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リスクマネジメントの意味とは?企業に必要な理由や具体的な方法を解説

近年「個人情報漏洩問題」「パワハラ問題」といった事案をニュースで頻繁に耳にします。このように企業には様々な経営リスクはつきものです。

そのため、企業が経営をしていくのであれば、上手くリスクと付き合っていく必要があります。ただ一方で「リスクマネジメントっていまいちよく分からない」「リスクマネジメントって抽象的すぎて具体的に何をすれば良いか分からない」といったお悩みを頂戴することもあります。

本記事では、そんな声に答えるため、リスクマネジメントの重要性や具体的な方法を紹介していきます。

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目次[非表示]

  1. 1.リスクマネジメントとは?意味は?
  2. 2.リスクマネジメントの目的と必要性
  3. 3.組織人事コンサルティング企業としての目線で見たリスクマネジメントと組織創りのポイント
  4. 4.知っておきたいリスクの種類
  5. 5.リスクマネジメントの手段
  6. 6.リスクマネジメントの手法
  7. 7.リスクマネジメントに役立つツール
  8. 8.記事まとめ

リスクマネジメントとは?意味は?

■リスクマネジメントの実態は?

リスクマネジメントはアメリカ発祥の概念です。英語では「risk management」と書き、「risk」には危険・恐れといった意味が、「management」は管理・やりくりといった意味があります。

つまりリスクマネジメントとは、想定されるリスクを管理しながら、その損失を最小限に抑えるための管理手法を意味します。

ワクチンへの異物混入や個人情報情報流出などが企業に与えるインパクトを考えると、このリスクマネジメントの重要性を理解していただけるかと思います。

また現在IT技術の進歩やリモートワークの推進、雇用形態の多様化などが進む中でリスクが増大しているため、リスクマネジメントの難易度は向上しています。

■リスクヘッジとの違い

リスクヘッジは英語で「risk hedge」と書き、「hedge」には「障害」「防止策」といった意味があります。つまりリスクヘッジとは、予期される危険を回避するための予防策のことです。

つまり、リスクヘッジはリスクを回避するための考え方であり、リスクマネジメントはリスクと適切に向き合うための考え方です。

■クライシスマネジメントとの違い

クライシスマネジメントは英語で、「Crisis management」と書き、「Crisis」には危機といった意味があります。「risk」と「Crisis」は共に危険、重大局面という意味がありますが、「risk」は潜在的な危険を指し、「Crisis」は既に存在している重大な危険を指します。

つまりクライシスマネジメントとは、危機が起こることを前提として、危機による被害を最小限に食い止める対策のことです。また対象は経営に深刻な影響をあたえるような重大な出来事になります。

■リスクアセスメントとの違い

リスクアセスメントは英語で「risk assessment」と書き、「assessment」には評価、分析、判断といった意味があります。

つまりリスクアセスメントとは、潜在的な危険性を見つけ出し、その危険性を評価・分析をすることで、リスクを除去、低減するため手法です。

リスクマネジメントの目的と必要性

リスクマネジメントの目的は大きく分けて二つです。一つ目は「会社を存続させ続けること」であり、-を無くす事が目的です。二つ目は「会社を発展させ続けること」であり、+を生み出す事が目的です。

従来のリスクマネジメントでは,会社に損失を与えるリスクを減らす全社の目的に重点が置かれていましたが、変化の激しい企業環境の中で最近では、挑戦機会の創出という後者の目的も重要視されてきています。では順番に解説していきます。

一つ目から解説します。従来から、企業が意思決定を行う際には無意識のうちにリスクマネジメントは行われて来ました。

ただ現代においては、IT技術の進化により情報が全世界に即時で拡散されるため、致命的な失態により一度落ちてしまった信頼を取り返すことは難しくなっています。そのため、企業を存続させるためのリスクマネジメントの必要性は向上していると言えるでしょう。

一方で業務の複雑化によりアウトソーシング化が進んだ結果、外注先の業務停止が及ぼす自社への連鎖的影響の拡大や、従業員の法令違反により企業の経営をゆるがすような品質問題の発生などの新たなリスクが顕在化しており、以前よりもリスク管理の難易度は向上しています。

続いて二つ目について解説します。よくハイリスクハイリターンと言いますが、新しい挑戦にはリスクがつきものです。リスクを恐れて、挑戦が出来なければ企業へのリターンもありません。そのため、企業が発展し続けるためには、一定のリスクを許容する必要があります。

