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【キヤノンマーケティングジャパン株式会社】行動の中で、繰り返す基本。 それが、新入社員を 社会人に変える。

新入社員の学生気分を払拭し、 自ら学び、自ら成長していく社員を育てる。

現場の仕事に接続するための 行動から学ぶ「新入社員研修」をスタートさせた キヤノンマーケティングジャパン。 研修に込めたねらいと人材育成への思いを、 人事本部の額田泰介氏にうかがいました。


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行動させ、学生気分を払拭する

研修担当1年目の私が新入社員研修を実施す る上で考えたことは、座学による〝教える〞研修で はなく、ビジネスにおける〝基本を繰り返し実践さ せる〞研修を実施し、現場配属後の仕事に接続し ていくことでした。

以前採用担当をしていたため新入社員との接 点はありましたし、入社までいざなうという役割を 経験していたことで、〝学生気分を払拭し、社員(社 会人)に変えること〞という課題が明確に見えてい ました。一昔前と比べると今の若者は優秀で頭が よく、言われたことをやることは得意ですが、いざ 行動に移すときに応用が利かない面が目立ちま す。そして「失敗して恥ずかしい思いをしたくない」 という思いからか、行動も内向きになっている気 がします。

自ら考え、行動することを放棄し、無意識 のうちに安全運転をしてしまう傾向があります。そ こで私は彼らが得意とする座学による研修ではな く不得意である「行動し、応用を利かす」という部 分にスポットを当てたいと考えました。

一方的に教わったことは研修直後には理解で きたと思っても、職場に戻って実践しようとすると 覚えていない、使えない、応用できないとなること がほとんどです。座学はもちろん重要ですが、繰り 返し実践させ研修内容を〝ハラオチ〞させ、身体に しみ込ませることで、初めて現場の仕事に接続で きるようになるはずです。お客様に対してビジネ スマナーや上司への報・連・相など、仕事で必要に なる基本的な行動を盛り込みながら新入社員の ビジネススタンスを形成したいと思いました。



安心と信頼が採用・拡大の決め手になった

今回の研修は、もともと法人営業に関わるセク ションに所属する者だけが受講していた研修をカ スタマイズしたものです。その研修をスキル、知識 の研修の前に新入社員全員に受けてもらうこと で、社会人としてのスタンスに切り替えるための起 爆剤にしたいと考えました。

私自身、もともとリンクアンドモチベーション(以下、LM)とは新卒採用 担当時代から付き合いがあったため、弊社を理解 してもらっているという安心感と仕事ぶりへの信 頼感があったことが実現の決め手になりました。

LMの営業マンはガッツのある人が多く、古き良 きハングリーさを持っていて、一緒に頑張りましょ うというスタンスで臨んでくれます。彼らの本気 は、こちらも「じゃあ、一緒に頑張ろうかな」という 気にさせてくれる。そんな熱さが確かな仕事につ ながり、安心を抱かせてくれるのでしょうね。



新入社員に「渇き」を感じさせる

研修をカスタマイズしていく段階も、こちらの要 望をしっかりと受け止めてもらえました。研修プロ グラムの完成度が高いこともあって、カスタマイズ にもさほど時間がかからず「土台がしっかりしてい るな」と感じました。コミュニケーションも円滑で、 1を言えば少なくとも7か8までわかって下さり、 同じ目的を持って質の高い研修を一緒になってつ くっていくことができたと思います。

今回の研修の基盤となった「ダーウィンスタン ス」は、本来は仕事に臨むスタンスを変えるための ものですが、仕事の基本を擦り込む必要もあると 考えました。新入社員は、仕事の仕方がわかりま せん。最初のうちは上司や先輩から「これやって」 「あれやって」と指示を受け実行し報告するわけで すが、報・連・相は新入社員のみならずビジネス パーソンにとって必ずしなければいけない仕事の 基本ですので、それらを実行する中での学びや気 づきを与えたいと考えました。

だからこそ一方的に教えるだけの研修からス タートするのではなく、〝受身ではない自ら仕事を 取りに行く姿勢〞を醸成する「ダーウィンスタンス」 から新入社員研修プログラムをスタートする必要 があると考えた訳です。そうすれば「ロジカルシン キング研修」「グローバル人材研修」といった個別 の座学的な研修プログラムも自らの行動を意識し ながら、定着させることができると考えました。新 入社員は大学まで学んできたことで、社会に出て もそれなりにはできると思っている傾向がありま すが、ビジネスの基本動作が身についている訳で はないので、それらは大きな武器になり得ま せん。まずは社会人として足りないものがあること =「渇き」を感じさせれば、より多くのことを吸収で きると思ったのです。

またプログラムをより効果的なものにするため に、グルーピングにも工夫しました。採用試験で用 いた適性検査の結果を使って同じタイプの人材を 集めて行動を予測し、個々の反応を見られるよう にしたのです。自律性が高いチーム、行動意欲が 低い人ばかりのチームなどタイプが近い人が集ま ることで、個人の特性がグループの行動に表れや すく〝気づき〞が得やすくなることを想定し、そこで 得る〝気づき〞がその後の研修につながると考えま した。



新入社員が開放される瞬間とは?

