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問題解決力とは?実行ステップやメリット、高める方法などを解説
自社の生産性が上がらない原因を検証している際、従業員の問題解決力に問題があると考える場合もあるでしょう。そこで本記事では、問題解決力はどのように向上させるべきか情報収集している人に向けて、問題解決力が高い人と低い人の特徴や、身につけるメリットなどを解説します。また、ゼロベース思考やロジカルシンキングなどを高める方法も具体的に紹介するため、参考にしてください。
目次[非表示]
問題解決力とは?定義や実行ステップを解説
まずは、問題解決力とはどのようなものか、定義や問題解決の実行ステップを解説します。
問題解決力の定義
問題解決力は、その名のとおり「問題を解決する力」のことです。理想と現状のギャップを問題とし、解決までのプランニングからそれを実行する能力を指します。
また、問題を解決するためには表面的な原因だけでなく、問題の本質である根本原因を見つける力も重要です。あとに解説しているロジカルシンキング(論理的思考)で問題を正しく見極め、適切な課題を導き出しましょう。
問題解決の実行ステップ
問題解決は、3つのステップで進めていきます。まずは、解決したい問題の本質を捉えます。本質を捉えないまま対策を進めても的外れな取り組みばかりになり、多くの時間を費やしてしまいます。時間をかけても問題を解決できない場合もあるでしょう。
本質を理解したら、次に問題解決に必要な対策を考えます。対策を考える際には、問題を細分化するために利用される「MECE」や「ロジックツリー」を用いるとよいでしょう。
最後に、解決のために必要な計画が十分にできたら、それらを実行に移します。実行の際は、スピードやコストも意識しながら、優先順位の高いものから着手していきましょう。
ビジネスにおける問題の種類
ビジネスにおける問題は、大きく分けて3つに分類できます。それぞれを詳しく解説します。
発生型
発生型とは、すでに起きている問題であり、環境や条件によって自然に発生したものです。たとえば、「売り上げが前年比を下回った」「ミスが発生した」「退職者が多い」などがこれに当てはまります。
発生型は課題が明らかであることが多い問題です。そのため、解決策も他の問題と比較すると簡単に見つけられることが特徴です。しかし、根本で起きていることを見ずに表面的な問題だけを解決してしまうと、再び同じ問題が起こる可能性があるため、注意が必要です。
潜在型
潜在型とは、今後起こる可能性がある問題のことで、現在はまだ表面化していないものを指します。たとえば、「このまま業務が増えれば人材不足になる」「競合他社が現れた場合の対抗策は?」などです。
これらの問題は、発生した場合に組織や企業にリスクを与える可能性があるため、事前に対応策を考えておくことで、回避したり影響を最小限に抑えたりできるでしょう。
設定型
設定型の問題とは、目標設定をして達成するまでの道のりで発生する可能性のある、理想と現状のギャップのことです。
たとえば、キャリアアップをするために、何かの役職に就きたいと考えた際「そのために必要なスキルは何か」「どのようにそのスキルを身につけるか」という問題が、設定型に該当します。
このような問題を解決するには、アクションプラン(行動計画)を作成するのが有効です。実現できる具体的な行動を考えて実行しましょう。
問題解決力が高い人と低い人の特徴
問題解決力が高い人や低い人には、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
問題解決力が高い人
問題解決力が高い人は、日ごろからさまざまな物事に対して「なぜだろう」と疑問を持ち、考える習慣があります。そのため、主体性と論理的思考を持って行動し、深掘りして物事を考えることで根本にある潜在的な問題を発見できます。
また、PDCAをこなす習慣が身についており、日常的に問題解決の経験値を高められます。そのため、失敗しても解決策を考え実行し、同じ失敗を何度も繰り返すことがありません。
問題解決力が低い人
問題解決力が低い人は、何か問題が起きても自分事(じぶんごと)とは捉えず、他責にしてしまう傾向があります。問題が発覚しても他人任せにしてしまうため、問題解決力が身につきません。
また、問題を客観的に見られなかったり、問題の根本を見極められなかったりするため、本質的な問題解決策を考えられません。必要のないことに時間をかけたり、何度も同じ失敗をしたりしてしまいます。
