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LGBTとは?日本での割合や現状は?企業で必要な支援制度について

LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの4つの英語の頭文字をとった言葉で、性的少数者を表す総称の一つです。近年、働き方改革や多様性推進の必要性が叫ばれる中、政府や企業によるLGBTへの対応や支援制度に注目が集まっています。

本記事では、「LGBTの基礎知識や日本の現状」「企業におけるLGBT支援の必要性と取り組み事例」について分かりやすく解説していきます。


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目次[非表示]

  1. 1.LGBTとは?
  2. 2.日本におけるLGBTへの対応
  3. 3.海外におけるLGBTへの対応
  4. 4.企業が行うLGBTへの支援制度
  5. 5.記事まとめ

LGBTとは?

■LGBTの意味と定義

LGBTとは、以下の4つの言葉の頭文字をとった言葉で、性的少数者(セクシャルマイノリティ)を表すの総称の一つです。これらの呼称は、北米・ヨーロッパで生まれ、近年、日本をはじめ世界中で使われています。

 ・Lesbianレズビアン)ー同性を好きになる女性
 ・Gayゲイ)ー同性を好きになる男性
 ・Bisexualバイセクシュアル)ー両性を好きになる人
 ・Transgenderトランスジェンダー)ー身体の性や出生時に割り振られた性と心の性(性自認)が異なる人

■LGBTに該当する人の割合

2019年に、LGBT 総合研究所が行った意識行動調査では、LGBTなど、性的少数者に該当する人は全体の約10%と、約10人に一人がLGBTに該当するという調査結果がでています。

※参考:株式会社 LGBT 総合研究所 LGBT・性的少数者に該当する人は10%と判明

しかし、同年に「働き方と暮らしの多様性と共生研究チーム」が実施した調査によると、LGBTに該当する人のみの割合は約3.3%であり、「決めたくない・決めていない」など、他の性的少数者も含めた結果が約8.2%と、調査によって異なる結果が報告されています。

※参考:大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート

■LGBT以外のマイノリティについて

性的少数者(セクシャルマイノリティ)とは、LGBTのみを指す概念ではありません。 個人の性別とは、以下の4つの要素によって構成されています。

 1.身体の性ー「からだ」の性。身体的特徴など、客観的に判断される性別。
 2.性自認ー「こころ」の性。身体の性とは関係なく、自分自身が認識している性別のこと。
 3.性的指向ー自分の恋愛感情や性愛感情がどの性別に向いているかを示すもの。
 4.性別表現ー服装、言葉遣い、振る舞いなど、自分自身がどのように表現したかを示すもの。

このように、性的少数者とは、ただ自分がどの性別を好きになるかによって定められるものではありません。LGBT以外にも、性自認や性的指向が定まっていない、または定めることに不安を感じているクエスチョニング、他者に対して性的な興味関心を抱かないアセクシュアル、自身の性別を男性や女性に定めないXジェンダーと呼ばれる人々など、多様な人々が存在します。

■企業がLGBTに取り組む意義と背景

近年では、個々人がLGBTについて理解、サポートするだけでなく、各企業がLGBTに対してどういった取り組みを実施しているのかが注目を集めています。その中でも特に注目されているのが、新たな価値創造のために多様な人材を活用していくダイバーシティ経営という概念です。

ダイバーシティ経営とは、経済産業省により「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義されています。

この「多様な人材」の中に、性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無などに加えて、LGBTなどの性的少数者も含まれています。近年では以下の2点の観点から、LGBTを含む多様性を活かしたダイバーシティ経営が重要視されています。

※参考(経済産業省HPより抜粋):経済産業省 ダイバーシティ経営の推進

①労働市場(働き手)の変化:労働人口減少と労働人口構造の変化

国内の労働人口減少に伴い、これまで以上に性別・国籍・世代を越えた戦力の確保・能力開発が必要とされています。

②商品市場(マーケット)の変化:企業のグローバル化

グローバル化により、自国の需要のみならず、自分たちの価値観や文化とは異なる多様な顧客ニーズを捉え、事業に接続するために、多様な従業員を確保する必要性がでてきています。

■ダイバーシティ経営の目的と道のり

ダイバーシティ経営の本来の目的は、前述の通り、多様性を生かし、イノベーションを生み出し、価値創造につなげることです。

しかし、組織や個人が違いを受け入れ、協働共創することができるようになることは、容易なことではありません。アメリカの社会学者であるミルトン・ベネットは、個人が自分とは異なる文化や価値観を統合できるようになるまでの過程を以下の6つのステップに整理しています。

 1.違いの否定ー違いを無視する、認識しない(できない)
 2.違いからの防衛ー違いを認識するが、否定的に評価する
 3.違いの最小化ー違いを認識するが、重要性を最小化する
 4.違いの受容ー違いを認識し、受容する
 5.違いへの適応ー違いに共感し、順応する
 6.違いとの統合ー違いを統合する

ダイバーシティ経営においては、LGBTを含む多様性を認識し、受容するだけでは不十分です。多様性からイノベーションを生み出し、価値創造に繋げるためには、多様性を理解、受容するだけでなく、多様な能力・経験・知識・価値観を統合し、活用していくことが必要不可欠となります。

