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OKRとMBOとの違いとは?導入のメリットや運用方法を解説


Googleやメルカリなどの有名企業でも導入されているOKRについて、どのように運用すればよいのか、そもそもMBOとの違いとは何なのか気になっている方もいるのではないのでしょうか?

OKRは海外で主に活用されている仕組みなので、日本には合わないと敬遠している方もいると思います。そんな方々のためにOKRとは何か、メリットなどをご紹介し、より良い組織創りに活かしていただければと思っております。

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目次[非表示]

  1. 1.OKRとは
  2. 2.OKRとMBOとの違い
  3. 3.OKRのメリット
  4. 4.OKRの運用方法
  5. 5.記事まとめ

OKRとは

OKRは「Objectives and Key Results」の頭文字からきた略語です。OKRの構成は非常にシンプルで、1個の目的(O)と2~5個の重要指標(KR)で構成されます。

つまり、定性的な「何を目指すのか」という目的と定量的な「どのように目的を達成するのか」という重要指標の両方を併せ持つことが重要なポイントになります。

■Objectives(目的)

世の中のほとんどの企業ではMission/Vision/Valueのように組織として目指す姿の共通認識を持っています。OKRにおける「Objectives」を設定する上で重要になるのは、長期ではなく、3か月くらいで目指す姿を設定することです。その上で設定するためのポイントが3つあります。

①挑戦的であること

変化の激しい時代において、組織としても個人としても成長し続けるためには、現状維持ではなく、少し背伸びをした目的を置く必要があります。そのため、目的は「達成したらすごい!」と思えるものにする必要があるのです。

②魅力的であること

組織で目的を果たすためには、メンバーがどれだけワクワクするか、達成したいと思えるかが重要になります。ひとり一人が本気で熱くなれる目的を掲げることで組織のパワーは最大化されるのです。そのためには、目的を平易でわかりやすい表現で伝えるようにする必要があるのです。

③一貫性をもつこと

目的は全社、部署、チーム、個人のように様々な範囲で切り取って設定することができます。ただし、組織の縦と横の関係の中で繋がりのない目的を置いてしまうのは本末転倒です。

そのため、全社の目的を果たすために部署の目的があり、部署の目的を果たすためにチームの目的があるように、間の漏れやズレが生じない一貫性のある目的設定をすることが必要となります。

■Key Results(重要指標)

OKRにおける「Key Results」を設定することは、言い換えると、目的達成に繋がる重要な結果指標を選ぶことと言えます。つまり、戦略的にどんな基準で何を重要な結果指標とするかを選ぶ必要があるのです。その上で設定するためのポイントが4つあります。

①目的とリンクしていること

重要な結果指標は目的と結びついている必要があります。市場の変化に対応し、目的を達成するために今必要な指標を選択する必要があるのです。

②定量的に計測可能であること

達成における共通認識を取るためには、計測可能であることが必要です。誰かが成功したと思っていても誰かが失敗していると思ってしまうような定性的で曖昧な指標では判断基準として成立しません。

したがって、組織内の誰であっても認識がズレない、定量的で具体的な判断基準である必要があるのです。

③ギリギリ達成可能であること

目的達成に向けては、何を指標にするかに合わせてどこまで目指すのかを決める必要があります。ただし、挑戦的であり、魅力的である目的を達成するためには指標も同様です。

高い指標を掲げてやる気を損なってしまったり、低すぎて全力を出すまでもない指標ではなく、ギリギリ実現できそうだというラインの指標を設定する必要があるのです。

④重要なものに絞ること

人間は多くのことを一気に記憶することが難しい生き物です。したがって、指標がたくさんあっても集中力が分散し、結果何も達成できないということが発生してしまいます。つまり、本当に重要な指標を3つ程度に絞って設定することが必要になるのです。

■なぜ今OKRが求められているのか?

振り返り評価やMBOなど目標管理のツールは様々ありますが、なぜOKRが重要視されているのでしょうか。去年流行ったゲームアプリや商品が現在では名前すらも忘れられていることがあるように昨今のビジネス環境の変化は非常に激しくなっています。

そんな時代において、年に1回、あるいは半年に1回のサイクルで目標設定及び、評価を実施していては変化の波に置いていかれてしまいます。


OKRは短サイクルでの目標設定及び、評価を行い、「実現すべき目的、意義(To be)」まで含めた意義目標までを設定します。それにより、変化に対応できるとともに組織の構成員のモチベーションの極大化を図ることも可能になるのです。

ビジネス環境の変化が激しい時代において、各チームが意義や目的に立ち返り、時に成果目標の観点や水準を見直す必要があるのです。

OKRとMBOとの違い


OKRと同様に目標管理ツールとして使われるのがMBO(Management By Objectives)です。ここでは、OKRとMBOの違いを5つの観点で解説していきます。

①目標管理の目的

MBOを使用する主な目的は、人事評価を行うための手段であることが一般的です。一方、OKRの目的は組織の成長であり、より高い目標を達成することが求められます。したがって、OKRのKR(重要指標)は人事評価から切り離す必要があります。

▼目標管理に関する記事はこちら
目標管理とは?行動振り返り、MBO、OKRを詳しく解説

②目標の設定頻度

MBOの目標の設定頻度は1年に1回が一般的です。一方、OKRは3か月に1回の頻度で目標を設定します。したがって、OKRの方が環境や市場の変化に柔軟に対応することができると言えます。

③レビューの頻度

MBOでは年に2回ほど、上司から部下へのフィードバックを行うという形で進捗管理を行うことが一般的です。しかし、年に2回しか目標に立ち返る場面がないので目標が形骸化することが多々あるのが問題になります。

