統率力とは?リーダーシップとの違いや統率力を身につける方法などを解説
強い組織をつくり、ビジネスにおける競争力を高めるためには、統率力のあるリーダーが求められます。では、統率力を高めるためにはどのような取り組みを実施すればよいのでしょうか?本記事では、統率力がある人の特徴や、統率力を高める方法などを解説します。
目次[非表示]
- 1.統率力とは?
- 2.リーダーに統率力が求められる理由
- 3.従業員が統率力を身につけるメリット
- 4.統率力がある人の特徴・共通点
- 5.統率力を身につける方法
- 6.まとめ
統率力とは?
統率力とは、チームや組織をまとめ上げ、自ら先頭に立って率いていく力のことです。組織において「リーダー」のポジションにある人にとって、統率力は必要不可欠な能力の1つといえます。
統率力はリーダーシップの要素の1つ
統率力と似たような言葉に、「リーダーシップ」があります。
両者はほとんど同じ意味で使われることも多いですが、厳密にいうと、統率力はリーダーシップにおける1つの要素という位置づけです。なおリーダーシップは、コミュニケーション力や行動力、主体性などにより構成されると考えられています。
統率力とマネジメントの違い
マネジメントとは、組織の目標やミッションを達成するために、経営資源を効率的に活用することです。
統率力とマネジメントの大きな違いは、目標達成を目指すうえでの役割です。統率力は目標に向けてチームを引っ張る力なのに対し、マネジメントは目標達成の活動を維持管理することを指します。
リーダーに統率力が求められる理由
リーダーに統率力が求められる背景には、次の2つの理由があります。
人材の流出を防ぐため
日本は少子高齢化により労働人口が減少しており、人手不足に悩む企業は少なくありません。年功序列に基づく終身雇用制度も事実上、形骸化しており、人材の流動性が高まっています。そのようななか、人材をつなぎとめるためには統率力に優れた魅力的なリーダーが必要です。つまり、チームを率いるリーダーの統率力が高まれば、メンバーの離職を防ぐことにつながると考えられます。
生産性の向上を図るため
ビジネスにおいて生産性が重視されていることも、統率力のあるリーダーが求められる理由の1つです。生産性を高めるためには、目標に向かって周囲の人々を指揮する人材が必要です。
経営陣や管理職など、組織構造における上層のレイヤーにいる人物だけでなく、従業員1人ひとりが統率力を身につけることが、組織全体のパフォーマンスの向上につながります。
従業員が統率力を身につけるメリット
ここからは、従業員が統率力を身につけるメリットについて、企業側・従業員側双方の視点から解説します。
企業にとってのメリット
統率力を持つリーダーがいれば、チームの結束力を高めることが可能です。その結果、従業員のパフォーマンスが向上し、ひいては企業の業績アップにつながるでしょう。
従業員にとってのメリット
統率力を含むリーダーシップスキルを身につけることは、従業員本人のキャリアアップにつながります。また、チームリーダーや主任といった役職が与えられることで、給与が上がる場合もあります。
統率力がある人の特徴・共通点
統率力がある人の共通点は、次の5つです。
・決断力がある
・コミュニケーション能力が高い
・知識や経験が豊富で、実務能力が高い
・周囲に気を配れる
・いつもポジティブで、精神力が強い
それぞれの特徴について、以下で詳しく解説します。
決断力がある
チームを率いる立場の人は、日々決断の連続です。統率力がある人は、自分が決断すべき場面において、自らの責任のもとでベストな決断を下せます。決断力が高いため、意思決定もスピード感を持って行えるでしょう。また、自分の決断に責任を持つので、メンバーからの信頼も得られます。
コミュニケーション能力が高い
統率力を発揮するためには、メンバーとの信頼関係を構築する必要があります。多様な価値観やバックボーンを持つ人と関係性を築くためには、コミュニケーション能力が不可欠です。そのため、統率力がある人は、さまざまな個性を持つメンバーとよい関係を築き、チームとしての団結力も高める力があるといえます。
知識や経験が豊富で、実務能力が高い