研修で印象的だったのは、新入社員たちの表情 の変化です。「怪獣型ロボットベロゴンを製作せ よ!」のエクササイズ内でブロック製作をしている 際の楽しそうな表情が、ビジネスの厳しさを体感 する「クリエイトモチベーションに求人広告を提案 せよ!」というビジネスシュミレーションになると曇 り出したのです。「クリエイトモチベーションに求 人広告を提案せよ!」のプログラムで登場するクラ イアント役を目の前にし、そのクライアント役から のコメントに一喜一憂。情報が聞き出せたと盛り 上がってつくったはずなのにダメ出しをされて下 を向いてしまい議論にさえならないなど、壁を感じながらも前進しようとする姿を目の当たりにしま した。

ねらい通りの反応が見られたことはもちろん ですが、短期間で成長する新入社員に私は目を細 めてしまいましたね。彼らは私にとっては子どもで もおかしくない年代ですから、ある意味親みたい な目線になって〝もっと成長してほしい、だから もっともっと苦しませたい〞なんて考えていた気が します(笑)。こうした変化を目の前で見られたこと はとてもよい機会だったと思っています。

もう一つ印象に残っているのは、新入社員たち が同じグループのメンバー同士でフィードバック し合い決意表明をしていく『鏡に映った自分(アド バイススクランブル)』です。人には、人とのコミュ ニケーションの中で「開放される」瞬間がありま す。露呈した弱みや自分の内に秘めている部分と 向き合い「自分はこういう人間だ」と知る。そしてそ れを同期の前で話すことは、とても大きな変化に つながると感じました。もしかしたら自分自身をさ らけ出し露呈することは、ある意味とても恥ずかし い体験だったのではないかと思います。気の合う 同期から顔しか認識できない同期と様々な「同 期」に対して踏み込んで話せたことで、表面上では ない真のチームワークが形成されるよいきっかけ になったのではないでしょうか。





教えたのはストレートとカーブだけ

ねらい通りの成果が得られた反面、今回の研修 では意外な発見をすることもできました。研修を つくっていく段階で、タイプ別にチーム分けをした ことで、二つの興味深い場面を見ることができた のです。

一つは「自分ができると思っている新入社員」の チームに見られた傾向です。頭が切れるだけあっ て、どこか「これは研修だ。ヒントとルールがある。」 と斜に構えており、こういう新入社員にはある意味 難しさを感じました。実際のビジネスには正解は ひとつではありません。しかし、〝答え探し〞の近道 をしている姿に近年の優秀な若者のあやうさを感 じました。

二つ目はうれしい発見だったのですが、「行動 力が弱い」チームでの発見でした。確かに動きは 悪くのっそりしているのですが、一歩一歩、着実に 足元を固めていて「亀」の強さを感じました。他の グループにいるような活発なメンバーと一緒の チームだったらこのメンバーからリーダーが生ま れることもなかったと思いますが、リーダー役が ちゃんと出てくるのですね。また、お互いが働き掛 け合いながら議論を重ね、変化し、バランスの良 いチームになる。こうした人材たちが飛び抜ける 瞬間を見られたことはとても面白かったですね。

この研修を終えた後スキル系の研修を実施しま したが、スキルや知識を詰め込むだけの研修はほ とんどありませんでした。野球(ピッチャー)で言え ば、教えたのは〝ストレート〞と〝カーブ〞だけであえて応用部分は自分次第としました。スライダーも チェンジアップもフォークも教えず、あとは試合で キャッチャーに向かって投げて、打者との間合いな どを自分なりに考えて成長してほしいというねら いがあったからです。

また全体の研修を通して伝えたかったのは、弊 社の行動指針である「三自の精神」〝自分が置かれ ている立場・役割・状況をよく認識し(自覚)、何事 も自ら進んで積極的に行い(自発)、自分自身を管 理する(自治)姿勢で、前向きに仕事に取り組むこ と〞です。それらを噛み砕いて〝自ら考え、行動する ことの大切さ〞を伝えることができたと自負しています。



自ら学べないと成長は止まってしまう

今後は「ビジネスアカデミー」と題して、業務時 間外に自ら使えるスキルを選び学んでいける研修 が待っています。社員たちは自分に必要なスキル を、自ら投資して学んでいくわけです。自分への投 資をやめたら成長は止まる。そこで得られるもの がリスクかリターンは自分次第という環境を用意 し、より大きく羽ばたいていける人材を育てていき たいと考えています。

また来年度以降の研修では、 個人力を鍛えていくような仕組みをつくってみた いとも考えています。5~6人のチームを組むの ではなく一人ひとりが責任を持って動き、成果を 出すために努力が求められる。そんな研修を作っ てみたいですね。個人力を上げることで、チームの 力がより強くなるという環境をつくりたいです。ビ ジネスシーンでは、チームワークも大切ですが個 の力がブレイクスルーに導く場面が多々あります。 スキル、知識ではなく「自分がやらなければならな い」という、一人ひとりをドライビングフォースとす るような研修があれば理想的だと思うのです。

LMは熱意を持って、価値を提供してくれる会社 だと思います。社名の通り、モチベーションにあふ れていますね。若い人が裁量権を持ち何とかしよ うという意志が強く、真摯に向き合ってくれるので 気持ちよく仕事をすることができました。今後は、 一緒にリスクを冒してくれるような存在であってほ しいと願っています。型通りの研修ではなく新しい 価値をつくっていく……。そんなことができれば、 かつてないほど面白い仕事ができるとワクワクし ています。


※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。




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