一方、OKRでは週に1回の1on1など、多頻度で振り返りの機会が儲けられます。したがって、より目標に集中して取り組むことができるようになると言えます。

④目標と進捗の共有範囲

MBOでは上司と部下の間でのみ目標に対する進捗の共有がされます。そのため、部分的な切り取り方をしてしまい、全社との整合性を把握することが難しくなる恐れがあります。

一方、OKRでは社員全員に進捗が共有されるので、健全な競争や協力が生じ、また自分の仕事と会社の業績との繋がりも見えるようになり、社員のモチベーション向上に繋がると言えます。

⑤目標達成の測定方法

MBOでは掲げた目標を上回ったかどうか、100%を上回ったかが達成の基準になります。一方、OKRでは挑戦的な指標設定を行うため目標を達成できないことがよくあります。したがって、指標を60~70%以上達成していれば合格とみなすことが一般的になっています。

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OKRのメリット

OKRを設定する上でのポイントやMBOの違いなどを説明してきましたが、OKRを活用することでいったいどのようなメリットがあるのでしょうか。

OKRの設定の目的にもありましたが、OKRには組織の成長を促進するための仕組みが組み込まれています。それも踏まえて、組織のリーダーにとってOKRを活用する6つのメリットを紹介していきます。

①戦略立案と整理ができる

組織のリーダーである人は組織をどこにどう導くかという戦略を立てる必要があります。その際、OKRを設計することで、どこに(目的の決定)どう(重要指標の選択)向かうかを整理することができるのです。

また、これはメンバーに伝わるものでなければならないので、OKRに落とし込むことでそれが可能になると言えるでしょう。

②メンバーを導くことができる

組織をどこに導くかを提示することでリーダーシップの一歩目を踏み出すことができます。しかし、明確にわかりやすく行き先を提示することは簡単ではありません。OKRの設計において、目的(O)を設定することやそれを発信し続けることで仕組みとして組織のゴールを提示することが可能になるのです。

③緊張感を保つことができる

リーダーからの指示や管理を受けるメンバーは自分のできる限りのことを遂行しようと奮闘しますが、人間である以上弱い気持ちに負けてしまうこともあるでしょう。

それはメンバーの動きが可視化されていないことが原因で生じることが多々あります。OKRでは全社員に情報が公開されるので、仕組みとしてほどよい緊張感を与えることができます。

④マネジメントを仕組み化できる

目標を達成するための経験やスキルは1日や2日で身につくことではありません。それをリーダーから教えられたとしてもすぐに結果に反映されることは稀です。

OKRでは、フィードバックなどのコミュニケーション方法がある程度型化されているため、今やるべきことが常にOKRという共通言語によってズレなく伝えることができます。このように、仕組みとしてメンバーのマネジメント機会を提供してくれるのです。

⑤メンバーの創造性を引き出せる

OKRにおけるObjectives(目的)は他の目標管理ツールの目標と比較して、抽象的とも言えます。これによってメンバーの創造性を引き出すことが可能になります。

抽象的な目的は人によって解釈が異なり、その目的に対する打ち手(重要指標)はメンバー自身で考えることができるようになります。このようにメンバーからも意見が出やすいという仕組みが組み込まれているのです。

⑥経営者の感覚に近づくことができる

MBOなどの目標管理ツールでは達成基準が100%であるため、評価を上げるために恣意的に低い目標設定を行う可能性があります。

ただし、OKRでは挑戦的で魅力的な目的を掲げ、その目的を果たすための絞った目標を達成する必要があります。

自ら目的を掲げ、到達するまでの目標を考えるという経営者に求められることを実践することができるのです。

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OKRの運用方法

それでは実際にOKRをどのように設計し、どのように運用していくのかを見ていきましょう。
OKRを設計し、運用していくためには大きく3つのステップが必要になります。

①目的(O)を設定する

まず始めに定性的な企業目標(意義目標)と、それに紐づく部署・チーム・個人に落とし込み細分化した目標設定を行っていきます。ここで重要なポイントが「一貫性」です。企業全体から個人まで目標に乖離がないかを確認しましょう。

また、人事評価にMBOなどの目標管理を組み込んでいるため、達成できそうな目標やわざと基準を落とした目標設定を行ってしまうことで、結果的に達成しても意味のない目標になってしまうことがあります。ここで重要なポイントは「挑戦的」「魅力的」です。

ぎりぎり達成でき、達成できたら嬉しい目標設定を行うことが大切です。

②重要指標(KR)を設定する

定性的な企業目標(意義目標)が設定できたら、成果目標(重要指標)を設定していきます。1つの目標に対して3つくらいの成果目標を置き 、定量的で計測可能な指標を設定します。

実施期間は1ヶ月や四半期ほどの期間のサイクルで設定し、各組織が独立して達成できる指標を設定します。

③成果の測定と評価

先ほどお伝えした通り、成果の測定を1ヶ月や四半期ほどのサイクルで行い、その結果から進捗状況を可視化することで状況や対策も含めて企業内でのコミュニケーションが活性化されます。

また、四半期の段階で評価のフィードバックを行う際には、目標自体が妥当であるかどうかの見直しも行い、企業目標とのズレが発生している場合には目標の変更を行います。

記事まとめ

いかがだったでしょうか。変化の激しいビジネス環境において、OKRは企業の目指すべき場所にたどり着くために必要不可欠なツールになります。

意義深い目標設定を行い、それを達成するための重要な指標を設計し、それを短サイクルでアジャイルしていくことで目標までの最短距離を創っていきましょう。

参考:
書籍「THE TEAM 5つの法則」麻野耕司 著
書籍「本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR」奥田和広 著


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小川隼太
小川隼太
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