ただ、人間は誰しも失敗の可能性が高い危険地帯を進むのは気が引けるものです。そのため、事前にリスクに対応できる体制を整えることで、危険地帯を進むための勇気を与えることがリスクマネジメントの目的です。

日本市場は、人口減少も相まって今後厳しくなって行くことが予想されています。そのため、どの企業も一定のリスクを許容して、新たな挑戦をすることが必要になっています。つまりリスクマネジメントの必要性は向上していると言えるでしょう。

組織人事コンサルティング企業としての目線で見たリスクマネジメントと組織創りのポイント

弊社は組織人事コンサルティング企業ですので、”組織”という切り口からリスクについて解説します。前提会社は、経済合理軸が強く動き、色々な問題を起こしかねないという宿命を持っています。例えば長時間労働や不正会計などは、経済合理軸だけで切り取れば「売上に繋がる正しい行為」として判断できるかもしれません。

だからこそ、ルールで縛るため、コンプライアンスや内部統制といった動きが近年多く生まれています。

しかし実際は、ルール統制だけでは限界があります。過度なルールで縛ってしまうと、非効率に繋がるケースもあるからです。

また、そもそもルール統制というのはすべて、性悪説を前提としてつくられており、真摯に仕事に取り組もうとしている人のモチベーションを下げかねないという点も大きく存在します。

そこで、本質的に取り組むべきこととは、会社の「経済合理軸で動く宿命」と「経済合理軸以外の価値観を排斥する空気や体質」に対して、株主や市場による統制ではなく「社員による統制」が正しく働く組織をつくることなのです。

※参考記事:コンプライアンス研修とは?実施の目的やテーマ例を紹介

知っておきたいリスクの種類

■純粋リスクについて

純粋リスクとは企業に損害や損失のみをもたらすリスクを指します。例えば火災・地震・水害・自動車事故・テロなどが純粋リスクに該当します。

東日本大震災が東京電力様に与えた影響は、正に純粋リスクの恐ろしさを表す出来事ですし、従業員の過労自殺事件なども純粋リスクに該当します。

近年では、環境問題や労働問題の規制が強まり、この純粋リスクは増加しています。例えば環境リスクとして環境規制強化によって環境規制違反のリスクは高まっていますし、労働リスクとしてのセクハラや長時間労働への規制も厳しくなっています。

■投機的リスクについて

投機的リスクとは利益(リターン)または損失(リスク)を発生させるリスクを指します。例えば、 ・為替変動・金利変動・新商品の開発・事業の多角化などが投機的リスクに該当します。

近年ではこの投機的リスクを含め、リスクは利益の源泉であり、リスクを取って利益を追求しないと企業が成長できないと積極的に捉えられるようになってきています。

リスクを恐れて何もしない事は、成長を諦めることに近しいため、この投機的リスクについては健全にマネジメントをしていく必要があります。

リスクマネジメントの手段

先ほど組織人事コンサルティング企業の観点から見るとリスクマネジメントの手段は、「社員による統制」が正しく働く組織をつくることであると述べましたが、本章では、一般的なリスクマネジメントの手法を4つ紹介します。

■リスク回避

「リスク回避」とは、リスクの発生する可能性が高い活動を選択しないことで、損失を避ける方法を指します。

リスク回避の具体例としては下記のような行動があげられます。

  • 業績状況が厳しい会社とは取り引きをしない
  • 膨大な初期投資が必要な新規事業への参入を実施しない

など

■リスク軽減

「リスク軽減」とは、リスクによる損失の発生確率を低減したり、損失の規模を最小限にとどめる ようにする方法を指します。リスク軽減の具体例としては下記のような行動があげられます。

  • 災害時に備えて、安全管理システムを導入する
  • 情報漏洩リスクに備えて、添付資料を暗号化させる

など

■リスク受容

「リスク受容」とは、リスクの発生可能性を容認し自らの費用で損失を埋め合わせる方法を指します。発生頻度は高いが、発生時の影響が小さい場合に活用されることが多いです。

リスク受容の具体例としては下記のような行動があげられます。

  • 新規事業の初年度赤字決算を考慮して、既存事業で時間を稼ぐ
  • 既存顧客の解約リスクを受容して、新規顧客の獲得に動く

など

■リスク移転

リスク移転とは、発生するおそれがあるリスクを第三者に移転する方法を指します。発生する頻度は低いが、発生時の影響が大きい場合に活用されることが多いです。

リスク移転の具体例としては下記のような行動があげられます。

  • 災害に備えて保険に加入する
  • 重要なデータをローカルだけでなく、クラウドサービス上でも保管する

など

リスクマネジメントの手法

リスクマネジメントを実施していく場合、一般的に、「リスクの認識・特定」→「リスクの分析・評価」→「リスク処理手段の選択」→「実行」→「再評価」という流れで実施します。