リーダーとしてチームを率いるためには、実務能力も求められます。業界や業務に関する知識や経験が豊富でないと、人をまとめて的確な指示を出すことはできないためです。そのため、統率力が高い人は知識や経験が豊富で、実務にも長けている傾向があります。
周囲に気を配れる
統率力がある人は、場の空気を読むだけでなく、メンバー1人ひとりをしっかりと観察しています。業務だけでなくメンタル面もフォローして、従業員のモチベーションを高められるようサポートすることが得意です。
周囲を観察することは、どのメンバーにどの仕事を任せるか決めるうえでも重要になるため、リーダーには欠かせない能力といえます。
いつでもポジティブで、精神力が強い
業務にミスやトラブルはつきものです。そのため、チームをまとめて指示を出すリーダーには、タフな精神が求められます。統率力が高い人は、困難な状況のなかでも慌てずに、チームを率いる精神的な強さを持っています。どのようなときも持ち前のポジティブ思考で周囲を励まし、勇気づけることができるでしょう。
統率力を身につける方法
統率力を身につけるためには次の方法があります。
自分のなかに明確な判断基準を持つ
意思決定を早くするためには、自分のなかに明確な判断基準を持つことが重要です。判断の軸がないままチームを率いる立場につくと、なにかある度にその都度判断に迷ったり、毎回判断が変わってしまったりします。
普段から「自分ならどうするか」と考えて、なぜその判断をしたのか、なにを基準に判断したのか、といった部分まで掘り下げて考えるようにすると、決断をスピーディに行えるようになるでしょう。
人を頼り、人に頼られるよう行動する
チームを率いるためには、メンバーから頼りにされる存在になる必要があります。1つひとつの仕事や、仲間とのコミュニケーションを大切にして、周囲から信頼される行動を心がけましょう。ただし、リーダーがなんでも自分でこなしてしまうと、メンバーの成長につながりません。そのため、ときにはメンバーの力を借りることも重要です。
目標やビジョンを明確化する
目標やビジョンは、行動や判断を決める指標になります。忙しくても常に目標やビジョンを意識し、「この案件のゴールはなにか」「進むべき方向はどこか」といったポイントを認識し続けましょう。
ロールモデルを設定する
自分の理想とするリーダー像に合う人を思い浮かべ、その人をロールモデルとすることもおすすめです。ロールモデルとする対象は身近な人物だけでなく、著名人や偉人でも問題ありません。その人の振る舞いや言動を観察して、自分に不足している部分を分析することが大切です。
話すときは結論から伝える
人になにかを伝えるときは、まず結論から話すことを意識してみましょう。ものごとを論理的に判断したうえで、結論を伝える訓練をします。
結論からわかりやすく伝える手法として、「PREP法」というフレームワークの活用もおすすめです。PREP法は4つの要素で構成され、次の順番で説明することで、相手に話を理解してもらいやすくなります。
・Point :結論
・Reason :理由
・Example:具体例
・Point :結論
実務経験を積み重ねる
統率力は、実践の場で経験を積むことで高まっていきます。リーダーとしての経験を積むことが難しい場合は、司会進行やグループワークの仕切り役などでもよいでしょう。こうした「人をまとめる立場」に自ら立候補して、積極的に経験を積むことが大切です。
研修やセミナーを受講する
統率力やリーダーシップを向上させるための研修や、セミナーを受講するという方法もあります。企業としても、研修やセミナーを実施して、従業員が統率力を高められるようサポートすることが大切です。リーダー以外の従業員も参加して、1人ひとりが統率力を身につけることが望ましいでしょう。
まとめ
統率力とは、自ら先頭に立って、チームや組織を率いていく力のことです。統率力を高めるためには、決断力やコミュニケーション能力、精神力などさまざまな能力が求められます。
リーダーとしての実務経験を積む以外にも、ロールモデルをつくる、研修やセミナーを受講するなど、統率力を高める方法はさまざまあります。従業員の統率力を高め、企業の成長につなげましょう。
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