従業員の問題解決力を高めるメリット
従業員の問題解決力を高めることは、従業員にメリットがあるだけでなく、企業にとってもメリットがあります。
思考力が向上する
問題解決力を高めるためには、論理的思考をはじめとした思考法が用いられます。そして、問題解決力が高まれば自然に思考力も高まります。プロセスを組み立てて物事に取り組んだり、新しいアイデアを生み出せるようになったりするので、ビジネスのさまざまな場面で身についた能力を発揮できるようになるでしょう。
突発的に発生した問題にも解決策を考え対応できる
ビジネスでは、計画どおりに物事が進行しない状況や、予想外のトラブルが発生する場面も少なくありません。問題解決力を身につけておけば、原因の根本を分析して、必要な解決策を導き出せるようになります。そのため、不測の事態が起きた際でも、冷静に対処できるようになるでしょう。
生産性が向上する
ビジネスでは、常に問題を解決し続けなければなりません。問題解決力を高めていれば、スムーズに解決できるようになるため、より多くの問題を見つけ、課題をクリアできるようになるでしょう。結果として、業務効率が上がり企業全体の生産性向上にもつながります。
従業員の問題解決力を高める方法
これまで問題解決力を高めるメリットを紹介しました。次は、実際に従業員の問題解決力を高める方法を紹介するので、実践してみてください。
ロジカルシンキングを身につけさせる
問題を本質的に捉え、論理的に解決策を考えるためには、物事を体系的に整理して、矛盾や飛躍のない筋道を立てるロジカルシンキングという思考法が重要です。従業員にロジカルシンキングを身につけさせることは、問題解決のためにデータと原因を考え合わせて対策を講じたり、時系列でプロセスを立てたりする場合にも役立ちます。
また、ロジカルシンキングだけでなく、ロジカルシンキングを用いて問題を解決するためのロジックツリーやMECEなどのフレームワークを活用する知識も必要です。
クリティカルシンキングを習得させる
クリティカルシンキングとは、思考の偏りやバイアスを取り除いて、客観的かつ合理的に物事を考える思考法です。従業員にクリティカルシンキングを習得させると、先入観や主観にとらわれることなく、客観的に判断できるようになるでしょう。
クリティカルシンキングを習得させるには、物事の前提になっていることが本当に正しいのかを疑う習慣を持ち、他者の目線で見直し、妥当性を確認できるようになることが大切です。また、特定の考えに偏った思考を持つと、客観的な判断ができなくなるため、自分の思考が偏っている場合には、それに気づける力を養うことも意識させましょう。
課題発見力を鍛える
問題解決力を高めるには、大前提として、従業員自身が課題に気づけるかどうかが重要です。そのためには、日常的に行われていることに対して疑問を持つ癖をつけさせます。「なぜこの業務は何年も前から同じ運用なのだろうか」「なぜ新しい方法を考えないのだろうか」とさまざまな内容に対して疑問を持たせ、課題発見力を鍛えましょう。
ゼロベース思考を習慣化させる
ゼロベース思考とは、既存の概念や枠にとらわれることなく、物事を根本から考える思考法のことです。ゼロベース思考を習慣化させれば、アイデアを思いついたり、斬新な解決策を生み出したりできるようになります。
たとえば、すでに世の中にあたり前のように存在している商品でも、ゼロベース思考で商品を見直せば、今までにないコンセプトの商品を開発できるでしょう。
従業員の問題解決力が低いことが原因で起こる問題
問題解決力の低い従業員や組織の場合、問題に直面しても対応が後手になり、解決するまでに時間がかかるため、問題や被害が大きくなる恐れがあります。
問題発生時には、解決すべきことが1つしかないとは限りません。問題解決力が低いと、優先して対応するものがわからなくなってしまうでしょう。
また、問題解決力が低いと根本的な原因の追求がおろそかになり、表面的な問題だけを解決して終わらせてしまうため、同じミスを何度も繰り返すことにもなりかねません。
まとめ
問題解決力を高めると、思考力も高まるため、問題が起きても冷静かつスピーディに的確な対応ができるようになります。限られた時間のなかで多くの問題を解決し、発生した問題に迅速に対応できれば、生産性も上がり、企業の業績も向上するでしょう。
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