務執行の分離」などの取り組みが評価されています。

まとめ

株主などステークホルダーの利益を踏まえた公正で透明性のある経営が求められる今、コーポレート・ガバナンスの重要性はますます高まっています。コーポレート・ガバナンスを強化することで、長期的に企業価値を発揮し続けられる地盤を作っていきましょう。

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LM編集部
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