日本におけるLGBTへの対応

■日本のLGBTの現状

日本では、2020年6月に大企業に適用された「パワハラ防止法」にて、相手の性的指向や性自認に関する侮辱的な言動も、パワハラの一つとして扱われることとなりました。

このパワハラ防止法には、「アウティング」と呼ばれる、相手の性的指向や性自認などのプライベートな個人情報について、本人に了承を得ることなく暴露してしまうことや、「SOGIハラ」という、相手の性的指向などに関する不適切で侮辱的な言動なども含まれます。

これにより、大企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月から、アウティングやSOGIハラを含むパワーハラスメントの防止対策を講ずることが義務付けられることとなっています。

■結婚制度などの法的整備における課題

現在日本では、同性婚やパートナーシップ方を認める法律は存在しません。 世界と比べてみても、同性婚やパートナーシップ法などが法律で認められていないのは、G8の中で日本とロシアのみとなっています。

一方で、地方自治体や企業での取り組みでは、法律としての制度ではないものの、同性パートナーを認める動きも出てきています。2015年以降、渋谷区や世田谷区では同性パートナー証明書を発行し、同性同士の関係性を承認する取り組みが実施されました。

またその他にも、ライフネット生命により、同性パートナーへの死亡保険金受取が可能となったり、ソフトバンクによって同性パートナーでも家族割に加入できるサービスが生まれたりなど、少しずつ性的少数者のための対応が行われてきています。

海外におけるLGBTへの対応

■海外における結婚制度

ILGAが2020年に公表した報告書によると、世界で同性婚が認められている国は28ヵ国存在します。 この28ヵ国のうち、16ヵ国はヨーロッパの国々となっており、これにはベルギーや、フランス、ドイツなどの国が含まれています。

世界で初めて同性婚が法律的に認められたのは、2001年のオランダでの事例が初とされています。また先ほどのILGAの報告書には含まれていませんが、2019年には台湾でも同性婚が認められるようになり、アジアで初めて同性婚が法律で認められる国として大きな話題を呼びました。

※参考:ILGA State-Sponsored Homophobia report – 2020 global legislation overview update

■LGBT文化を讃える大規模イベント「プライドパレード」

また、LGBTなどの性的少数者(セクシャルマイノリティ)に関する認知度向上に大きく貢献しているイベントとして「プライドパレード」が存在します。

欧米諸国などの世界の主要な都市では、この「プライド」と称される性的少数者のパレードイベントが毎年開催されており、中には100万~300万人を動員する規模のものも存在します。

このイベントは、近年日本でも東京レインボーパレードとして開催されており、2021年には P&Gジャパン合同会社やKDDI株式会社など、多くの企業から協賛が集まるほど大きな注目を集めています。

また、2021年にトップスポンサーとして協賛をしている国内飲料メーカーの株式会社チェリオコーポレーションでは、全社に向けてイベントへの参加呼びかけを実施するだけでなく、性的少数者に対するサポートを表明するオリジナルの自動販売機を設置し、利益の一部を性的少数者に関する活動のサポートに回す取り組みが実施されました。

※参考:東京レインボープライド2021


企業が行うLGBTへの支援制度

2016年、任意団体 work with Prideによって、LGBTなどの性的マイノリティに関する企業の取り組みを客観的に評価する「PRIDE指標」が策定されました。

このPRIDE指標では、ブロンズ、シルバー、ゴールドの三段階で企業の取り組みが評価されます。 この記事では、2020年に最高評価のゴールドを受賞している二社の取り組みを紹介していきます。

■事例① ジョンソンエンドジョンソン

ジョンソンエンドジョンソンでは、2015年に、LGBTQ+に対する偏見や誤解をなくすための活動を推進する「Open&Out Japan」というグループが発足されました。

このグループでは、LGBTの社員に対し社内コミュニティを提供したり、社員に対してLGBTに関する理解を促進する啓発活動などを行っています。具体的には、レインボージャーニーというトレーニングを実施し、「会社でホモネタを笑うことについてどう思うか」など、身近な場面で起こりうるケーススタディを通して、LGBTに関する理解啓発を行っています。

■事例② KDDI

KDDIでは、2017年4月より社内の配偶者の定義を改め、同性パートナーも配偶者に含めることで、配偶者に適用される社内制度全てを同性パートナーにも同様に適用することを決定しています。

トランスジェンダーの社員に関しては、本人が希望する性で社内生活ができるよう、健康診断の個別実施を推奨したり、自分が周りの社員から呼ばれたい名前「ワーキングネーム」の使用を認めたりしています。

また、LGBTの当事者へのサポートに加え、LGBTに関する社員の理解度向上を目的に、LGBTに関する社内公募型セミナーの実施や、社内eラーニングシステムを通じたコンテンツ配信も行っています。

​​​​​​​

記事まとめ

LGBTは、人種や国籍、宗教や価値観などを含むダイバーシティ(多様性)の中の一つです。 そして、ダイバーシティ経営が重要視されている近年では、LGBTは企業にとっても注目すべきテーマの一つとなっています。

多様な人々が働きやすい環境を創るためにも、企業の持続的な価値創造に繋げるためにも、違いを認識、受容するだけではなく、違いを統合し、活かす取り組みを進めていきましょう。



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