①リスクの認識

まずは企業の事業目的に関連してどのようなリスク要因があるかを発見し、リスクとして特定することが必要となります。

②リスクの分析・評価

次に、特定したリスクを分析・評価します。分析の際には、「リスクの発生確率」「リスク発生のタイミング」「リスクが顕在化した場合の企業への影響度」という3つの軸を活用することが有効です。

③リスク処理手段の選択

上記の分析・評価に合わせて、リスク処理手段を選択します。選択できる手段は先ほど記載した、 「リスクマネジメントの手段」をご参照下さい。各種リスクの対処に要する費用とリスク軽減効果を比較し対処方法を選択します。

④実行

③にて選択した手段を実行します。

⑤再評価

外部環境やリスク対策の効果度に合わせて管理状況を再評価し、場合によってはリスクの処理方法を変更します。

リスクマネジメントに役立つツール

世の中にはリスクを一元管理するツールやセキュリティ管理のためのサービスなどが沢山あります。とはいえ、直接的なリスクマネジメントツールだけでなく、そもそもリスクを発生させない組織づくりが重要です。

組織人事コンサルティング企業視点でのリスクマネジメントの手段は、「社員による統制」が正しく働く組織をつくることです。

「会社の事が嫌い」と従業員が言っている組織と、「会社を大事にしたい。もっと発展させていきたい」と従業員が言っている組織とでは、リスクの発生確率は後者の組織の方が低いことは想像しやすいでしょう。

そのため、リスクマネジメントのためには「組織状態」を見える化し、危険な状態の組織には手を入れることは有効です。

そして弊社サービスである、モチベーションクラウドでは、国内最大級の8,010社、203万人のデータベースをもとに組織状態を可視化・分析可能することが可能ですので、組織的な観点からリスクマネジメントに手を入れる場合には活用できます。

※参照:慶應義塾大学との研究結果を公開~エンゲージメントスコアの向上は営業利益率・労働生産性にプラスの影響~

また上記モチベーションクラウドのデータと会社の不祥事の関係性を分析したところ、不祥事が起きやすい会社と、不祥事が起きづらい会社の特徴が判明したので紹介します。

■不祥事が起こりやすい会社の特徴

  • 話題性や知名度があり社会的な影響力が大きく、基盤の安定を想起させる企業
  • 教育支援制度は充実しているものの、日頃から責任ある仕事を任せるなどの部下の自立に向けた育成が十分でない企業

■不祥事が起こりづらい会社の特徴

  • 従業員一人ひとりが会社の一員であることを自覚できている企業
  • 自社の事業に優位性があり、新たな提案などを行える開かれた組織風土を持つ企業

ここでは結論のみの記載に留めますが、論拠に興味がある方はぜひ下記記事をご参照くださいませ。

※参照:「企業不祥事と従業員エンゲージメントの関係」に関する研究結果を公開

このようにリスクの一つである不祥事については、組織の観点から改善できることがあります。

▼【風土】に関する記事はこちら
組織風土(企業風土)とは?改革のポイントや事例を解説

記事まとめ

本記事で述べたように、一口でリスクマネジメントと言っても、対象も手法も数多くあります。そのため、自社の状況に合わせて適切に対処をしていくことが大切です。

日本の一部上場企業では「売上目標を外せない」「大量の従業員を守るためリスクを追いずらい」という特性も相まって、石橋を叩いて渡る文化があることも事実です。

一昔前は最高品質を実現するために非常に有効だったその文化は、現代の変化が激しい時代においては負の遺産になっている可能性があります。

だからこそ、日本を再び成長基調に戻すためには、「リスクマネジメント力を強化して、渡れる橋を早急に増やす」か「リスクを恐れず挑戦する」ということが必要です。

この記事が少しでも皆さんの挑戦を増やし、少しでも日本に成長の種を落とす一助になれば幸いです。

▼【管理職育成のポイント】が分かる資料はこちら 

織田 桂伍
織田 桂伍
【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。ベンチャー企業向けコンサルティング部隊で、新規事業の営業とコンサルを経験したのち、現在は大手企業向けコンサルティング部隊にて、人事制度コンサルや研修など人材開発・組織開発サーベスの 営業をしている。

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